『あなたに、マネージャー兼技術始動をお願いするわ』
夜、ベッドに仰向けになっている俺の脳内に友希那の一言が駆け巡る。
『……悪い。俺はもうバンドに関わる気はない。ごめんな……』
俺はあの日から、バンドに関わる事を止めた。一人でやっていた方が楽しい。そう心に誓った。
けど、友希那の奴は絶対に諦めないだろう。しつこく誘ってくる筈だ。
だからといって、俺は自分の過去を話そうとは思わない。俺が何かあったなんて、アイツらには関係ない事だ。
俺はカレンダーを見る。二週間後の日曜日に赤く丸されており、二周忌と書かれていた。
『お前の音、面白いな! 俺にもっと聞かせてくれよ!』
『お前が悪いんじゃない。お前の音を誰も理解できていないだけだ。だけど、必ずお前の音を必要としてくれる人がいるさ』
あの時の出来事が鮮明に蘇る。
「先生……」
気付くと俺は涙を一筋流していた。
そして俺は、そのまま眠りについたのだった。
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翌日――。
アタシ達はCiRCLEで練習した後、近くのファミレスで昼食を取っていた。
その名も、バンド名発表会。
「それで、みんなが考えてきた名前を聞きたいのだけれど」
食事も終わり、友希那が本題に入った。
食器も片付けられ、今はグラスしかない。
「私は一晩考えたのですが、あまり良いのが浮かびませんでした」
紗夜が申し訳なさそうに言う。正直、アタシも良いのが浮かばない。
「あこは考えましたよ! 闇の使者が舞い降りる……その名も「ダークエンジェル」!」
ダークエンジェル……あこ的にはカッコいいかもしれないけど、バンド名だとどうかな~……
「カッコいいかもしれないけど、長く続けていく上でその名前は厳しいわね」
友希那もそう言っている。
「じゃあ友希那さんはなにか考えてきたんですか?」
ちょっと不満そうなあこが、友希那に聞く。確かに、アタシも少し気になるかな~
「私も考えてきているわよ。「Roselia」。どうかしら?」
「Roselia……? 聞いた事ない言葉ですね。造語ですか?」
アタシも聞いた事がない。紗夜が友希那に聞いた。
「えぇ。薔薇のRoseと椿のCameliaを合わせたの。強いて言うなら青い薔薇。私達にピッタリだと思わない?」
「Roselia……カッコいいですね! あこもそれに賛成です!」
「えぇ。私も特に異論はありません」
「アタシも良いかな~」
「わ、私も賛成です……。青い薔薇、花言葉は確か夢かなう、奇跡、神の祝福だったと思います……」
「奇跡かぁ。確かに、アタシ達にピッタリだね♪」
「じゃあ今日から、あこ達五人でRoseliaですね!」
あこが笑顔で言ってきた。確かに、アタシ達は五人だが、友希那はそう思っていないと思う。先程の青薔薇の花言葉「奇跡」。この五人を巡り合わせたのは、間違いなく、彼だから。
「いいえ、あこ。まだ一人足りないわ」
「足りないって、まさか……」
紗夜がもしかしてという顔で友希那を見る。そのもしかしてだ。
「えぇ。内田奏。彼を必ずRoseliaに入れるわよ」
「ど、どうして彼にそこまで拘るのですか? 正直、あの人がいてもいなくても変わらないと思います!」
紗夜が友希那に少し声を上げて言う。だが、友希那は落ち着いて答える。
「本当にそうかしら? 燐子がRoseliaに入ったのも、奏があの時推薦しなければあり得なかったわ。それに、彼は音楽の天才。全ての楽器が扱えるのだから、的確なアドバイスだってもらえる筈。そんな彼を放っておくのは、もったいないと思わない?」
「天才……」
紗夜が天才という言葉を聞いたとき、どこか苦虫を嚙み潰したような顔をしていた。
「だから私は何度でも彼を誘い続ける。彼に、Roseliaのマネージャーをやってもらうまで」
こうなった以上、友希那の意志は固い。まぁ、アタシも友希那に賛成だけど。
「……分かりました。そこまで言うなら、私も何かしら手伝います」
「あこも手伝いますよ! 奏さんは少なくとも、あこのセッションに立ち会ってくれた人ですから!」
「私も……問題、ありません……」
こうして、アタシ達はRoseliaとして結成され、奏をRoseliaのマネージャーに入れるべく、作戦会議を行うのだった。
内田奏(主人公)を他のバンドと絡ませる?
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絡ませる
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数名だけ絡ませる
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Roseliaだけで良い