隣のほうから来ました   作:にせラビア

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LEVEL:96 怪獣大決戦

大魔王バーンがハドラーたちとの戦いを始めたのとほぼ同じ頃、ダイたちはミストバーンを相手に戦闘を始めていた。

 

「闘魔滅砕陣!」

 

先手を取るはミストバーンだ。彼にとって、大魔王の命令は全てに優先する。だが、(ドラゴン)の騎士二人を含む大人数を相手に彼一人では少々心許ない。ましてや敵方にはミストバーンの天敵たる光の闘気を操る者が複数いるのだ。

難問であることは自覚しつつ、機先を制するように最大威力で暗黒闘気の糸を放ち戦闘の主導権を握ろうとする。

 

「甘いッ!」

 

瞬時に張り巡らされた蜘蛛の巣のようなそれをヒュンケルは瞬時に看破し、光の闘気を放って打ち破る。闘魔滅砕陣は一瞬地面に張り巡らされただけで、なんの効果も発揮することなく終わっていた。

彼からすればミストバーンの相手をするのも慣れたもの。戦士の才に溢れたヒュンケルにとって、闇の衣を纏ったままではもはや勝負にならなくなりつつある。

 

「くっ……!?」

「空裂斬!」

 

ヒュンケルが滅砕陣を止めたのと同時に、ダイが空裂斬を放つ。彼が手にする"ダイの剣"は未だ抜き身のまま、鞘に戻されていない。オリハルコンの剣にて放たれた空の技は、ダイ本人も驚く程の威力を伴ってミストバーンへと襲いかかる。

 

「ウオオオォォォッ!!」

 

直撃すれば戦闘不能は必至だろう。

凄まじい速度で迫る空裂斬をミストバーンは身をよじって躱すが、無理が祟り体勢が崩れてる。とはいえ必殺の一撃を避けた代償としては安いものだろう。この中ではダイとヒュンケルの攻撃が最も危険だと考えそう判断するが、それはどうやら誤りだった。

 

「ハッ!!」

「グ……ッ!」

 

動きが鈍くなった瞬間を見逃さず、ラーハルトが動いた。目にも映らぬほどの速度で移動し、閃光のように繰り出される攻撃はミストバーンとて避けることは能わない。仮に闇の衣を脱ぎ捨てたとて翻弄されるほどの速度だ。

ミストバーンの特性から、速度や衝撃波ならばダメージそのものは皆無に近い。だがダメージを受けなくとも、衝撃は受ける。足止めをされ、その場に縫い付けられる。

 

「やああああぁぁっ!!」

 

動きを止められたところへマァムが気合いの声を上げながら迫ってきたのを察知し、ミストバーンは瞬間的に判断に迷う。ロモスにてマァムが光の闘気らしきものを使用しているとの報告を受けていたからだ。ザムザを倒す際に使った――オーラキャノンや聖拳爆撃といった――技ならば有効打になりうる。どうするべきか逡巡する一瞬のうちに、マァムはほくそ笑む。

 

土竜昇破拳(どりゅうしょうはけん)!」

 

続く彼女の取った行動は、ミストバーンの想定外のものだった。絶妙なタイミングで襲いかかってきたかと思えば攻撃をせずに両腕を大地に叩きつけたのだから。何をしたいのか分からず判断にさらに迷わされる。その時間は命取りだった。

 

「グアアアッ……!?」

 

突如、ミストバーンの足下が爆ぜた。続いてそこから猛烈な勢いで衝撃が噴出する。

まるで――この世界には存在しないが――対人地雷を踏んだようだ。何が起きたか分からずまともに喰らってしまい、その足を完全に止める。

 

「やっぱり、この技は苦手ね……」

 

土竜昇破拳(どりゅうしょうはけん)も武神流拳法の技の一つであり、地面を殴ることで衝撃波を操り敵の足下を爆発させる技だ。その性質上、攻撃力というよりも相手の意表を突いて動きを止め、体勢を崩すことを目的とする。大技を確実に当てたり、仲間の最大攻撃を補佐するための下準備などに最も効果を発揮する。

とはいえ、狙った部分を爆発させるため、敵に移動されると途端に無力化されるという欠点もある。いわゆる"初見殺し"に分類されるため同じ相手には二度も三度も通用しない。

 

今回はその役割を充分に果たしていたが、技の効果を横目に見ながら、マァムは渋い顔を覗かせる。理想的な土竜昇破拳(どりゅうしょうはけん)ならば、ミストバーンの身体は爆発の衝撃で中空へと浮かび上がっている。爆発箇所ももっと足下近くだったはずだ。

一言で言えば練習不足。完璧とは言い難かったのだが――

 

「――でも、クロコダイン!!」

「ヌオオオオオオッッ!!」

 

前述の通り、役割は充分に果たしている。自分の仕事は終わったとばかりに、次の仲間へと順番を譲れば、獣王クロコダインは待っていましたとばかりにミストバーンへと突進する。

 

「クロコダインだと?」

 

口に出すことなく「舐められたものだ」という後半の言葉を飲み込む。確かに攻撃力は高いだろうが、それだけだ。ミストバーンからすれば、ダイたち勇者一行の中では警戒するに値しない相手の一人だった。

動きを止められた状態のために回避はままならず反撃するにも遅いが、クロコダインの一撃ならば怖くはない。そう判断して、振り下ろされた豪腕を受ける。

 

「がっ!? こ、これはっ!!」

 

その予想は瞬時に覆された。

本来ならばありえない、予期せぬ衝撃を受けてしまう。ダメージを受けると同時にミストバーンは吹き飛ばされ、今度こそ地面へと叩きつけられた。

 

「そう、光の闘気だ。アバン流の空の技に到るほど強烈ではないが、それでもお前には効くだろう?」

 

想定通りの結果にクロコダインは見せつけるようにニヤリと笑う。

 

テランでの戦いの後にヒュンケル、ラーハルトらと共に鍛錬を重ね、修行の際にはアバンの書というお手本があった。そんな環境であれば、一ヶ月に満たない期間であってもクロコダインの才を持ってすれば光の闘気に目覚めることも可能だった。

とはいえ、本人の言う通りにダイたちと比べれば弱い。だがそれも使い方次第だ。

 

ミストバーンとも矛を交える可能性は、チルノが正体を明かした時点で予想は出来ていた。

仮に予想が的中したならば、自分の攻撃に対して最も無警戒になるだろうということも。

ならば、敵がクロコダインが光の闘気を操れることを知らなければ、油断したところへ光の闘気による一撃をたたき込めないだろうか?

もしも実現すれば、下手な空の技よりもよほど有用に働くに違いない。

 

「よしっ! 今なら!!」

 

結果は見ての通り。

ミストバーンがクロコダインの攻撃を受けたところまでを確認して、ポップは小さく歓喜の声を上げた。そして、右手に火炎呪文(メラ)を左手に氷系呪文(ヒャド)を生み出す。

 

ここまでの連携は、あらかじめ打ち合わせ済みのものだった。

最も警戒すべき相手ではなく、敵が警戒を外した相手で効果的な一撃を与えることができれば、精神的にも大きなダメージを与えられる。

だがグズグズもしていられない。クロコダインの言葉通り、あの攻撃は空の技ほど強烈ではない。例えるならば、油断していたところに氷水を浴びせられたようなものだ。ダメージが皆無とは言わないが、そのうち起き上がってくる。

 

それを防ぐため、敵にトドメを刺すのがポップの役目だった。

師マトリフより伝授された極大消滅呪文(メドローア)を放ち、ミストバーンを消滅させる。それこそがこの連携の締めくくりとなる。そのためにミストバーンを地面にたたき伏せてまで動きを封じたのだ。

絶対に外すことのないように。

極大消滅呪文(メドローア)ならば、どれだけの耐久力を誇っていても関係はない。凍れる時の秘法すら例外としてしまう、文字通り当たれば最強の呪文。呪文返し(マホカンタ)に似た特技を持っていると聞いてはいたが、それも今の状態ならば関係ない。

 

文字通り必中の一撃となる……はずだった。

 

「アアアアアアアアアアアアァァァッ!!!!」

「うおっ!? って、やべっ! ドジった!!」

 

集中してたところへ突如、身を震わせるほどの咆吼が響いた。それを耳にした者は、思わず身を竦ませるほどの恐ろしい絶叫。驚きと恐怖のあまり、完成間近だったはずの極大消滅呪文(メドローア)を霧消させてしまった。

だがそのことでポップを責めることはできないだろう。

耳にした者は皆、一様に動きを止めてしまう。そしてその声の向こう、咆吼の主たる黒竜が動き出した。その瞳は怒りに燃え、手近な者たち――すなわちダイたちのことを睨みつけていた。

 

 

 

 

 

 

「……なんだ!? だが、今のうちに!」

 

ミストバーンもまた咆吼をまともに耳にしていたが、さすがの精神力といったところか。いち早く正気を取り戻すと、急ぎダイたちから距離を取る。どのような手段かはわからなくとも、あのままならば手痛い攻撃を受けていたというのは彼も直感で理解していたのだ。

それを回避するために距離を取ったのが理由の一つ。

 

そしてもう一つ。黒竜の攻撃対象とならぬために距離を取った。

こちらも詳しい事情は分からぬが、あの竜はダイたちの仲間の一人チルノだというのは分かっている。ならばこれは、敵同士が勝手に潰し合ってくれると言う絶好の好機だ。

 

「あ~驚いた。まさかあんな大声を出すなんて」

 

容易に攻撃が届かない程度に距離を取ったところで、キルバーンが合流してくる。

 

「キル、貴様の仕業か? まあ、よい。今だけは助かった」

「ウフフ、別にミストの手助けをしたつもりじゃないんだけどね。あの竜は勇者ダイの肉親だろう? だったら、内輪で争わせた方が面白くなるかと思ってね」

「だがこれは、鬼が出るか蛇が出るか……」

 

問題があるとすれば、未だ黒竜の力が未知数ということ。どのような結末を招くのか、ミストバーンは思案顔を覗かせ、キルバーンは薄ら笑いを浮かべていた。

 

 

 

 

 

「なんとかして止めるんだ!」

「なんとか……って、アイツはチルノなんだろ!? どうすりゃ良いんだよ!?」

 

目前へと迫り来る黒竜を前にして、ダイたちはどのように動けば良いのか分からなかった。攻めあぐねる、というよりも防戦一方。相手の行動に反撃すらできず、ただ回避を選択し続けるのが関の山だ。

 

「うわっ!! やめてよ姉ちゃん!!」

 

チルノの横に回ろうとしたダイであったが、突如として大きく後ろに跳びすさる。それと同じタイミングで目の前を黒竜の尻尾が風を切って通り過ぎた。仮に直撃していればどうなるかなど、考えるまでもない。

ある意味では、今までの戦いの中で最大の戦力を誇る攻撃を掻い潜りながら、彼らはチルノを元に戻しうる方法を模索し合う。

 

「そうだ! マホカトールの呪文ならどうだ!? あれなら実績もあるはずだぜ!!」

「そうか、それなら姉ちゃんを!」

「でも、私たちに使えるのは誰もいないわよ!?」

 

妙案を思いついたとばかりに声を上げるが、使用者が誰もいないという新たな問題が浮上する。

 

「レオナは!? 使えないの!?」

「……ごめんなさい」

 

ダイの疑問にレオナは小さな声で謝罪する。

そもそもマホカトールを覚えるには、破邪の洞窟の深くまで潜り呪文を契約する必要がある。加えて黒竜は巨体を誇るため、肉体全てを覆う程の大きさの魔方陣を描かねばならない。を高位の術者でなければ、とてもそこまでの魔法力は持ち得ないだろう。

呪文を覚える可能性としては賢者のレオナが一番可能性は高いが、呪文の契約という意味でも術者の力量という意味でも、合格点には到っていない。

 

とはいえ、今回の場合は例えレオナがマホカトールの呪文を契約していたところで無駄なことだったが。

 

「どのみち無駄だろう。あれは我を忘れて暴れている状態だ。まだラリホーでも唱えたほうが大人しくなる可能性は高い」

「ああ、オレも同じ意見だ。野生の怪物(モンスター)の中には、ああいう目をした者が時折いる。本能で暴れているだけだろう」

 

バランとクロコダインがそれぞれ口を開いた。竜の群れを率いていた者と、獣王として無数の獣の頂点に立った者。二人は互いの得意分野という観点から、チルノの現在の状態を的確に看破していた。

 

「ラリホーったってよ! あのチルノに効果があるとは思えねぇぞ!!」

 

催眠魔法(ラリホー)のような呪文は、高位の相手や抵抗力が極端に高い相手には効果を発揮しない。そういう相手には無策で呪文を放ったところで徒労にしかならず、ポップはバラン本人も分かっているだろうことを叫ばずにはいられなかった。

 

「仕方あるまい……ディーノよ! お前も覚悟を決めろ!!」

「えっ!? と、父さん……!?」

 

バランは真魔剛竜剣を黒竜へと構え、竜闘気(ドラゴニックオーラ)を滾らせる。その目は完全に、チルノを敵としてみているそれだった。声を掛けられたダイの方が、その真意について問い質したくなるほど殺気を漲らせる。

 

とはいえ勿論、バランは本気でチルノを害するつもりなどない。

抵抗力が高ければ、下げれば良い。暴れるならば、痛めつけて弱らせれば良い。ただそれだけのことだ。弱らせれば抵抗力も下がり、催眠魔法(ラリホー)も効果を発揮しやすくなる。それが狙いだ。

 

加えて、手っ取り早くチルノを無力化させなければならない理由もある。

今は動かずにいるが、ミストバーンとキルバーンが揃って様子を見ていたのをバランは鋭敏に感じ取っていた。それどころかぐずぐずしていればバーンまでもがこの戦いに参戦する。

そうなれば戦況はさらに悪化するだけだ。非情だ冷血だと文句を言われることになろうとも、最悪の状況となる前に手を打たねばならない。

 

「少々荒っぽく行くぞ! 我が息子の伴侶となるならば、このくらいは耐えてみよ!!」

 

言葉が届くことを願いながら、バランは黒竜へと挑む。その緊張感たるや、魔界でヴェルザーの相手をした時にも勝るほどだ。

 

 

 

 

 

「戦況はどうなっている?」

「はっ! バランが黒竜を相手に攻撃を仕掛け始めました。どうやら弱体化させるようです」

 

ハドラーと親衛騎団たちとの戦いを終え、バーンは悠然とした足取りでミストバーンたちの所へと歩み寄る。ミストバーンたちは未だ、ダイたちの行動を遠巻きに見物しているだけである。下手に手を出して黒竜の気を惹いてしまっては元も子もないからだ。

 

「なるほど……つまらんな……」

「は……?」

「バーン様、それは一体どういうおつもりで?」

 

ミストバーンから何があったのか詳細を告げられた後、バーンも戦線を眺め始めた。だがそれはバランを中心として黒竜を弱らせるように手心が加えられた、戦いに満たない何かでしかない。

少しの時間観測を続けた後に大魔王はそう吐き捨てた。だが言葉の真意が分からずミストバーンは疑問の言葉を上げ、キルバーンもまた直接問い質す。

 

「バランのことだ。あの顔の傷、そしてあの言動……余の元へと来た頃とは比べものにならん。どうやら完全に腑抜けとなったようだな。つまらんと思わんか?」

「確かに……魔王軍にいた頃とはまるで別人……」

「そうですかねぇ? ボクとしては、面白くなったと思いますよ。あのバラン君が……ウフフフ……」

 

チルノへと攻撃を仕掛けている間、バランは時々彼女の正気を促すように声を掛けていた。剣を走らせてはいるものの、必殺の気概というものが感じられない。つまるところ、相手を気遣っているのが見え隠れしている。

そして顔の傷もだ。テランにて離反した頃には、あのような傷は刻まれていなかった。そしてその傷を治そうともしていない。見せつけるような傷跡は、バランからすれば決意の証でもある。

だがそれもバーンからすれば、評価の対象には到らなかった。そのようなものはバランには相応しくないと考え、ミストバーンはそれに追従する。そしてキルバーンは、大魔王とは真逆の意見を口にした。

 

「キルバーン、何か意見があればはっきりと申してみよ」

「いえいえ、これはボク個人の感想なので。それで、次は勇者ダイたちを相手にすればよろしいので? それともこのまま高見の見物を続けます?」

「そうだな……」

 

キルバーンからすれば、あのような人間らしい感情を見せるのは付け入る隙へと繋がる。故に、面白いと評していた。先のハドラー戦での一件もあり、ああいった甘さを見せる竜騎将の姿が可愛くてたまらないようだ。思わず手を出してしまいたくなるほどに。

だがそれはそれ。

自身の立場ということもあり、次の動きについてお伺いを立てる。

 

「まずは、勇者たちからだ……"圧倒的"かつ"確実"に勝利を得るとしよう」

 

少しの思案の後、大魔王はそう口にした。

平時のバーンならば、この程度のことにここまで思考に時間を使うことはなかった。そして、どこか回りくどい言い方を見せる。

 

「……ま、まさか!?」

 

二人の部下のうち、最初に気付いたのはミストバーンであった。バーンが何をさせたいのか、忠誠心に溢れる彼はわざとらしい言い方からその心を察し、僅かな恐怖を見せた。

 

「ミストバーンよ……余は"許す"と言ったのだ」

 

その反応が望むべき答えだったとばかりに、バーンもまた頷いて返す。続いて、暴れ回るチルノへと視線を向けた。

 

「それとあの竜だが、捕獲しておきたい。上手くすれば、バランの代わりになるやもしれん。できるか?」

「……御意に。それが、大魔王様のご命令であれば」

 

恭しく一礼をすると、ミストバーンは自らが纏う衣へとおもむろに指を掛け、左右へ引き裂くようにして開く。それは彼が闇の衣を脱ぎ捨て、隠された本来の力を解放するためのものだ。

易々と使うことも衆目の目に晒すことも、今までならば控えていた本来の力。それを大魔王自らが率先して促しているという事実が、バーンが今の状況をどう思っているかを端的に表しているに他ならなず、ミストバーンはそれを僅かに危惧する。

 

「それにしても……竜か……」

 

だが部下の心とは別に、バーンはその視線を黒竜へと向けたままだ。

 

「あのような竜を、我が配下とするのもまた一興か」

 

――竜、ねぇ……それはつまり、ヴェルザー様へ向けての何か意図がある。と、解釈すべきなのかな?

 

どこか愉しそうな瞳のバーンの姿を、キルバーンはそう解釈した。

興味がそそられるというのは彼自身も同意見だが、バーンの立場からすれば地上征服計画の完遂に向けて不確定要素は可能な限り排除すべきではないのかと疑問に思ったからだ。もしもそうならば、この後の立ち回りに細心の注意を払うべきだと自らの心に刻んでおくのを忘れない。

 

そう考えている横で、ミストバーンはその衣を脱ぎ捨てた。その下から浮かび上がったのは、端整な顔立ちの若き男性魔族の姿である。眠っているかのように瞳は閉じられており、額には魔王軍の紋章をどこか想起させる漆黒の紋章のようなものが刻まれている。

これこそが、かつてチルノも口にした大魔王バーンの若々しき頃の肉体。全盛期の肉体を操るミストバーンの能力でもある。

 

「久しぶりにミストの素顔を見たよ」

「おおーっ! カッコイイー!!」

 

闇の衣を脱ぎ捨てたことで、キルバーンは思考を中断すると道化師のようなその立ち振る舞いを再開する。からかうような物言いに、けれどもミストバーンは口を開くことはおろか一切の反応をみせることもなった。

 

「さて、余も少々本気を出すとしよう」

 

ミストバーンが衣を脱いだ頃、バーンもまたある行動を起こしていた。右手に魔法力を集中させると、空間と空間とを繋げ、その中へと手を突っ込む。やがて、おもむろに手を引き抜いた先には、一本の杖が握られていた。

先端部分に三つ叉の刃を思わせる意匠が施された黒い杖。刃の下には閉じた翼を思わせる細工があり、中心部には真紅の宝石が埋め込まれている。その宝石からは蛇腹状の鎖が杖本体の石突き近くまで絡みついている。

 

「光魔の杖……こりゃもう勝負はあったようなものですねぇ……」

 

ロン・ベルク謹製、光魔の杖。

持ち主の魔法力を無尽蔵に吸い取り、それを破壊力へと変換する。ただそれだけの武器。だが、莫大と言う表現すら烏滸がましいほどの魔力を誇るバーンが握った場合にのみ、最強最悪の武器へと変貌を遂げる。

 

「行くぞ」

 

たった一言の言葉。

だが大魔王がそれを口にしただけで、周囲の温度が一気に下がり底冷えするような殺気が瞬く間に満ちあふれた。

 

 

 

 

 

「チィッ!! この気配は!!」

 

バーンたちが動き出したことを、バランはすぐさま察知する。戦場の空気が一変した、とでも言えばよいのだろうか。それは本能に任せて暴れ回る黒竜の相手をしていてなお見落とすことがないほどの、圧倒的な存在感だった。

黒竜の牙を大きめに避けながらチラリと気配のする方向を向けば、余裕のつもりだろうかゆっくりとした足取りで大魔王と二人の部下が歩みを進めている。だがその殺気は間違いなく、ダイたち全員の命を奪わんとしている。

しかも彼らから漂ってくる闘気はどうだ。

バーンは光魔の杖を手にしたことにより、ただでさえ恐ろしいはずの威圧感が更に増している。そして衣を脱いだミストバーン――気付くのにバランは一瞬の時を要したが――からは事前にチルノから聞いていたように、大魔王を上回るほどの闘気が伝わってくる。

 

「どうするのだ、バランよ」

 

このままチルノを正気に戻そうとすれば、間違いなく大魔王たちが割って入るだろう。混戦は必至となるはず。そうなれば最悪、共倒れだ。純粋な戦力差だけで鑑みても、大魔王たちが漁夫の利を得ることは想像に難くない。

 

そうなる前にチルノを正気に戻すか?

いや、ダメだ。実現できるという確証がない。少なくとも大魔王たちの足止めをする必要があるだろう。そう、誰かが……

 

「いや、何を迷うことがあろう」

 

そこまで考え、バランは思考を打ち切る。

 

――ソアラと出会い、ディーノを授かることが出来た。ラーハルトという義理の息子も出来た。もう二度と会えぬと思っていた実の息子、ディーノと再会することも出来た。絶縁したとしてもおかしくはなかった関係を修復し、共に横に並び戦うことも出来た。ディーノの大切な相手をこの目で見ることもできた。歴代の(ドラゴン)の騎士と比べても、私ほど恵まれた者はいないだろう。

 

「ここが、命の賭け時か」

 

自らの半生を走馬灯のように振り返り、納得したように頷く。悔いがないわけではないが、これ以上を望むのは贅沢が過ぎるというものだとバランは判断する。

 

「ディーノよ! そちらは任せたぞ!!」

「そっち、って……!?」

 

その言葉が何を意味しているのか。それを問い質そうとして、ダイは見た。

バランが左目に付けていた竜の牙(ドラゴン・ファング)を手に取り、強く握りしめている姿を。

 

「あれは……まさか……!」

「バラン、竜魔人になるつもりか!!」

 

一度見たことのある者たちが口々に声を上げた。

 

「って、ちょっと待った! 竜魔人は敵味方の区別なんかねぇって話だったよな!?」

「む! そ、そういえば確かに」

「だよな!? 下手したら、大魔王以外に手強い敵が増えるってことに……」

 

ポップが致命的な欠点に気付き、悲鳴を上げる。だが止まらない。

そうしている間にもバランの手からは人間の証明となる赤い血が流れ出し、やがてその色は魔族の蒼い血へと変わっていく。額の(ドラゴン)の紋章は直視するのが(はばか)られるほどに強く輝きを放ち、天空から一条の稲妻がバランへと降り注ぐ。そして、雷撃を切り裂くようにして、竜魔人の姿へ変貌を遂げたバランが現れた。

 

「と、父さん……」

「……こちらは、任せるがいい」

 

ダイにとっては忌々しい思い出すらある竜魔人の姿である。何を言って良いのか分からず、ただ父のことを呼ぶことしか出来ない。それはバランにとっても、同じだった。この姿はかつて死闘を演じた破壊魔獣の姿である。好き好んで息子に見せたい物では決してない。

 

だが、バランは敢えてその身を魔獣へと変えることを選んだ。そして、理性的な瞳(・・・・・)でダイに向けてそう告げると、真魔剛竜剣を構え直しバーンたちを睨む。

 

「ラーハルト! ディーノを頼む!!」

「まさかバラン様!! お一人で大魔王の相手を!?」

 

その問いかけに返事はなかった。返答の代わりだと言わんばかりに、バランはバーンらへ向けて全力で突撃する。その顔には決死の覚悟が宿っていた。

 

「ふむ……バランの奴め……」

 

迫り来るバランを見ながら、バーンは少しだけ満足そうに呟く。

 

「ありゃりゃ、こりゃ怖いですね」

「バーン様、ここは私が」

 

ミストバーンとキルバーンの二人が思い思いに口にするが、そんな言葉も彼の耳には入っていない。

 

「不抜けたとばかり思っておったが……よいぞ、まだそのような殺気を放てるか!」

 

目に映る全ての物を破壊せんとするほどの強烈な殺気。バーンが久しく味わっていなかった、どれだけの障害があろうとも相手を害さんとする強い意志だ。不抜けたと断じた相手からの思いも寄らぬ反応に、バーンもまた光魔の杖を構えると自ら立ち塞がってみせた。

 

 

 

 

 

バランが大魔王たちを相手に決死の戦いを挑んだころ、チルノの相手を任されたはずのダイは未だ迷い続けていた。

 

「姉ちゃん! おれだよ、ダイだよ!! お願いだから正気に戻ってよぉ!!」

 

彼はただ、姉へと向かって叫ぶことしかできなかった。

無論、それが普通の反応だろう。

同じ(ドラゴン)の騎士だとしても、バランほど経験もなければ非情な決断が出来るわけもない。ましてや姉として、家族として、そして恋人として大切な存在である。そんな存在に対して危害を加える様な真似が出来るほど、ダイは達観しているわけでもない。

出来るのは、ただ愚直に叫ぶだけだ。

 

「くっ……これは……」

「バランがいなくなっただけで、こうも苦戦させられるとは……」

「チルノ様! しばしご辛抱ください!」

「チルノ! さっさと目を覚ましなさい!!」

 

だが、どれだけ叫んでもその想いが必ず報われるとは限らない。

ダイが手を止めている間にも、黒竜の動きは止まらない。それを必死で止めていたのはヒュンケル、クロコダイン、ラーハルト、マァムの四人であった。バランが相手をしていた時にも彼に従い行動していたが、一人抜けたことで均衡が崩れたらしい。

それぞれ鋭利な爪の一撃を躱し、巨大な牙をやり過ごし、鞭のように迫る尾を受け止めて、チルノを弱らせようと攻撃を加える。だが強固な鱗は生半可な攻撃など全て弾き返してしまう。

それでもなんとか崩れずにいるのは、竜の動きが肉体能力まかせの単調なものだからだ。おかげで、ヒュンケルたちは持ちこたえ、攻撃を続けることが出来る。だが剣も槍も斧も拳も、ゆっくりと削ってはいるものの、このままでは遠からず均衡が崩れることだろう。

 

「くそっ!! ダイっ! 気持ちは分かる!! けど、ぶっ飛ばしてでもチルノを押さえ込まねえと、全滅しちまうぞ!!」

「ポップ君! ダイ君の気持ちも……」

「わかってんだよ! おれだってこんなことしたくねぇよ!! おれがダイの立場だったら、ビビって何にも出来なくなるに決まってるんだ!!」

 

叫び続けるダイの姿を見かねたようにポップが怒鳴り、それにレオナが口を挟もうとする。この二人は催眠呪文(ラリホー)を扱えるので控えていた。仮にチルノが弱まれば即座に呪文を唱え、無力化できるよう備えるためだ。

そして、レオナの言葉を遮るようにしてポップは更に、動かないダイに対して怒鳴る。

 

「けど、バーンの強さを知らねぇわけじゃねぇだろうが!! せっかくここまで皆で辿り着いたんだ!! ここで全滅すれば、地上は終わっちまうんだ!! そんなことは絶対にさせねぇ!!」

 

それはダイを説得するというよりも、自分の覚悟を改めて口に出しているようにも見えた。マトリフから魔法使いの心得というものを叩き込まれたポップは、必死で冷静に戦局を見つめて適切な行動を取ろうと注意してきた。その成果が花開いたといえよう。

 

「そうよダイ! 今は悩んでいるわけにはいかないの!! 心を鬼にしても、やるべきことをやらなくちゃ!!」

 

意外に――といってはなんだが、マァムがポップの言葉に賛同する。普段のマァムを知る者ならば、ダイと同じく手を止めていたことだろう。だが、かつてチルノの口から語られた決意や覚悟が、彼女を突き動かしていた。バランの言葉にも率先して動き、チルノを止めるべく奮戦していたのだ。

 

「お前が出来ねえんなら、恨まれたって構わねぇ! おれがやる!! 大魔王を倒せなきゃ、全部終わっちまうんだ!! いい加減、目を覚ましやがれ!!」

 

叫びながら閃熱呪文(ギラ)をチルノに向けて放つ。高熱の光線は一直線に突き進み、けれども黒竜の鱗を僅かに焦がしただけだ。

だがその言葉に、ダイもようやく覚悟を決める。

 

「う、うう……うおおおおおおっっっ!!」

 

――姉ちゃん、今だけは許して!!

 

右手の(ドラゴン)の紋章を燦然と輝かせながら、ダイは黒竜目掛けて突進する。そのまま巧みな動きで懐まで入り込むと、腹部目掛けて全力で殴りつけた。

 

「ガアアアアアアアアアアアアアッッッッッ!!」

 

途端、黒竜は顎を大きく開き全力で咆吼を漏らした。

だがそれは今までの恐怖を相手に植え付けるためのものではなく、苦痛を吐き出さんとするためのものだ。強烈な一撃によって、誰の耳にもはっきりと分かるほどに痛々しい悲鳴が吐き出され、動きを止める。

 

「姫さん、今だ!! おれもやる!!」

「ええ!」

「「催眠呪文(ラリホー)!!」」

 

少々気の毒に思いながらも、二人はたちは効果が出ることを願いながら呪文を唱えた。

 

 

 

 

 

――まさか、そういうことか!

 

バランは唐突に理解した。いや、竜魔人となり野性や本能が強くなったからこそ、獣に近くなったからこそ感覚的に理解できるようになったのかもしれない。

 

それは黒竜の正体についてだ。

今までは気付けなかったが、竜魔人となった今ではチルノが竜闘気(ドラゴニックオーラ)に影響されているのがはっきりと理解できた。だが何故、(ドラゴン)の騎士でもないはずの彼女が竜闘気(ドラゴニックオーラ)に影響されているのか、バランにも心当たりがあった。

テランにて自らの血を与えたときだ。その時以外には考えられない。

しかし血を与えたからといって、竜闘気(ドラゴニックオーラ)を操れるようになるなど聞いたこともない。一体なにが起きたのか、原因は分かっても過程についてはまるで理解がおよばない。

 

――ならば我が身を竜魔人へ変えたのは失策だったかもしれん!

 

だが、原因が分かったからこそ見えたこともあった。

あの黒竜が暴れたのは、ハドラーも含めた三名が竜闘気(ドラゴニックオーラ)を操っていた時だ。三名分の竜闘気(ドラゴニックオーラ)に当てられ、悪酔いをしたように暴走したのだろう。かつてバランが、(ドラゴン)の紋章を利用してダイにしたのと似たように。

 

ただ、それでも何故竜へと身を変じたのか――それは現在では、チルノ本人ですら分からない。トランスという技能もチルノの中で作られた竜王(バハムート)のことも知らぬバランでは――その答えに辿り着くことはできないのだが。

 

とあれ竜になった理由は問題ではない。

大事なのは竜闘気(ドラゴニックオーラ)が影響しているということ。そして竜魔人の闘気を浴びては、再び暴走する危険性が一気に高まったということだ。

 

「ガアアアアアアアアアアアアアッッッッッ!!」

「!」

「むっ!」

「おや?」

「……?」

 

チルノの悲鳴が響き渡り、バーンたちは一瞬だけ反応を見せた。バラン自身も驚きこそしたもののその隙を逃すことなく回り込むように場所を動くと横目で何が起きたのかを確認し、そして今度こそ動きを止めた。

 

――なんだと!?

 

彼の目に映ったのは、ダイ目掛けてブレスを吐きださんとしている黒竜の姿だった。ダイたちの方で何が起こったのか、バランには分からない。それでも、推測することはできる。

 

激痛の絶叫が上がったことから、ダイがチルノを弱らせるために攻撃をしたのだろう。であれば、そこから動きを止めようと呪文を唱えただろうと推測できる。だが竜が止まっていない以上、作戦は失敗したらしい。

痛みから立ち直った黒竜が次に何をするか……それは自らに手を出した者への報復だろう。

ましてや今のダイは(ドラゴン)の紋章を発動させている。竜闘気(ドラゴニックオーラ)に引き寄せられ、自然と標的にしてもおかしくはない。

 

――ええい、ままよ!! (ドラゴン)の紋章や竜闘気(ドラゴニックオーラ)に反応しているのだとすれば!!

 

そこまで考え、バランは臍を固める。息子を失うのも義娘が息子に手を上げる姿も見たくはない。父としての矜持にも似た意地が彼の身体を突き動かした。

 

「これでどうだ!!」

「なっ……!?」

 

バランは更に(ドラゴン)の紋章を輝かせ、竜闘気(ドラゴニックオーラ)を全身から迸らせる。それはチルノの注意をバランへと引き付け、あわよくば標的までもを変えてしまおうという算段からの行動だった。

目論見は見事に的中し、チルノの標的はダイからバランへと移る。

その行動に驚かされたのは大魔王たちであった。黒竜が突如として標的を変えたのだから、詳しい事情を知らぬバーンらからすれば予想外の出来事である。しかも矛先はバランのいる方――そこにはバーンたちもいる。

 

だが、バランの策はこれだけでは終わらない。

 

「おおおおぉぉっ!!」

 

両手を竜の頭部を象るように組み、高めた竜闘気(ドラゴニックオーラ)を掌中にて圧縮していく。竜がブレスを放つのを模した(ドラゴン)の騎士の究極攻撃呪文、竜闘気砲呪文(ドルオーラ)である。

チルノがメガフレアを放つのに合わせることで、さらなるダメージを狙うつもりだ。

 

「くっ!」

「これはちょっとマズい気がするね……」

 

既に竜闘気砲呪文(ドルオーラ)を止めることは不可能なことに気付き、思わず焦りの声が大魔王たちから漏れた。

 

瞬間移動呪文(ルーラ)!」

「しまっ……!」

 

ブレスが放たれる直前、バランはルーラの呪文を唱えてバーンたちの後方へ移動した。ここまで来れば何を狙っているかなど、子供でも分かる。悔恨の声が上がるがもう遅い。

 

竜闘気砲呪文(ドルオーラ)!!」

「アアアアアアアァァッ!!」

 

メガフレアとドルオーラ。

世界が異なるとはいえ、最強の名を冠した二種類のブレスがバーンたちを前後から挟むようにして襲いかかる。

 

「や、やべぇ!!」

 

二頭の竜の吐息が激突すれば、大魔王とてただでは済まないだろう。だがその激突がどれだけの破壊力を生み出すのかは想像もつかない。

ポップの脳裏に浮かんだのは激突した余波だけでも全滅する仲間たちの姿だった。

 

「掴まれ!! 逃げるぞ!!」

 

そう考えた瞬間、行動を起していた。

離れていた仲間たちを命令するようにして呼び集めると、彼自身はダイの首根っこを掴む。

 

瞬間移動呪文(ルーラ)!!」

「ポップ! ま……っ!!」

 

ダイが静止の声を上げるよりも早く、超高速の飛行が始まった。

 

 

 

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

 

 

 

周囲はまるで整地された土地のように綺麗になっていた。何も知らぬ者が見れば、ここが死の大地だとはとても信じられないだろう。それほどまでに全ての物が吹き飛び、何も無くなった真っ新な大地。

そこにチルノは一人、身を横たえていた。

 

限界が訪れたのか、今や少女の姿へと戻っているものの、その全身は痛々しい有様だった。

竜へと変じたのが原因だろう、纏っていたはずの衣服はボロ布以下。下手をすれば裸の方がマシかもしれない。その傍らには、意志を持ってここまでやってきたのであろうガリアンソードが突き刺さっている。

 

「……っ」

 

未だ意識は戻っていないにも関わらず、肉体が助けを求めているのだろう。本能的に息を吐きながら何かを掴むように手を伸ばす。

 

その姿を、バーンは見下ろしていた。

 

 




Q.もう一度聞くぞ、本当にこんな展開で大丈夫か?
A.……(目をそらす)


チルノ「やめて! 私に乱暴するつもりでしょ!? エロ同人みたいに!!」
バーン・ミスト・キル「しないしない」

ザボエラ「…………」←するかもしれない
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