私が斬るっ!!……みたいなことしたかったなぁ   作:揚げたて茶飲みのハンバーグ

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第三話 心と物はよく燃える

「さて、マナ。お前はどれくらい帝具について知っている?」

 

 時間外勤務を終え、しばらく休もうと思い会議室の椅子に腰をかけていたらボスことナジェンダさんがそんなことを聞いてきた。

 

「え〜っと…とりあえずすごい武器ってことだけなら」

 

「…つまりよくわからないんだな」

 

「えぇ、まぁ、はい……すいません」

 

 ボスはその言葉を聞いて苦笑いした。

 

「…帝具というのはだな━━」

 

 ━━話は千年前まで遡る。

 

 当時、大帝国を築いた始皇帝は悩んでいた。どれほど自分がこの国を守り続けたいといえども所詮は人の身、いづれ寄る年波に耐えきれず体は朽ち果ててしまう。

 

 だが武器や防具であれば、国を守る不滅の力になる…

 

 そう考えた始皇帝は兵器を造ることに力を注いだ。素材には超級危険種のものやオリハルコンなどのレアメタル、そして職人は世界各地から呼び寄せた最高の職人達。

 

 そして始皇帝は現代では製造不可能なほどの48の兵器━━『帝具』と呼ばれるものを作り出した。

 

 帝具という兵器の製造、それだけで帝国持つ力は大きく代わり帝具を貸し与えられた臣下達はさらに戦果を上げていったという。

 

 だが五百年前━━帝国で発生した大規模な内乱により、そのほとんどは姿を消してしまった…

 

 

「……という感じだ。なにか質問はあるか?」

 

「う〜ん…特にはないですね。あえて言うなら、私が持ってる?帝具レーヴァテインについて聞きたいですね…」

 

「それに関しては私にもわからない。帝具に関する文献にもなってはいない……だからこそ手に入れたかったんだがな」

 

 そう言われるとなんだが申し訳がない気がしてきた。

 お前に非がある、といわれればそれまでだけど、私が持ってるのを見かけるや否や切りかかってきたアカメにも問題はあると思うんだよね…

 

「…なんか…すいません」

 

「いや、いいさ。結果から言ってしまえばレーヴァテインの帝具使いを仲間に入れることも出来た。わからないことは実戦で使っていくうちに分かっていくだろうさ」

 

「確かに…そう考えると何か実験したくなってきました!ちょっと訓練所行ってきます!」

 

「はは!勢いのあまり訓練所を燃やさないでくれよ。直すのだって安くないんだ」

 

「了解です〜!」

 

 そう言い残し私は会議室を出ていった。

 

 ◆◇◆◇◆◇

 

 マナが去った会議室で、ナジェンダは考えていた。

 

「…帝具レーヴァテイン…焔を自在に操る能力か…」

 

 恐ろしい帝具だな、と思う。

 彼女が言うには人間すらも一瞬で灰になるのだから、帝具の中でも上位に君臨するほどのものだとわかる。

 今、マナに出来ることは手に火球を作り出す程度。だが私が思うに彼女は伸びしろの塊だ。

 

 このまま少しづつ刺激を与えていけばマナは……『彼女』と同じレベルに到達するかもしれない。

 

(まさかこんな人材が2人も手に入るなんてな…)

 

 もう一人は一昨日から仲間に入ったタツミのことである。

 

 タツミもタツミで相当な腕前で、一昨日の時は少し不安があったものの、ブラートが鍛え上げているのであまり心配はないかと思われる。…だからといって安心は出来ないがな。

 

(二人ともどう強くないっていくか…楽しみだな…!)

 

 そんな考え事をしていると、一人、会議室に入ってくる影が見えた。

 

 それはピンクの髪色をしたツインテールの少女、マインだった。

 

「マインか。どうかしたのか?」

 

「あ、ボス。マナの姿見なかった?少し用があるのだけど…」

 

 相当急いできたのだろう、マインは額に汗を浮かべ息を切らせながら聞いてきた。何故、そこまでして急ぐのかは分からないがそれを聞くのは愚の骨頂だろう。

 

「マナなら実験をしに訓練所に行ったよ」

 

「ありがとう」

 

 その言葉聞き、マインは早走りで会議室を出ていった。

 結局会議室に残ったのは私一人で、悲しく暖炉の前で一人椅子に座っている構図だ。

 

「さて…私もレオーネから色々聞きに行くとするか」

 

 さすがにぼっちは寂しいからな……という本音は無しだ。

 

 ◆◇◆◇◆◇

 

 会議室から出て、数分ほどで訓練所についた。とりあえずさっさと実験をしよう、と思ったのだが今は出来そうにない。

 

 何故かって?だって目の前で槍をぶん回しているブラートと、絶賛筋トレ中のタツミ、ラバックがいるんだよ?

 邪魔したら悪いしやっぱ帰ろっかな、正直むさ苦しいし。そ〜っと去ればバレないでしょそ〜っと……

 

「おっマナか!よく来たな!お前も鍛えに来たのか?」

 

「…フゥ!」 「…くっそっ!」

 

 …あ、普通に見つかった。

 

「ど、どうもブラートさん!いえ今回はちょっとしたいことがあって…」

 

 ブラートさんは身体中に滴る汗をタオルで拭きつつ、私の方に近づき顔を覗き込んできた。

 

「…なるほど帝具のことだな!」

 

「…フゥ!」 「…キッツ!」

 

「よく分かりましたね!?」

 

「まぁ、ここにはお前の帝具を試す道具なら沢山ある。だが、勢い余ってアジトも燃やすなんてことはやめてくれよ?」

 

「…フゥ!」 「も、もう無理!」

 

 そのセリフ、ボスにも言われた。

 私ってドジ属性持ちとでも思われてるのかしら?

 

「…ずっと言いたかったんですけどあの二人何してるんです?」

 

 私の視線の先にいる者━━タツミとラバックが大きな岩を持っては下げ、持っては下げと、よく分からないことをしていた。

 

「あれは腕と下半身を鍛える筋トレだ。少しあいつらに必要かと思ってな。なんならマナもやってみるか?」

 

「いえ、遠慮しておきます」

 

 即答である。

 

「即断だな!まあいいさ、いつでもしたくなったら俺に言ってくれ!生きてる限りいつでも指導してやる!」

 

 そんなブラートさんの言葉に少し感謝をしつつ、私は実験を行うことにした。

 まず最初は数メートルほど離れた位置に巻藁を置き、どれほどの距離なら私は当てられるのか試してみた。検証結果からいうと十数メートル、それが限界であった。

 

 次に火球以外に何か作れないか試すことにした。

 火球は掌に火が集まるイメージでしたていたが今回は違う。私は巻藁を置いた場所に火が集まる…いや地面から火が溢れ出るようなイメージでしてみた。

 

 すると…

 

「…マナ、気をつけろって俺は言ったよな?」

 

「改めて見るとすげぇ火力だな…」

 

「いやタツミ!感心してる場合じゃないから!早く消火活動手伝って!」

 

 ご察しの通り、訓練所が燃えることになった。肝心の巻藁をというと、既に炭化終了済みである。何故こうなった。

 

 実験自体は自由な位置から目視できる範囲であれば燃やせる、ということが分かったので成功なのだが周りからの評価が下がったので実質的には失敗である。

 

「…なんか…ほんとにすいませんでした」

 

 この後やってきたマインは、タツミとラバックとブラートが頑張って消火活動をしているのを見るハメになったのを忘れてはいけない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次からは原作沿いでございます!
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