こんな世界も悪くない☆   作:レーヴィン

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お久しぶりです。モチベを保つのは難しい。幸いなのは感覚が残ってた事。


その願い叶えましょう☆

「ふふふ、指揮官さんは本当に優しいな」

 

あ、ごめんね。私はK5。グリフィンで占い兼ね戦術人形をやってるんだ。

 

「ちょっと待て、話の初めは大体お「指揮官さん、おはよう」ああ、おはよう」

 

遮ったのにも関わらずちゃんと律義に返してくれる。普通なら咎めたりするのに本当に、

 

「指揮官さん、大好き」

「ええい、抱き着くな!大体いつ、部屋に侵入してきた!?」

「×月〇日の23時39分34秒2だよ。ちなみに指揮官が布団にベットに入ったのは」

「そこまで聞いとらん!どけ!」

 

 

 

 

こんな滅茶苦茶な世界でも、朝起きたら女の子が隣で寝ててしかも大好きと言いながら抱き着いてくる。

これほどまでに幸せな事は無い。

 

だが、一部例外もいる。

 

「指揮官さん、どうして抵抗するの?占いによると、抵抗すればするほどアーキテクトが何かやらかす未来が待ってるよ?」

「あいつの名前を出せば、俺がひるむと思っているなら大間違いだ」

 

それがこのK5という人形だ。こいつは・・・ああダメだ。朝からこの調子でまともに頭が働かない。

 

「指揮官さん、大丈夫?医務室行く?今日は私が担当だよ?」

「今日もだろ・・・」

 

 

 

 

 

 

「指揮官さん知ってる?医務室って男女の逢瀬の場所なんだって」

 

医務室に半ば強制的に連れてこられた俺は、K5の言葉を無視し、棚から頭痛薬が入った小瓶を取り出す。

 

「指揮官さん、こっちの方が効き目が良いよ?」

 

そう言ってカプセルの入った小瓶を差し出してきた。その小瓶にはラベルの類は貼られていない。

 

「・・・自作か?」

 

問いつつ、カプセルを取り出し、中身を確かめ・・・確かめ・・・固すぎないかこのカプセル?

 

「自作じゃないよ。それと瓶には何も無いよ」

「みたいだな」

 

カプセルを開けるのを諦め、小瓶の内側に何か塗られていないか調べたが、これに関しては本当らしい。

 

「さあ、早く飲もう。どんどん顔色が悪くなってきてるよ」

「自作じゃないなら誰に作らせた?」

 

いつの間にか水の入ったコップを手にこちらに近づいて来ていたK5に若干驚きつつ、質問を重ねる。

 

「PPKだよ」

「PPK?あいつが?」

 

コップを受け取り、頭痛薬を・・・と思ったが消えていたので、代わりにカプセルを入れ、机の上に置いておく。

 

「あいつ薬の知識あったか?」

「正直私も冗談かと思ったんだけどね。でもあながち冗談じゃないかもね」

 

別の棚から頭痛薬を取り出し、適当に何錠か飲む。水を用意している暇は無い。

 

「PPKは?」

「アーキテクトと一緒にどっか行ったよ」

 

カプセルの入ったコップを見る。特に変化は無い。

 

「どっかって、どこだよ?」

「さあ?」

 

時計をちらりと見る。

時間的にもこれ以上聞き出すのは難しいな。

それに今日の副官はおばあちゃんだし。

 

「分かった。もう戻れ」

「良いよ。はいこれ」

 

再び、謎のカプセルを突き出してくるが、それを奪い取る。

 

「これは俺が預かっておく」

「仕方が無いな」

 

奪い取った事に対して、特に反応は示さなかった。

そのまま扉に手を掛けた所で、

 

「そうだ指揮官さん、これあげる」

 

そう言い、近くの机に折り鶴が置かれた。

 

「じゃあね指揮官さん」

 

今度こそK5は扉の向こうへと姿を消した。

 

「・・・俺も戻るかな」

 

彼女が置いていった折り鶴を回収し、医務室を出る。

日は大分昇っており、電気系統がイかれて薄暗いこの基地の廊下を照らし始めていた。

 

「それにしても手先が器用な奴多いな」

 

もらった折り鶴を日にかざしながらまじまじと観察する。

折り鶴は青と白という割とシンプルな配色だ。

 

「あいつのことだから、派手なもので来ると思ったんだが・・・ん?」

 

よく見ると何か絵のようなものが描かれている事に気づいた。

何処かで見たような気がする。破かないように慎重に広げていく。

 

「・・・どいつもこいつも」

 

完全に広げ終えた俺は、ため息をつきつつ廊下の反対側を見る。

しわくちゃになった較正チケットが吹き込んだ風で少しだけ揺れた。

 

 

 

 

自分の私室に戻った私は、すぐに連絡を入れる。

 

「アーキテクト」

『お、意外と早かったね。どうだった?』

 

風を切る音が聞こえる。おそらく車に乗っているのだろう。

 

「ダメだった。ごめんね」

『何で謝るのさ、まだ失敗したわけじゃないんだからさ』

 

相変わらず陽気なものだ。ほんとに鉄血なのか疑いたくなる。

ふと気になった事があった。

 

「そういえばさ」

『何?』

「何で協力してくれるの?私とあなたあまり接点が無いと思うんだけど?」

『それはねー、ああ、やば!ちょっとまた後で!』

 

急に慌ただしくなった。何があったのか聞く前に通信を切られてしまった。

 

「まあそうだよね。うんうんチャンスはまだある」

 

静かになった自室の中でそう一人呟く。

 

「さて今日も一日」

 

軽く支度を整えると、部屋から出て行った。

 

 

 

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