長らく開けてしまい、申し訳御座いません。
スランプに陥ってたため、お休みを頂きました。
調子を取り戻すため今回は短いですが、今後もよろしくお願いします。
夏合宿から帰って来た俺。今日は一日オフの為、一人で街をのんびり散策していた。
「ふぇえええ……ここどこぉ?」
数メートル離れた先で、オロオロしている水色の髪をした女子がいた。
──まさか、迷子か……?
恐らく歳は俺と同じくらいだろう。最近越してきて道に迷ったのかと思い、俺は声を掛けた。
「あの、どうかしましたか?」
「ふぇえええ! えっと、迷ってしまって……」
──やっぱり迷子か。
「もし良かったら、案内しますよ。目的地は何処ですか?」
「えっと、羽沢珈琲店なんだけど……」
俺は言葉が出なかった。何故なら、羽沢珈琲店は全く持って逆方向だからだ。
「羽沢珈琲店なら逆方向ですよ。こっちです」
そういって俺は彼女を羽沢珈琲店まで案内する。
「そう言えば名前聞いてなかったな。俺は内田奏。羽丘の二年だ」
「あ、松原花音です。花咲川の二年だよ」
「それにしても道に迷うって、最近引っ越してきたのか?」
俺が言うと、松原は何とも言えない表情をした。
「ううん。地元だよ。私、極度の方向音痴なんだ……」
「そ、そうか……」
──地元なのに道に迷うなんて、将来が不安だ……
「それにしても凄いね。内田君、あのRoseliaのマネージャーで、千聖ちゃんたちに楽器教えてたんでしょ?」
「千聖ちゃん、と言うと……白鷺千聖か?」
「うん。クラスが一緒でね。よく内田君の事を話してたんだ。私達の先生は凄いって」
「先生って……そんな大したもんじゃないけどな」
そうしているうちに、羽沢珈琲店に到着した。
「ありがとう内田君。お礼したいんだけど、良いかな?」
「いや、お礼は良いよ」
「でもそれだと私が……」
「花音? 遅かったわね? それに内田君?」
すると店の方から声が聞こえた。相手はそう、白鷺千聖だ。
「あ、千聖ちゃん。お待たせ」
「よう。久しぶりだな」
「花音が来ないから心配したわ。もしかしてナンパかしら? 内田君」
「会って早々ナンパの疑いかよ。松原を案内してただけだ。道に迷ってたからな」
「花音、あなたね……」
「ふぇえええ……ごめんね、千聖ちゃん」
落ちこむ松原。
「まぁ良いわ。それより、あなた達も中に入ったら? 久々にあなたの話も聞きたいし」
「話すだけならいいぜ」
そう言って俺達は中に入って言った。
店番している羽沢に軽く挨拶し、俺達三人は席に座る。
「パスパレ、あれから人気がうなぎ上りらしいじゃねぇか」
「えぇ。どっかの誰かさんのお陰ね。マネージャーを断られたのは残念だけど」
「言ったろ。俺はRoseliaのマネージャーだって」
「この間のコンテスト見たよ。Roselia、残念だったね」
「あなた達ならいけると思っていたけれど、そんなに甘くないのね」
「あのコンテストで、得られるものはいっぱいあった。俺達はまだまだ先に進む。次は決めてやるさ」
俺が言うと、二人は微笑んだ。
こうして俺達は日が暮れるまで談笑した。
「悪いな、ご馳走してくれて」
「いいえ。指導してくれたお礼と、花音を送り届けてくれたお礼よ」
「改めてありがとね、内田君」
「気にすんな。じゃあな。パスパレとハロハピ、頑張れよ」
松原はハロハピでドラムをやっているそうだ。それを聞いて驚いた。
「内田君も頑張ってね。Roselia」
「あなた達の活躍、期待してるわ」
「ありがとな。じゃ」
こうして俺達はそれぞれの帰路についた。
「ふぇえええ……」
「マジかよ……」
まさかすぐに再会するとは思わなかったが。
帰り道でも迷っていた松原を無事送り届け、今度こそ帰路についた。