六人目の青薔薇   作:黒い野良猫

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第十七話 怒り

「奏、Roseliaのマネージャーになってもらうわよ」

 

 そう言って俺の教室までやってくる友希那。

 あの日以降、友希那は俺に会うと必ずバンドに誘ってくる。

 

「友希那。何度言っても無駄だ。俺はバンドと関わる気はない」

 

 俺はそう突っぱねるが、友希那陣営に加勢してくる人物がもう一人。

 

「頼むよ奏~。バンドとして見なくても、せめて指導だけ……」

 

 そう。もう一人の幼馴染、リサだ。

 

「リサ。指導の件もお断りだ。俺はお前達のメンバーを揃えるまで関わってしまったが、これ以上関わる気はない」

「でも、この間のライブ見に来てくれたじゃん!」

 

 ――こいつ、見てやがったのか……

 

 実は先日、Roseliaを結成して初めてライブを行った。俺はそれを気まぐれで見に行ったのだが、まさか見つかっていたとは……

 

「あれは単なる気まぐれだ。とにかく、俺はバンドに関わる気はない」

 

 そう言って俺は立ち上がり、トイレに行くため教室を出ようとする。

 

「あ、そうだ」

 

 俺は二人に言い忘れていた事を思いだし、足を止める。

 

「俺なんかより、自分のメンバーの方を気にした方が良いんじゃないのか?」

 

 それだけを言い残し、俺は今度こそトイレに行くのだった。

 

 ―――――――――

 ――――

 ――

 

 私達は今日も奏をメンバーにするべく、奏を誘い続ける。しかし……

 

「俺なんかより、自分のメンバーの方を気にした方が良いんじゃないのか?」

 

 奏はそう言って、教室を出て行く。

 

 ――自分のメンバーを気にする? 一体どういう事かしら……

 

 私は奏の言葉が頭に残った。リサを見ても、何だか分からないような顔をしている。

 私達は奏が言った事を疑問に思いながらも、練習するためCiRCLEに向かう。

 

「やっほ~♪」

「こんにちは」

 

 私達がCiRCLEに入ると、中には既に全員いた。

 

「こんにちは、湊さん、今井さん」

「友希那さん、リサ姉、やっほー♪」

「こ、こんにちは……」

 

 三人を見るが、特にこれといって変わった様子はない。

 

「取り敢えず、練習を始めるわよ」

 

 私達はスタジオに入り、いつも通りに練習する。

 数十分後――。

 

「いったん休憩にするわ」

 

 そう言って汗を拭くもの、飲み物を飲むものが現れる。

 

 ――やっぱり、奏の指導が必要ね。今のままでも悪くはない。けど、更なる高みを目指すには、奏のような――

 

 その時だった。

 

「いい加減にしてよ!!」

 

 突然、紗夜が叫んだ。

 

「お姉ちゃんお姉ちゃんって何なのよ! 憧れられる方がどれだけ負担に感じてるか分かってない癖に!!!!」

「紗夜……?」

「何でも真似して! 自分の意志はないの!? 姉がすることが全てなら、自分なんていらないじゃない!!」

 

 そう言って力強く拳を握る紗夜。一体何があったのかしら。

 

「紗夜、もしかしてヒナの事……」

「――っ!」

 

 日菜。私には誰だか分からないけど、恐らく紗夜と何か関係がありそうね。話からして、妹かしら。

 

「すみません。今日は上がらせていただきます」

 

 紗夜はそう言って荷物をまとめ、スタジオを出て行った。

 あこは涙を浮かべ、リサがそれに寄り添い、燐子は紗夜を心配しているかのような表情を浮かべていた。

 

 ――紗夜も何か、邪な理由で……

 

『俺なんかより、自分のメンバーの方を気にした方が良いんじゃないのか?』

 

 その時、奏の言葉が蘇る。

 

 ――まさか、奏はこうなる事を……!

 

 気付くと私は荷物をまとめていた。

 

「ゆ、友希那?」

「みんな、早く帰る支度して!」

「え、でも練習は……」

「今日は終わり。取り敢えず話を聞きに行く人物がいるわ。あこと燐子も準備しなさい」

「会いに行くって、誰なんです?」

「決まってるじゃない――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――奏の所よ。

内田奏(主人公)を他のバンドと絡ませる?

  • 絡ませる
  • 数名だけ絡ませる
  • Roseliaだけで良い

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