隣のほうから来ました   作:にせラビア

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LEVEL:15 慟哭

「ザボエラめ、余計なことを……」

 

先ほど援軍として空から降りてきたサタンパピーたちを、そして今まさに呼び出されようとしている正体不明の人影を見ながら、クロコダインは忌々しげに呟いた。

ダイの親であるブラスを人質にして戦う。最初にザボエラが持ち掛けてきたこの作戦だけでも、クロコダインからしてみればお世辞にも褒められたものではない。それに加えてこの増援。

言外に「クロコダインの実力を信用していない」と訴えているも同然だ。そもそもロモスはクロコダインと百獣魔団の担当地域である。そのロモスで妖魔師団がこれだけ暴れていることも彼からしてみれば腹立たしい。自らの縄張りとでも言うべき場所を部外者に我が物顔で歩き回られて、よい顔など出来ようはずもない。

 

「チッ……!!」

 

だがクロコダインはその苛立ちの感情を飲み込んだ。この事態を招いたそもそもの原因は、己がザボエラの奸計に乗ってしまったからだ。あのとき、差し出された魔法の筒を受け取らなければ……

脳裏によぎった「もしも」の考えをクロコダインは捨て去る。理由はどうあれ、自分は受け取ってしまった。ならばどのような言葉ももはや言い訳にしかならない。

 

――全てのことはダイに勝利してからだ。

 

「さあ行けッ! 鬼面道士ブラスよ!!」

 

覚悟を決めたクロコダインが吠える。

魔法の筒から解き放たれ、それまで沈黙を守っていたブラスの瞳が怪しく輝いた。

 

 

 

「鬼面道士……」

「あれが、ダイ殿とチルノ殿の……」

 

玉座の間に現れたブラスの姿を見ながら、兵士たちが恐ろしげに呟いた。無理もない。現在のブラスは邪悪な意思の影響下にあり、まだ目立った動きこそ見せていないものの、禍々しい気配を漂わせている。百獣魔団と最前線で戦っていた兵士たちにとってみれば、感じる気配は戦闘時に通ずるものがあった。

 

「無茶を承知でお願いします。傷をつけないでください」

「おれからもお願いだよ! じいちゃんを助けたいんだ!!」

 

ダイとチルノにそう言われて、兵士たちは自分たちが無意識のうちに手にした武器を強く握りしめ、今にもブラスに襲い掛からんばかりの精神状態になっていたことに気づき、少しだけ力を抜く。二人の親だということは、彼らも僅かな会話を聞いていたために理解できていた。可能であれば助けてあげたいという気持ちは嘘ではない。

 

「し、しかし……」

 

だが兵士たちは困惑を隠せなかった。それはすなわち、モンスターを傷つけることなく倒せと言っているようなものだ。そんな無理難題をどうやって実現させろというのか。その方法がまるでわからない。悩みによって動きを鈍らせた兵士たちを元気付けるように、チルノは口を開いた。

 

「大丈夫、私が無力化させま……!? くっ!!」

 

だがその言葉を最後まで言い切ることは出来なかった。

突如としてサタンパピーの振るった鞭がチルノへと飛び、彼女の細い首筋へ蛇のように巻き付く。未だにヘイストの効果が持続していたおかげもあって、彼女はとっさに腕を滑り込ませて首を直接締め上げられるような事態だけは避けたが、状況は芳しくない。巻き付いた鞭によって片腕が封じられた上に、鞭という紐付きのせいで移動まで制限されている。

 

「もう少しだけ、大人しくしててくれればいいものを……っ!!」

 

無駄とは知りつつも、チルノは悪態をつかずにはいられなかった。

彼女の知る本来の歴史では、ブラスが人質となっているせいで満足に戦うこともできず、ダイたちは苦戦を強いられる。それを知っているからこそチルノは、ブラスを無力化させてさっさと後顧の憂いを断っておくつもりだった。

相手を眠らせる魔法や麻痺状態にする魔法が使えるのに加えて、マホカトールを封じ込めたアバンの守りを持ってきている。加えてデルムリン島から持ち出してきた魔法の筒を使えば、無力化したブラスをすぐさま封じ込めて安全な場所に避難させることだってできる。

アバンの守りによって邪悪な意志の影響からギリギリ耐えさせる当初の案と比べれば見劣りするものの、ブラスはすぐにでも回収出来てザボエラの策は意味をなさなくなるはずだった。

 

しかし、サタンパピーの邪魔がすべてを台無しにしていた。

そもそもチルノの知る歴史では、ここでサタンパピーなど登場しない。ザボエラの策はブラスを利用することだけだ。それがいざ参戦してみれば、当初の予定に加えて三匹のサタンパピーが増えており、未確認だがさらにまだ敵の増援がいるらしい。

これは自分がいるせいで歴史が変わった影響か? それともロモスにたどり着くまでの道中、ダイたちが何か目立った活躍でもして警戒を強められたのか?

 

いずれにせよ、原因を幾ら考えても目の前の現実は変わるはずもない。まずはこの邪魔なサタンパピーをどうにかしなければ。

おそらくこの場で唯一、ブラスを無力化することが可能なチルノを邪魔するなど、やられる方からしてみればたまったものではない。そして敵もそれを理解しているのだろう、鞭を通じてチルノと繋がっているサタンパピーがニヤニヤと下卑た笑いを浮かべている。

まるで、苛立つチルノへの嘲笑のようだ。

 

「コイツ!! 姉ちゃんを離せ!!」

 

チルノが拘束されたことに、ダイがすぐさま反応した。手にしたばかりの自分用のナイフで鞭を切断しようと遮二無二飛びかかった。普段のダイならばまずありえない行動。姉が捕まったことで、注意はそちらにしか向かなくなっていた。最悪なことに、今最も注意しなければならない相手を無視したまま。

 

「メラミ!!」

 

その隙を見逃すほど敵は愚かではなかった。ブラスが呪文を唱え、火球をダイへ向けて放つ。育ての親から子供に向けての行動だが、邪悪な意志によって凶暴化しているブラスには一片の手加減も存在していない。

 

「ッ!? ヒャド!」

 

自身へと迫りくる火炎に向けて、ダイは氷系呪文で咄嗟に迎撃する。辛うじて発動が間に合い、メラミとヒャドがぶつかり合う。炎と氷という相反する属性同士がぶつかり合ったため、瞬間的に反作用からの爆発が起きる。爆発の余波と炎が氷を打ち消したことで勢いが削がれ、メラミの威力が弱まった。

呪文の格としてはメラミの方が上だが、そのおかげでダイはなんとか直撃を回避する。

 

「じいちゃん!! なん、でだ……よ……」

 

思わずブラスへと叫んだダイは、そして気づいた。ブラスのダイを見る瞳には、もはや一片の情も見られない。そこには完全に凶暴化したブラスの姿があるだけだ。

かつて一度も見たことのない殺意に満ちたブラスの瞳。慕う肉親の変わり果てたその姿は、ダイの気勢を容赦なく奪い取っていた。

姉の危機と育ての父の変貌がダイの心を打ちのめす。そしてブラスは、そんなダイの心へさらに傷を与えるかのように次の呪文を放った。

 

「メダパニ」

 

続けてブラスから放たれたのは、鬼面道士の代名詞とも言える精神混乱呪文だった。この呪文の影響を受けた者は、感覚神経を侵され幻覚に囚われる。正常な判断を出来なくさせ、同士討ちを誘発させる恐ろしい呪文。

 

「うわあああああっっ!!」

 

その対象となったのは兵士のうちの一人だった。メダパニに囚われた彼の目には、仲間であるはずの兵士たちの姿が恐ろしい怪物に見えている。身の毛もよだつほどの恐怖に襲われ、兵士は悲鳴を上げながら手にした剣を振り回して同士討ちをはじめた。

 

「あああぁぁっ!!」

「落ち着け!! どうした!!」

 

慌てて仲間の兵が取り押さえようとするが、それすらも混乱中の彼から見れば化け物が手を伸ばして襲い掛かって来る光景にしか見えない。恐慌状態はさらに加速し、狂乱して剣を振るう。

その様子を見ながら、ブラスはニヤリと笑った。

この場で最も強いが呪文に抵抗しそうなダイに掛けるのではなく、あえて兵士に使うことで確実性を増し、人だけでなく場をも混乱させる。かつての魔王軍幹部であるブラスの得意技である。

厳しくも優しかったはずのブラスが嘲笑するその姿は、ダイの心に悲しみを植え付けていた。

 

 

 

「きゃあっ!!」

 

サタンパピーとしばらくの間、鞭を使った綱引きをしていたチルノであったが、ブラスのメダパニによる場の混乱に気を取られた隙に、サタンパピーは鞭を強く引っ張った。意識の間隙を突かれた上に、予想以上に強力なサタンパピーの膂力はチルノの体が軽く宙に浮いたほどだ。まともに抗うこともできずに引っ張られ、そしてチルノは床へと無理矢理引き倒される。

サディスティックな性癖でも持っているのか、それを見ながらサタンパピーたちは下卑た笑いをさらに濃くする。

 

「よいぞサタンパピーよ! その小娘は何やら無力化の手段を持っとるようじゃ! 徹底的に妨害せよ!! 分断して殺せ!!」

 

チルノが床に這いつくばるのを見たためか、悪魔の目玉を通して聞こえるザボエラの声もまた悦に入っていた。

 

――まずはこの鞭をどうにかしないと。

 

倒れた格好のまま、パプニカのナイフを鞭へと叩きつける。だが鞭はチルノが考えるよりもずっと柔らかく弾性に飛んでいたようだ。ナイフの刃は鞭に食い込むものの一向に切断できそうな気配が見られない。

つけ加えれば、倒れた格好のままであることと、短剣を握っているが利き腕とは逆の手なことも原因だろう。ゴリゴリとまるでノコギリでも引いているかのように不格好にナイフを使うチルノを見ながら、サタンパピーたちはゲラゲラと笑った。

嘲笑を聞きながら数回ナイフを動かしたところで、チルノはようやく気付いた。

 

「【かえんほうしゃ】!」

 

何も切断するだけが解決法ではない。例えば、焼き切ってしまえばいい。青魔法によって生み出された炎は鞭を半ば辺りから焼き切りながら尾を引きながら伸びていき、そのままサタンパピーへと襲い掛かる。

それまで馬鹿笑いをしていたサタンパピーも鞭を放り投げると慌てて火線から逃げた。鞭を手放したことでチルノも力任せに戒めを解いて立ち上がる。

だが起き上がったチルノが見たものは、先ほどとは違い警戒した様子でこちらを睨む三匹のサタンパピーの姿であった。

 

「……もう少しくらい、油断してくれてもいいのよ?」

 

姿勢を整え直しながらそう言うが、サタンパピーの様子から油断の色は見られない。

一人で三匹を相手にするのには少しでも楽な方が良いのだが、期待はまるでできなさそうだ。なんとかポップたちに助けを求めたいのだが、果たして彼らにそんな暇はあるのか。

チルノは、彼女も知らないザボエラの最後の策を前になんとかポップたちが無事でいてくれるように願いながらサタンパピーを相手取る。

 

 

 

「アバン……先生……?」

 

煙のカーテンに包まれたその向こう、うっすらと見えるそのシルエットを見ながら気づけばポップはそう零していた。

ポップのその言葉の真相を明らかにするかのように、煙がゆっくりと晴れていく。

見えてくるのは、中世の貴族にも似た外巻きにカールされた長髪。見慣れた真っ赤な服をまとい、眼鏡も掛けている。それだけならば、彼を知るものは誰しもアバンだと言っただろう。

 

「あ、うあぁ……」

「そんな……」

 

だがそれ以上に、決定的に違う部分が無数にあった。

格式すら感じたはずの赤い服は、焼け焦げているうえに着古したようにボロボロになっている。その服の下から見える体は、傷ついてグチャグチャだ。裂傷や擦過傷に加えて、針でも刺したかのような穴が開いている部分も見られる。まるで拷問でも受けたようだ。肌の色は全体的に土気色をしており、瞳からはおおよそ生気というものの一切が感じられない。焦点の合わぬ目であらぬ方向を見据えたまま、立つこともおぼつかないのかフラフラと体を揺らしている。鼻の曲がりそうな悪臭を放つ腐った肉体。

その姿は、まさにゾンビ――腐った死体そのものだった。

 

「ワシからのプレゼントは気に入ってくれたかな、アバンの使徒どもよ?」

 

絶句するポップとマァムに向けて、ザボエラは楽しげに尋ねた。

 

「ふ、ふざけんじゃねえ!! こんなものに騙されるかよ!!」

 

目の前の相手を一瞬でもアバンだと思ってしまったことを恥じ、それを誤魔化すためにも必要以上に大声を張り上げた。

確かにアバンに似ているが、それは恰好だけだ。これはただのモンスター、腐った死体を変装させただけでしかない。ポップは怒りに身を任せながら攻撃呪文を放とうとする。

 

「何を言う? 貴様らの愛しの先生じゃぞ」

 

その行動に、ザボエラが待ったをかける。だがその言葉はポップの怒りのボルテージをますます上昇させた。彼にはもはや、何も知らない相手が馬鹿なことを言っているようにしか見えなかった。

 

「馬鹿なことを言ってんじゃねぇ!! 先生は……」

「メガンテでバラバラになって吹き飛んだ、かのぅ?」

「なにっ!?」

「え……!?」

「なんと……」

 

間違いを指摘することでザボエラの無知さと浅慮さを思い切り叩いてやろうと思っていたポップであったが、ザボエラの言葉に動きが止まった。いや、動きが止まったのはポップだけではない。何があったのかを聞いていたマァムも、そしてデルムリン島で起きたアバンの事件の顛末を知らないシナナ王も同様だ。

 

「ハドラー様から事の顛末はワシも聞き及んでおる。そのくらいのことは知っておるわ」

 

ポップたちが動きを止めたことをこれ幸いと、ザボエラは滔々(とうとう)と語る。

 

「それを聞いたとき、ワシは考えた。死した勇者を再利用できんか、とな。肉体を失い彷徨う魂を捕獲し、死体を素材に培養した新たな肉体へと再び詰め込むことで新たな魔王軍の兵士として生まれ変わらせる。それがこいつじゃ!!」

「嘘をつくんじゃねぇ!! どう見ても失敗しているだろうが!!」

「命を、先生の命をなんだと思ってるの……!!」

 

ザボエラの弁を聞いたポップたちが激昂したように叫ぶ。だが彼らは気づいているだろうか。その言葉は、目の前のゾンビをアバンだと自分で認めつつあることに。

二人の言葉からそれを確信したザボエラは、さらに説明を続ける。

 

「さて何が悪かったのやら? 死体の損傷が激しすぎたのか魂すら傷ついたのか、生ける屍(リビングデッド)の禁術もうまくいかんかった。勇者の加護とかいうやつかの? そんな姿になってしもうたわ」

 

ザボエラは本来の歴史において、今よりも先に超魔ゾンビと呼ばれるモンスターの死体を利用した魔獣を生み出している。これはその研究の一環。死者を利用する研究で培った技術のちょっとした応用だ。

そもそも本来であれば、腐った死体やグールに代表されるアンデッド系モンスターは不死騎団の所属である。だがザボエラ率いる妖魔師団には、シャーマン、ゾンビマスター、マクロベータといったモンスターが所属している。奴らは死者を操り自らの手駒として扱うモンスターだ。そのモンスターの用いるアンデッドを作成する禁術とザボエラの研究成果の融合した結果こそが、ポップたちの眼前にいるゾンビであった。

 

「ああ、信じなければそれでも構わんぞ。そやつは再びあの世に行くだけじゃからな。ほれほれ、さっさと倒してしまったらどうじゃ? 自称・正義の使徒たちよ」

 

言うべきことは全て話したとばかりに、ザボエラはポップたちの心をくすぐるような勿体ぶった物言いをする。ゾンビを倒さなければならないという気持ちと、これがアバンかもしれないという浮かび上がった疑念。その二つに挟まれたポップたちはまともな思考が出来なくなっていた。

だが迷っている間にも、ゾンビはポップたちへと襲い掛るべくゆっくりと移動してくる。

 

「お……が、あ……ああ……」

 

口から涎を垂らしつつ、意味ない言葉で呻きながら近寄ってくるゾンビを前にしてもなお、ポップもマァムも動けなかった。マァムは背負っていたハンマースピアを構えてはいるものの、それだけだ。ポップも短杖を手にしたまま、最初の勢いはどこへやら、攻撃も防御も忘れたようにただ様子を見ている。

ゾンビは完全に二人に狙いを定めているようだ。そして周りのモンスターたちもそれを認識しているらしく、加勢も邪魔もしてこない。

 

「先生! 本当にアバン先生なんですか!? 私です、マァムです!!」

 

堪え切れず、弾かれたように叫ぶが、それでも目の前の死体からの返答はなかった。ゾンビは他の一切を意に介すことなく二人へと近寄る。もはやお互いの息がかかるほど近くまで寄っている。それでも二人は棒立ちのままだった。

 

「ま……あむ……」

「っ!! 先生!!」

 

不意にゾンビが口を開いた。確かにマァムの名を呼んでいる――少なくとも二人にはそう聞こえた。それはまるで、二人の呼びかけで正気を取り戻したかのような光景だ。必死の言葉が通じたと思ったマァムは、思わず目の前のゾンビへ向けて縋るように手を伸ばしてしまった。

 

「あぶねぇ!!」

「きゃ!?」

 

そう言いながらポップはマァムを横から突き飛ばした。予想もしていなかった行動のため、マァムは抵抗することもなく数歩分の距離を無理矢理移動させられる。

 

「ポップ! なにす……」

 

文句を言いかけたところで、彼女は見た。自分を庇い、突き飛ばすために伸ばしたポップの腕を目がけて、ゾンビが今まさに歯を突き立てようとしている瞬間を。

 

「ぎゃああああああ!!」

 

そしてほんの少しの間を置いて、ポップの絶叫が響き渡った。

 

 

 

「じいちゃん!! やめろよ!! なんでこんなことするんだよ!! おれだって、姉ちゃんだっているんだぞ!!」

 

すぐ傍では混乱した兵士を取り押さえようと他の兵士たちが悪戦苦闘している。その混乱の原因を作ったことが信じられず、ダイはなんとかブラスを取り押さえようと一人駆け出していた。

だが現在の状況が信じられず、混乱した状態のダイは何も考えずに愚直に突き進んだだけだ。それも、今までのダイの動きを知るものからすれば比較にならないほど稚拙な動き。

説得のためとはいえ全身全霊の大声を出しながらそんな動きをしていては、すぐにブラスに気づかれる。

 

「ヌウウウウゥッ!!」

 

迫り寄るダイに対してブラスは体術で迎え撃った。魔法使い系統に属するモンスターとしては意外なことに、手にした杖を棍のように操り、ダイへと攻撃を加える。

 

「うわ!!」

 

ダイはブラスの初撃こそ防御したものの、すぐにブラスの動きに対応していた。伊達に長年に渡り鍛えられていたわけではない。二発目のブラスの攻撃に対して体が反射的に動き、杖を掴んでブラスの動きを制限する。

 

「グウゥッ!?」

 

杖を掴まれたことで一瞬ブラスがうめき声を上げた。その隙にもダイは動き、ブラスの足を払って

床へと転ばせる。その早業に受け身すら満足に取れず、ブラスは背中から床に叩きつけられた。衝撃でブラスの息が詰まる。

ダイは仰向けになったブラスへ馬乗りになると、その手を動かないように掴んで捻り上げた。

 

「グアアッ!」

「ごめん、じいちゃん! ちょっとだけ耐えて!!」

 

育ての親の動きを封じ、苦痛のうめき声を聞くことはダイにとっても痛手だった。それでも、悩みながらでもそれを実行できたのは、チルノならばなんとかしてくれるかもしれないという希望があったからだ。

事実、先ほど何らかの手立てがあるような発言をしている。ブラスの攻撃を捌きながらそれに気づいたダイは、まずはブラスの動きを止めることを先決にした。後は兵士に拘束作業を代わってもらい、その間に自分はチルノを助けてブラスを救出すればいい。

 

「姉ちゃ……」

 

チルノへと声を掛けようとして、ダイはようやく気付いた。自身に巨大な影が掛かっていることに。この場にはもう一人、忘れてはならない相手がいたことに。

 

「ブラス、そのまま押さえつけておけ」

 

ダイがブラスの相手をしている間にクロコダインは忍び寄り、近くで攻撃の瞬間を狙っていた。ブラスの事でダイの集中が途切れていなければ、こうも容易く接近することは出来なかっただろう。

じっと好機を窺い、そして訪れたのはダイが馬乗りになるという絶好の時。その一瞬に賭けて、クロコダインは大きく斧を振りかぶっていた。

 

「あっ……!!」

 

ダイの脳裏にネイル村での一場面が浮かぶ。それはクロコダインの焼けつく息(ヒートブレス)を考えなしに避けたせいで村の少女ミーナを危険に晒してしまった瞬間だった。あの時と同じように、自分の後ろにはブラスがいる。

 

「うおおおおおっ!!」

 

馬乗りの不安定な体勢から、それでもダイは小柄さ故のスピードで素早く立ち上がるとクロコダインの攻撃を受け止めるべくダイ用のナイフを構える。

クロコダインの強烈な一撃を受け止めきれるとはとても思えない。だがそれでもダイはやるしかなかった。避ければ下にいるブラスがどうなるかなど、考えるまでもない。

 

――ちくしょう!! 姉ちゃんさえいてくれたら!!

 

叫び出したい気持ちを抑えながら、ダイは必死でアバンに習ったことを思い出す。効率の良い力の込め方、闘気を身にまとって少しでも防御力を上げる方法など。ほんの僅かな時間に過ぎないが、それでもとにかく防ぎきるために出来ることは全て行っていた。

 

「ぬおおおおぉっ!!」

 

雄叫びと共にクロコダインの斧が勢いよく振り下ろされる。ダイはそれを受け止めるべく、ナイフを水平に寝かせ刃の腹に手を添える。

そして、金属同士の激突する甲高い音が鳴り響いた。

 

「なんとっ!! 貴様もかダイ!!」

 

戦斧と短剣のぶつかり合った結果は、引き分けであった。押さえ込みつつある斧をナイフで必死に受け止めながら、ダイはクロコダインの力に抗うべく歯を食いしばる。

拮抗できたのは奇跡に近い。

もしもダイが攻撃を防ごうとする必死の努力を行っていなければ、もしもダイの持っているナイフがキラーマシンの装甲を加工して作った特製のものでなければ、今頃ダイは短剣もろとも防御を打ち砕かれて致命傷を負っていただろう。

少し前、チルノへと斧を振るった時には体に当たったというのに無傷であった――プロテスによる守りの効果を知らないクロコダインはそう認識していた――それに加えて弟であるダイは剛腕たる自身の斧の一撃を真正面から受け止めて見せた。

避けることもできただろうに受け止めることを選択したのは、背後にいるブラスの存在が原因かと遅まきながらクロコダインも理解する。たとえどれだけ危険だとしても、親を守るための必死で抗う。そんな動物ですら持っている当たり前の行動を目にして、クロコダインの心には再び後悔の念が鎌首をもたげ始める。

 

「ダ、イ……」

 

一方、巻き添えを防ぐために攻撃を受け止めたためにブラスの動きを封じるものはもはや何もなくなっている。凶暴化し、ダイ抹殺のために動く今のブラスにとってみれば、今のダイは背後を向けて隙だらけの状態だ。

ブラスの瞳が怪しく光る。かつてダイに向けられていた情愛などもはやその一遍も感じられない。

 

「メラミ!!」

 

がら空きになった背後に向けて、再びブラスのメラミが襲い掛かる。生み出された火球の直撃を受けてダイは悲鳴を上げるが、その声は聞こえることはなく、代わりにメラミの直撃による轟音が轟いた。

 

 

 

チルノは三体のサタンパピーに翻弄され続けていた。便宜上、鞭を失ったサタンパピーをAと。残りの二匹をそれぞれB、Cと呼称する。

サタンパピーAは短剣を用いて積極的に直接攻撃を仕掛けてくる。鞭を失ったことでむしろ攻撃の選択肢が減り、サタンパピーAは迷いのない行動を取ってきた。

それでもチルノとて子供の頃からダイの剣術修行相手を務め、数日とはいえアバンの修行を受けているのだ。繰り出される白刃の攻勢を自らの持つパプニカのナイフで防いでいた。

サタンパピーAだけが相手ならば、ここにさらに反撃を織り交ぜることで勝利をもぎ取ることも出来たかもしれない。

だがそれはサタンパピーBが防ぐ。

 

サタンパピーBは常にAから少し離れた場所に位置し続け、サタンパピーAに隙が生まれたタイミングを狙ってチルノに鞭攻撃を仕掛けてきていた。

Aに隙が生まれれば、当然チルノは反撃に転じようとする。防ぐだけではジリ貧であり、せっかく狙える好機なのだ。彼女が動こうとするのも無理はない。

その攻撃を仕掛ける瞬間を狙って、出鼻を挫くように鞭を叩き込む。チルノの反撃の芽を潰すことでサタンパピーAは攻撃に集中でき、Bもまた鞭の一撃による激痛で確実にダメージを与える。

敵ながら厄介なコンビネーションとしか言いようがなかった。

 

本来ならばこれに加えてサタンパピーCの攻撃も加わるはずなのだが、ザボエラの「妨害して分断しろ」という命令のためか、はたまた他に何か狙いがあるのか、CはBよりも離れた場所で何もせずにチルノの様子を窺っているだけだった。

サタンパピーCの静観に加えて、プロテスの守りとヘイストの加速が無ければ、チルノは早々にやられていたかもしれない。

サタンパピーの短剣こそ避けられているものの、Bの攻撃までは無理だった。先端部分は音速すら超えるとも言われる鞭の一撃は、チルノの皮膚に確実に痛手を負わせる。

それに加えてクロコダインから受けた怪我も無視できるものではない――いや、むしろクロコダインの一撃の方がよほど深い。動くたびに腹部に激痛が走る。

こんなに痛いのならば、ナイフで痛む場所を切り取ってしまおうか? そんな混乱した考えが浮かぶ程に、彼女は追い詰められている。

それでもチルノは、痛みに振り回されながらもなんとかダイとポップの様子を視界に収めていた。

 

彼女が確認した瞬間は、ダイがちょうどブラスに向けて駆け出したところだった。ブラスを押さえながらクロコダインの相手もする。少し難しいかもしれないが、ダイならば可能だろうとチルノは判断してしまう。

何しろ、もう一方のポップたちの方が――彼女にとってみればこちらの方がよほど問題だった。チルノの知る知識にまるでない存在。ポップがぽつりと零したように、見た目はアバンに似ていなくもない。だがあまりにも不格好。

 

――腐った死体を改造でもしたのかしら?

 

この出来の悪いゾンビとなっている偽アバンを見たチルノの率直な感想である。

何しろアバンはまだ生きているのだから、偽物であることは疑いようもない。

とはいえこれを知っているのは、本人を除けばチルノとブラス。あとは伝言をお願いしたマトリフくらいのもの。

だがそれらの事実を何も知らないポップたちにとってみれば、この不細工なゾンビはアバンが無理矢理復活させられたものだと信じてしまっている。

ザボエラの口上を聞いてしまったこともあり、攻撃も防御も忘れたように立ち尽くす二人を見てチルノの良心が痛む。

今ここで、全てを教えてしまいたい。チルノはその誘惑を必死で断ち切る。ここで早々に教えてしまっては、果たして何のために今まで黙ってきたのか。その全てが水泡に帰すのだ。

ポップたちならばアレが偽物だと気づいてくれるかもしれないとチルノは願っていた。

 

「ぎゃああああああ!!」

 

しかしその目算はポップの悲鳴と、そしてダイに直撃したメラミの轟音がチルノの耳に入ったことで崩れる。もはや悠長に構えている時間はない。

チルノは大きく後ろに飛び退き、鞭の攻撃をかわすと腰を落として精神を集中させる。

 

「【鳳凰の舞い】!」

 

たちまち炎で出来たチルノの分身が生み出され、サタンパピーたちに襲い掛かる。数日間の一人修行によって練度を上げた鳳凰の舞いは威力も発動速度もデルムリン島で見せたときとは段違いに上がっている。

火炎放射が線による攻撃を行うのであれば、これは炎の分身による多数への面攻撃。複数を相手にするのならば便利な技だった。

突如襲い掛かる炎の分身を避け切れず、サタンパピーAとBはまともにその体を焼かれる。サタンパピーCに対しては距離があるため、どうなったのかチルノは確認することが出来ない。

だがそれを確認している暇はもっとない。

炎の分身と同時にチルノはサタンパピーAへ向けて駆け寄り、その途中で手にしていたパプニカのナイフを上に放り投げた。

 

「【爆裂拳】!!」

 

パプニカのナイフを手放して自由になった両手で、数発の拳を打ち込む。

 

「グワアアアアアァァッ!!」

 

爆裂拳はサタンパピーAに対して遺憾無くその威力を発揮した。内側から爆発するような衝撃を受けてAは口から血を吹きながら力を失い倒れこんだ。

 

「まず一体……ポップ!!」

 

沈んだサタンパピーの姿をちらりと見ながら、一息つく暇もなく次の行動に移る。

放り投げたパプニカのナイフが計算通りちょうど良いタイミングで落ちてきた。まだ中空で落ちつつあったそれをチルノはまるで曲芸師か何かのようにキャッチすると首から提げていたアバンの守りの紐を力任せに切断する。

続いてポップの方向を目掛けて強引にアバンの守りを投げつけた。

幸いなことにサタンパピーAが一撃で沈んだためか、他のサタンパピーたちの動きは鈍かった。まさに絶好の好機である。

 

「ゴ、ガアアァァッ!?」

 

強引に投げられたアバンの守りは若干狙いを逸れ、ゾンビにぶつかった。だが護符に込められたマホカトールの効果によってゾンビは弾き飛ばされて、破邪の力によるダメージを受けている。

その衝撃は不浄なるゾンビにはとりわけ凄まじく、ポップの腕から口を離して吹き飛んだばかりか倒れたまま動かないほどだ。

 

「うぐぐぐ……チルノ……?」

「早く! それを拾って!!」

 

ズキズキと痛む腕を庇いながら、痛みとショックで朦朧とした意識の中、チルノの声に導かれるようにポップはアバンの守りを拾い上げた。

一見すればただの木片。短冊程度の大きさの粗雑な木の板にしか見えない。だが痛みに耐えながらそれを手にしたポップは、お守りの放つ輝きに魅せられていた。

 

「これは……これはまさか!!」

 

一気に意識が覚醒するほどの衝撃をポップは受けた。込められているのはどう見てもマホカトールの結界である。

ポップはこの呪文を使えるのをアバン以外には知らない。チルノがアバン以外にマホカトールを使える別の人間に頼んで作ってもらったのかとも一瞬思ったが、この短い期間でそんな大呪文を覚えている人間に簡単に会えるとは考えにくい。

 

「それは先生がおじいちゃんのために作ってくれたの! 万が一のためにって!!」

 

続くチルノの言葉がポップの推測を裏付ける。だが詳細をポップが聞こうとするよりも早くマァムの声が届いた。

 

「チルノ!! 後ろ!!」

 

鬼気迫る声にチルノが振り返ると、サタンパピーから巨大な火球が放たれた寸前だった。これはメラゾーマの呪文だ。その炎はチルノがいた場所に着弾すると爆炎を噴き上げる。

 

「チルノ!!」

「だ、大丈夫……なんとか避けたから……」

 

ポップたちの方からでは炎の壁と生み出された陽炎によって良く見えなかったが、その向こう側から無事を知らせるチルノの声が聞こえてきた。

メラゾーマを使ったのはサタンパピーCだ。チルノから一番遠い場所からの攻撃のおかげで、咄嗟に場所を移動してなんとか猛火の範囲から逃れることが出来た。

だがそれ以上に最悪なことに、チルノは気づいてしまった。サタンパピーAが復活している。

 

「ベホマラー……ッ!」

 

サタンパピーに対する知識を思い出して、チルノは苦虫を噛み潰す。爆裂拳の一撃で倒したと思ったのだが、どうやら耐えられていたようだ。そしてチルノがポップたちに意識を向けていた間に回復されていたらしい。よくよく見れば、鳳凰の舞いで付けたはずの火傷も治癒している。

 

――でもサタンパピーAのダメージは少なくないはず。だったらまずはダメージ覚悟で……!?

 

強引にでもサタンパピーAを倒して戦況を変えるべく、再び大技を使おうとして気が付いた。サタンパピーCの姿がない。

 

「……アイツ!!」

 

居場所はすぐに見つかった。

なんとサタンパピーCはいつの間にかブラスの近くまで寄っており、手に持った短剣をまるで人質でも取るかのように向ける。ブラスをいつでも攻撃できると言わんばかりだ。

どうやら先ほどの爆裂拳が原因でより注意深くなったらしい。ダイ用にと準備された秘策であったが、それはチルノにも同じく有効なことに奴らは気づき、利用することを思いついたらしい。

「下手に抵抗しようものならその命はないと思え」と言外にそう言っている。

 

「どうすればいいのよ……」

 

狡猾な悪魔たちは、露呈した弱点を決して見逃さない。動けなくなったチルノ目がけて、サタンパピーAが瞳に憎悪を宿しながら襲い掛かった。

 

 

 

ポップは手にしたアバンの守りを見つめながら、先ほどのチルノの言葉を反芻していた。

 

「万が一のために先生が作っただって!? なんだってそんなことを……?」

 

マホカトールを封じ込めた簡易な護符。こんなものが必要になるかもしれないということは、アバン先生はブラスが狙われることを予期していただろうか?

確かに、家族を狙うというのは卑劣な戦法としてはよくあることだ。勇者として旧魔王軍と戦い抜いたアバンならば、その程度のことは見抜き、備えをしていてもおかしくはない。

ポップはそう考える。

続いて先ほどのゾンビに視線を移した。

床の上で未だに苦しみもがいているその姿は、ポップの知るアバンの姿からかけ離れている。とてもアバンとは思えないが、もしも本当にザボエラの言葉通りにアバンだったとしたら……

アバンの守りとゾンビの二つを見比べるように交互に視線を移し、腕の痛みすら忘れるほどに強くゾンビを睨む。

 

「うぐぐぐ……あああああっっ!!」

 

そして苦悶の表情を浮かべながら、ポップはゾンビに向けて短杖を向けた。

 

「ポップ!?」

「ほほう! 魔法使いの小僧は、そやつを倒そうというのか?」

 

明らかな攻撃の意志を見せたポップの姿に、マァムとザボエラは揃って驚きの声を上げた。何に対して驚いたのか、その内容はまるで逆ではあったが。

 

「アバン先生……ダメな生徒だったおれだけど、少しで……ほんの少しでいいんです!! ……勇気をください!!」

 

祈るように呟くと、意を決して呪文を唱える。

 

「メラ……ゾーマァァッ!!!」

 

先ほどのサタンパピーのそれと比べてもより大きな火球を生み出し、ゾンビに向けて撃ち出す。元々の動きが鈍く、ましてや今は床に倒れて移動などほとんどできないのだ。目を瞑っていても当てられるだろう。

メラゾーマの直撃によって死体は瞬く間に燃え上がり、炎によって浄化させられたようにその活動を停止した。

 

「ハァ……ハァ……」

 

ブスブスと燃え続けているゾンビを見ながら、ポップはまるで体力の限界まで全力疾走をしたように疲れ果て、荒く呼吸をしていた。

 

「ポップ……」

「あれは……あんなのは先生じゃねぇ……! 仮に、本当に先生だったとしても、先生はあんな無様な真似は絶対にしねぇ! そうでなくても、おれは……おれたちだけは、何があってもさせちゃいけねぇんだ!!」

 

それが遺された者の、弟子としての礼儀だと言わんばかりにポップは言う。

アバンのことを慕うポップだからこそ、アバンが悪く扱われることは何よりも許せなかった。仮にあれが本物のアバンだったとしても偽物のアバンだったとしても、そんなことは問題ない。

あんな無様な真似を何時までもさせることもそれを見ていることも、ポップには出来なかった。

 

「これでいいんだ……先生を葬ったのは、おれだ……おれがやったんだ!! 後で誰にどれだけ文句を言われようとも構わねえ!!」

 

判断を下したのは自分であり、決断したのも自分。この全ての結果を背負うという強い覚悟の上での行動だった。

 

「キィ~ヒッヒッヒッ!! まさか本当に止めを刺すとは……」

「黙れ!!」

 

ザボエラの言葉ももはや今のポップの耳には入らなくなっている。それほどの強い意志と恐怖すら跳ね飛ばすほどの決意が心の中に生まれていた。

 

「先生は、先を見越してブラスの爺さんにこんな物まで作っていた……そんな先生が簡単に操られるわけねぇ!! 操られたままに甘んじているわけがねぇ!! おれは信じねぇ!! 絶対に信じねぇ!!」

 

悪魔の目玉に向けてポップは指を突きつけると叫んだ。

 

「魔王軍ッ!! おれはテメエらを絶対に許さねぇ!!」

 

 




今回で決着までつけたかったんだけど、終わりませんでした。
さすがに一話で全部は長すぎました。(あと書けませんでした)

ゴチャゴチャしてますね。状況をざっと整理してみましょう。
・ダイVSクロコダイン&ブラス
 (クロコの攻撃を防いでいたダイは後ろからメラミを食らう。クロコさんちょっと困惑)
・チルノVSサタンパピー3匹
(Aは大ダメージ。Cはブラスの命を狙う。チルノはダメージ有+下手に動けなくなった)
・ポップ&マァムVSにせアバン
(とりあえず終了)

ポップたちがフリーになったのでここからの巻き返しに期待ですね。均衡崩れは逆転のチャンスです。でもサタンパピーがうざいなぁ……さすが妖魔師団(偏見)
誰ですかこんなモンスターを増援に出したのは!? ロモスでリソース使いすぎだ!!

偽アバンの正体は腐った死体でした。バラしますが、妖魔師団でモルモットにした人間のうち、アバンに姿格好がそれなりに似ている人間を利用したもの。改造でそれなりに見せかけた粗悪品です(普通にマネマネにしなよ私……)
でもそれだけでは騙せないのは百も承知だから、ザボエラ自ら煽りまくる(笑)
恩師がゾンビにされて操られた挙句、自分の手でトドメとかどんな鬼畜だよ……下手したらポップ潰れるぞ。いや、実際は違うんですけど可能性はゼロじゃないって疑っているし……
(嘘と知りつつもそれを黙って見ていなければならないチルノさんの胃に大ダメージを与える奇策。おのれザボエラ)

戦闘時よりも、むしろ戦闘後のアフターケアの方が大変になりそう。

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