隣のほうから来ました   作:にせラビア

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LEVEL:05 姫と勇者と賢者と 前編

それは、ダイがゴメちゃんを連れて大慌てで家に飛び込んできたことから始まった。

 

「ブラスじいちゃん! 姉ちゃん! 軍艦だっ! 軍艦がせめてきたよーっ!!」

「な、なんじゃとぉっ!!」

「軍艦……!?」

 

大慌てで外に出ていくブラスを見ながら、ついに来たか、とチルノは気を引き締めなおす。

前回の偽勇者事件からおよそ三ヶ月が経っている。あのときの戦いは、結果だけ見ればそれほど上手くできたとは彼女には思えなかった。

もっと上手く立ち回れたのではないか、という後悔の念が彼女の胸中には常に渦巻いていた。

 

それはダイの特訓にしてもそうだ。本来ならば竜の騎士として力を発揮させることができれば、何物にも負けることのないほどの力を扱える。それでなくても、これだけ長い年月特訓して、この程度しか鍛えられなかったのだと思うと慚愧の念に堪えない。

とはいえ、こればかりはチルノを一概に責めることもできないだろう。子供のダイに苦しい修行を延々と行わせること自体が無理難題なのだ。厳しすぎれば逃げてしまうし、嫌々行わせても意味はない。大魔王が攻めてくると説明したところで根拠もなければ、子供のチルノでは信じてもらえるわけもなく。むしろ、きちんとした修行方法も知らず、手探りで行ってきた結果としては及第点と言っていい。

だが、悲しいかな。そんな事実をチルノは認識していない。むしろ自分の至らなさを嘆くばかりだ。そしてこの三ヶ月は、ブラスが呪文の特訓に多く時間を割いたため、剣術の腕前はさほど上達していない。呪文の方は新しく幾つか覚えることはできたが。

 

だからこそチルノは決意する。今回こそは、うまく立ち回ってやろうと。大丈夫、今回のことがいずれ起こるのは分かっていたのだ。そのための対策は、ある程度はしてあるはず。原作と比べてもっと余裕があるはずなんだ。

自分に言い聞かせるように胸中で呟いてから、飛び出して行ったダイ達の後を追う。小高い崖の上に追いつくと、ちょうどブラスが望遠鏡を手にして、件の軍艦を確認しているところだった。

 

「ムムッ」

 

やがて何かに思い当たったのか、何ともやるせないような表情を浮かべながら望遠鏡を降ろした。

 

「バカタレ! 何が軍艦じゃ! 早とちりしおって!!」

「ええ! じゃあ……」

「……あれぞまさしく、聖なる船じゃ……修行に修行を重ねた、賢者にのみ使うことを許される船なんじゃぞ」

「へえ……」

 

ダイが感心したような声を上げる中、チルノがおずおずと挙手しながら口を開いた。

 

「えーと、おじいちゃん。そんなの教わった記憶がないんだけど……?」

「むっ!? そ、そうじゃったか……?」

「正確には、賢者や国の主賓が乗るような特別な船があるとは聞いていたけれど、どの船がどんな役割なのかまでは教わってなかったわよ」

 

教わったことを思い出しながら、チルノはブラスに意見する。実際、ブラスであっても船首に刻まれた紋章を見るまではどんな船なのかの判別はついていなかったのだ。これでダイにわかれというのは少々酷であろう。

 

「……じいちゃん?」

「なはは、まあ、その、なんじゃな……」

「うん、本当に軍艦だったら大変なことになってたかもしれないし、早めに気付いて知らせてくれたのはダイのお手柄よね、おじいちゃん?」

「そ、そうじゃな!」

 

ジト目のダイに見つめられて、ブラスがどう誤魔化そうかと言葉を濁す。仕方なしチルノがフォローに回り、ブラスもそれに乗る。それでどうにかダイの溜飲も下がったようである。

 

「ちぇ。まあ、それでいいや」

「ほらほら、本当に賢者様の船だったら、この島に何か用事があるんでしょ? だったらお出迎えしないと。おじいちゃんもこの島の長老役として顔を出しておいた方がいいんじゃない?」

「それもそうじゃな。よし、行くぞダイ、チルノ」

 

ここ最近では珍しくブラスが先頭を切り、ダイ達はそれに続いて行った。

 

 

 

■□■□■□■□■□■□■

 

 

 

一艘の小舟が砂浜に乗り上げ、中からはまず幾人もの人間が島へ上陸してくる。皆が揃いの黒い恰好をしており、同じ組織に所属する一団だということがわかる。続いて降りてきたのは年配の男と年若い男だった。年配の方は老獪そうな、年若い方は冷たい印象ながらも風格が感じられる容貌をしていた。

 

「あれが、本物の賢者さまかぁ……」

「こっ、これっ。頭が高い……」

「テテッ」

 

紹介されたわけでもないが、一団の様子からダイは誰が賢者なのかを理解したらしく、目を輝かせていた。ブラスはそんなダイを見て慌てて跪かせようとする。だがそれよりも早く、年配と年若い二人が先頭に立ってダイ達の前まで来ると、一団はダイ達に向けて一斉に跪礼した。

 

「「!?」」

「未来の勇者ダイ君、未来の賢者チルノ殿、それにブラス老ですな……」

「未来の勇者あっ!?」

「ぶっ、ブラス老ぉ!?」

「……また賢者扱い」

 

戸惑っていると年配の方が口を開いた。勇者扱いのダイと老などと慣れぬ呼ばれ方をされたブラスは喜色を隠し切れない表情を見せる。唯一チルノだけは、呼ばれ方に不満を持っているので複雑な表情を浮かべるが。

 

「私はパプニカ王国の司教を務めるテムジン」

「賢者バロン」

「パプニカの姫、レオナ様とともに故あってこの島を訪れました。なにとぞ姫にお力添えをお願いしたいと思いまして」

「姫ですと?」

 

ブラスの疑問の言葉に応じるかのように、小舟から最後の一人――レオナ姫が姿を見せる。光の加減によっては金にも見える茶色の髪を長く伸ばし、王家の服に身を包んでいる。美人ではあるが、凛々しい顔立ちをしており、周りの兵たちに傅かれて出来た道をゆっくりと歩いてくる。

 

「わあっ……」

 

威風堂々たるその姿は、まるで物語から抜け出てきた姫のようであり、思わずダイは歓喜の声を上げてしまう。普段見慣れている姉と比べれば、まさに上品な女性そのものだと認識してしまったことを誰が責められようか。

やがてレオナはダイの前で立ち止まると、慈愛に満ちた眼差しで彼を見る。

 

「あなたが……勇者ダイ?」

 

その言葉にダイは挨拶代わりとばかりにブイサインを返した。憧れのお姫様を前に興奮が最高潮に達しているのだろう。だがその興奮も、レオナの次の言葉を聞くまでだった。

 

「……やっだぁ~~! こぉ~~んなチビなのぉ!? カッコ悪~いっ!」

 

それまでのお姫様然とした姿はどこへやら、カラカラと遠慮なしに笑うその姿に、ダイの心は一気に突き落とされた。ガーンというオノマトペが見えそうなほどだ。

あちゃあ、とそんな弟の様子を見ながらチルノは心の中で合掌する。レオナがこういう性格だとは知っているが、初登場の時にはこんな凛々しい態度を見せていたことは流石に忘れていた。もしも覚えていれば、お姫様に夢を見すぎるななどと事前に忠告の一つも出来たのだろうが。

だが落ち込むダイを気にすることもなく、続いてレオナはチルノの方を向く。

 

「そして、あなたが賢者チルノね?」

「……自分で名乗ったことはありませんが、不本意ながら一部からはそう呼ばれています」

 

レオナとチルノは互いに向かいあう。年齢は大体同じ――厳密にはレオナの方が一歳年上だが、チルノの正式な年齢が不明なので、大きく同じ年齢と言ってもいいだろう。何もせずとも視線が合うことから、背の高さもほぼ同じ。身体の方も……まあ、大体一緒と言っていいだろう。レオナの方が食料事情が良い分、豊かなのは否定できないだろうが。

 

「へぇ、あなたはまあまあね。でも、そんなダッサ~~イ恰好してちゃダメよ」

「はぁ……」

「磨けば素質は良さそうなんだから、今度パプニカにいらっしゃい。あたしがちゃんとコーディネイトしてあげるから。そういえばチルノは何歳なの? 背格好から見ると同い年くらいに見えるけれどひょっとしてお姉さんだったりするのかしら?」

「え、ええと、レオナ、姫さま……?」

「うぉっほん!!」

 

一気に喋ってきたレオナの勢いにチルノが押され、それを見たテムジンが大きな声でわざとらしく咳払いをする。

 

「姫、まずは皆さまにお話をしたいのですが、よろしいですかな?」

 

早く話を進めてくれ。と、レオナを除くこの場の全員の心が一致した瞬間であった。

 

 

 

「洗礼の地!?」

「さよう。我がパプニカ王国代々神に仕える家系……その後継者たるレオナ様はこの月のうちに、地の神の恩恵を被るための儀式をせねばならんのです」

 

デルムリン島にはお客様を持て成すような家具もないため、仕方なく近場の手ごろな石へダイ達とレオナ達は向かい合って腰かけている。護衛の兵たちは立場もあるため立ったままだが。

 

「それを行うには最も地の神に近い場所にその身を投じなければなりません」

「この島には地に繋がる穴がありますね?」

「ああ、ありますとも。この島の奥地にとてつもない大穴が……しかし、この島の火山帯に直結しているらしく、島の動物たちですら滅多に近寄らんところですじゃ……そんなところへ……」

「心配ご無用です。レオナ様もいずれは賢者となられるお方……この私が伝授した氷の呪文を使えばなんら危険はありません」

 

ブラスが大穴の様子を思い浮かべながら視線をレオナの方へと向かわせた。一般常識に当てはめれば、まだ年端も行かない少女が行くような場所では到底ないからだ。だがバロンは心配ないと言い切る。当の本人であるレオナは不安などどこ吹く風とばかりに涼しい表情だ。

 

「ですが、この島は長年怪物島として恐れられていたため、誰もその場所を知りません。王家の者の洗礼は実に五十年ぶりなのです。そんな折、ロモス国の王からダイ君たちの活躍を伺いましてのォ。デルムリン島の怪物たちは、彼らの言うことならば何でも聞く……と」

 

さて、どうしたものか。チルノは話を聞きながら考えていた。火山帯だということは有毒ガスの恐れがあるからだ。氷系の呪文を使えば確かに熱は防げるだろうが、目に見えぬガスを相手に出来るものなのだろうか、と。

先の展開を知っているからこそ、テムジンらがこの機会にレオナを亡き者にしようとたくらんでいることを彼女は知っている。魔のサソリというモンスターを嗾けて毒を負わせ、その責任はデルムリン島のモンスターに押し付ける。という筋書きを企てているのだ。

であれば、先ほどの不安点を口にした上で、一国の姫を危険に晒すような真似をしているのだと指摘すればこの場は中止となるかもしれない。だが同時に、それはチルノの知らない未知の脅威にレオナが襲われる可能性もあるのだ。二つの考えを天秤にかけながら、さてどうしたものかと胸中で逡巡する。

 

「あの、本当に大丈夫なのでしょうか?」

 

少しだけ迷ったものの、チルノは口を開くことにした。ここで上手く舌戦に持ち込んで勝利出来れば儲けもの。レオナが毒に冒されることもなく、万々歳だと判断したからだ。

 

「どうしたんじゃ、チルノや……!?」

「火山帯ということは、何か危険があるのかもしれませんよ。特有の毒ガスなどが放たれている場所もあると聞きます。一国の姫君にもしものことがあれば、私たちでは責任は取れません」

「たしかに、それもありえますな。流石のご慧眼です。ですが、先ほども言いましたが、王家の者の洗礼は久方ぶりです。そして儀式はこの月のうちに行うしきたりなのです。また、レオナ様には洗礼の儀をしっかりと受けていただき、王族として、賢者としての自覚と責任に目覚めていただきたい。これは国王陛下も我々家臣一同も国民も、皆が望んでいることなのですよ」

「そういうことよチルノ。心配してくれる、その気持ちだけは貰っておいてあげる。でもね、これは私がやらなきゃいけないことなのよ」

 

そう口にレオナの表情からは、王家の人間としての決意と覚悟があるように見えた。なるほど、これが王族のカリスマというやつなのだろうかと納得すると、チルノは頭を下げる。

 

「そうでしたか。不要な心配を致しました。申し訳ございません」

 

なるほど、月日というタイムリミットもあったのかと話を聞いて納得する。テムジンらからしてみれば、監視の目も少ないこの絶好の機会を利用して、何が何でも成功させたいだろう。相手がそう動くのであれば、当初の想定通りに動いた方がまだマシ、と判断していたのだ。

 

「……少し話がそれましたが、つまり、ダイたちに地の穴までの道案内をさせたい、というわけですな?」

「え?」

 

それまで黙って話を聞いていたダイだったが、突然話の矛先が向いてきたことに驚きの声を上げると、ブラスとチルノにしか聞こえないような小声で話し始めた。

 

「(……じいちゃん、おれはやだよ。だってあいつ、性格悪そうなんだもん……そうだ、姉ちゃんが行ってよ)」

「(え、私!? えっと、ダイ、いいの? お姫さまのエスコートなんて勇者の誉れみたいなものよ。名誉なことよ)」

「(ええーっ。いいよ、べつに)」

「(こりゃ、お主ら……)……ッ!! い、いやいや! でしたら、この二人を道案内としてつけますので! お役に立てるのであればこれ幸いですわ!!」

 

姉弟の小声での言い合いに見かねて叱り飛ばそうとしたところで、ブラスは自分たちを見るテムジンとバロンの視線に気づく。一国の賢者に司教という大人物を前に言い争いなどというみっともない真似は見せられない。そう考え、ダイ達を掴むと口早に了承の意を示した。

ダイはそんなブラスの姿を見ながら、口には出さないものの文句を言い、そしてチルノは、そりゃ、そうなるわけだ。と胸中で呟きながら己の迂闊さを悔いていた。当初の想定では、ダイだけが案内役として向かって、自分はテムジンたちを妨害すればいいと考えていた。だが、その目論見は脆くも崩れ去る。

彼女はまだどこかで、自分の立ち位置をダイから一歩引いた立場で考えている――もっと有体に言ってしまえば、今体験していることが現実であると認識しきっていない。所詮は物語でしかないと、甘く捉えているのだ。でなければ、ダイだけが道案内を行うという考えには辿り着きにくい。そもそもレオナ達はデルムリン島では大きな危険はないと考えているのだ。であれば同性であるチルノの方がよほど選ばれやすいだろうことは少し考えればすぐにわかる。

 

「……わかりました。礼儀も知らぬ田舎者ですが、弟と二人で案内役を務めさせていただきます」

「姉ちゃん!?」

 

自身の認識の甘さを呪いながらも、チルノは見様見真似の跪礼を取った。

 

「あら、チルノの方は喜んでやってくれるのね。それに引き換え……まあ、途中で迷子になりそうだし、無理についてこなくても良いんじゃない」

「なっ……!! この島だったら目隠ししたって一周できらい!!」

「そう。じゃあ、決まりね」

 

売り言葉に買い言葉。レオナの安い挑発に乗ったことで、この瞬間にダイとチルノの二人ともが案内役となることが決まった。

 

 

 

■□■□■□■□■□■□■

 

 

 

「さて、それでは出発といたしましょう」

 

護衛兵の一人が移動の準備を終えたことを確認してから言った。

あの後、二人が案内役を務めることが決定したとはいえ、すぐに出発するわけではない。兵士たちの準備を終えてからの出発となったため、少しだけ待ちの時間が発生していた。とはいえ装備を整え直したり、持っていくもののチェックをする程度の短い時間でしかなかったが。

 

「ああ、そうだ。ダイ、いつものは持っているわよね?」

「勿論だって。ほら、腰の袋があるだろ」

 

準備完了までの待ち時間の間に、チルノは思い出したようにダイに確認を取ると、ダイはさも当然だとばかりに自分の腰を指さす。そこには腰帯に結び付けた革袋があった。その横には携帯用の短めの木剣も差されている。

 

「おや、なんですそれは?」

「薬草ですよ。ダイはすぐ怪我をするので」

 

目聡くやり取りを見ていたバロンが口を挟んできた。ひょっとすると、この先の計画に支障となるものが入っているのやもしれないと考えてのことだろうか? そう考えて、チルノは当たり障りのない返答を返す。薬草が入っているのは間違いないし、ダイはやんちゃ坊主なので怪我もしやすいため、嘘ではない。

その言葉に納得したのか、バロンはそれ以上何も言ってはこなかった。

 

「そうだ、おじいちゃん。一つ言い忘れてたんだけど」

「む? 何かあったのかチルノや」

「うん、実は……」

 

そこまで言ってから、チルノはブラスの耳元まで近寄ると囁くような小さな声で言う。

 

「テムジンとバロンの二人からどうも嫌な予感がするの。すぐに逃げられるようにしておいて」

「……っ!? ……な、なんじゃそんなことか。わかったわい。島の仲間たちにも伝えておこうかの」

 

チルノの言葉にブラスは一瞬言葉を詰まらせるが、すぐに何事もなかったかのように振る舞う。チルノがブラスに対してこのようなことを言うのは初めてのことであり、そのためブラス自身も何かあるのだろうと判断したが故の咄嗟の機転である。

そして幸いなことに、というべきか、テムジンたちは気にした様子は見られず、そのうちに出発の時間となった。

 

 

 

ダイを先頭にチルノが続き、その後ろにレオナ。その後は護衛兵が数名という隊列でデルムリン島の奥地へ向けて進んでいく。

先へと進む途中、道の真ん中で眠っている一匹のキャタピラーと出会ったが、すぐにダイが起こすと、どくように命じる。するとキャタピラーはその命令に従って森の奥、別の道の方へと消えていった。

 

「へぇ、すっご~い。やるじゃないの、ダイ君」

「このくらいは普通だよ」

 

その一連を見ていたレオナが、素直に感心したように声を上げる。だがダイは興味なさげに呟くだけだった。なにしろ姉であるチルノも出来ることであり、ブラスも出来る。その島に住む仲間たちならば大体は出来ることだ。特別に褒められたりするようなことではないと認識しているため、その反応も仕方がなかった。

だがレオナからすれば違う。少し話をしただけでモンスターをどかすような光景は見たこともないため、珍しいものが見られたとばかりに気を良くする。

 

「ねえ、他にも特技あるの? ロモス王は剣術がすごいって言ってたけれど」

「姉ちゃんに習った剣術に、雷刃と風刃くらいだよ」

「らい……じん? なにそれ??」

「ダイの剣術は結構なものですよ。既にご存じかもしれませんが、偽勇者を剣技で圧倒して打ち倒しています。あと、雷刃と風刃の二つは剣を使った特別な技の名前です」

「そういえば、そんなことも聞いたような気がするわね……ってことは、ダイ君は本当に強いってこと!?」

 

ロモス王から聞いていたというが、それでも半信半疑程度だったのだろう。実際に本人から話を聞いてレオナの中のダイへの認識が変化しつつあった。そしてそれはダイも同じだった。肉親ではない女性に、多少なりとも尊敬されているのだから、悪い気はしなかった。

 

「当然さ! あの偽勇者はやっつけたし、今じゃ姉ちゃんにだって勝てるんだからな!」

「姉ちゃんって、チルノのこと?」

「ええ。子供の頃から稽古の相手をしてきたので。ダイにとっては私が一番身近な目標なんです」

「ふう~ん……」

 

その言葉を聞いて、レオナはチルノのことを上から下までまじまじと見つめる。自分と同じくらいの年頃に加えて、肉体的にもそれほど違いがあるとは思えない。確かに服から見える手足は健康的に見えるが、戦士のように鍛え上げられているのかと問われれば流石に首を横に振る。

とても武術でダイの訓練相手を務めていたようには見えないのだ。だがダイは姉に勝ったことを声高に語り、本人もダイの壁であったと言う。見た目からでは俄に信じられないのだ。

 

「ううーん……ダメね、ダイ君が強いところが想像できないわ……」

「アハハ……機会があれば、お見せできるかもしれませんよ。それに、最近は呪文も上達してきたので、本当に勇者らしくなってきているんです」

「へぇ! 呪文も使えるんだ?」

「メラとヒャドとバギをこの間ようやく覚えたよ。次はイオとギラを覚えさせるんだってじいちゃん張り切っている」

「おじいさんってあの鬼面道士の?」

「ええ。ダイに呪文を教えているのはブラスおじいちゃんなんです。レオナ姫から見れば、まだ初級の呪文ばかりかもしれませんが……」

 

ダイがブラスに呪文を習っている。

それだけ聞けば、それほどおかしなことではないだろう。だがレオナはその事実がどこか引っ掛かる。そして、三回ほどその言葉を復唱した後に、ようやく何がおかしいのかに気付いた。

 

「……え、ちょっと待って。呪文って、あなたが教えているんじゃないの?」

「ええ。教えているのはおじいちゃんですよ」

「それがどうかしたの?」

「だって、おかしいじゃない! チルノ、あなたはロモス王からは未来の賢者と呼ばれているんでしょ!? だったらなんでダイ君に呪文を教えないの!?」

「ああ、そのことですか」

 

ダイとチルノは顔を見合わせて、そういえばそうだったと目で会話する。二人からしてみれば、すでにあまりにも当り前の事実となっているので忘れていたことだったのだ。

 

「実は私、呪文は何一つ使えないんです」

「えええええ~~~っ!! うそ~~~~っ!!」

 

レオナが大げさすぎるほどの大声で叫んだ。その声にかき消されがちだったが、周囲にいた護衛の兵たちも大なり小なり驚嘆の声を上げている。そもそも賢者と呼ばれるものは、魔法使いの呪文と僧侶の呪文の両方を操るというのが一般的な通説だ。一国の王に賢者とまで呼ばれた相手が呪文を使えないなど、あまりにも想定外のことだったのだ。

 

「一つも使えないの?」

「はい、まったく。メラもホイミも使えません。そういう意味では、ダイ以下ですね」

「チ、チルノ殿はひょっとして、まだ魔法の儀式を……」

「馬鹿ね。弟のダイ君がメラを使えるのに、姉のチルノが儀式をしてないわけないでしょ」

「ですよねぇ……」

「はい。儀式はすべて失敗しました」

 

兵の一人がダメで元々とばかりに契約の儀式について持ち出すが、レオナに一蹴される。そしてそれをさも当然のような顔で肯定するチルノの様子は、彼らから見れば異質だった。

 

「そ、その、なんと申し上げてよいか……」

「いえいえ。お気になさらずに」

 

呪文を何一つ使えないのにも関わらず、気丈に振る舞い続ける姉。という認識がレオナ達の間に生まれ、それ以降はチルノを気遣ってか口数も減っていた。一方、ダイ達からすれば突然態度が変わったのは何故か理解できなかった。確かにメラもホイミも使えないが、それに代わる魔法を使えるというのはもはやこの島の住民にとっては共通認識であり、今更説明するまでもないことだった。そのために気遣いも無用なのだが――残念なことに、そのすれ違いに気付かぬまま案内は進み、ついに地底へと繋がる洞窟の前まで辿り着いていた。

 

「やれやれ。無事に辿り着けて、まずは一安心ってところね」

「ここに来るのは久しぶりだね」

 

洞窟の前まで辿り着くと、洗礼の準備のためにと慌ただしく動く兵士たちとは対照的に、ダイたちは揃って近くの岩へ腰を下ろしていた。そもそもの仕事が道案内であるし、洗礼の儀式については何の知識も持ち合わせていないため、手伝うことすらできない。むしろ下手に手を出せば邪魔にもなりかねないので、隅の方で大人しく見学していた。

 

「チルノ、少しいい?」

「レオナ姫? 儀式の準備は良いんですか?」

 

座っているチルノへ向けて、レオナは何かを決意したような表情で言う。

 

「決めたわ! チルノ、あなたはしばらくしたらパプニカに来なさい!」

「……は?」

「呪文がてんでダメ、剣の腕もダイ君に負けているんじゃ、姉としての威厳がないでしょう? だったら、あたしが口をきいて王宮で働けるようにしてあげるわ。ここまで話をしていて、あなたは頭は悪くないようだし、最低限の礼儀作法も身に着けているみたいだし、悪くないでしょ?」

 

予想もしなかった言葉に、チルノもダイも無反応になってしまう。数秒の空白の後に、やがてダイが噴き出した。

 

「ね、姉ちゃんが、王宮で働くなんて……アハハハッ!」

「あら、ダイ君。笑っているみたいだけれど、あたしは本気よ。呪文が出来なくてもクヨクヨせずに、自分の頭で出来ることをやる。きっとロモス王もそういうところを気に入って、未来の賢者と呼んだんでしょうね」

「えーと……レオナ姫……?」

 

そこまで言われて、チルノはようやくレオナが勘違いしていることに気が付いた。そして途中で謎の気遣いをされたのもそういうことかと思い当たった。なるほど、常識に当てはめればレオナの言う通り、弟に劣っている姉としてコンプレックスの一つもありそうなものだろうに、それを感じさせることのない性格をしている。そういうところをレオナは評価していた。

 

「これ、チルノにあげるわ。せめて武器くらいは良いのを持っとかないとね。パプニカに来た時には兵士にこれを見せなさない。話は通しておくから。身分証にもなるわよ」

 

どうしたものかと悩んでいるうちに、気付けばレオナは腰に差していたナイフを鞘ごと抜くと、チルノへ差し出していた。

 

「王宮には同い年なんていないし、チルノが来てくれると何かと助かるのよねぇ」

 

そう言うレオナの言葉を聞きながらチルノの脳裏に浮かんだのは、お転婆な姫様とそれに振り回されていつも貧乏くじを引かされるお付きのメイドだった。レオナの誘いに乗った場合、自分はその貧乏くじを引く方になるだろう。根拠はないが、多分そうなるのだろうと確信できた。と、そこまで考えたところで、これはただの現実逃避だと気づき、考えを改める。

思わず手に取ってしまったナイフだが、これは本来の歴史では魔法のできないダイのためにレオナが差し出したものであり、その後に起こる旅の中でもダイの初期装備、剣入手後も予備武装として活躍していた武器だ。そもそもパプニカ王家に伝わる由緒正しい物である。

どうにかダイが貰う流れに持っていけないものかと思い、苦し紛れに言葉を並べた。

 

「いえ、その、私が持っていても、役には立ちませんので、その……そう! 剣を扱えるダイが持っていた方が、きっと剣も喜ぶと思いますよ」

「え、いいの姉ちゃん!?」

 

いつも木剣ばかり振り回しているダイからすれば、短刀とはいえ本物の剣が手に入るかもしれないと聞いて笑顔を浮かべる。だがそれを聞いたレオナは、目を細めて不満顔を覗かせた。

 

「ふぅ~~ん。チルノはお姫様から貰ったものを簡単に人にあげちゃうんだ……」

「えーと……はぁ、わかりました。この短刀は受け取らさせていただきます。ただ、パプニカ王宮で働くかどうかについては、また別のお話とさせてください」

 

流石に下賜されたものを目の前で他の人間にホイホイ渡すのはあまりにも不敬である。他に良い手も思いつかず、チルノは頭を下げてパプニカのナイフを受け取った。ただ、最後の抵抗とばかりに王宮で働くことについては確約しないようにお願いする。

 

「仕方ないわねぇ。まあ、今はそれでいいわ。その代わり、あたしのことはレオナって呼びなさい。他人行儀なしゃべり方もダメ! 同い年なんだし、そのくらいはいいでしょ? ……あれ、同い年なんだっけ?」

「正確な年齢は不明ですが……」

「しゃべり方!」

「……今、多分十三歳。もしかしたら十四歳かもしれないけれど、同い年ってことでいいでしょレオナ? それとも私は妹分の方がいいかしら?」

「そうねぇ……やっぱり、同い年の方が気兼ねなくていいわね」

 

そこまで会話したところで耐えきれなくなったのか、チルノとレオナはどちらからともなくクスクスと笑い出した。片や王宮で育てられた箱入り娘。片や絶海の孤島で育った野生娘。対等な立場の同性の友人が出来たのはこれが初めてのことだった。

 

「へへへ。良かったね、姉ちゃん」

「ありがとダイ。ついでだし、ダイもレオナの友達にしてもらったら?」

「うーん、ダイ君はまだ保留かしらね。チルノの弟なんだし、あたしの弟ってことで」

「良かったわねダイ。弟分としては合格みたいよ」

「なんだよそれ!」

 

ダイをからかうという行為を通じて、二人は親交を深めていた。少し悪い気もするが、これも姉のための苦労だと割り切ってもらおう。なにより、再び沸き上がったチルノたちの笑い声がその証明だ。

 

「うわああぁぁーーっ!!」

 

だが、二人の笑顔は唐突な悲鳴によって無残に切り裂かれた。

 

 

 

■□■□■□■□■□■□■

 

 

 

「!?」

 

つい一瞬前まで漂っていた穏やかな雰囲気は、突如響いた悲鳴によってかき消された。その悲鳴にダイは誰よりも早く反応すると、悲鳴の聞こえた方角へ向けて駆け出して行く。続いてチルノが、最後にレオナがそれに続く。

悲鳴の聞こえた場所へたどり着くと、そこには巨大なサソリ型のモンスターが兵士たちを今まさに襲っているところだった。巨大な鋏で一人の兵士を掴み上げ、切断しようと力を籠めている。

 

「あれは……まさか、魔のサソリ……!?」

「この島にはあんなモンスターはいないわ!! みんな、逃げてっ!!」

「ええっ!?」

 

ダイの言葉にチルノが兵士たちに逃げるように指示を出し、少し遅れて到着したレオナは突然の光景に混乱していた。

 

「な、なにこれ……!?」

「わからないけれど、逃がしてくれそうもないわね。戦うしかないかしら?」

 

素人目に見ても凶悪そうな顔つきをしており、魔のサソリは敵意に満ちている。何より兵士の一人が既に傷を負っている。話し合いでお引き取り願うのは流石に無理だった。

 

「やってやるっ!」

「待ってダイ! これを使って!!」

「これって、姉ちゃんが貰ったナイフだろ。いいの!?」

「一番攻撃力のある武器を、一番強い人間が持つのに何の問題があるの? 今は非常事態よ!」

「わかった姉ちゃん! 借りるよ!!」

 

木剣を握りかけたダイを止めると、チルノはパプニカのナイフを渡す。ダイは一瞬だけ戸惑ったものの、すぐに割り切るとナイフを片手に魔のサソリへ向けて突進して行った。

 

「援護くらいはしてあげるから!!」

 

そんなチルノの言葉を背に受けながら、ダイは魔のサソリに飛び込むとナイフを片手に兵士を狙っていたサソリの攻撃を受け止めた。サソリの外殻とナイフの金属とがぶつかり合い、甲高い音を上げる。その隙に狙われていた兵士はサソリから距離を取る。残りの兵士たちは槍を手にサソリを囲んでいるものの、攻めあぐねていた。

 

「上ッ!!」

 

その言葉に一瞬だけ視線を向けると、尾の毒針がダイへ向けて振り下ろされていたところだった。チルノの声により寸でで気付けたダイは、大きく後ろに飛び退いてその攻撃をかわす。

 

「尻尾の針は猛毒があるから絶対に避けて! 外皮も相当な硬さのはずだから迂闊な攻撃は隙を晒すだけよ!!」

「姉ちゃん! じゃあどうするのさ!!」

「隙なら私が作ってあげるから! ダイはそこを狙って!!」

「ちょっとチルノ!?」

 

いつの間にかダイの隣に並んでいたチルノが、簡単なやり取りだけをすると魔のサソリに向けて駆け出す。その姿にレオナは戦慄した。呪文は使えず、剣の腕もダイよりも劣り、そして武器も持っていない。そんな彼女が囮になるなど正気の沙汰ではない。そう判断した時だった。

 

「【フラッシュ】」

 

目が眩むという言葉が陳腐に思えるほど強力な閃光がチルノから放たれ、魔のサソリに襲い掛かった。予想すらしていなかったサソリはその閃光をもろに食らい、視覚の一切が潰される。

 

「ギャオオオオオッ!!」

 

突然の盲目状態に魔のサソリは混乱し、滅茶苦茶に暴れだした。だがそれは無秩序な動きであり、精細さを著しく欠いている。攻撃を避けるのも容易く、隙だらけだった。

 

「雷刃!!」

 

そんな魔のサソリに攻撃を当てることなど、今のダイにとっては容易いことだった。姉の作ってくれた隙を存分に活用し、十分に力を溜めると、必殺の雷刃を放つ。全力に加えてパプニカのナイフという攻撃力を得た一撃は、サソリの尻尾を切断して胴体も真っ二つに切り裂いた。それでも魔のサソリは驚異的な生命力で動こうと足掻いていたが、やがて力尽きる。それを確認したことでダイはやっと警戒を解いた。

 

「ふぅ……ごめんよ、命を奪っちゃった」

「すっごいじゃないダイ君!! こんなに強かったなんて!!」

 

戦闘が終わるや否や、レオナはダイに駆け寄ると感激の声を上げる。話では強いと聞いていたが、聞くと見るとは大違いだ。鮮やかにサソリの攻撃を防ぎ、大地ごと両断しそうな強力な一撃はその技の名前の通り雷撃を彷彿とさせるほどだ。これほど強ければ、未来の勇者と呼ばれるのも納得がいく。

 

「え、へへ。そうかな?」

「そうよ! まだ小さいのにこんなに強いなんて!!」

「ち、小さ……おれは姉ちゃんの一つ下の年齢だい!」

「ええっ!! そうだったの!?」

 

ダイとレオナが感激のシーンのような漫才のような、よくわからないやり取りを行っている間に、チルノは魔のサソリに傷つけられた兵士の容態を見ていた。見た目だけならば腕と胴から出血をしているだけに見えるが、万が一ということもある。

 

「大丈夫ですか? 今、傷を調べますから……」

「チルノ殿、仲間は大丈夫でしょうか……?」

「うん、怪我は鋏の攻撃のみね。熱もないみたいだし、これなら――【ケアル】」

 

怪我をした兵士の体を調べていたが、言葉の通り鋏の傷以外に外傷は見当たらなかった。魔のサソリの毒を受ければその部分が変色して高熱が発生するはずだが、それも見当たらない。本当に裂傷だけのようだ。それを確認してから、チルノは治癒の魔法を使う。魔法の力によってすぐさま傷は癒えていき、苦痛に苦しんでいた兵士の顔から険が取れていく。そこまで確認したところでチルノは魔法を止めると、ふぅと一息ついた。

 

「これで大丈夫。尻尾の毒を受けていたら危ないところでしたよ」

「おお、ありがとうございますチルノ殿!」

 

同僚の命が助かったことを聞き、兵士たちが歓喜の声を上げる。その騒ぎを聞きつけて、レオナがやってきた。

 

「……ちょっと待ってチルノ!! あなた一体どういうことよ!!」

「レオナ? どういうこと、って……?」

「呪文は一つも使えないって言ってたじゃない! さっきのサソリの時の光といい、今の治療といい――あれは二フラムにホイミかしら? とにかく、あれで呪文が使えないとか詐欺よ詐欺!!」

「ああ、そのこと」

 

レオナのその言葉に周りの兵士たちもアッと驚いた顔を浮かべた。呪文を使えないと言っていたはずの少女が、彼らの目の前で仲間の傷を癒したのだ。これでは辻褄が合わない。

チルノはといえば、そういえば説明していなかったと気付き、どうしたものかと考える。そして、下手に説明するよりもまずは見てもらった方がいいだろうと思い、ついさっきまで座っていた岩場へと手を向けた。

 

「よく見ててね――【ファイア】」

 

集中して魔法を発動させる。彼女の意志に従い、生み出された炎は岩場を赤々と燃やす。

 

「これは、メラですかな?」

「メラ……ううん、違う。メラよりももっと……おかしいわよこれ!?」

 

チルノの生み出した炎を見て、兵士の一人はメラだと安易に結論付けるが、レオナはその言葉を否定した。彼女は賢者の卵として教育も受けているのだ。今まで学んできた知識が、目の前で起きたこれは違うと叫ぶ。術者によってはただのメラであっても火球を飛ばすだけでなく、バリエーションを生み出すことはできる。例えメラがメラゾーマ以上の威力を発揮したとしても、炎が発生するプロセスは同一なのだ。一方、チルノのそれはそのプロセスから異なっている。そのため、これはメラではない。もっと別の何かだ。レオナの目にはそう見えた。

 

「レオナ正解。これはメラじゃないの。私、呪文は一切使えないけれど、その代わりに今みたいな変な力が使えるのよ。理由は分からないんだけどね」

 

開いた口が塞がらないとはこのことか。といった表情を見せるレオナたちに向けて、指を一本立てて自分の口元に持ってくる、いわゆる内緒話のポーズを取った。

 

「あ、このことは一応秘密で。無暗に広められたくないので」

「す……すごい! すごいわよチルノ!! こんなすごい呪文が使えるなんて!! ダイ君もすごかったけれど、チルノはもっと……ロモス王が二人を勇者と賢者に認めただけのことはあるわ!! これはパプニカも負けてられないわね……」

 

自分の理解の範囲外で起きた現象に、レオナは興奮して騒ぐ。ロモスが二人を認めたのは決して王の贔屓などではなく、順当に実力が認められた結果なのだと理解したからだ。ならばロモスの後塵を拝するわけにはいかないとばかりの奮起を見せる。

だが、この一連の騒ぎの陰で、魔のサソリがやられたことを確認すると、小さく舌打ちをしながらその場から消え去った者がいた。それに気づいたものはこの場には誰もいなかった。

 

 

 




書いているとき、ゴメちゃんを出すのをいつも忘れる。
ゴメちゃんって書くとき、気が付くとゴメンちゃんになっているときがあって困る。

これだけレオナレオナと書いておいて、ドロシーと一言も書けないとはどういうことだ?
名前をチルノからドロシーに今からでも変えようかと悩んだが、やっぱりやめる。
名前でソートすると弟(ダイ)の方が先に来ちゃうから。

……気が付いたらダイがパプニカのナイフを貰ってない。
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