結果は予想外。あそこまで絡み合うとは思わなかった。
俺は賞賛の拍手と言葉をかける。
「すげぇよ。まさかここまでになるとは思わなかった」
「お、奏がべた褒めだねぇ」
リサが嬉しそうに反応する。
「さて、友希那……友希那?」
俺は友希那を見ると、何か考えている様な表情を取った後、意味ありげな目で俺を見てきた。
「湊さん、どうかされたのですか?」
そんな友希那に、氷川が声を掛ける。
「え、ああ、ごめんなさい。それで、結果なのだけれど……」
友希那は白金の前まで行き、手を差し伸べた。
「燐子。合格よ。今日からあなたは、このバンドのキーボードとして、このバンドに死力を尽くしてもらうわ。みんなもそれで良いわよね」
友希那が残り三人に確認するも、全員頷く。
「さぁ、FWFの予選まであと半年。それまでに経験を積むわよ」
友希那が言った時、白金の動きが固まった。
「FWFって、確か……」
「音楽の最高峰を決める大会、FURTURE WORLD FES.。私達はそこで頂点を目指す為にバンドを組んだの。あこや奏から聞いていないのかしら?」
「い、いえ……何も……」
白金がそう言うと、友希那が俺を睨む。仕様がないだろ、説得することに手いっぱいだったんだから。
「そ、そんな……私……」
すると白金はおどおどしてしまい、お得意の気弱な白金が出てきてしまった。それを友希那は呆れたように言う。
「無理なら良いわ。他のキーボードを探すだけだから。というか、そこにいる奏にやって貰うだけだわ」
「わ、私……」
すると、白金から今まで聞いたことのない声が聞こえた。
「私、弾きたいです! このバンドで……キーボードを弾きたいです!!」
白金の声が、スタジオに響き渡る。
友希那はそれを聞いてフッと笑い、白金の加入を認めた。
「紗夜、リサ、あこ、燐子。私達は頂点を目指す為、どんな努力も惜しまないわ。あなた達にその覚悟はある?」
友希那がみんなに問う。その答えに全員が頷いた。
「なら決まりね、私達、バンド結成よ!」
「そうなると、バンド名決めないといけませんね」
紗夜が言う。ここから先は友希那達が決める事だ。お役御免の俺はそっとスタジオを出ようとする。
「奏、待ちなさい」
だが、友希那に止められた。
「どうした友希那。俺はキーボードを連れてきた。もう俺はお役御免だろ」
「そうはいかないわ。このバンドは、少なからずあなたも関わって来た。あなたもこのバンドの一員よ」
「一員って……もう全部埋まったじゃねえか。他に何やれってんだ」
すると友希那は先程同様、フッと笑う。
「……あなたに、このバンドのマネージャー兼技術指導をお願いするわ」
友希那がそう言った時、俺は昔の事を思いだした。
『なぁ、バンド組まね?』
『俺達にギター、教えてくれよ!』
『あ、俺にドラムを教えて貰っても良いか?』
最初は嬉しかったのに……
『もう、お前には付いて行けねぇわ』
『一人でやってくれよ』
『これだから天才は……』
そう言って、また離れていく……
「――で、奏!」
「――っ!」
友希那の声で現実に戻される。
気付いたら血が出そうなほど手を握りしめていた。
「奏、どうかした?」
「い、いや……」
心配そうな表情をしてリサが近付く。
「それで奏、答えを聞きたいのだけれど」
答えは決まってる。
「……悪い。俺はもうバンドに関わる気はない。ごめんな……」
自分でもわかる。力のない返事をして、スタジオを出て行った。
――もう、あんな思いはしたくない。音楽なんて、一人で楽しめばいいんだ……俺が深く関われば、また
俺はそう心に決め、CiRCLEを後にした。
内田奏(主人公)を他のバンドと絡ませる?
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絡ませる
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数名だけ絡ませる
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Roseliaだけで良い