「ふう、ちょっと遊び過ぎちゃったかなぁ?」
ユグドラシル2からログアウトし、ずっと同じ姿勢を続けていた為に凝り固まった体を解しつつVRゴーグルを外す未来ちゃん。自室から出てリビングの方に行ってみるが父親のたっちさんはまだ帰って来ていない様子だ。
獣王メコン川さんとルプスレギナが先にログアウトした後も、しばらくぷにっと萌さんと弐式炎雷さんの3人で遊び続けてすっかりと遅くなってしまっていた。
かなり遅めの夕食ではあるがビーフ味の固形栄養食料を取り出すとボリボリと食べる。固形栄養食は味のバリエーションが豊富で他にも『カレー味』『サラダ味』等あるが、あくまで『それっぽい味』であり本物を食べた事がある未来ちゃんにとっては名称詐欺なゲテモノで正直に言えば余り宜しくない味である。
栄養バランスはとても良いのだが言ってしまえば人間用固形ペットフードと言う所だ。
そして、使われている材料も21世紀頃からこのまま人口が増加して行けば将来的に食料供給が追い付かなくなり、その問題を回避する為には『昆虫食』にシフトして行く事が必要とヨーロッパ辺りで提唱されていた事もあり、何が使われているかはお察しである。当然、自然が完全に消えて人工物と岩と砂しか無い様な環境でも繁殖できる奴らが材料に使われている。
とはいえ、自然が完全に消えたとは言えども厳密に言えば『緑』が消えただけで、水分さえあれば成長できる菌類等はこの汚染された世界でも元気よく健やかに育っている。よって、それを食べる昆虫(害虫)も生き残り生態系が完全に消滅したわけでは無い。
余談ではあるが、メルトダウンを起こしたチェルノブイリ原子力発電所で放射線に耐性があるどころか糧にして成長する新種の黒カビが1991年に発見された事もあり、生命の適応能力には侮れない物がある。
元は酸素も生命には有毒な物質であった様に人間が汚染物質を大気や土壌や海に垂れ流しても、その環境に順応する生物が出てくるのだ。
当然、この新種の黒カビに目を付けたラナーは『自然環境再生事業』の一環としてチェルノブイリや福島原発をカビを使って完全に除染する計画を考えている。
もっとも、この『チェルノブイリの黒カビ』は超高濃度のメラニン色素で放射線(ガンマ線)を利用して養分を生み出して成長しているだけで、すなわち、植物が葉緑体で光を利用して養分を生み出して成長するのと同じである為に放射性物質そのものを分解する事は出来ない。
ちなみに名称は『放射線養分化菌』というのだが、覚え難いので便宜上『チェルノブイリの黒カビ』と呼称する。
ラナーはこの黒カビの遺伝子の謎を解明して応用すれば、遺伝子操作によって『放射性物質を分解及び無害化できるバクテリアや菌類が作れるのでは?』と多額な研究資金を投資している。
正に、飛行機を船と呼んでいる某崩壊後の世界を描いた漫画と似た様なカビが現実にあるのだから恐ろしい物である。
ともあれ、外部の人間には『自然環境再生事業』の具体的な内容は伏せられているので、まさか自分が遊んでいるユグドラシル2の運営会社がそんな壮大なプロジェクトを進めている事など知る由も無く。
スマホでニュースを見ながら夕食を食べていると、渋谷で発生している『ゾンビに襲われ被害者続出!』『スクランブル交差点が地獄に!』等のトピックが目に入り『ふえ!?』と度肝を抜かれている未来ちゃん。
「どどど、どうしよう!?避難した方が良いのかな!?」
慌ててたっちさんや母親に電話を掛けるが、回線が込み合ってて繋がらない。仕方が無いのでシェルターに自主非難する趣旨を両親にメッセージで送ると直ぐに荷物を纏める。
政府関係者用のアーコロジーとは言えども安全とは限らないし、万が一、空気感染するウイルスが原因だった場合は地下鉄経由であっと言う間に感染が拡大するだろうと考えて呼吸マスクを装着する。『まさか浅草までは来ないでしょ』と呑気にルプーとデート中のメコン川さんよりも、余程かしっかり者な未来ちゃん。
ちなみにルプーは浅草の雷門でデート中にメコン川さんに『良かったら、親に会ってくれないかな?』と言う思わぬ発言を受けて人生で初めて大パニックに陥っているのだが……
いざという時は何よりも優先される自身の創造主。その『親』という存在に会う事になるとはルプスレギナは全く考えていなかったので大いに『あやや、ヤバいっす!』と青ざめてパニックになっている。
「水良し。食料良し。後は……予備のフィルターも良し」
防災リュックに一通り必要な物を詰め込むと、呼吸用マスクの交換用フィルターの予備が充分に有るかも確認する。そして、ベッドの下のケースのダイヤルをカリカリと回してカチャンとロックを外すと護身用のテーザーガンを取り出してジーンズの腰の部分に引っ掛けて隠す。
この貧富の差が激しいご時世、政府関係者の家族は恨みだったり身代金目当てだったり犯罪やテロに巻き込まれやすい事もあり、アメリカ等の警察機関で使用されていたテーザーガンは申請して認可が下りれば所持する事が出来る。
ちなみにテーザーガンとは日本ではお目に掛からないが、ワイヤーで繋がった電極を発射して電流を流す事で相手を無力化するスタンガンみたいな物である。その構造上、射程距離が短く1発しか撃てない欠点もあるが……
「よし、行こう」
事態が待ってくれるわけも無いので、善は急げとばかりに直ぐにドアを開けて外に飛び出そうとしたその時、不意に『ピンポン』とチャイムが鳴る。
ドアの覗き穴をそーっと覗いてみると、身なりのしっかりした老人が綺麗な姿勢で立っていた。その隣にはメガネを掛けたメイド服姿の女性が立っており、『もしかして、ルプーさんのお友達かな?』と思い至り、意を決してドアを開けてみる。
「あの……もしかして、ルプーさんのお知り合いですか?」
若干、恐る恐るという感じの未来ちゃんに対して、『たっち・みー様の御息女を御守りしなければ』と使命感に溢れて少し感極まっている老執事。
「然様でございます。私はお父上様からの命により、本日よりお嬢様の身辺警護を務めさせて頂く事になりましたセバス・チャンと申します。こちらは……」
「ユリ・アルファと申します。お仕え出来る事を嬉しく思います」
「えーっと……あの、よろしくお願いします」
(うわぁ……凄い硬いよ、この人達……挨拶の仕方も「ちわーっす」って感じで砕けてるルプーさんの方が親しみやすいなぁ)
やはりこの年頃だと自分の事は自分で決めて生きて行きたいと自立心が芽生えて大人への階段を登り始める故に、あれやこれやと監視されて横から口出しされるのでは無いか?と危機感を覚える。
未来ちゃんにとっては自由が憧れであり恋人である。可能ならば、どこぞのアインドラ家の御令嬢の如く家を飛び出して、未知と可能性が溢れる魔導国で暮らしてみたいと思っていたり。
セバスへの第一印象は父親のたっちさんと同じ『真面目過ぎてつまらなそうなお爺さん』であり、きっと本人が知ったらショックを受ける。
しかしながら、旧ユグドラシルでワールドチャンピオンだった父親の作成したNPCだから多分強いだろうと一先ず安心する未来ちゃんだった。
◇
場所は変わり、渋谷駅付近。
「そこの
「有り難うございます!」
エ・ランテルでは度々トラブルの原因となった彼女の性格も、日本では一部の人達に人気がある様で、既に『漆黒のモモン』よりも『ナーベ』の方がネット上に情報が拡散されて人気者になっていた。
彼女のSNSには『踏んでください』とか『もっと罵倒してください』等、助けられてファンになった人々から数多くのエールが届くことになるのだが……
「次から次へとキリが無いわね……」
両手がバチバチと帯電し始めると、眩い閃光と共に一気に集まった膨大な魔力をゾンビの群れに向けて解放する。
「喰らいなさい〈
ドガーン!という爆発の様な音と共に超高温のプラズマに触れた空気が急速に膨張して発生した衝撃波で付近の自動車の窓ガラスが割れ、ゾンビの群れは一瞬にして炭化しボロボロと崩れて行き、雷よりも桁違いなエネルギーを持っている為に発生した電磁波の余波で自動車やスマホ等の電子機器が全て故障する。辺りには、雷が至近距離に落ちた直後と同じ様に大気中の酸素と化学反応を起こしてオゾンの臭いが漂っていた。
もしかすると、自分の活躍を弐式炎雷様がご覧になるかも知れないからと、いつもよりも張り切っているのだが、王国では全く問題にならなかった雷系の魔法が地球世界では電子機器に悪影響を及ぼす二次被害が出るなんて知る由も無く。
雷対策がされている航空機や戦闘機でも、流石に第七位階魔法の
要は雷対策されている航空機でも当たれば墜落する威力なのだ。しかも、性質的には雷と言うよりも、どちらかと言えば指向性エネルギー兵器に近い挙動をするので避雷針の効果は無く。
多くの人々のスマホが電磁波で故障並びに再起動を繰り返す誤作動を起こして『ナーベさんの写真が撮れねえ』と焦っているのだが、中には自力で現像するのにやたらと手間暇が掛かるフィルム式カメラというビンテージ品を使っているコアな人もおり、その人達は『アナログがデジタルに勝った』と言わんばかりに勝ち誇った顔でナーベの写真を撮っていた。
彼等は彼等で何やら熱い戦いを繰り広げており、避難する気ゼロである。
ちなみに2148年では何もかもがネットに繋がったiot機器が当たり前なので、専門的な知識が求められるアナログな道具は使う事自体を楽しむ為の嗜好品であり、入手も困難である為にビンテージカーや乗馬と同じ様な『金持ちの道楽』的な要素が強い。
後に、フィルム式カメラを持っている人しかナーベの活躍を撮れなかった事から、ファン達の間では『アナログの逆襲』と呼ばれる事になる。
「流石は姫でござるなぁ、某も負けてられないでござるよ。武技〈能力向上〉〈流水加速〉〈要塞〉でござる!」
一方で、レベルが5~10程上がっていると思われる、友達のデスナイト君と共に訓練に励み念願の武技を習得した『アーマード・ハムスター』なハムスケ。漆黒のモモンとお揃いのデザインの防具を身に着けており『ふふん!』と鼻を鳴らしてご満悦の様子。馬用の防具と同じ様に部分的に装備しているだけだったり。
「良し!行くぞハムスケ!〈
漆黒のモモンが路上に放置された市バスを蹴ると、横転し火花をまき散らしながら凄まじい勢いでゾンビの群れにスライディングして突っ込んで行き、ゾンビ共々市バスが高層ビルに突っ込んだ衝撃でぺしゃんこに潰れる。
「ここは我々が対応するので、警察の皆さんは市民を避難誘導してください」
空を飛んだり目からレーザーを出す某アメコミヒーローの如く、恐るべき怪力で市バスを蹴っただけで吹っ飛ばせる謎の男『漆黒のモモン』を見てゾンビと応戦していた警察や機動隊の人達はあんぐりと口を開けて呆然としていた。
「ハムスケ・ローリング・アタックでござる!」
ハムスケも丸くなると武技でパワーアップしている事もあり、アルマジロの様な凄い勢いで転がりゾンビをなぎ倒して行く。また、ただでさえ、金属の様に固かった毛が要塞の効果でさらに硬質化しており、巻き込まれたら無事では済まない。
「俺達は……伝説を目にしているのかも知れないな」
ゾンビと巨大ハムスターと騎士と魔法使いが渋谷のスクランブル交差点で戦っているカオスな状況を見て一人の警察がボソッと呟く。
そもそも、何故、彼がここで戦っているのかと言うと、全て妻のアルベドに任せにしていたら案の定、日本一の人口密集地である渋谷で容赦無く一般市民に犠牲者出まくりの事態となっていた為に『いやいやいや、流石に不味いでしょ!?』と急遽スクランブル交差点付近でゾンビ退治を行っているのだ。もしも、ギルメンの知り合い等に犠牲者が出れば目も当てられず、大いに焦っているモモンガさん。
やはり、アンデッド化してから長いこともあり、例え嘗ての故郷の同じ日本人が巻き込まれて死亡しても、虫が死んだ程度にしか感じないが、万が一、その犠牲者の中にギルメンの知り合いだったり親族や恋人等が混ざっていたら一生後悔し続ける事になるだろう。
改めて、転移したばかりの頃と同じように例え無い筈の胃が痛くなろうとも、アルベド達の手綱を握らなければと思うのであった。
まだ、王国だったり帝国だったら、うっかりNPCがミスを犯して重要人物を殺してしまっても叱るだけ済んだのだが、日本では『うっかり』は許されない。
このまま放置すると聖王国の二の舞になりそうなので、『どうすれば、アルベドやデミウルゴス相手に主導権を握られるだろうか?でも、アルベドには凡人という事がバレてるしなぁ……』と及び腰になり、早速無い筈の胃が痛くなっていた。実質的に妻に全主導権を握られている『象徴』と化した魔王のモモンガさん。
(あの二人には理屈じゃ勝てないからな……よし、こうなれば潔く情に訴えるしかない。デミウルゴスもウルベルトさんに頼めば何とか説得できるだろう)
ゾンビ騒ぎが済んだらウルベルトさんと茶釜さんの家に直接顔を出してお願いしようと心のメモ帳に書く。遅れながら、ギルド長として結婚祝いと出産予定の娘さんの為に何か贈り物をしなければと思っていたので丁度タイミングも良い。ベルリバーさんは残念だったが、ギルメン同士が結婚して嘗ての仲間達の絆が今も残っていると知ったのは救われる思いだった。ウルベルトさんも公安で働いていると聞いたので、きっとカルマが極悪過ぎるデミウルゴスに『善の心』を教えてくれるだろうと期待していた。
ちなみに、ウルベルトさんと茶釜さんが暮らすマンションの部屋の両隣にはそれぞれ第一席次と番外ちゃんが住んでおり、万が一何かがあればコンクリートの壁を突き破って隣の部屋から第一席次なり番外ちゃんが駆けつけてくれる為、セキュリティ面も安心だ。
(贈り物は何が良いかな?やっぱり養育費とか大学まで進学できるような金額を送るのが一番喜んでくれるかな?取り潰した王国の貴族派閥から没収した貴金属や宝石類を全部渡せば良いか。エクスチェンジボックスでも大したユグドラシル金貨にならないゴミだったけど、こっちの世界なら高額で換金出来ると思うし)
貴族派閥から取り上げた財産は全く利用価値が無くて長年放置されていたが、これならギルメン達も喜んでくれるだろうし良いアイデアを思い付いたと少し気を持ち直す。ちなみに彼等の持っていた美術品の壺だったり家具だったりは炭素年代測定で約1300年前の物として、凄まじい値が付くことになるのだが。
正に総額にして基礎控除額110万円を遥かに超えた数百億円という金額になる為に『贈与税』の税率は55%となり半分以上税金として国に取られる事になる。しかもウルベルトさんと茶釜さんの娘が遺産相続する際にはさらに『相続税』を取られるシステムを知り『アインズ様がウルベルト様とぶくぶく茶釜様の御息女の為に贈った物を横領するとは、なんと不敬な!』とデミウルゴスとアウラとマーレが激怒して大騒動が発生する原因になるとはいざ知らず。
なんやかんやで敵が弱い事もあり、狩場で行う単調作業の様な感じで他事を考えながらゾンビを次々と凄まじい肉体能力で処理していく漆黒のモモン。
ふと、ナーベとハムスケの方を見るとギャラリーが集まっており『おかしい。なぜ一番活躍している俺を応援してくれる人が誰もいないのだ?』と少し居た堪れない気持ちになる。
ナーベは男性から、ハムスケは女性から大人気になっておりモモンは警察ぐらいしか応援してくれる人がいないので『解せぬ』となっていた。
「ナーベとハムスケよ。大方片付いたから発生源のトライセンデンス社の地下研究施設に侵入するぞ。イビルアイ達が先に入っている筈だ」
「は!畏まりましたモモンさ――ん」
「承知したでござるよ、殿!」
千年ぶりにモモンガさんと一緒に最前線で活躍出来る事もあり、今日のハムスケは凄く張り切っているし、シズ程では無いが普段澄ましているナーベラルも嬉しそうなのが表情で判る。
とはいえ、もちろん、この騒ぎが発生した原因はリグリットの死霊術という事は知っているので、ベルリバーさんを殺害した犯人に罪を擦り付ける為に警察や機動隊の人達に聞こえる大きさで嘘をつく。
「おい、トライセンデンス社って医療方面で有名な巨大複合企業だよな?」
「だとしたら、あのゾンビはウイルス流出事故か?おいおい、だとしたら、万が一空気感染だったら映画みたいに大変な事になるぞ!?」
「くそ!やっぱりな。巨大複合企業は絶対に裏で碌でも無い事を行っていると思ってたんだ。すぐに上層部に連絡しろ!渋谷一帯を封鎖して除染しないとヤバいぞ、こりゃあ……」
機動隊の人達がガヤガヤと騒ぎ始める中、遅れて陸上自衛隊の軽装甲車や輸送車両が到着するのだが、ゾンビがほとんど全滅しているのと、明らかに目立っている巨大ハムスターを見て『何があったんだ!?』と言わんばかりな感じで現場指揮官と思われる人物が警察の人達に事の顛末を聞いており、聞き終えるとその人物は漆黒のモモンの方に向かって歩いてくる。
「ご協力頂き有り難うございました。恐らくあなた無しではもっと多くの市民に犠牲が出ていたでしょう。国民を代表して感謝致します」
(馬鹿な!?この男、凄くガゼフ・ストロノーフに似ているぞ!?)
見た目は勿論の事、声や雰囲気もガゼフにそっくりだったので思わず一瞬思考が停止するが、『ゴホンッ』と咳払いをして誤魔化す。
「いえ、困っている人がいたら助けるのは当たり前ですので」
「おぉ!それはなんとも心強い!そこの巨大なハムスターを御見受けするに、魔導国からお越しになられたのでしょうか?」
「はい。こちらはハムスケと言い私の騎獣です。そして、こちらの女性がナーベという
「ほう、ハムスケですか……恐れながら、我々日本人とアイデンティティが似ている様ですな。その……ネーミングセンスが。あなたのお名前をお聞きしても?」
流石に『漆黒のモモン』では芸が無いかと考えて、昔から温めてきた通り名を使う事にし、マントをカッコよく『バサッ!』とやり名乗る。
「私の名はモモン・ザ・ダークウォリアーと言います」
「ダークウォリアー殿ですか、成る程。ヒーローは正体を明かさないという相場はどこの世界も同じようですな。私は陸上自衛隊第一師団第一普通科連隊所属の風間三等陸佐であります」
やはり、ガゼフに似ているのが気になるので意を決して聞いてみる事にする。
「……あの、恐縮ながら、ガゼフ・ストロノーフやリ・エスティーゼ王国に聞き覚えはありませんか?」
「はぁ……いえ、全く存じませんな。申し訳ない」
(うーむ、他人の空似という奴なのだろうか?ギルメン達に何時でも会えるのに、ガゼフの事が懐かしくなるなんて想像もしなかったなあ)
やはり、あの時、ガゼフとの決闘を断るべきだったと後悔し始めていた。
イビルアイが出せなかったけど一旦ここで区切ります。次回はパート4に続く。