THE UNSUNG RECORDーGIRLY AIRFORTHー   作:天羽々矢

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もうすぐだ、邂逅の時は近い・・・

Side.A OP:SAVIOR OF SOONG/ナノ feat.MY FIRST STORY


ALT04 始まりへ向う小夜曲 ー第1次海鳥島攻略戦ー

ロシア領空から離脱しレンがミオを拠点の無人島に招待した翌日。

機体・・・ドーターの方は現在整備を受けている。

 

そしてその島の一角でレンとミオが2人で会話している。

その内容は、レンの過去と・・・カムチャッカでレンがミオに使った()()()()について。

 

「・・・そう、そんな事があったのね・・・」

 

レンの話を一通り聞い終えたミオは呟くようにそう言葉を口にした。

 

「正直言って、俺のやろうとしてる事は唯の逆恨みみたいな物さ。でも、そうしなきゃ俺自身を許せない気がして・・・」

 

自虐とも取れる言葉を発しながらレンは自嘲するように薄笑いする。だがそんなレンの左手をミオが両手で取り優しく包むように握り、

 

「何言ってるのよ!レンのおかげで今ミオがここにいるの!ミオにとってレンは王子様なのよ!だから、そんな事言わないで・・・」

 

瞳を潤ませながら悲願するように言う。

余談だがミオはレンにその名を貰って以来、ずっと一人称が“ミオ”になっている。

ミオのその表情にレンはドキリとし言葉を失うが、その直後、

 

ドドドドドドドドドッ!

 

地響き音と地震のような振動と共に何かが近づいて来る。

そして急ブレーキが聞こえるような雰囲気と共に前髪の一部に赤メッシュの入った金髪ロングヘアの少女、シャロンが滑りながら姿を見せその場で停止する。

今の彼女の服装は、上着は白と青が基調の制服、下は黒いプリーツスカートと編み上げアンクルブーツという年相応の女子らしい恰好だが、鬼気迫る表情と見開かれ血走っている琥珀色の瞳がそれらをぶち壊しにしていた。

 

「シャロン・・・?」

 

「れ、レン君大丈夫ですか!?変なフラグ立ってませんか!?」

 

顔に汗をかき息を切らしながらもレンの右手を両手で取りそんな事を問うシャロンにレンは怪訝な表情を浮かべる。

 

「・・・変な・・・フラグ?」

 

 

 

 


 

 

 

 

あの後何とかシャロンを落ち着かせ、更にイチゴとも会い、島の作戦司令室と思われる趣の部屋に4人が集まった。

 

「先程シャロンが日本国航空自衛隊の無線を傍受、石垣島北方150キロの無人島“海鳥島”にザイが降下。その時の航空写真もシャロンが入手してくれました」

 

イチゴが手に持つタブレット端末を操作するとスクリーンの画像が変わり1つの小島の画像が映し出される。

左右に細長い十字架のような形をしており、島の中央には水晶のように煌めく物がある。

それは正六角柱が立ち並んでそれらを光の糸が繋いでおり、全体的に不思議な幾何学模様を作り出している。

 

それを見たレンは一目で分かった。

 

「東シナ海でザイが構築した前線基地か」

 

「十中八九間違いないでしょう。現在空自の小松基地から発進したドーター3機がこの島へ向け進行しています」

 

再びイチゴがタブレットを操作し画像を変える。

それに映っているのは色とりどりかつ機種もバラバラの3機編隊。

 

編隊の先頭を行くエメラルドグリーンの機体“RF-4EJ ファントムⅡ”

その左後方に着くサンライトイエローの機体“F-15J イーグル”

そしてRF-4EJの右後方に着く真紅の機体“JAS-39D グリペン”

 

機体の表面が発光している事からこれらの機体がアニマ用の機体、ドーターである事が分かる。

すると何かを思いついたのかレンが徐に立ち上がる。

 

「レン?」

 

「今から俺達も海鳥島に行くぞ」

 

「今からですか?それでは到着は今日の深夜に・・・」

 

「いいんだよ、それで」

 

レンはスクリーンの前に立ち隣のイチゴを見やった後にシャロンとミオに顔を向ける。

 

「重ねて言う。もし俺といればこの先どんな危険に遭うか分からない。無理についてくる必要はないぞ?」

 

レンはこの場にいる全員に問うが、その全員が覚悟している表情だけで言葉を返さない。それだけでレンは彼女等の覚悟を理解し、これ以上の問答は無礼に値すると察して頷き更に言葉を続ける。

 

「これより俺達は海鳥島に向かい現地のザイと()()()()()()()()。“DRAGOON(ドラグーン) FLIGHT(フライト)”出撃準備!」

 

『はい!!』

 

レンの指示に3人の少女は力強く返答する。

 

 

 

 


 

 

 

 

《いやっほー!》

 

海鳥島上空に突入した矢先にイーグルの元気そうな声と共にザイが3機消える。すれ違いざまに機関砲を命中させたのだ。

それに続くように真紅の機体、グリペンが1機のザイに追従。跳ね回るマーカーを睨み付けロックオン、ミサイル発射。

放たれた槍はザイをしつこく追い回し炸裂。撃墜だ。

 

その後も1機、また1機とザイを撃墜していく。この調子であれば制空権確保は目前・・・に思われた時だ。

 

「新たな敵機が接近、数は・・・8機」

 

「8機!?」

 

グリペンの後部席に座る少年、慧が驚愕の声を上げる。

どこからともなく湧いてきたのか、前方2時と10時方向から向かってくるザイの編隊。

数が増え時間がかかればかかる程グリペン達が不利になる。燃料の制約もあるが1番ば武装。

 

イーグルが装備する空対空ミサイルは残り8発。グリペンは6発。残りは機関砲。

しかも2機で3発を消費している為、このペースが続けばミサイルが尽きる。

 

慧はディスプレイを確認し作戦の要であるファントムの位置を確かめる。

するとどうだろうか。ファントムは海鳥島に横腹を見せながら悠々と旋回している。まるで作戦を遂行する気が無いように。

 

《ちょっと!何してんの!?イーグルたちが突破口を作ってるんだから早く来てよ!ミサイルがなくなっちゃう!!》

 

《自分の身を守るので精一杯に見えますけど?その上で私の護衛なんてできるんですか?》

 

《できるかじゃなくてやってるの!いいから作戦通りに――――――》

 

イーグルがファントムへの怒号を吐き切る前に爆発音が響く。

至近弾を受けたようでイーグルの山吹色の機体の左主翼から煙がたなびいている。

 

「いけない」

 

その様子にグリペンがスロットルを開け、立ち塞ぐザイを掻き分けるよう突撃し機関砲弾をばら撒く。

イーグルは破片を受けただけのようで飛行に支障は無いようだ。だが、

 

「何だよ、これ・・・」

 

島の上空から島の様子を見た慧が言葉を漏らす。

横殴りの流星群を思わせる幻想的な光景だがその構造要素の1つ1つが明確な敵意を持っている、美しくも絶望的な光景。

 

イーグルは手近なザイを追い回しているが頭に血が上っているか機関砲弾はその全てが空を叩くだけであった。

そこでグリペンが喘ぐ。

 

「限界、撤退すべき」

 

《冗談!ここまで来て!!》

 

「残弾を撃ち尽くしたら手遅れになる」

 

すると島の地面が煙を吹き出し何かを打ち上げる。

 

「グリペン、イーグル、下!」

 

慧が声を荒げるとグリペンとイーグルはすぐに回避機動を取る。

そして打ち上げられた物体がグリペン、イーグルと同高度に達した瞬間、周囲に光のリングが走った。

 

「っ!!」

 

凄まじい爆発が空を覆い、衝撃、閃光、爆風が機体を翻弄する。

計器が出鱈目に変動し警報が猛々しく鳴り響く。

 

グリペンは右目を抑え苦痛に顔を歪めている。それでも左手はドーターのコントロールパネルから離しておらず機体を安定させている。

 

「何が起きた!?」

 

「地対空・・・クラスター弾」

 

「大丈夫か!?」

 

「地上発射タイプ。多分・・・新型」

 

グリペンの発言に慧は戦慄した。

通常のザイでも厄介なのに地上兵器、俗に言う対空火器まであっては制空権を確保しても安全とは言えない。

あんな物を1発でも喰らえば撃墜されるだろう。

 

《また来る!!》

 

そこにイーグルの悲鳴が響く。

再び地上から新型が2発、3発と発射され包囲網からも制空戦型ザイが向かってくる。

味方への誤射も誤爆もお構いなしに物量で押し切る腹積もりのようだ。

 

「撤退だ!!イーグルも全速力で!!」

 

慧が叫び、警報を掻き消すようにエンジンが唸る。

アフターバーナー全開、残っている兵装を一点に集中させ脱出口を作り2機のドーターは爆煙を切り裂きながら来た道を逃げ帰っていく。

 

作戦は・・・失敗に終わった。

 

 

 

 


 

 

 

 

その日の深夜、海鳥島上空。

 

慧達が逃げたその島の上空に、無謀にも近づいていく4機の機影。どれも機体表面が発光している事からドーターである事が伺える。

 

そしてその編隊の先頭を行く、翼端がオレンジで尾翼に3本の爪痕が描かれている機体、F-15SE-ANMのコクピットに居座る少年、レン。

 

そんな4機をレーダーに捉えたか、上空で哨戒していたザイ4機が向かってくる。

 

《来たわよレン!どうするの!?》

 

ただ黙っているレンに編隊の最後尾にいるパールホワイトで所々がピーチブロッサムピンクに発光している機体、Su-30SM-ANMのコクピットにいるミオが声を荒げる。

 

ちなみに彼女のドーターは無人島に来て早々に駄々とも取れる彼女の要望で、両主翼と水平尾翼の翼端がレンのF-15SE-ANM同様オレンジに塗られている為少しちぐはぐな印象を受ける。流石に3本の爪痕までは描かれていないようであるが。

 

《落ち着いてくださいミオ。レンなら上手くやります》

 

そんなミオを宥めるように聞こえる女性、イチゴの声、

ミオの左前方を飛行するクリムゾンレッドの機体からだ。

 

パッと見た外観はミオのSu-30SMと似ておりカナード翼もついているが、機体サイズは同等か一回り小さくなっているような感じだ。

中国人民解放海軍の艦上戦闘機、“J-15-ANM フランカーX2”。それがイチゴが駆る機体の名だ。

 

そしてその右隣にはアンバーイエローのパターンが浮かび上がっているアイスグリーンの可変翼戦闘機、シャロンのトーネードGR.4Aが飛行している。

 

そしてザイが4機を射程に捉え、機内にロックオン警報が鳴り響くが、

 

「・・・聞け、ザイ達!」

 

そこでレンが声を上げる。

見れば覗いているレンの虹彩には赤い輪郭が、左目の瞳に銀色の紋様が浮かんでいる。

レンは言葉を続ける。

 

「今の俺達には交戦の意志は無い。・・・いや、それどころがお前達が世界をどうするかにもはっきり言って興味はない」

 

「けどな」と言ってレンは更に言葉を続ける。

 

「俺の家族は・・・()()()()()()()()()()・・・、撃墜したお前達の同類が俺の家に墜落して・・・。当然俺は抗ったよ、責任を問え、家族を返せなんてな。・・・けど全部握りつぶされたよ。どんなに証拠を並べても、どんなに周囲の声を募っても、全部ダメだった・・・挙句の果てには補償金代わりの金を軍の代わりに払うって名目で依頼した弁護士にも見放されたよ」

 

「その時、俺・・・周りがすごく憎かった。何でアニマだってだけであんなに優遇されるんだ、何でここまで蔑まれなけりゃならないんだって・・・。家族との幸せだった思い出は、全部アニマとそれに組み入る人間への憎しみに塗り替えられたよ。だから、この身が破滅しようが構わない。・・・あの時、俺の家族を奪ったアニマと、それを庇い立てして逃げた連中に必ず報いを受けさせてやる!!!」

 

レンが自分の胸の内を吐き切った瞬間、海鳥島の基地型を含む周囲のザイ達の機体が光り出し、青く半透明なその姿がレンの怒りを象徴するような燃えるようなフレイムオレンジに変色していく。

 

それはザイがレンに()()()()()だ。

 

《ザイの色が変わった!?》

 

《ここのザイ達もレン君の気持ちを分かってくれたみたいですね》

 

その光景にレンに付き従うアニマの少女達が各々の反応を見せる。

するとザイの1機がレンの前に出て友好的に機体を左右に揺らす。その意図はレンには理解できた。

 

「基地に寄っていけってよ」

 

《ちょうどよかったですね、燃料ももうありませんし》

 

レンのF-15SE-ANMが機体を翻してザイの誘導に追従し、後続の少女達も続いて行く。




Side.B ED:アンチクロックワイズ/After the Rain

展開が早いなんて言わないで・・・

アニメGAFのライノの声がまさかの白石涼子さんだったという件。
某執事アニメ主役キャラの人じゃねぇか・・・出演キャラも男子のが多いし・・・でも好きな声優さんだ!過去にやってた武装神姫のゲームで使ってたキャラの声の人だし。
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