隣のほうから来ました   作:にせラビア

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LEVEL:08 本来ならば四日目と五日目

「さて、ちょっとしたアクシデントもありましたが、本日の早朝特訓を始めます」

 

まだ朝日も登りきらないうちから、アバンの声がデルムリン島に響きわたる。

なお、ちょっとしたアクシデントというのはポップが何故か(・・・)寝不足で早朝特訓に参加しようとしたためである。効率が悪すぎるために止めようとしたが、頑なに参加しようとしたことからアバンからラリホーの呪文まで使われて強制的に眠らされている。

ポップが寝不足になった原因は何なのか、原因は不明である。不明と言ったら不明である。

そのため、参加者はダイとチルノの二人だけだ。

 

「本日よりダイ君には闘気技の特訓を行います」

「闘気技?」

「その通り。昨日取得した大地斬・海波斬とはまた異なった技術です。難しいとは思いますが、これは空裂斬に繋がる大事な技術ですので、ちゃんと覚えてくださいね」

 

空裂斬と聞いた途端、ダイの表情がわずかに曇った。そんなダイの様子をアバンは目ざとく見つける。

 

「おや、ダイ君どうしました?」

「大地斬と海波斬って名前が、どうもむず痒いっていうか……」

「名前ですか……? そういえば、チルノさんが考えたという別の名前を使っていましたね」

「はい。その名前を使いたいんです」

 

アバンが思い出したように呟くと、ダイがその言葉に頷いた。それまでダイが使っていたのは、雷刃と風刃という名前の技である。チルノが原作知識を活用してダイに伝授した大地斬と海波斬であり、来るべきアバンの修行の際に名前まで同じではさすがに問題だろうと便宜的に付けた名前だ。

チルノ本人としては、きちんと剣技を覚えれば名前も自然と変わるだろうと思っていたのだが、ダイにしてみれば姉が自分のために一生懸命考えてくれた技の名前である。捨てたくないと考えるのも当然だろう。

それほどまで自分のことを考えてくれる弟の気持ちに感動しつつも、その名前はあくまで仮称だからさっさと変えてくれとも思ってしまう。複雑な感情がチルノを襲っていた。

 

「アバン先生に習っているわけだし、大地斬と海波斬で良いんじゃない?」

「姉ちゃん、でもおれ……」

「私が教えたのは劣化版みたいなものだし、気持ちは嬉しいけれどそこまで拘ることでもないでしょ? それに名前が変わっても、雷刃と風刃を覚えるまでの思い出までなくなるわけじゃないんだから、ね?」

 

少しだけ腰を低くしてダイと同じ目線にすると、チルノは優しく諭すように言う。まだ完全に納得しきれないような顔を見せるが、ダイは一応納得したように頷いた。

 

「そこまで意固地になることもないでしょうに……せっかく、ダイのために良いものを持ってきたのになぁ……」

「……! えっ、なになに!?」

 

少し仄めかしただけで途端にイイ表情を見せるダイの姿に嘆息しつつ、チルノはあるものを取り出すとダイに手渡す。

 

「現金ねぇ……はい、これ」

「え、これって……」

 

受け取った物を見て、ダイは目を丸くする。それは革鞘に入った短剣であった。予想もしなかったプレゼントに思わず息を呑む。鞘からゆっくりと引き抜いてみれば、見事な刀身が姿を現した。

作りそのものはパプニカのナイフに酷似しており、長さも同じ。だが柄を握ればダイの手に吸い付くように収まり、幾度か使ったことのあるパプニカのナイフよりもずっと扱いやすく感じた。

 

「いつまでも丸腰じゃあ格好がつかないでしょう? パプニカのナイフは私が貰ったものだし、大地斬と海波斬を取得したお祝いに、って思ったんだけど、そんな不貞腐れているんじゃ……」

「ありがとう姉ちゃん!!」

 

姉が不穏なことを言い切る前に、とばかりに勢いよくダイは礼を口にした。

元々、チルノがパプニカのナイフを受け取ってしまったことによる代替として、生産系スキルを駆使して作り上げたものである。システム的な説明をしてしまえば性能のいい聖なるナイフ相当の武器であるものの、量産品とは違ってダイの使いやすいようにサイズや重心を凝らしてある一点物である。

ここ数日のゴタゴタで渡せなかったのだが、ようやく渡せたことにチルノはほっと息をつく。無駄にならずに済んだのだから、それも当然だ。

 

「ほほう、ダイ君。いいものを貰いましたね。これは私も何かしなければ……」

 

自身の眼鏡を指でクイクイと動かし位置を調整しながらナイフを見つめ、やがてようやく思いついたかのようにポンと手を打つ。

 

「よし! とっておきの技を見せてあげましょう。特別(スペシャル)ハードコースの最終目的と思ってください」

 

言うが早いか腰の剣を鞘ごと抜くと、逆手に持って後ろに引く。

――この構えは。チルノはよく知るその姿に思わず息を呑んだ。有名なあの技を遂に見ることが出来るのだ。だがその技のターゲットは誰だ? 確か原作では――気づいた瞬間チルノは叫んだ。

 

「防御して!!」

「アバンストラッシュ!!」

 

技が放たれるよりも一瞬早く姉の叫び声が聞こえたおかげで、ダイは身を固くして攻撃に備えることが出来た。本当に辛うじて間に合った程度であったが。

続けて襲い掛かるアバンストラッシュの衝撃。勿論アバンは本気ではないし、いわゆるお試し体験版の一撃といったところだろう。そんな手加減された一撃であっても、防御しているダイは踏ん張り切れずに吹き飛ばされ、その衝撃は背後へと突き抜けていく。

近くで見ていたチルノでさえ、その余波を受けただけにも関わらず全身にビリビリとした衝撃を受けていた。あまりの迫力に背筋が震えるのが分かる。これが、代名詞ともなった伝説の技の威力。

 

「びっくりしたぁ……」

 

吹き飛ばされた衝撃もどこへやら、ダイは起き上がると自分に何が起きたかを確認するように周囲を見渡すと、隠しきれない笑みを浮かべる。

 

「でもすごい! こんなのをおれも使えるようになるの!?」

「ええ、出来ます。というより、出来るようになってもらわなければ困ります」

 

自分もこんな大技を使えるようになるという未来を夢想して、ダイのテンションは天井知らずに上がっていく。そんなダイを微笑ましく思いながら、アバンは頷き肯定する。

今直接体験したそれを忘れずに体へと叩きこむかのように、ダイはアバンの動きを真似して軽く素振りを行った。

そんな弟の姿を見ながら、今なら言っても問題ないだろうとチルノは口を開いた。

 

「ねえ、ダイ……それって、キラーマシンを倒した時の動きに似ていない?」

「え? ……ああ! そういえば!!」

 

少し前の、レオナの命が狙われた事件のことを思い出してダイは納得する。その事件の際にキラーマシンと戦い、全くの偶然ながらも剣を逆手に持って斬りつけることで相手を倒したのだ。

原作という名の神の加護か、それとも竜の騎士が持つといわれる闘いの遺伝子が作用したのか、その姿はアバンストラッシュに酷似していた。

その時の感触を思い出すかのように、ダイは再度素振りを行う。

 

「キラーマシンですって!? ど、どういうことです……?」

「あれ、先生は聞いてないんですか?」

 

キラーマシンという恐ろしい単語は流石に聞き逃せず、どういうことかと尋ねる。それを聞いたチルノは、アバンが知らないことに首を傾げながらも、あの時に何があったのかを端的に説明する。しばらくの後、アバンの口から出たのは当惑の声だった。

 

「なるほど……そんなことがあったのですね……そこまでは聞いていませんでした」

 

レオナからある程度の話は聞いていたものの、今の話については知らなかった。とはいえ、これは当たり前のことでもある。自国の司教と賢者が反乱を企てていたなど、アバン相手であっても流石に憚られる内容だ。

レオナ本人はそれも含めて真っ正直に話そうとしていたが、周囲の猛反対にあって上手く伝わっていなかった。

 

「その事件の時に、キラーマシンの一部分を貰いました。ダイのナイフも、実はキラーマシンが原材料なんですよ」

「え!? これが??」

 

慌ててナイフを鞘から取り出すと、もう一度マジマジと穴が開くほど良く見つめる。つられるようにアバンもナイフに視線を走らせた。確かに質の良い金属である。自分が古道具屋で買った10ゴールドの剣とは雲泥の差だ。とアバンは思う。

ダイはといえば、苦戦を強いられたあのキラーマシンを素材に武器としているのは何となく面白く感じて気に入っていた。狩人が初めて仕留めた獲物で装飾品を作るような気持ちである。

その裏では、生産系スキルを必死で鍛えながらナイフを作り出すという一か月以上にも及ぶチルノの苦労があったのだが、弟の笑顔が見られるのならあの苦労も悪いものではないと感じていた。

 

「そういえば、あの時はキラーマシンを直接切り裂いていたけれど、さっき見せてもらったのは遠くから攻撃していましたよね? アバンストラッシュは衝撃を飛ばすのが正解なんですか?」

 

もう少し言ってしまっても問題ないだろうと思い、チルノはアバンストラッシュについてさらに突っ込んだ質問を行い情報を引き出そうとする。

 

「いえ、直接攻撃をする場合もありますよ。便宜上、(アロー)タイプと(ブレイク)タイプと呼んでいます。先ほど見せたのが(アロー)タイプ。お話を聞いた限りですが、ダイ君が偶然にも使ったのが(ブレイク)タイプのようですね」

「ふぅん……遠距離技と近距離技、かぁ……」

「じゃあ、そのAタイプとBタイプの長所を合わせた技なんていうのは……」

 

踏み込みすぎだろうかという不安は捨てきれないが、これも先のためと思いチルノはさらに続ける。アバンから疑念に思われるのは覚悟の上。それでダイが少しでも強くなってくれるのならばと考えるが故の行動である。

 

「両方の長所を併せ持った技ですか……」

 

チルノの言葉に、アバンは腕を組んで思案顔を浮かべる。わざわざチルノに指摘されずとも、本家本元であるアバン自身がこの手の問題には一番ぶつかってきている。そして、悩むたびに明確な回答を導き出すことが出来ない。

 

「結論から言いますと、私には不可能でした。ですがもし、二つの技を併せ持った新しい技を開発した人がいたら……」

 

真面目な表情を浮かべて、アバンはダイとチルノの両方を見つめる。その真剣な眼差しを正面から受け止めて、姉弟もまた同じように神妙な面持ちで次の言葉を待つ。それが可能なのは一体どんな人物なのだろうか。待っている間に自然と浮かぶ想像が独り歩きしては消えていく。

アバンはじっくりと、相手を焦らして待ちきれないほどに間を開けてから、ようやく口を開いた。

 

「その人に弟子入りします」

 

ガクッ――という音が聞こえそうなほど、二人は盛大にコケた。

なまじ期待していた分だけにその落差は大きく、まるでギャグマンガのような醜態をさらけ出す羽目になってしまう。

 

「先生~……」

「はっはっは。いやぁ、すみません。ですが、これは事実ですよ。私ではこれ以上に発展させることは出来ませんでした。ならば、出来る人にお願いするというのも一つの考えです」

 

笑顔ではあるものの、眼鏡の奥から見え隠れする眼差しは真剣そのもの。アバンストラッシュを進化させることのできる誰かの登場を待っているようにも、隙あらば自分の手でより発展させてやりたいという野望を持っているようにも見える。

武人として、教師として、どちらもアバンの偽らざる本音なのだろうか。

 

「さて、少々おしゃべりが長くなってしまいましたが、特訓を開始しますよ」

 

 

 

「闘気とは、生命エネルギーのことです」

 

改めて仕切り直し、とばかりにアバンはダイに向けて説明を開始した。

 

「これを利用することで武器の攻撃力を向上させたり、逆に身にまとって防御力を上げたり。果ては、魔法のように飛ばすこともできます」

「へぇ……闘気なんて姉ちゃんは教えてくれなかったもんなぁ……」

「ははは、闘気を使うにはまずは肉体の鍛錬が重要です。そのため闘気の使い手は戦士や武闘家といった肉体派が中心なのですよ。チルノさんにその境地まで辿り着け、というのは少々酷ですね」

 

肉体派、という言葉を聞き、なぜか筋骨隆々となった姉の姿を思い浮かべていた。島に住むゴールドマンやギガンテスすらも圧倒する姉の姿を想像し、ダイは慌てて雑念を振り払う。

 

「肉体を鍛え、前線で戦う者こそが目覚めやすい。それは、命を感じ取るからです」

「命を……?」

 

命、という漠然とした表現のため、途端にダイの理解が追い付かなくなる。しかしそれはアバンにとっては想定内だったらしく、すぐに言葉を続けた。

 

「生き物はみな、命を持っています」

 

命の源とはここだ! と言わんばかりに、アバンは自分の胸をドンドンと叩く。

 

「ここから生み出される命のエネルギー。戦士は相手と真正面からぶつかり合うからこそ、闘気を感じ取りやすくなるのですよ」

「うーん……」

 

言わんとしていることは漠然とわからなくはないのだが、それでもダイは困惑したままだった。大地斬、海波斬と比べると求められているレベルがまるで違う。闘気という今まで意識したことのないものを急に理解しろというのだから、それも仕方ない。

 

「まあ、詳しい理屈は後回しにして実際にやってみましょう」

「え!? そんな簡単に出来るものなんですか?」

「この島に住む皆さんの力を少々借りますけどね。ダイ君、島のモンスターを呼べますか? できれば暴れ猿のような元気のいいモンスターがいいのですが」

「わかりました。それじゃ……」

 

ダイが指笛を鳴らすと、しばらくして島のモンスターたちが集まってくる。とはいえ、まだ朝の早い時間だ。無理を言って来てもらったため、寝ぼけ眼のモンスターもいれば、住処で眠りこけたまま集合をすっぽかしている者もいる。

全員集合とまではいかないまでも、アバンの望んだ暴れ猿などの姿も確認できる。

 

「寝ているところを、ありがとうございます……なるほど、これなら問題ないですね」

 

集まったモンスターたちの顔ぶれを見ていき、やおら満足したように頷く。

 

「ではダイ君、ここにいる集まった皆さんと戦ってください」

「ええっ!? 島のみんなと戦うの!?」

「はい。ですが倒すのが目的ではありません。ダイ君は素手で、さらに反撃は禁止します。攻撃をさばいたり防ぐ程度なら問題ありません。逆に、皆さんはダイ君を出来るだけ本気で攻撃してください」

 

反撃をせずに、攻撃を避けるだけ。回避の修行と言われてしまいそうだが、これがどうやって闘気と結びつくのか。ダイにはアバンの考えが分からなかった。

 

「では、時間もないのでちゃっちゃと始めましょう!」

 

アバンの開始宣言を聞いたものの、モンスターたちは誰一人として動こうとしなかった。彼らからしてみれば、突然集められて仲間であるダイを攻撃しろというのだから、この反応も至極当然であろう。動かずにいるモンスターたちの姿にやがて業を煮やしたのか、ダイは叫んだ。

 

「みんな! 遠慮せずにおれを攻撃してくれ! アバン先生の修行なんだ!!」

 

その言葉には、揺るぎない決意が込められていた。当惑していたモンスターたちも、その言葉を聞いてゆっくりと動き出す。

最初に仕掛けたのはサーベルウルフだった。自慢のスピードで瞬く間にダイへ接近すると、その牙を剥いて飛び掛かる。だが、真正面からの攻撃はダイに容易く避けられていた。

それに続けとばかりに、今度は暴れ猿とマンドリルが同時に襲い掛かって来る。手加減をしているらしいが、それでも襲い掛かる際の野生は本物に近い。左右からのコンビネーションのような攻撃を、ダイはそれぞれ片手で受け止める。

 

「くっ!」

 

受け止めこそしたもののパワーは相手の方が強く、ダイは軽く吹っ飛ばされることとなった。不安定な姿勢になったところを、今度は大アリクイの体当たりが襲う。

避けるほどの余裕がないと判断し、咄嗟に前に飛びながら大アリクイの背中に手を置く。そのまま台上前転のようにくるりと一回転して、体当たりをやり過ごした。

 

「おお~!」

 

一連の攻撃をなんとか避け切ったダイの姿を見て、アバンは軽く手を叩きながら声援を上げる。

 

「皆さん、その調子ですよ。どんどんやっちゃいましょう!!」

「えっ、ちょ……ええええっ!?」

 

まるで獲物に群がる肉食獣よろしく、アバンの言葉に従いモンスターたちがダイへと飛び掛かる。先ほどよりも数が多く、勢いも増した攻撃に流石のダイも苦戦を強いられる。

 

「安心して攻撃を受けてくださいね。回復呪文は掛けてあげますから」

 

そんな大乱闘の輪の少し外れで、アバンは暢気そうな声色でダイたちに言う。届いているかどうかはわからないが。

――さて。

呑気な空気はここまで。とばかりにアバンの纏う空気が鋭いものへと変わった。

ダイとモンスターたちの動き全てに気を配り、万が一にも致命傷や大事故にならないように目を光らせる。

無数のモンスターの猛攻の前には、時折防御も回避も間に合わずに攻撃を受けることもあった。だがモンスターもそこで理解をしているらしく、直前で勢いを可能な限り殺している。牙を持つモンスターは直前まではその剣のような牙を見せつけるものの、攻撃には使わずに。鋭い爪を持つモンスターは攻撃が当たる瞬間にその爪を隠して、裂傷を与えないように。

それでも事故が起きないとは限らない。いざというときにはいつでも飛び出してダイの盾となれるように、アバンは警戒を怠らない。

 

「わっ! たたっ!! くうっ!」

 

そうやって回避を続けてどのくらい時間が経っただろうか。ダイの動きが少しずつ良くなっていった。未だ攻撃を受け続けているものの段々と……まるで僅かに先の未来を見ながら動いているかのように、モンスターたちの攻撃の波に対応していく。

 

――やはりこの子は素晴らしい。仕込みがあったとはいえ、それ以上に才能と信念がある。

 

何故対応が出来るようになっていったのか。ダイが攻撃パターンに慣れた? 確かにそれもあるかもしれない。だが、それよりももっと。アバンの瞳には、ダイが闘気を感じつつあることがありありと見て取れていた。

先ほどアバン本人が言ったように、闘気とは生命のエネルギーである。それは勿論、モンスターも持っているものだ。モンスターの中でも特に野生を発揮する存在。獣系と分類されるモンスターたちは、本能から無意識のうちに闘気を利用する傾向が強い。

剥き出しの野生と闘気を肌で直接感じさせることで、ダイに闘気を意識させること。それこそが、アバンの狙いだった。

ダイのようなタイプは、長々とした理論よりも一回の実践。痛みを伴いながら体で理解させる方が早いという読みもあってのことだ。期限が一週間しかないので、長々と時間を掛けていられないという理由もあるが。

ともあれアバンの読み通りダイは相手の闘気を感じ取り、先読みへと利用し始めている。それどころか、攻撃を受けた際には――おそらくまだ無意識だろうが――闘気を集めてダメージ軽減にも役立てている。

アバンは薄く笑うと、手近に落ちていた木の枝を拾う。

 

「そろそろ慣れてきた頃でしょう?」

「えっ!? あ痛ぁっ!!」

 

アバンの声が聞こえたかと思ったその瞬間に、ダイは脳天に衝撃を受けていた。得物そのものは木の枝のため軽いものの鋭く痛い一撃。それもダイにとっては完全に死角となる背後からの攻撃だ。

どこに行った? と痛みに堪えながら視線を走らせるが、アバンは見つからない。勿論その間もモンスターたちの攻撃は続く。さすがに長時間の攻撃により精度もスピードも開始当初と比べて落ちているが、それはダイも同じだ。疲労する体に鞭を打って、攻撃を避ける。するとそこへ――

 

「……っつうううぅっ!!」

 

再び背後から襲い掛かる鋭い一撃。先ほどと同じく、アバンがどこからともなく攻撃してきたのだ。今までのモンスターたちの攻撃とは違い、いつ襲い掛かって来るのかまるで分らない。

 

「目で追ってはダメですよ。相手の闘気を感じ取るのです」

 

ダイの耳へアバンの声が届く。声はすれども姿は見えず。時折襲い来るアバンの一撃を意識しながら、ダイの猛特訓は続けられる――かに思われたが。

 

「アバン先生」

「おやチルノさん。どうしました? まだ早朝特訓の時間ですよ」

 

不意に聞こえたチルノの言葉に、アバンも手を止める。

彼女には別の早朝特訓メニュー――人の顔ほどもある岩を両手にそれぞれ持ち、不安定な足場でひたすら動かず転ばずに空気椅子の姿勢を維持させるというもの――を申しつけていたはずだが。

 

「いえ、もうそろそろいい時間じゃないかと思って。ポップも起こさないといけないし」

 

言いながらチルノは天を指差す。そこにはいつの間にやら、太陽が煌々と照り付けていた。

 

「おや? いつの間に……確かに、一旦区切りますか」

 

どうやら時間も忘れて修行を見ていたようだった。こんなことはいつ以来だろうかと思いながら、アバンは早朝練習の終了を宣言していた。

 

 

 

「で、午前の特訓はおれが担当ってわけね……」

 

眠たげな眼と表情を隠そうともせず、ポップはチルノに向けて言う。

というのも、現在はアバンはダイに掛かり切り状態で特訓を行っている。ダイ本人が申し出て、アバンもそれを承諾。チルノ本人もまずはダイを優先してくれと言っているため、このような状況となっていた。

そのため先輩であり魔法使いのポップが、賢者(予定)のチルノの面倒を見る事となる。

 

「よろしくね、ポップ」

「ああ、でも……もうちょっと寝てていいか?」

 

そう言いながらチルノの返事も聞かず、ポップは木陰で横になろうとする。

 

「えっ!? ちょっと待って!!」

「しょうがねぇだろう……変な時間に無理矢理寝かされて起こされて、まだ頭がボーッとしてんだよ……」

 

静止の声を意に介さず、一本の木を支え代わりに肩ひじをついて横に寝っ転がった。その姿はアバンの目が届きにくいのをいいことに、適当にさぼろうとする姿勢がありありと見て取れる。

 

「後で報告するわよ?」

「いいのいいの。これは体調不良っていう立派な理由だよ」

 

チルノが軽く脅しをかけるが、ポップは我関せずとばかりにヒラヒラと手を振ってまるで動こうともしない。言っても聞きそうにないと思ったのか、仕方なくチルノは昨日アバンから受けた格闘技や体術を思い出しながら、型の稽古を行うようにして一人で修行を開始する。

 

「…………」

 

そんなチルノの様子を、少し離れたところでポップはボーッと見ていた。

眠くて頭が冴えないというのも本当だが、それ以外にもう一つ、どうにもチルノと顔を合わせづらい。気恥ずかしいというか、面と向かい合えないかというか、謎の罪悪感に悩まされるというか。

それぞれで修行を行う際にアバンからもチルノのことをよく見てやってくれと言われているのだが、この気持ちとどうやって折り合いをつけるか悩んでいたところ、寝不足というちょうどいい大義名分を手に入れた。

これ幸いとばかりに距離を離している。このままではよくないということも彼は理解しているのだが……

 

「……ふっ! ……ふっ!」

 

そんな兄弟子が内に秘めた感情など知らず、チルノは短く息を吐きながら特訓を続けていた。早朝の特訓の疲れも抜けきらず、体全体が鉛のように鈍化しているのだが、それでも必死で格闘術の稽古を続けていく。

ついには細目でそれを見ていたポップは、やがてあることに気が付いた。ああ、これは……

 

「違う違う。そうじゃねえよ」

「え?」

 

不意に掛けられた言葉にポップの方を見れば、彼は未だ横になった姿勢を崩さない。

 

「突きがブレてる。それじゃ駄目だ」

「えーっと……こう!?」

 

言われた通りに突き手を意識してもう一度見せるが、ポップは首を横に振る。

 

「そうじゃねえって。もっと腰に力を入れて……ああもう! そうじゃねえって!!」

「え!? え!? 違うの?」

 

矢継ぎ早に出されるダメ出しに対応して動きを見せるが、その都度別のダメ出しを受ける。

寝転がっていたはずのポップはいつしか体を起こし、座ったままの状態で突きを軽く実演して見せた。

 

「もっと、こう! ほら、まだ曲がってるぞ!!」

 

眠気と苦手意識はどこへやら。指摘点を口に出すたびに語気は強く、声は大きくなっていく。

 

「ああ、ようやくわかった。立ってる時点でちょっとズレてるんだ。ちょっと待ってな……こうだよ、こう」

「ここ?」

「そうそう、もう少し足を……」

 

見ているだけ、口を出しているだけでは思い通りにいかないことにいい加減じれったくなったらしく、遂には立ち上がるとチルノの横に並び立ち、一度手本とばかりに動きを見せる。チルノがそれを真似すると、すぐにダメ出しをして、時には手足を掴んで正しい位置へと修正させる。

さっきまでサボろうとしていたはずなのに、いつの間にか熱心に指導を行ってくれる。そんなポップの姿を頼りに思い、チルノは素直に従う。

 

――どうやら、思ったよりもちゃんとやってくれているようですね。

 

二人が熱心に修行を行っているのを、アバンは木の陰からコッソリと様子を窺いつつ独白した。

ダイの修行をチルノが見ることはできても、チルノの修行を見てくれるものはデルムリン島にはいなかった。利発な子供だと思われていたし、人間の修行をモンスターが口出しするというのも中々難しい。ダイならば指摘できたかもしれないが、まだ子供のダイにはそこまでの余裕はなかった。

そのためチルノは少しずつ、体術を間違って体に覚えこませてしまったのだ。軸のブレ、中心の歪み、無駄な動き。それらが欠点として彼女の足を引っ張る。

初日の時点で、アバンはそれに気づいていたが、あえて強く指摘することはなかった。

ダイの修行を優先的に行ってくれというチルノの願いもあったが、同時にアバンはこれを利用できないかと考えた。それが今の状況である。

ポップがきちんと指導してくれれば、先輩として経験値を積める。ダメだった場合は最悪自分が喝を入れてでもやらせようかとも思っていたが、少々のサボりはあったもののポップは自発的に指導を行い、兄弟子としての自覚も少しでも芽生えたようだ。

その姿を見られたことに満足気に頷くと、アバンはその場から音もなく離れて行った。

 

 

 

「……つまり、空裂斬とは邪悪な命を断つ剣です。わかりましたか?」

 

現在、昼食休憩を挟んで座学の猛勉強の時間である。

昼の前にちらりとダイの特訓を見た限りでは、感覚として闘気を感じ取っていたようである。時折襲い掛かるアバンの死角からの一撃も幾度か防いでおり、このまま行けばすぐにでも習得してしまうのではないか? そう思えるほどの出来栄えだった。

このまま闘気の特訓を続けたいと願うダイであったが、何事もメリハリが大切というアバンの言葉によりお勉強の時間となっている。

 

昨日のアバン流刀殺法の授業内容では、既に会得していた大地斬と海波斬の説明をしており、空裂斬については名前と存在を匂わせる程度に留められていた。そして闘気を理解しつつある今日に空裂斬を持ってきて興味を惹くあたり、中々巧いやり方だ。

そうして空裂斬について一通りの説明を行ったが、表情を見る限りダイの理解度は良いところ半々くらいだろうか。

 

「……ダイ、わかった?」

「……姉ちゃんは?」

 

姉弟そろって顔を見合わせる。しばし無言で見つめあった後に、どちらも望み薄と感じ取ったようである。

 

「姉ちゃんもわからないことがあるんだね……」

「闘気の理解が中々できなくて……ダイは?」

「敵の本体を見極めろって部分……」

 

空裂斬とは、心の眼で敵の本体を捉えて光の闘気で攻撃する技である。そのため前提として闘気を会得していなければ理解も必然的に遅くなり、空裂斬の有効な相手というのは得てしてその本体がどこにあるのか外からでは判別できない。それを闘気によって感じ取るわけだが――

砂山の中に一つだけ埋もれた小石の場所をピンポイントで見つけ出せ。理解出来ない彼らにとってはそう言われているようなものである。

何とも暗いトーンで会話する弟子たちを見て、アバンは一つのイタズラを思いつく。

 

「ふむふむ。大丈夫ですよ、その辺は先輩のポップが教えてくれますから」

「ええっ!! おれですかぁ!?」

 

それは、我関せずといった空気を見せていたポップに話題を振ることだった。

アバンの下での修行中に、空裂斬についてこそ授業は行ってはいないものの、ガス生命体などの本体が不明なモンスターについての勉強も行っていた。空裂斬を教えろとまでは行かなくとも、ある程度は教えられるかと淡い期待をしていたが……

 

「いやぁ、おれは魔法使いだからさっぱりっていうか……」

 

――パシン!

 

そこまで口にしたところで、ポップの脳天に木の枝が落とされる。先ほどまでダイの修行の最中にアバンが使っていたものだ。音こそ軽いものの痛みは絶大。それを身をもって知っているダイは何とも言えない乾いた笑顔をポップへ向けていた。

 

「そういう安穏とした考えは成長を妨げますよ。相手が悪の剣士だったらどうするんですか?」

「いつつ……」

 

頭を押さえて呻き声を上げている弟子を見ながら、アバンは諫めの言葉を口にする。

 

「……質問いいでしょうか?」

「はい、チルノさんどうぞ」

「光の闘気で攻撃する技ですよね? ということは、闇の闘気も存在するんですか?」

「なるほど。良い質問です」

 

痛みに苦しんでいるポップに少し同情しつつも、知的好奇心半分、後のことを考えた打算半分の気持ちで、チルノは言う。ここから上手くアバンの使徒の長兄の話に繋げられるか、少しでもヒントを貰えるか。賭けに近いが、少しでも上手くいけば。

 

「先ほど私は悪の剣士と言いましたが、悪の剣士は空裂斬を使うことはまずありません」

「え?」

「空裂斬は光の闘気をぶつけて相手の闇の闘気を消滅させる技です。消滅させるには、闇の闘気の源となる急所を狙うのが一番効率的となります。ここまではよろしいですか?」

「はい」

「よろしい、では続けますよ。急所の位置を判別するために、闘気で相手の本体を感じ取るわけです。何しろ相手は本体が不明なわけですから。無駄な攻撃をしても喜ぶのは敵だけです」

 

最小の手間で最大の一撃を効率よく叩きこめ。言っていることを要約すればそういうことだろう。

 

「光の闘気を利用する技ですから、それを持たない悪の剣士は使えないということです。また、悪の剣士であれば、空裂斬を必要とするような邪悪な生命体は味方でしょうから、覚える必要もないということもあります」

 

闇の闘気を利用した空裂斬のような技があってもおかしくないのでは? と考えるが、それもすぐにアバンが否定する。

 

「悪の剣士が相手をするのは普通の人間や生物、つまり弱点が分かっている相手です。肉体を攻撃すればそれだけでも十分ダメージになるので、無理に空裂斬と同じ技を使わなくとも十分なわけですね。ほかにも、闇の闘気にはそれを利用して相手を操る技があるそうです。その技を使えば、相手の邪悪な生命体はなすすべもなく操られるとか」

 

闘魔傀儡掌という技である。暗黒闘気を利用して相手を操る技である。これを使えば相手を倒すどころか支配下に置けるのだから、倒すよりもより効率的だろう。

使わない理由と使う必要のない理由。この二つの根拠から、空裂斬を使ってこないと断じていた。だが、そこまで言ってから、ほんの少しだけ心に影を落とす。

 

「ですが、もしも使える相手がいるとすれば……」

「先生?」

 

不意にシリアスとなった師の様子を不安に思い、ダイもポップもチルノも心配そうにアバンを見つめる。やがて、教え子たちの視線に気づくと咳払いをしながら姿勢を正した。

 

「ダイ君、チルノさん、ポップも聞いてください。私の弟子の中に一人、アバン流刀殺法を教えたヒュンケルという少年――いえ、もう青年ですね――がいます。もしかすると、彼が空裂斬を使うかもしれません」

「ヒュンケル……その人が悪の剣士なんですか?」

 

まさかこの時点でその名前をアバンの口から聞けるとは。予想外に出来すぎており、どこかで揺り戻しがくるのではないかと内心ドキドキしつつ、アバンが話しやすいであろう言葉を選びながらチルノは尋ねた。

 

「わかりません。とある理由で、私は彼に空の技を……心の技をしっかりと教えることが出来ずに別れることとなってしまいました。もしかしたら、彼は……」

 

――悪の剣士になっているかもしれない。

その続きを、アバンは口にすることが出来なかった。正義の使徒として健全に成長していてほしいという願いと、別れの場面にてヒュンケルの見せた殺気から想像できてしまう堕ちた未来。この二つがアバンの中でせめぎ合う。

 

「皆さんはいずれ、私の下を卒業して立派に巣立っていくことでしょう。その時、もしもどこかでヒュンケルと出会ったら、そのときは……」

 

そのときにどうして欲しいのか。アバンは答えられなかった。

説得してほしい? 引導を渡してほしい? 自分に知らせてほしい?

グルグルと思考が回転していくが、そのどれもが間違っているように感じられる。

 

「いえ、失礼しました。勉強時間に言うことではありませんでしたね。忘れてください」

 

何故ここまで言ってしまったのだろうか? ここまで言うつもりはなかったのだが。そうアバンは自問する。

その原因はダイである。ヒュンケルと同じように剣を学び、その才に長けている。それどころか素直でどこまでも明るい未来すら感じさせられる。

彼ならばひょっとしたら……そんな希望を持ち、知らず知らずのうちに言っていたのだ。

 

「今は空裂斬と闘気についてです。特にダイ君、朝の特訓ではいい感じでしたよ。闘気を扱って防御力を高めることも行えていましたし、もう半分以上は出来ていると言っていいでしょう」

「本当!?」

 

途端に勉強については気もそぞろとなり、早く闘気技の続きを行いたいと全身で表現するダイ。

嬉しそうに反応する彼の姿を見て、アバンはふと思う。この少年ならば、たとえヒュンケルが誤った道を進んでいても正しい道に戻してくれるのではないか、と。

 

アバンの見立て通り、夕方の猛特訓にてダイは闘気技の基礎を身に着けていた。

 

 

 

■□■□■□■□■□■□■

 

 

 

「さて、今日は闘気技の応用です。具体的には離れた相手に対する戦闘方法となりますよ。昨日学んだ闘気を飛び道具のように放って攻撃をするわけです。注意しなければならないのは、闘気の過剰放出も可能ということです。その場合反動で大ダメージを、下手すれば再起不能となるので注意しましょうね……」

 

特別(スペシャル)ハードコース三日目。

闘気技の応用――闘気の放出による遠距離攻撃――についての授業を開始するアバンとダイ。前日に引き続き、チルノとポップは別メニューを行っていた。

だが、昨日と比べるとチルノは特訓に身が入り切っていない。そのことをポップに指摘されるも、曖昧に笑ってお茶を濁すことしかできなかった。

 

何しろ今日は、予定ならば――。

 

早朝特訓も終わり、午前中の通常特訓の時間のことだ。

不意にデルムリン島が揺れた。

初めに感じたのは僅かな地面の揺れと、空気が張り裂けるようなビリビリとした揺らぎ。だがそれはすぐさま巨大な揺れへと変貌して、島全体を突き上げるように襲い掛かって来た。

 

「な、なんだこりゃあ!?」

「地震!? とにかくアバン先生のところに合流しましょう!」

 

まともに立っているのも困難ではないかと思われるほどの衝撃。少し離れた場所にいたチルノとポップは、何事かと思いながらもアバンの下へと合流すべく揺れの中を急いだ。

 

「二人とも。よかった無事でしたか……」

「さすがに地震くらいじゃ、なあ?」

 

アバンとの合流は何事もなく出来た。ポップはアバンの言葉に心配しすぎだと軽く抗議するが、彼が本当に心配していたのはそれではない。

 

「いえ、これは地震ではありません……この震動は、何者かが島の魔法陣を破ろうとしているのです」

「ええっ!?」

 

驚くダイとポップを尻目に、チルノだけは別のことを考えていた。

ついに、魔王がやってきたのか、と……

 

 




前回の誤字指摘にて気づかされました。ずるぼんとへろへろを間違えていました。本当に申し訳ございません。これは間違っちゃダメだろ自分……
元々予定になかった水浴びシーン……深夜の勢いで書くものじゃないですね……
(でも書いたことに悔いはない。むしろ使えるくらいに書いた方が良かったのかな(何に?))

スペシャルハードコース、原作の7日間の修行予定は、以下のようになっているそうです。
----------------------------------------
1日目:体質(フォーム)改善・基礎特訓
2日目:"大地斬"取得
3日目:"海波斬"取得
4日目:闘気技の基礎
    実戦練習(複数の敵との戦闘・接近戦闘)
5日目:闘気技の応用
    実戦練習(離れた敵との戦闘)
6日目:精神鍛錬
    実戦練習(見えざる敵との戦闘)
7日目:"空裂斬"取得
    アバンストラッシュ完成(AタイプBタイプ)
----------------------------------------
ですが、この話の中では3日目までをまとめて1日目に集約しています。
そのため、原作では辿り着かなかった4日目と5日目が差し込まれました。
(修行内容自体はそれっぽいものを勝手に考えてますが)

キラーマシンの金属からナイフ生成。
お察しの通り、パプニカのナイフの代替品です。だってそうでもしないとダイが素手のままになるので。この短剣はオニオンダガーとかチキンナイフとかダンシングダガーとかじゃなくて、あくまでDQ武器です。聖なるナイフとかの。(意味は全くないですが)

前話でポップが謎の寝不足になったと記載してしまったので、二人で修行するシーンでちょっとだけ面倒なことに。まあ、それでも乗り越えて耐性が付いたと思っていただければ。
(重ねて書きますが、寝不足の原因は不明。バーン様だってわかりません)

空裂斬の説明の部分、乱暴ですねぇ……アバンにとって悪の剣士とは暗黒闘気を操ってようやく一人前ってことでしょうか?

今回は動きが無いですね。読んでくださった方は多分退屈だったんじゃないかと。
(ただ、伏線(っぽいもの)は仕込んだ(はず)……自信ないなぁ)
もう二話くらい後からはっちゃけ始めると思います。

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