五等分の花嫁 〜Story With The Death Strawberry〜 作:鵺鵠とも
ルーキー日間に載ったり、お気に入りが百超えたり、評価をいくつか受けたりと凄くありがたいです!
これからも頑張りますのでよろしくお願いします!
土曜日、中野家マンションのリビングにて五つ子が机に向かっている姿があった。長女は余裕そうな表情で、次女は自信ありげな表情。三女は無表情。四女は楽しそうに笑顔を浮かべ、五女は頬を膨らませ一生懸命に考えている。
今までの中野家ではありえないこの光景がいかにして出来たのか、少し時を巻き戻そう。
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「あ、アイツらが五つ子なのは本人達から聞いた」
《それなら話は早いね。単刀直入に言うと君には五人を卒業まで導いてやってほしい。勿論報酬は五人分払おう》
「あー了解っス」
《期待しているよ。では》
思わずため息をついた。一応了解とは言ったもののあまりにも勝手すぎる。バカ五姉妹の親父さんとウチのヒゲとの間だけで話が進んでいたらしく、しかも俺だけがその事を知らされていなかった。一番大変な思いするやつに一番最初に伝えろや。はぁ…。
「あ、電話終わるの早かったですね」
「ん?あぁ、バカリボンか」
「だーかーらー!バカリボンじゃなくて四葉ですってば!何回言えばいいんですか、もう!」
流石に怒りますよ!とか言ってるけど、何処か嬉しそう。でも、バカリボンっていうあだ名はあながち間違いじゃないと思う。さっき、テストの答案用紙を見せてもらったとき、名前の欄に[よつば]って平仮名で書いてあったんだ。もう、バカ丸出しだろ。
「イチゴ君と四葉?朝からうるさいよ…。ぐっすり寝れないじゃん…」
「うるさいのはわりぃと思うけど流石にもう起きろよ。十時半過ぎてんだぞ」
「知ってるよーもう、起きるよ…うん、起きる、……おきるよー」
「部屋に戻んな!降りてこいバカ!」
は〜い…というえらく間延びした返事とともに着替えると言って部屋に戻って行った。
「おい、バカ。一花の部屋行ってまた寝ないか見張ってこい」
「ラジャー!…って、ついにバカだけになった?!」
「とりあえず早く行け」
バタバタ足音をたてて一花の部屋に突入していった。あと三玖か。アイツは五人の中で一番よく分かんねぇ奴なんだよな。う〜ん…、、、やめだ。考えても分からん。接しながらおいおい掴んでいくか。
「よつ…バカリボン!一花!早く降りてこい!」
「なんで言い直すんですか?!SAY!428!」
「そんなに苛めてあげないでよ。楽しいのは分かるけど」
やっと着替えた一花と監視役の四葉が出てきた。たかが着替えで遅すぎんだろ。女子ってのは全くわからん。
「ついでに三玖も呼んでくれ」
「りょーかーい」
「無視された!?」
ふぁぁ…ねむっ。家庭教師って大変なんだな。テスト作ったりコピーしたり。家庭教師でこれなら学校の先生なんてどんだけ大変なんだよ。
ソファーに背を預けてグッと伸びをする。はぁ…っとため息をつきながらリラックスをした。窓の方を見れば空が近く感じる。流石最上階。
窓から見えるのは鳥や飛行機。見るたびに思い出す。かつては自分もそこにいたということを。何を見てもあの頃を思い出してしまう。だが、その力はもう戻らない。
「……さー…。……さーん!」
女々しいな…。いつまでも過去に縋るなんて。
「くーろーさーきーさーん!!」
「…っ!な、なんだどうしたバカ」
「何回呼んでも返事しないからずっと叫んでたんですよ?三玖も呼びましたし」
「そうか、わりぃな」
「そういう時は悪い、じゃなくてありがとうですよ」
「……サンキューな」
はい!と満面の笑みで返してきた。少し、眩しすぎるくらいだ。
「そういえば、二乃と五月ちゃんどこ行ったか知らない?三玖も四葉も知らないって言うだけど」
「その二人なら昼飯の材料買いに行ったぞ」
「そうなんだぁ…じゃあ、寝てきていい?」
ダメだバカ。と一蹴。多分そろそろ帰ってくるだろ、も少し我慢しろ。
一花の気の抜けた返事とともに二乃と五月が買い物袋を手にさげて帰ってきた。
「お帰りー今日のお昼は何ー?」
「簡単にパスタにするわ。君もそれでいいでしょ?」
「俺の分も作ってくれんのか…。わりぃな」
なんか怒ってんのかってぐらいの勢いでキッチンに向かってった。なんだアイツ。俺、気に障ることでもしたか?…ん?そういえば、アイツは家庭教師なんていらないとか言ってたな。なのになんでまたいるのか、みたいな感じか。
トントントンとリズムよく食材を切る音がする。なんだ、コイツらの中でまともに料理出来るのって二乃だけなのか?手伝おうと動く気配もないんだが。
「ほら出来たから好きなの持っていきなさい」
言われるがままに皿を選び持っていく。五月のパスタやっば…。肉だらけじゃんか。なんか違う意味で心配になってきた…。
二乃の作ったパスタは想像以上に美味かった。五月のあの幸せそうな表情を見ればなんとなく伝わってきたけど相当だった。遊子に教えてもらおうかな。
「さて、昼飯も食い終わったし家庭教師らしいことするぞ」
案の定ブーイング。しかし、不本意ながらこれも仕事だからなとりあえずやってもらおう。
「今日は別に勉強するわけじゃねぇ。お前らの実力がどんなもんか改めてテストする。今日はそんだけだ。おら、プリント配っとくから筆箱取ってこい」
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そして時を戻して現在、テストの採点が終わり公表の時間。
「お前ら…凄いな。五人合わせて百点だ。」
きっと俺は今、スゴい引きつった笑顔をしているんだろう。なぜなら目の前で五姉妹が苦笑いをしているから。
「はぁ…しゃーねーな。明日から本格的に授業すっから逃げんなよ」
『えー!』
「逃げんなよ。いいな」
『はい…』
お袋助けてくれ、コイツらの家庭教師するの前途多難過ぎる…。