内田さんが帰って、お店にはわたしとあこちゃんが残った。
二人の間には会話はなく、沈黙が流れる。
そんな沈黙を、あこちゃんが破る。
「ねぇ、りんりん。あこね、りんりんとバンド組みたい!」
「あこちゃん……」
「あこ、りんりんの実力分からないけど、奏さんが言っているてことは、そうなんだよ! あこも、確証はないけど……」
あこちゃんが言い淀む。
確かに、わたしもあのバンドに入りたい。あの中で弾きたい。その気持ちがある。でも……
「気持ちは嬉しいよ、あこちゃん……でも、わたしの実力じゃ……」
「なら、それこそ奏さんに見て貰おうよ!」
「え……?」
「奏さん、楽器全部弾けるんだって!友希那さんも本当は奏さんをキーボードにしようとしてたんだけど、それを断ってりんりんを推薦したんだよ! 奏さんも、それくらいの責任はあると思う!」
前に、あこちゃんから聞いた。自分のセッションの時も、一人の男性があこちゃんを受けさせるよう友希那さんと喧嘩してたって。その時の男性も、内田さんだったのかな……
「あこちゃん、今すぐに、答えは出せない……から、今日の夜、また話そう?」
「うん! りんりんもいきなりの事だから、整理しないといけないしね! 分かった!」
そう言ってわたし達はお店を出る。
支払いをしようとした時、既に代金は支払われていたようで、恐らく内田さんが払ってくれたのだろう。
――今度、返さなきゃ……
わたしはあこちゃんと別れ、家に帰ると、自室に戻り布団に飛び込んだ。
――友希那さん達のバンドはレベルが高い……いくらコンテストで優勝経験があるからといっても、わたしが力になれるとは思えない……でも……
それでも弾きたい。そう思ってしまう。
『やりたいことが出来ないのと、自分の気持ちに正直になるの、どっちが楽だと思う?』
そんな時、彼の言葉を思いだす。
わたしは起き上がり、あこちゃんから貰った動画を開いて、ピアノに座る。そして動画を再生して、一気に弾き始めた。
――やっぱり、楽しい……! この演奏を、生で感じたい……!
心の底からそう思えた。
そこからは早かった。わたしはすぐにあこちゃんに連絡して、自分の気持ちを伝える。
『もしもーし、りんりーん!』
「あこちゃん、わたし、決めた……わたし、バンド入るよ……!」
『りんりん……』
「家に帰って、もう一度よく考えたの……そしてピアノを弾いて、改めて実感した……わたし、あのバンドに……はいり、たい!」
『分かった! じゃあ、奏さんにそう伝えとくね! じゃあ早速NFOやろっか!』
「うん」
――彼の言葉の通り、自分に素直になってみよう。そしたら少しは、変われるかな……
そう思いながら、私はPCを起動させるのだった。
内田奏(主人公)を他のバンドと絡ませる?
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絡ませる
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数名だけ絡ませる
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Roseliaだけで良い