「話・・・ですか?」
「はい。できればあまり人目につかない所で。」
純血派の執務室で戦術論の教本を読んでいたサフィールに、ジェレミアとヴィレッタの二人から話したいことがあるそうだ。
「わかりました。場所はどうしましょう。」
「場所はこちらで用意してます。」
そして、二人に案内され資料室に案内された。
「こんな所で申し訳ありません。」
「いえ、構いません。それで話とは?」
「はい。殿下には以前話した枢木スザク強奪事件で、私の記憶が喪失していたことを話したことは覚えていますか?」
「はい。それが何か?」
ジェレミアがヴィレッタに頷くと今度はヴィレッタから話があるようだ。
「殿下、実は私もジェレミア卿と同じように記憶の喪失を経験しているんです。」
「それは何時頃ですか?」
「シンジュク事変の時です。」
「詳しい話を。」
「シンジュク事変の時、私はゲットーの廃墟で銃声が聞こえ行ってみると、我が軍の兵士の死体と学生服の少年を発見しました。」
「学生ですか?」
「はい。あの制服は確か、私立アッシュフォード学園の制服でした。」
「アッシュフォード学園・・・」
アッシュフォード学園の制服はスザクに会いに行った時に着ていた制服だ。
「その少年と会ったところまでは覚えているんですが、それ以降の記憶が無く気づけばサザーランドを奪われていました。」
ヴィレッタの話を聞けば聞くほど、ジェレミアの記憶の喪失と酷似していた。
「これが本当ならその学生服の少年がゼロの可能性が高いですね。」
「やはり殿下もそうお考えなられますか。」
「その学生服の少年の顔は覚えていますか?」
その少年の顔さえ分かれば、少年がゼロなのか直ぐにでも調べることができる。
「申し訳ありません。その少年の顔は思い出すことができませんでした。」
ヴィレッタはそうに言い、その表情はとても残念そうだった。
「ちなみこの話を知っているのは?」
「我々の他にディートハルト・リートという報道屋にその少年を調べるように頼んでるのでこの四人だけかと。」
「わかりました。ゼロの事も大切ですが、今はナリタ連山での作戦に集中しましょう。」
コーネリアはナリタ連山が日本解放戦線の本拠地である情報を掴んだため、近日このナリタ連山に軍を率いて向かう予定だ。
当然純血派もこの作戦に加わるつもりだ。
「「イエス.ユア・ハイネス」」
そして、ついにコーネリアは軍を率いてナリタ連山に向かい始めた。
サフィールは旗艦であるG1ベースでダールトンが説明する作戦概要を聞いていた。
「この地域に日本解放戦線の本拠地があるのは確実です。」
画面が変わりナリタ連山の地形が表示される。
「すでに四個大隊を七つに分け伏せています。あとは総督の合図を待って一気に包囲もを狭め殲滅します。」
「包囲網の外側から敵が現れることはないのでしょうか?」
作戦の説明が終わり、ユーフェミアが疑問に思ったのか聞いてきた。
「ゼロか?」
「ご安心ください。作戦開始と同時に周辺道路及び山道を封鎖します。」
「友軍もある下手に姿を表せばその時がゼロの最期となろう。」
「お言葉ですが総督、ゼロは侮らないほうがよろしいかと。」
サフィールがコーネリアに向かってそう言うと、この場にいる者の視線がサフィールに集まる。
「それはどういう意味だサフィール?」
「ゼロはこれまでとは違い力を着実につけています。サイタマの時とは違い侮らない方がよろしいかと。」
「お前は私がゼロに負けるとでも。」
コーネリアの視線は鋭く、サフィールは怖気付くことなく言う。
「思いませんがこの国のことわざに窮鼠猫を噛むという言葉があります。」
「ほう?」
「どれだけ弱い者でも強き者に牙をむく。敵を侮れば手痛いしっぺ返しを食らう可能性もあります。」
その言葉にコーネリアは感心するような表情になった。
「確かにお前の言う通り敵を侮ればこちらも無傷にはいかないだろう。それでも我々は敵に屈するわけにはいかん。わかるなサフィール?」
「はい。不躾なことを言い申し訳ありません。」
「構わぬ。そのように考えることも大切だが弱気するのもどうかと思うぞ。」
「はい。」
それからサフィールはグロースターに乗り込んで発進し、ジェレミア達と合流した。
各部隊の配置が進む中、今回の作戦に限って純血派は後方部隊として配置された。
「殿下なぜ我々は後方なのでしょう?」
「すみません。私も詳しいことは聞かされておらず。」
何故サフィールの部隊が後方に配置されたのは、河口湖の件で無茶をさせない為というコーネリアの考えがあったためだ。
『全軍作戦開始!』
コーネリアの合図が来て各方面に展開していた部隊が行動を開始した。
そこからは圧倒的としか言えなかった。
解放戦線はこのナリタ連山を要塞化し、迎撃にグラスゴーをコピーして生産した無頼を出撃させているが悉く撃破されていった。
徐々に包囲は狭まっていき、ダールトンが担当する戦域から信号弾が上がった。
「どうやら決着はついたというところか。」
敵本拠地に通じる入り口を発見したようだ。
『予備部隊は直ちにダールトン将軍の下に移動せよ。繰り返す予備部隊はダールトン将軍の下に直ちに移動せよ。』
やっと出番が来たようだ。
『サフィール殿下の部隊はそのまま待機してください。』
ところがサフィール達だけそのまま待機するよう命令された。
「すみません。何故、我々だけ待機なんですか?」
『そ、それが総督から命令されて・・・』
少し怒り気味に言うと、相手のオペレーターは焦りながら言った
「はぁ、わかりました。」
オペレーターに当たっても仕方なく待機することにした。
するとナリタ連山が揺れだした。
「なっ!これは一体!?」
「殿下あれを!」
ジェレミアが示す方に視線を移すと、山崩れが起き日本解放戦線やブリタニア軍は巻き込まれていく。
「あれではダールトン将軍とアレックス将軍の部隊が!」
キューエルの言う通り山崩れはダールトンとアレックスがいる場所を通過している。
山崩れが麓まで行き、戦力は大幅に減少していた。
この山崩れによって各部隊が混乱する中、サフィールは地形図を確認した。
「この状況・・・総督の部隊が孤立している。それにこれは日本解放戦線がやったとは思えない。」
この山崩れを起こした人物がサフィールは一体誰なのかわかった。
「各機!我々はこれより総督と合流する!この状況を作り出したのは・・・ゼロだ!」
「しかし我々は待機を命じられてます!」
ヴィレッタが止めようとするが命令どころではない。
「総督を失うわけにはいきません!」
そこへ味方から通信がきた。
『カリウス隊が新たな機影を確認!敵は日本解放戦線ではありません!敵は・・・黒の騎士団です!』
「ゼロだ!よくぞ現れてくれた!ゼロぉぉぉ!」
敵がゼロだとわかるとジェレミアは単騎でゼロに向かってしまった。
この行動にサフィールは頭が痛くなった。
優秀なパイロットであるが、ゼロが関わると暴走してしまう。
「ああもう!ジェレミア卿の後を追います!」
「イエス・ユア・ハイネス!」
サフィールはすぐさまジェレミアの後を追い、ヴィレッタやキューエルなど他の純血派のメンバーも従ってくれた。
向かう途中黒の騎士団と交戦していたカリウス隊のシグナルがLOSTした。
「カリウス隊が全滅だと!」
やはりサイタマの時とは違い、力をつけたゼロがブリタニアに牙をむいた。
「ジェレミア卿!」
「なっ!殿下ここは危険です!お下がりを!」
サフィールが来たことに気づき慌てて下がるように言ってきた。
「ゼロをここで止めなければ総督が危険なんです!」
そう言いレーダーを確認すると、所属不明の機体を発見した。
「ゼロ!」
サフィールはアサルトライフルを構え、無頼に先制攻撃した。
アサルトライフルの弾丸は一機の無頼の脚に命中し、これ以上の戦闘は不可能でパイロットは脱出した模様だ。
状況は違うが再びサフィールはゼロと相対したのである。
活動報告でアンケートを取りますので後で確認してください。
サフィールのブラックリベリオンの分岐点
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カレン達と共に国外に逃亡
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V.V.にナナリーと共に連れ去られる