コードギアス 魔王の弟   作:ボートマン

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というわけで後編です。


第6話

あれから状況は変わらず、気づけば夜になっていた。

 

サフィールは連れてこられた部屋で人質やユーフェミアの事を考えていた。

 

「こちらで調べさせてもらった。」

 

草壁が立ち上がりながら言いこちらに近づいてきた。

 

「確かに嘘はついていなかったようだな。」

 

「本当だとわかったなら人質を解放してくれ。」

 

本当だとわかった今ならと思い、もう一度人質を解放するよう要求する。

 

「残念だがそれは出来ない。」

 

「どうして何だ!」

 

銃を突き付けられながらも立ち上がり訪ねた。

 

「貴様らがブリタニア人だからだ!」

 

「それだけで!」

 

「それだけだと!貴様らのせいで我々は国だけでなくあらゆるものを奪われたんだ!」

 

「だからといって関係のない一般人を巻き込むな!」

 

お互いに一歩引くことが出来ずに叫んでいた。

 

「うるさい!貴様には色々と役だってもらう。」

 

そして、日本解放戦線は交渉に応じないコーネリアに対し、人質を突き落とすという暴挙に出た。

 

「我々の要求に対して何らかの返答がなされない限り、30分ごとに一人ずつ飛んで貰う。人質の為にも誠意ある対応を期待する。なお、余計なことをすればこの者が次に飛んで貰うこと覚えておくように。」

 

そう言って映像にサフィールが映った。

 

「見せしめというわけですか、野蛮人め!」

 

解放戦線の暴挙にダールトンはそう吐き捨てた。

 

「サフィール殿下がすでに敵の手にあるのが痛いですね。」

 

ギルフォードはこの状況にどうすればいいか迷っていた。

 

「だからといってテロに屈するわけにはいかん!」

 

そう言うコーネリアだが異母弟の命がかかっており焦っていた。

 

「では強攻策を?」

 

「それではサフィール殿下の命を危険に晒してしまうのではないでしょうか?それにユーフェミア様の安全を確保しなければならないでしょう。」

 

「(ユフィ!サフィール!)」

 

どうしようも出来ない状況に焦っていると、焦った様子の兵士が近づいてきた。

 

「総督!ゼロが!ゼロから連絡が入りました!」

 

ゼロが現れたという報告にコーネリアは頭が痛くなってきた。

 

とはいえここで考えている暇もなく、コーネリアは格納庫に向かいギルフォードとダールトンは追従した。

 

 

 

ゼロがコーネリアに接触していた頃、サフィールは人質を突き落とすという暴挙に怒りが込み上がっていた。

 

「こんなことが、こんなことが貴方達のやり方なんですか!」

 

立ち上がったサフィールに兵士達は銃を突きつけるが、今のサフィールには眼中にはなかった。

 

「こんな事だと?」

 

「そうだ!関係もない一般人の命をなんとも思わないのか!」

 

サフィールの言葉に草壁は持っていた日本刀を叩きつけた。

 

「ぐっ!」

 

「貴様に一体何がわかる!貴様等こそ多くの同胞の命を奪っておいて!」

 

再び日本刀を叩きつけおうとした時、一人の解放戦線の兵士が草壁に何か耳打ちした。

 

「何!ゼロが・・・」

 

「ゼロ?」

 

ゼロがここ来ているのかと思い、まさか解放戦線と手を組みにきたのかと最悪の未来を考えてしまった。

 

「ふんっ!命拾いしたな!」

 

草壁は兵士に目配せすると兵士はサフィールを立ち上がらせた。

 

「こっちだ。」

 

サフィールを立ち上がらせると、別の部屋に移動するように言った。

 

部屋を出て別室に向かう途中、サフィールは黒い仮面をつけた人物を捉えた。

 

「ゼロ・・・」

 

ゼロもこちらを捉えるが、つけている仮面のせいでどんな表情をしているかわからなかった。

 

「・・・・・・サフィール」

 

「えっ?」

 

ゼロが自分の名前を呼んだように聞こえサフィールは驚いていた。

 

草壁達ですら調べるまでわからなかったのに、ゼロが自分を知っていることに困惑していた。

 

そして、部屋の中に入れられ、扉を一人の兵士が見張っていた。

 

しばらくすると突然銃声が聞こえてきた。

 

見張りは銃声の確認に急いで向かった。

 

「今なら。」

 

扉を開けて辺りに誰もいないことを確認すると部屋を出た。

 

草壁達がいた部屋向かう途中、黒を基調とした制服の集団を見つけ急いで隠れた。

 

「あれは?」

 

「こっちの爆薬の設置は完了したぜ。」

 

「なら、ゼロの指示通りに移動するぞ。」

 

ゼロの指示という言葉に彼等はゼロの部下と考えた。

 

彼等が何処かに移動したのを確認し、サフィールも移動を再開した。

 

移動中サフィールはあることに気づいた。

 

「解放戦線の兵士がいない?」

 

巡回の兵士がいない事におかしいと思った。

 

注意しながら移動し、目的の部屋が見えてきた。

 

「これは・・・一体?」

 

扉の前には解放戦線の兵士が両手を挙げて組んでいた。

 

兵士達が何処かに移動し、誰もいない事を確認すると部屋から声が聞こえてきた。

 

「そう、クロヴィスが死んだからですね。私が殺した。」

 

「ゼロ?」

 

部屋の中にゼロがいるのはわかったが誰と話しているのかが気になった。

 

「彼は最後まで私におもねり命乞いをした。」

 

ゼロはクロヴィスを殺した時の事を淡々と話していた。

 

「イレヴンを殺せと言ったその口で。」

 

「だから兄を殺したんですか?」

 

「(ユフィ姉様!)」

 

ゼロと話している人物がユーフェミアだと分かるとサフィールは焦り出した。

 

「いや。」

 

「では、なぜ?」

 

「あの男がブリタニア皇帝の子供だから。」

 

「(何で・・・父上が?)」

 

ゼロがクロヴィスを殺した理由が皇帝の息子だからという事に、ゼロの考えがわからなかった。

 

「そういえば、貴女もそうでしたね?」

 

嫌な予感がしサフィールは部屋に飛び込んだ。

 

「ユフィ姉様!」

 

「サフィ!」

 

突然飛び込んできたサフィールに驚きながらも、無事であることにユーフェミアは安堵した。

 

「っ!お前は!」

 

ゼロも飛び込んできたサフィールに驚いていた。

 

「ゼロ!貴方には聞きたいことがある!」

 

銃を構えるゼロの前に立ち、何故自分のこと知っているのか聞くつもりでいた。

 

「こちらから話すことはもうないものでね。」

 

銃を下げどういう事だと思うと、ホテルが突然揺れだした。

 

「うわっ!」

 

突然の揺れにサフィールは倒れそうになった。

 

だが、倒れそうになったサフィールを誰かが支えていた。

 

見上げると支えていたのはゼロだった。

 

支えているのがゼロだとわかると、サフィールは急いでゼロから飛び退いた。

 

「さて、死にたくなければ私の指示に従ってもらおう。」

 

「・・・わかった。」

 

本来ならテロリストの指示に従うつもりはないが、自分ではどうすることもできないため従うことにした。

 

それから先ほど見かけた黒い制服を着たイレヴンに誘導され、他の人質達と一緒にボートに乗せられた。

 

「ゼロは一体何を企んでるんだ?」

 

ゼロの考えが分からずに困惑していた。

 

「ブリタニア人よ、動じることはない。」

 

「一体何を始めるんだ、ゼロ?」

 

「ホテルに囚われていた人質は全員救出した。貴方方の元にお返ししよう。」

 

「よく言う。」

 

もし、ゼロを捕らえようとすれば自分達は人質に逆戻りするだろう。

 

そして、サーチライトがゼロを照らし出した時、サフィールが見た黒い制服を着たイレヴン達が整列し照らし出していた。

 

「人々よ!我らを畏れ、求めるがいい!我らの名は黒の騎士団!」

 

「黒の・・・騎士団?」

 

「我ら黒の騎士団は武器を持たない全ての者の味方である!イレヴンだろうとブリタニア人であろうとも!」

 

ゼロ達を照らすサーチライトがスポットライトのようになっており、ゼロの演説は続いていく。

 

「日本解放戦線は卑劣にもブリタニアの民間人を人質に取り無残に殺害した。これは無意味な行為だ、故に我々が彼等に制裁を下した。」

 

まるで正義の味方のようにゼロは語っていた。

 

「クロヴィス前総督も同じだ。武器を持たぬイレヴンの虐殺を命じた。このような行為を見逃すわけにはいかない、故に私は彼に制裁を加えたのだ。」

 

クロヴィスを殺した事を美化しているように言っているが、サフィールは理由がそれだけじゃない事をあの場で聞いていた。

 

「私は戦いを否定しない。だからといって、強者が弱者を一方的に殺すことを断じて許さない!撃っていいのは撃たれる覚悟がある奴だけだ!」

 

ゼロの演説はまるで劇のように語っていた。

 

「我々は力ある者が力無き者を襲う時に再び現れるだろう。たとえその敵がどれだけの力を持っていたとしても。」

 

この演説はブリタニアへの宣戦布告のようにサフィールは捉えてた。

 

ブリタニアが力無き者を襲えば自分達が牙を剥くと。

 

「力ある者よ、我を畏れよ!力無き者よ、我を求めよ!世界は我々黒の騎士団が裁く!」

 

ゼロの演説が終わると、船はブリタニア軍が包囲してる中悠々と進み黒の騎士団は逃げ延びた。

 

その後、サフィールやユーフェミアや人質は軍に無事に保護された。

 

純血派のメンバーも来ており、とても心配された。

 

特にジェレミアなんかは無事であったことが分かると凄く号泣していた。

 

それをヴィレッタと二人で宥めるのに大変だった。

 

「(それにしても、あの時。)」

 

ジェレミアを宥める中、ゼロに支えられた時を思い出す。

 

「(何故かとても懐かしいように感じた。)」

 

ゼロに体を支えられた時の感覚が、まるで昔誰かに支えられた時と同じように思えた。

 

「(そんな訳ないか。)」

 

色々あって疲れているんだと思い、ある考えを否定した。

 

 

 

 

サフィールのブラックリベリオンの分岐点

  • カレン達と共に国外に逃亡
  • V.V.にナナリーと共に連れ去られる
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