こんな世界も悪くない☆   作:レーヴィン

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真面目なのを書くとギャグも書きたくならない?


本編
楽しまなきゃ損☆


俺だ。指揮官だ。グリフィン所属のな。

 

・・・何?いきなり言われたって分からない?

ああ、すまない。ここ連日災厄に見舞われていたからな。少し冷静さを欠いてた。

 

ちゃんとした自己紹介は、後日行う。

 

「いや、今行うべきじゃろう」

 

そんな俺の日記に突っ込むは、ナガンおばあちゃんことM1895。

この世界にいるならば知らない人はいないであろう名の知れた人形である。

 

「いや、そうしたいんだけどね?でも本当に今少し」

「指揮官、気持ちは分かる。だが今あやつは大人しい。これを逃せば永遠にこのチャンスは訪れなくなるかもしれんぞ?」

 

そうか。そうだな。

 

「分かった。頑張るぞ」

「その意気じゃ!わしも手伝うから気をしっかり持つんじゃ」

 

改めて筆を持つ。さて集中集―――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴォォォォォォン!

 

「何事じゃ!?」

 

激しい爆発音とともに、基地全体に警報とアナウンスが鳴り響く。

 

すると、手元の通信機か連絡が入った。

 

「こちら司令室!何があった!」

『こちらM1911!『あいつ』が射撃訓練場を吹き飛ばして・・・今M9とP38と一緒に消火活動中です!』

 

急いで射撃訓練場の監視カメラを確認する。

そこに映し出されたのは、消火活動の指揮を執るM1911、その横を懸命にバケツを持って火を消すM9とP38。

 

「何故じゃ!?コルトSAAがしっかりと見張っていたのではないのか!?」

『ごめんね。コーラ大量にくれたからつい☆』

 

ナガンおばあちゃんが連絡の対応をしている中、俺は燃え盛り、火の粉が舞う訓練場の中央に立つ人形を見る。

長いポニーテールに横が空いた服を着たすらりとした女性。

 

アーキテクトは設置されている監視カメラの方を向くと、手を顔の前にやってお決まりのピースサインを決めるのであった。

 

 

 

 

つい先日、グリフィンはある地区の雪山で鉄血の新兵器を多数破壊、そして鉄血のハイエンドモデルを鹵獲してきた。

そのハイエンドモデルがアーキテクトなわけだが、

 

・・・え?知ってる?どうでもいいからアーキテクトが俺の基地にいる経緯を話せって?

話せと言われても、

 

『アーキテクトをそちらの基地に移す。異論は無いな?』と本部に言われ『おk』と返したらこうなった。

 

「いや、何で了承したんですか」

 

一緒に報告書を書いていたP38がため息交じりにそう聞いてきた。

 

「最新の戦術兵器かと思った」

「もっと確認しません?」

 

冷ややかな目でこちらを見るP38。中々新鮮ではあるが正論を言われ、俺は崩れ落ちた。

 

「指揮官!報告書出来上がったよ!」

 

そんな中、明るい声で入室する人物が1人。噂をすれば何とやらだ。

 

「見て見て!すごいでしょ!」

 

アーキテクトは目の前までやってくると報告書・・・ではなく緑と黒の2色で色塗りされた折り鶴を差し出してきた。

 

「報告書は?」

「あるよ」

「早く出せよ」

 

もう片方の手に持っていた報告書をもぎ取り、目を通していく。

 

「ねえねえ指揮官!」

「何だ」

 

作業中にも拘わらず、話しかけてくるアーキテクトにうわの空で返事をする。

 

「明日さ、ドライブに行かない?」

 

また唐突な事を言い出したぞこいつ。

 

「何で?」

「何でって、つまらないから」

 

こいつらしい単純な理由だ。

 

「分かった行こう」

「え!?」

「やった!」

 

驚いたP38はすぐに俺の隣へとやってくる。

 

「指揮官、これまでの事忘れたんですか!?大体こいつの要望なんて碌な物じゃなかったじゃないですか!?」

「聞かなかったらそれはそれで面倒ごとを巻き起こすだろうが!」

 

俺とP38が静かに論戦していると、

 

「じゃあ明日の朝一番に倉庫に来てね!P38も一緒にね」

「え?私も?」

 

待ってるからー!と言って、颯爽と部屋を飛び出して行くアーキテクト。

 

「腹を括れP38」

「分かりましたよ、もう」

 

しぶしぶ席に戻り作業を再開するP38。俺も作業を再開させようとしたところで、アーキテクトの置いていった折り鶴が目に入った。

 

(意外と器用だな、あいつ)

 

しばらく手に取って眺めていると、不意にP38が言い放った。

 

「それ快速修復契約じゃないですか?」

 

 

 

 

「風が気持ち良いね!最高!」

「分かった!分かったからスピードを落とせ!」

 

おはよう。現在だだっ広い草原をジープで絶賛爆走中であります。

 

「うえええええ、もう限界ですぅ~」

「わしもじゃ、指揮官すまん」

「頼む!気をしっかり持ってくれ!」

 

既に体力の無いP38とナガンおばあちゃんを必死で励ます。

本当はこのまま寝かせておくのが良いのかもしれないが、いざという時に脱出に遅れてしまう。

 

「お!見て見てジャンプ台!」

 

アーキテクトの指さす先にはスクラップになっている戦車が見えた。確かにジャンプ台に見えなくも無いが、

 

「やめろアーキテクト!それ以上はいけない!お前のためでも「アクセル全開!」聞いてくださいお願いします!」

 

叫びも願いも空しく、ジャンプ台へと突っ込み――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気づいたら再び、草原を爆走していた。

 

「お、おおぅ?」

 

何が起きたか分からずしばらくぼーっとしていたが、

 

「2人とも無事か!?」

 

思い出し、後ろを振り向くが2人の姿は無く、代わりに天井に穴が2つ開いていた。

 

『アーキテクト!もうやめるんだ!』

 

突然通信機に女性の怒声が響いてきた。

 

「ゲーガー!来てくれたのか!」

 

ゲーガー。アーキテクトと同じ鉄血のハイエンドモデル。詳しい説明はまた今度。

 

「ああ、M1911から聞いてな。嫌な予感がして追いかけてきたのだが、状況は最悪のようだな」

「そうだな。もう2人犠牲者が出てしまったよ」

 

それを聞き、一瞬沈黙した。

 

「ゲーガー?」

「安心しろ。私が止めてみせる」

 

凛としているとはこのことなのだろうか。

 

「・・・」

「どうした?」

「いや、何でも。とにかく止めてくれ!」

 

その言葉を最後に通信は切れる。

 

「あ!また形の良いジャンプ台があったよ!」

 

指さす先にはまた戦車のスクラップ。だが先ほどのものよりボロボロだ。

 

「アーキテクト、考え直せ。あれに突っ込んだら」

 

言い終わる前にジープは再び加速し始めた。思わずアーキテクトを見たが、目は完全に理性を失っていた。

こうなったらゲーガーが全ての希望だが、彼女はどうやって止める気だ?

考えを張り巡らしていたら、スクラップの前に巨大なボウガンを持った1人の女性が現れた。

 

(ゲーガー?何をする気だ?)

 

現れた女性ゲーガーは、ボウガンの反対側の方からこれまた巨大なレーザーブレードを出し始めた。それを見て俺は理解した。

この車ごと一緒に切り裂く、つまり物理的に、

 

「これ、俺も危なくね?」

 

身の危険を感じ、飛び降りようとするが扉が開かない。さっきの着地の時にひしゃげたのかもしれない。

 

ゲーガーは武器を構える。アーキテクトはさらに加速する。それを見た俺は諦めて覚悟することにした。

 

(大丈夫だ。ゲーガーなら大丈夫。信じてるぞゲーガー!)

 

祈るように手を合わせ、目を強く瞑り―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「済まない指揮官。爆走してくる車を正面から止めるのは不可能だった」

 

ベットに横たわる俺を見下ろしながら、すまなさそうにそう告げた。

 

「終わった事だ。お前も休め」

 

そういうが、ゲーガーは立ち去る気配が無い。

 

「どうした?」

「指揮官、アーキテクトの事なんだが」

「分かってる。処分はしない」

 

その言葉に安心したのか、ゲーガーの表情は和らいだ。

 

「ありがとう。それとこれ。アーキテクトからだ」

 

そう言って、懐から取り出したのは水色と白の2色で色塗りされた折り鶴だ。

 

「アーキテクトは大丈夫なのか?」

「問題無い。頑丈さなら他の人形に負けはしないさ」

 

しばらく話し込んでいたがゲーガーは仕事があるといって、医務室から出て行った。

そして入れ替わるようにM1911が入ってくる。

 

「ダーリ~ン、お粥持ってきましたよ~。食べさせてあげますからね~」

 

ルンルン気分で近づいて来たM1911だが、机の上に置いてある折り鶴に視線を向けて首を傾げた。

 

「あれ?」

「アーキテクトが折ったんだ。器用だよなあいつ」

 

よく見えるように彼女の前に折り鶴を近づけると、

 

「それ快速訓練契約じゃない?」

 

そう言い放つのであった。

 

 

 




変わらず勢い執筆。
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