THE UNSUNG RECORDーGIRLY AIRFORTHー   作:天羽々矢

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邂逅へのカウントダウンは、止まる事を知らない・・・

Side.B OP:KODO/nonoc


ALT05 天駆ける煉獄の翼 -第2次海鳥島攻略戦Ⅰ-

レン達が海鳥島でザイから補給を受け明朝、0600。

島でザイが整えた滑走路にレン達のドーターが既に発進準備を終えている。今回の彼らの目標は廃棄予定のアニマの強奪ではなく・・・海鳥島を攻撃予定の海上自衛隊及び米海軍の艦隊への攻撃だ。

 

そして上空ではレンの配下であるオレンジのザイ達が哨戒、主であるレンの離陸を今か今かと待ちわびているようだ。

 

「各機、準備はいいな?」

 

《DRAGOON02、スタンバイ》

 

《03、問題ありません》

 

《04、いつでもいいわよ!》

 

同胞の少女達の準備も完了している。

それにレンは何も言わず、コクピットのパネルに触れる。するとパネルが発光するに伴い機体も発光し各部に銀色の光のパターンが浮かび上がる。

 

DRAGOON(ドラグーン)01、出るぞ!」

 

F-15SE-ANMのエンジンノズルが火を吹き、その地面を加速しながら駆けていく。そして機種が持ち上がりゆっくりと地面を離れる。

そして空に昇り車輪を格納する。

 

《DRAGOON02、從這個起飛(これより離陸します)!》

 

それに続くはイチゴのJ-15-ANM。滑走路を駆けレンの待つ空へ上がる。

 

《DRAGOON03、行きます!》

 

《04、行くわよ!》

 

そしてシャロンのトーネードGR.4A-ANMとミオのSu-30SM-ANMも続けて離陸。

4機で1個小隊(フライト)を組み、ダイヤモンド隊形を組んで飛翔していく。

 

 

 

 


 

 

 

 

朝焼けの海の上空を飛ぶ3機の航空機。

 

エメラルドグリーンのRF-4EJを先頭にサンライトイエローのF-15Jと真紅のJAS-39Dがデルタ隊列を組みながら飛行している。

 

昨日はファントムがグリペンとイーグルの戦闘から作戦空域に侵入せず混乱を招いたが、その後に慧から模擬戦を申し込まれ、慧がグリペンを操縦するというギャンブルにも近い手段で勝利を収めこの作戦に引っ張り出したのだ。

・・・そしてファントムからの要望により、今のグリペンは慧が操縦桿を握っている状況だ。

 

[台湾空軍と米軍、那覇の飛行隊が共同で陽動作戦を行う。海鳥島上空の敵機を誘い出すイメージだ]

 

無線機から聞こえるのんびりした声はドーターの整備を請け負う整備士、船戸だ。

この切迫した状況でもペースが崩れないのは神経が図太いからか否かは本人にしか分からないだろう。

 

「随分と大規模になりましたね」

 

[上も尻に火が点いてるんだろう、東シナ海の航路が完全に閉ざされてるからなぁ、早く手を打たないと前線の兵站が崩壊しかねない。ま、大層な話だがお前さんらが頼りなのは変わりない、頑張ってくれよ]

 

そんな素っ気ない労いの言葉は日常である証なのだろう。これから赴く場所は全てが日常とかけ離れているが。

 

(結局は俺達3人か・・・ま、最初からそのつもりだったけど)

 

今の状況を慧が少し軽く見ている時だ。

 

[スキッパー・ヘッドよりBARBIE、エマージェンシーだ。台湾空軍の飛行隊が敵別働隊により壊滅。新たなザイが第7艦隊へ向け移動中]

 

早期警戒管制機(AWACS)からの報告に一気に緊張が走る。

作戦はファントムが艦隊から発射された巡航ミサイルを誘導するという物。その艦隊その物が壊滅してしまっては作戦の根幹が瓦解する事になる。

 

「BARBIE01よりスキッパー・ヘッド、艦隊の援護は?」

 

[那覇基地の部隊が向かっているが、到着までは時間がかかる」

 

つまりは、慧達が艦隊から近いという事だ。

慧が戦術マップを確認する途中で「いけません」と咎める声が聞こえる。ファントムの声だ。

 

《我々が援護に向かえば、そこで武装と燃料を使い果たします。このまま進みましょう》

 

「だけど・・・!」

 

今の状況に慧は判断しかねていた。

ファントムの言い分も分かるがここで艦隊が全滅したら作戦その物が崩壊する。

陸自のミサイルだけでは威力不足だろう。

 

《二手に分かれましょう》

 

そこでファントムが提案した。

 

《私達の内1人が艦隊の援護に回る、他の2機はそのまま作戦続行》

 

「たった2機で島に突入するのか!?」

 

《それでも手持ちの戦力でやり繰りするしかないんです、贅沢は言っていられません》

 

ファントムの言葉に後席に座るグリペンが頷きながら言う。

 

「贅沢は敵」

 

「分かったよ。じゃあできるだけ奴らを追っ払ってくるよ。増援がたどり着くまで頑張るしかないな」

 

《何を言ってるんですか?》

 

そこに聞こえてきたのはファントムの呆れるような声。

 

《あなたは予定通り、私を守ってください》

 

「は!?」

 

何を言っているんだ、と慧は思ったがファントムはお構いなしに言葉を続ける。

 

《イーグル、艦隊の援護に回りなさい》

 

《はぁ?なんであなたが仕切ってるのかなぁ》

 

イーグルの不満げな声が聞こえるが、ファントムは言葉を続ける、それも彼女が確実に動くであろう言葉を。

 

《私の意見ではありませんよ。いざという時はそうしろとお父様が仰っていたのですよ》

 

《え、本当?》

 

《本当です。イーグルなら押し寄せるザイを千切っては投げ、千切っては投げ大活躍してくれるはずだと。悔しいですが私も同じ意見です》

 

「むふーっ!」と妙な鼻息が響いた。

 

《じゃあ話が別だね。お父様、イーグルの事頼りにしてるって言ってたし、分かった!ガンガン墜としてくるよ!》

 

言うが早いか、イーグルは急旋回し艦隊の方へ飛び去っていく。

その後、慧はファントムにおずおずと尋ねてみる。

 

「なぁ、今の話って・・・」

 

《嘘です》

 

あっけらかんと答えるファントムに慧は“やはりこのおかっぱ頭は信用できない”と内心思った。

そして島の領空へ入る・・・が、何か様子が妙だ。

 

「・・・慧」

 

後席のグリペンも違和感を覚えたらしい。

 

「あぁ・・・、ザイが1()()()()()()

 

そう、普通なら基地防空の為のザイがいるはずが、何故がそのザイが1機も見当たらないのだ。

その上、そのまま基地に接近してもあの新型である地対空クラスター弾を発射する様子さえ見られない。

 

「どういう事なんだ・・・」

 

《確かにこの状況は異様ですね、ですが予定通り始めましょう》

 

ファントムが息を吸うと、機体下部ステーションから管制ポッドが伸び展開。広がったアンテナの先端に明りが灯る。

 

《この状況ですが、背中はお任せしてよろしいですか?》

 

「ああ、1機たりともお前に近づけさせない、今からそこはお前の特等席だ!」

 

《あら、格好いい》

 

お互いに軽口を叩き合い会話を締めくくる。

 

《BARBIE03よりドールハウス、レディー・フォー・コントロール。作戦開始を要請する》

 

ファントムの言葉に本部から“了解”と返答が来る。今度こそ成功させる。

 

しばらくは何も起こらなかったが、異変が起きたのは十数分後。

彼方の空に無数の黒点が現れ、それらは次第に白い線を引き空に縞模様を描く。

そして多数の巡航ミサイルは最終誘導フェイズに入る。

最初の爆発は十数個といった具合だろうが、次第にその数は増える。二十、三十、四十と爆炎が表土を覆っていく。

 

「EPCM、レベル低下」

 

グリペンが状況を報告する。

慧ははぁ、と息をつき空を見上げる。夢ではない、本当に自分達はザイに勝ったのだと。

 

「ミッションコンプリート。RT・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《わあぁっ!!》

 

『っ!?』

 

慧が言葉を吐き切る前にイーグルの悲鳴らしき物が聞こえた。

 

「どうしたイーグル!?」

 

慧が無線機に向け吠える。

 

《なんか()()()()()()()()()()に追い回されてるの!あぁもうしつこいしつこい!!》

 

イーグルの言葉に慧はおろかグリペンとファントムも困惑した。

オレンジ色のザイなど聞いた事が無い。

 

[スキッパー・ヘッドよりBARBIE、50を超えるザイの大編隊が第7艦隊へ向け移動中だ!]

 

AWACSからの更なる報告に全員が戦慄した。

 

・・・そう、ザイがいなくなったのではない。

最初から基地を囮として見捨てる算段だったのだ。

だが更に不運は続く。それはAWACSが教えた。

 

[BARBIE02、後方からボギーが急速接近!]

 

 

 

 


 

 

 

 

「あぁもう!!」

 

F-15J-ANMのコクピットで癇癪を起していながらもイーグルはボギーを振り切ろうと機体を揺さぶる。

だがそれでも後方のボギーはイーグルに追いすがってくる。

 

「もう、誰か何とかしてよ!!」

 

悲鳴に近い声をイーグルが上げる。

そこにイーグルのディスプレイにメッセージが浮かび上がった。

 

04 SUPPORT FOR 02(04、02の援護に入る)

 

それは通信メッセージだった。発進元は・・・BARBIE04。

そのメッセージの直後にスマートなラベンダーパープルの単発機がボギーをの後方に回り、ボギーがイーグルから離れる。

 

「バイパーゼロ!」

 

その機体を見てイーグルが歓喜の声を上げた。

それは那覇基地専属のアニマ、“F-2A-ANM バイパーゼロ”。

 

本来なら最前線の拠点である那覇基地防空の任務があるのだか、状況が状況な為に今回の作戦に投入されたのだ。

 

バイパーゼロはボギーをしつこく追い回しミサイルの発射準備を終える。

そしてミサイルシーカーがボギーを捉えた・・・その瞬間だった。

 

 

 

ボギーの機首が持ち上がったと思いきやその場で180度回転しバイパーゼロの機首に自身の機首を向ける。

そしてお互いが向かい合った刹那、ボギーの主翼付け根の機関砲が火を吹いた。それも発射された弾丸は1()()()()

 

そしてその直後・・・バイパーゼロのエンジンが炎と共に黒煙を噴き始めた。

ボギーはバイパーゼロと向かい合ったままの体勢でアフターバーナーを点火しすれ違っていく。

 

「嘘・・・何が起きたの・・・!?」

 

その光景を見ていたイーグルは信じられないようだった。

だが理屈は簡単だ。機首が向かい合った瞬間にボギーが発射した弾丸がバイパーゼロの機体のエアインテークに吸い込まれるように命中しエンジンに内部から損傷を与えたのだ。

ましてや戦闘機動を取っていた状態でエンジンは高温高圧。その状態で損傷などすれば無事で済むはずがない。

 

そしてバイパーゼロがすれ違った瞬間に見たのは・・・翼端がオレンジに塗られた主翼と水平尾翼、そして垂直尾翼に掛かれた3本の爪痕だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《もっと早くやれたのではないですか、“レン”?》

 

そのボギー・・・F-15SE-ANMのパイロットであるレンに僚機の少女からそんな声が賭けられるが、レンは言葉を返す。

 

《・・・分からせてやりたいんだよ、現実って奴を》




Side.A ED:Colorful☆wing/グリペン(CV.森嶋 優花)、イーグル(CV.大和田 仁美)、ファントム(CV.井澤 詩織)

ようやくオリジナルと原作側を絡ませられました・・・
さて、今後もオリジナルアニマを出すか否か・・・
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