THE UNSUNG RECORDーGIRLY AIRFORTHー 作:天羽々矢
Side.A OP:SAVIOR OF SONG/ナノ feat.MY FIRST STORY
「アーッハッハッハ!」
航空自衛隊、小松基地のブリーフィングルーム。
少年、“鳴谷 慧”は自分の見た夢の内容をイエローのウェーブロングヘアの少女“イーグル”に話すと彼女は大爆笑した。
その隣ではペールピンクのストレートロングヘアの少女“グリペン”が不満げな表情で頬を膨らませている。
「・・・慧が変な事いうからイーグルに笑われてる。すごく不愉快」
グリペンは慧が話した夢の内容が不満なようだ。
「あ~ありがと慧!笑ってイーグル、すっきりしたよ!」
「私は不愉快」
「いや、まだ続きがな・・・」
イーグルは一頻り笑ってスッキリした反面、グリペンはむくれている。
慧は2人を止め話を続けようとするそんな微妙な空気が漂う中、部屋に肥満体型の白衣の男が入ってくる。
彼の名は“八代通 遥”、日本の防衛省技術研究本部勤務の技術者であり、グリペンやイーグルの
そう、グリペンとイーグルは外観こそ人間の少女であるが中身は全くの別物だが、それは後に説明するとしよう。
八代通は入室後、口に咥えていた煙草を取り口から煙を吐いて一息いれるがその表情は何処か苛ついているようだった。
「どうしたんですか八代通さん?何か怒ってると言いますか・・・」
八代通の様子に慧は問い掛けるが、それに対し八代通は更に深い溜息をつき言葉を発する。
「・・・ついさっき防衛省を通して通達があってな。どこかの馬鹿がドーターごとアニマを持ち去りやがったそうだ」
八代通の言葉に慧はもちろんむくれていたグリペン、更にいつも笑顔なイーグルまで表情を引き締めた。
ドーターとアニマは現在世界を震撼させている飛翔体“ザイ”への切り札。それを何者かが持ち去ったというのだ。
ドーターとは人類がザイとの戦闘に勝利する為に既存の戦闘機を大幅に改造した特殊戦闘機であり、アニマはそれを操る人間の少女の姿をした自動操縦機構。グリペンとイーグルがこれらに値する。
「イギリス空軍が開発を進めていた個体だったそうだが、グリペン同様に動作が安定しなかったため廃棄が予定されていた所をその馬鹿に襲撃され持ち去られた、だそうだ」
「・・・そのアニマは抵抗はしたんですか?」
「俺もその件は問い詰めたんだが、どうも目立った抵抗もせず黙って馬鹿について行ったらしい」
その言葉に慧は驚いた。
それでは対ザイへの切り札であるアニマが自分から人類の側を離れたという事ではないか。
だが「その上」と言った後に八代通は更に言葉を続ける。
「今から2か月程前にもこれに似た強奪事件が起きている。場所はスリランカの人民解放海軍基地で持ち出されたのは廃棄が予定されていたドーター込みのアニマだ」
2か月前と言えば、慧が幼馴染の“栄 明華”と共に日本へ避難してくる前の話だ。
何故そのような事を今話すのか慧は疑問に思ったがその意図を察したか問い掛ける前に八代通が答えた。
「現時点でアニマはザイに対抗できる唯一の手段だ。それが強奪されたとなれば軍の士気にも責任問題にも関わるからな」
つまりは下手に混乱を起こしたくなかった、責任を押し付けられたくなかったという何とも身勝手な理由で隠蔽されていたという事になる。
それが隠す事に限界を感じた軍の人間により今防衛省を通り知らされた、といった具合だろう。
「だがまあ、現段階では特に反抗されるという事態は無いだろう。初期構築時に人類を守る事を刷り込まれているからな」
煙草を吸いながらそんな事を言う八代通であったが、慧の不安は拭われなかった。
その理由は明快、自分が見たあの悪夢だ。気が付けた口が勝手に開いていた
「・・・八代通さん、盗まれたドーターって本当に2機だけなんですか?」
慧の言葉に八代通は持っているタブレット端末に視線を落とし、その後わずかに首を振るだけだ。
「ああ、強奪されたのは2機だけだ。何か気掛かりな事でもあるのか?」
「・・・さっきグリペンとイーグルにも話したんですけど、イーグルと同じような機種でミサイルを機内に格納してたドーターに俺が何度も殺される夢を見まして・・・」
その言葉を聞いて八代通は顎に手を当てた後に再びタブレット端末に視線を落とし何か操作をする。
そして何かに気づきそれを慧に伝える。
「君の言う特徴の機体だが、1年前にシアトルのアメリカ軍基地から1機盗み出されているそうだ。だがドーター化されていない普通の戦闘機だ」
「それにF-15のアニマは既にイーグルがいるからな」と更に言葉を続ける。その言葉にイーグルは嬉しかったのか八代通に抱き着く。
「ハルカ、普通のも含めて盗まれた機体の名前は分かる?」
突然グリペンが八代通に問い掛けるも、彼は特に返さずに続けた。
「現時点で強奪されたのは・・・F-15SE、J-15、トーネードGR.4Aの3機だ」
無人島に降り立つ1機の飛行機。
着陸に備え速度を落とすにつれその主翼がゆっくりと広がっていく。
そしてその翼が地面に降り立った。
その飛行機はその後誘導に従い、格納庫へゆっくりと地面を進み格納庫手前でエンジンが止まる。
その格納庫の中では茶色のサイドテールの少女、イチゴが待っており、そして機体の装甲型キャノピーが開くと中から飛行服を着ている前髪の一部に赤いメッシュの入った金髪ロングヘアの少女が降りてくる。
イチゴはその少女に一礼する。
「お待ちしてました、“トーネードGR.4A”」
そのイチゴの言葉に少女・・・トーネードGR.4Aのアニマは不満げな表情を浮かべ言葉を返す。
「確かにわたしはトーネードGR.4Aのアニマですが、今ではレン君から頂きました名前があります。
・・・そうですね、今後からは“シャロン”と呼んでいただけますか?」
Side.A ED:Colorful☆wing/グリペン(CV.森嶋 優花)、イーグル(CV.大和田 仁美)、ファントム(CV.井澤 詩織)
今、原作3巻を読んでます。確かにあのシーンは鳥肌モノですね・・・
でもこの小説じゃどういう立ち位置にしようものか・・・