「奏、Roseliaのマネージャーになってもらうわよ」
そう言って俺の教室までやってくる友希那。
あの日以降、友希那は俺に会うと必ずバンドに誘ってくる。
「友希那。何度言っても無駄だ。俺はバンドと関わる気はない」
俺はそう突っぱねるが、友希那陣営に加勢してくる人物がもう一人。
「頼むよ奏~。バンドとして見なくても、せめて指導だけ……」
そう。もう一人の幼馴染、リサだ。
「リサ。指導の件もお断りだ。俺はお前達のメンバーを揃えるまで関わってしまったが、これ以上関わる気はない」
「でも、この間のライブ見に来てくれたじゃん!」
――こいつ、見てやがったのか……
実は先日、Roseliaを結成して初めてライブを行った。俺はそれを気まぐれで見に行ったのだが、まさか見つかっていたとは……
「あれは単なる気まぐれだ。とにかく、俺はバンドに関わる気はない」
そう言って俺は立ち上がり、トイレに行くため教室を出ようとする。
「あ、そうだ」
俺は二人に言い忘れていた事を思いだし、足を止める。
「俺なんかより、自分のメンバーの方を気にした方が良いんじゃないのか?」
それだけを言い残し、俺は今度こそトイレに行くのだった。
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――
私達は今日も奏をメンバーにするべく、奏を誘い続ける。しかし……
「俺なんかより、自分のメンバーの方を気にした方が良いんじゃないのか?」
奏はそう言って、教室を出て行く。
――自分のメンバーを気にする? 一体どういう事かしら……
私は奏の言葉が頭に残った。リサを見ても、何だか分からないような顔をしている。
私達は奏が言った事を疑問に思いながらも、練習するためCiRCLEに向かう。
「やっほ~♪」
「こんにちは」
私達がCiRCLEに入ると、中には既に全員いた。
「こんにちは、湊さん、今井さん」
「友希那さん、リサ姉、やっほー♪」
「こ、こんにちは……」
三人を見るが、特にこれといって変わった様子はない。
「取り敢えず、練習を始めるわよ」
私達はスタジオに入り、いつも通りに練習する。
数十分後――。
「いったん休憩にするわ」
そう言って汗を拭くもの、飲み物を飲むものが現れる。
――やっぱり、奏の指導が必要ね。今のままでも悪くはない。けど、更なる高みを目指すには、奏のような――
その時だった。
「いい加減にしてよ!!」
突然、紗夜が叫んだ。
「お姉ちゃんお姉ちゃんって何なのよ! 憧れられる方がどれだけ負担に感じてるか分かってない癖に!!!!」
「紗夜……?」
「何でも真似して! 自分の意志はないの!? 姉がすることが全てなら、自分なんていらないじゃない!!」
そう言って力強く拳を握る紗夜。一体何があったのかしら。
「紗夜、もしかしてヒナの事……」
「――っ!」
日菜。私には誰だか分からないけど、恐らく紗夜と何か関係がありそうね。話からして、妹かしら。
「すみません。今日は上がらせていただきます」
紗夜はそう言って荷物をまとめ、スタジオを出て行った。
あこは涙を浮かべ、リサがそれに寄り添い、燐子は紗夜を心配しているかのような表情を浮かべていた。
――紗夜も何か、邪な理由で……
『俺なんかより、自分のメンバーの方を気にした方が良いんじゃないのか?』
その時、奏の言葉が蘇る。
――まさか、奏はこうなる事を……!
気付くと私は荷物をまとめていた。
「ゆ、友希那?」
「みんな、早く帰る支度して!」
「え、でも練習は……」
「今日は終わり。取り敢えず話を聞きに行く人物がいるわ。あこと燐子も準備しなさい」
「会いに行くって、誰なんです?」
「決まってるじゃない――」
――奏の所よ。
内田奏(主人公)を他のバンドと絡ませる?
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絡ませる
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数名だけ絡ませる
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Roseliaだけで良い