就職することが出来る仕事は提督だけでした。   作:狛犬太郎

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やってまいりました。

相良航希、鎮守府生活の始まり始まり〜

まぁ鎮守府生活と言うよりは彼の鎮守府での日常なのかもしれませんね。

こうちゃんの提督らしい姿はいつ見られるのかな?

と淀姉さんがカメラを持って待ち構えるぐらいいつになるか…頑張ります。

感想や評価も多く頂き、感謝の気持ちで一杯です。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。

リクルートスーツはそんなに高いもの買わなくて良いからね、必要最低限の物を2〜3着あれば多分大丈夫だと思うよ!!!まぁ上は大丈夫だけど人によってはズボンや靴を就活中に2回3回買い替えなきゃ行けない人もいるからそこんとこ気をつけてね!!!


就活戦争12日目

ん…んー?なんか眩しい……。あれ?やけに明るいわ、俺外で寝てたっけ……?

 

「提督さんおはようございます、朝ですよ。」

 

「そろそろ起きて下さい。」

 

……あーお前達かそれと96式探照灯妖精さん、とりあえず眩しいからそれ消せ。

 

いつもの5人組妖精さんと目覚ましではお馴染みとなりつつある工廠妖精さん改め、96式探照灯妖精さんが枕元にいた。

 

「なんですか、96式は眩しすぎるって言うからわざわざ普通のライトで起こしに来たというのに。」

 

いや、だからわざわざ光るもので起こしに来なくていいんだよ。探照灯とかライトとかじゃなくてもっとマトモな起こし方をしてくれ。

 

「「「……あた〜らしい」」」それはもういいから、もうそれ2度目だから、二番煎じはウケないぞ。

 

「なんとも注文の多い提督ですね。」

 

やかましいわ…………さて、なんだかんだで目覚めた訳だがまず非常に大変な事になった。まずは現状を確認しようか。

 

「記憶、ヨシ!」現場ネコ妖精は帰れ。

 

「昨日は随分お飲みになってたようですね。本当に記憶はありますか?」

 

覚えてるよそりゃ勿論。

 

むしろ忘れてた方が幸せに暮らせたな、皆、驚くなよ?

 

今日は特別ゲストになんと……あの淀姉さんがこの鎮守府に来てくれま〜す!!!皆、拍手ぅ〜!!!

 

「我々もその話は聞いてますので。」

 

なんだよノリ悪いな………はぁ〜、気が重い。

 

重いといえばさ、なんか体が全体的に重いというか息苦しいというか動きづらいというか……五体満足かどうかも確認しようか。

 

まず右腕……時雨が引っ付いてる。あの、動きづらいんですが……。

 

次に左腕……ハイパー北上様が俺が寝てるのに対し平行に眠ってらっしゃる。座布団を枕にしており、それが腕の上に乗ってるので血が止まりそう。

 

左足……明石。邪魔だから足を動かして明希姉の頭を退かす。布団から落とした瞬間、明希姉が「フガッ!」と変な声を出したが、その後何事もなかったかの様にグーグーと寝息を立てて再び寝始めた。

 

右足……なんで夕立がいるんですかねぇ?昨日の騒ぎの時はいなかったのに…あー時雨がここに行くって行ったまま帰ってこなかったからここに来た的なパターンか……ってなんかズボンの膝上辺りが湿ってるんですけど!!!コイツまさか涎……。

 

「漫画ではお馴染みの展開ですね。」

 

「艦娘達と同じ屋根の下で眠る提督さん。」

 

「電〇文庫やM〇文庫系のラノベ、漫画辺りではよくあった気がします。」

 

いや眠る(強制)なんですがそれは……妖精さん達に漫画とか読ませるんじゃなかったわ、ロクでも無いことばっかいいやがって。

 

コイツらも監視の途中で寝たって事だろう……そういや叢雲と大井が居ない。となると交代で監視してるって事だな……?となると1人は玄関、もう1人は外を警戒って感じか。そう簡単には逃げさせてくれないって事ね。

 

それでも僅かな希望を捨てては行けない。脱出の機会はまだまだある。

 

その為にもコイツらを起こさないように退かさねばな。

 

まずは左腕、北上を起こさぬようにゆっくりと腕を引き抜いていく。幸いにも綿の多い座布団だったので腕を引き抜いても北上が目を覚ますことは無かった。

 

まずは左腕の救出に成功、続いて右腕に引っ付いてる時雨だ。ここから難度が上がる。

 

まずは自由になった左手て右腕の解放を試みる。しかし時雨が俺の上着を掴んでいるため、簡単に抜け出せそうにない。

 

試しに上半身を軽く捻ってみた、これで時雨が離してくれれば良かったのだが「ん…むぅ…」と起こしてしまいそうになった。あぶねーあぶねー。

 

となればプランBだ。上着のボタンを外し、左腕から時雨を起こさぬようゆっくりと脱いでいく。脱げたら右腕の袖を掴みゆっくりと引き抜く。これで両腕解放だ。代わりに上着はそのまま時雨に抱え込まれてしまったので回収は不可能となった、まぁ仕方ない。

 

さて今度は右足の夕立だ。コイツが1番ムズいかもしれない。

 

まずは枕を夕立の頭の横に置く。そしてここからが緊張の瞬間だ、少しずつ膝を曲げ夕立の頭を太ももからずり下ろしていく。頭が落ちる瞬間横に置いておいた枕を滑り込ませる。

 

……よし、これで五体満足だ。

 

布団から起き上がり彼女達を踏まないように布団から脱出する。

 

「……いくら艦娘と言えどまだ4月だぞ、寒くないんかコイツらは……。」

 

掛け布団を夕立に掛け、毛布は時雨に掛ける。

 

妖精さんがどこかからブランケットを持ってきたのでそれを北上に掛けてやり、明石はーーーとりあえずタンスからバスタオルを2~3枚引っ張り出し、適当に掛けておいた。

 

にしても……うへぇー、夕立やってくれたなぁ、ベッタベタじゃねえか……。

 

時計を確認すれば現在6時、昨日の酒臭さも少し残ってるし、シャワーでも浴びるか……。

 

「提督さん提督さん、シャワーも良いですが、あれをお忘れですか?」

 

あん?何をさ?

 

「特注家具職人妖精さん達が作った温泉ですよ。」

 

………おぉ〜〜!!良いねぇ〜それ!!

 

朝日を見ながら温泉に浸かる……最高じゃん!

 

そうと決まればレッツらゴー!

 

(職人妖精さん鍵の方はどうなってますか?)

 

(バッチリです。戸を軽く引いただけで壊れるようになってます。)

 

(OKです。仮にバレても言い訳は『突貫工事だったので鍵が駄目になってた』で行けるでしょう。)

 

(ふふふ…提督さん、私達も大淀さんと同じく、簡単に鎮守府から脱出させませんよ?まぁ私達が妖精だから鎮守府で働きたいと言うのもありますが……)

 

(((提督さんの周りで面白い展開になってメシウマするのが楽しみなのです!!!)))

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

うぶぶぶっ!!!???

 

なんだぁ?なんか今背筋がゾクゾクしてきたわ。

 

淀姉さんとは違うなんと言うか……頭がハッピーな奴らに弄ばれてるような……。

 

まぁこの人生で会ってきた人間が大半の頭がハッピーな方々だったしな、朝方は少し冷えるからそのせいだろう。

早いとこ風呂に浸かろう……。

 

暖簾をくぐり脱衣場に続く扉を開け(ガキッ!)……なんだ少し立て付けが悪いな……。

 

ガタガタと音を立てながら扉をスライドさせ中に入る。

 

「おぉ、やっぱり旅館だわ。別途料金払って使う貸切風呂みたいだ。」

洗面所は2つ、ドライヤーが壁に引っ掛けてあり、衣類を入れるロッカーが1つ。体重計やら扇風機も置いてある。

どうやらロッカーには鍵が付いてないらしい、まぁそもそも俺しか住んでないから脱衣ロッカーに鍵なんか要らないか。

 

1番上段の右端に衣類を入れ、タオルを持ったら楽しみの温泉だ!!!

 

戸を開け放ち風呂場に入る、まずは内湯がお出迎え。シャワーを浴び、汗や酒臭さを洗い流す。

 

普段は朝シャンなんてしないが旅行気分もあってか頭、体を洗う。

 

泡をシャワーで流し、椅子から立ち上がる。

 

内湯に入ることも考えたが朝日を見ながら温泉に入る贅沢は今の時間しかできない。

 

自然と足は露天風呂へ向かっており、奥まで行き、露天風呂に繋がる戸を押し開ける。

 

おぉー、すっげぇ!モウモウと立ち込める湯けむりの向こうに見える太陽、温泉独特の香り!どこまでも続く水平線!……寒いしさっさと入ろう。

 

ちょっと熱めの温度、しかし温泉ならこれぐらいの熱さの方が丁度いい。

 

ふぅ〜〜生き返る〜〜。

 

さすが温泉、荒んでた心まで綺麗にしてくれる。

 

……ここからだとちょっと朝日が見にくいな、もう少し右に移動して……(トンッ)「あ、すいません…。」「あ、いえ、こちらこそ…。え……?」

 

やべ、ぶつかっちゃっ………は?俺は今何とぶつかったんだ?

 

待て待て待て落ちけつ俺、いや本当に落ち着け、落ちけつとか言ってる場合じゃねぇ。

 

おかしいぞ?風呂に居るのは俺だけのはず、他の奴らは寝てて、大井と叢雲が見回りに……あ……。

 

ま、まさかね?そんなはずはないよな?

 

横見ればほら、気のせ……

 

お湯に浸かって顔を真っ赤にした大井っちがいた。

 

「え……ちょっ、なん、なんで相良、君がここに…?」

突然の事で大川真井(おおかわまい)さんに戻ってるよ大井っち。うん、俺もね、あまりのことで頭が真っ白になっててね。俺、今多分IQ2位しかない。

「ちょっと大井〜?何騒いでるの…よ……。」

 

湯けむりの向こう側から叢雲の声。ジャバジャバと歩く音と共に……

 

目と目が逢う〜瞬間、君が無の感情だと気づいた〜

 

てかあれなのね、大事な所は謎の煙や光で見えないって本当だったんだ……!!

 

叢雲は一瞬訳分からないという顔になったが頭の良い叢雲さんだ。状況を理解してしまった彼女はみるみるうちに顔が真っ赤になっていく。

 

「……どうしてアンタがここに居るのかしら……?」

 

「……入口に鍵を掛けておいたのにそれでもお風呂に侵入してくるなんて……。」

 

怒りと困惑と恥ずかしさで声が震えているお二人。

 

俺も震えているぜ、恐怖でな。

 

おいおいおい、死んだわ俺。

 

でも鍵なんて掛かってなかったような…?

 

まぁ待て、落ち着け、戦場では焦った奴から死んでいく。ここはお馴染みの娘を連れ去られた男を宥めて話し合いをしようとする彼のように行こうじゃないか。

 

「まぁ落ち着け、そんなに殺気を突きつけられたんじゃ、ビビって話もできやしねぇ。この先どうなるかはあんた次第だ。オーケイ?」

 

「「馬鹿な事してないでさっさと出て行きなさい!!このド変態!!!」」

 

「ぐわぁ〜〜!!!」

 

話し合いは失敗、飛んできた桶やら椅子が俺を襲う。

 

慌てて俺は露天風呂から飛び出した。

 

最後に眉間にクリーンヒットした石鹸がなかなか痛かったぜ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

この騒ぎにより部屋で寝ていた連中も目を覚ましたようでぞろぞろと脱衣場の入口まで来ていた。

 

一部、事情を察した奴らがニマニマしてた。

 

はっ倒すぞ。

 

そういや、大井が鍵を掛けてたって言ってたよな?

 

でも鍵なんて……。

 

ひとまず部屋まで戻り、そこにいた家具職人妖精さんに事情を説明し、ついてきてもらった。

 

脱衣場に戻ってくると叢雲と大井も出てきており、こちらを睨みつけていた。

 

「まぁ待ってくれ、ひとまず謝らせてくれ。本当にすまん。」

 

「馬鹿だ馬鹿だとは思っていたけどまさか、覗くどころか堂々と入ってくるとは……とんだド変態ね。鍵も掛けておいたのに。」

 

「それなんだけどな、俺が来た時鍵なんて掛かってなかったと思うんだよ。」

 

「……?そんなはずないでしょう。私が確かに鍵を掛けて置いたはずです!」

「……妖精さん、どうよそれ?」

 

妖精さんには先に扉の様子を見てもらってどうだったか確かめてもらっていた。

 

「あーこれですね。鍵の取り付け位置が悪かったのか開けようとした瞬間に金具が曲がってしまったようです。提督さんが開けようとした時にガタガタしてたのは曲がった金具が隣の扉に当たってたのが原因ですね。」

 

「だから本当に故意ではないんだ。ただ温泉があるの思い出して朝風呂しようと入ったらこんな事になってしまったってのが事の顛末で……本当にすまない!」

 

「これは我々家具職人の責任です、大井さん、北上さん大変ご迷惑をお掛けしました。」

 

妖精さんと一緒に頭を下げる。

 

この状況、誠心誠意謝るしか生き残る術はないからな。

 

1歩間違えれば、憲兵に突き出されて豚箱行きだ。

 

頼む叢雲、大井!!

 

「……まぁ今回は妖精さんに免じて許したくないけど許してあげるわ。鍵が壊れてたって言うのもこれで分かったし、事故ってことで。」

 

「叢雲さんの言う通り今回は妖精さんに免じて私も許しますけど、次は骨という骨を折りますね。」

 

ひぇ。おっかねぇおっかねぇ、オラまだ死にたくねぇだ。

 

「でもまたこれで貸しが増えていくわねアンタ…さぁて今度は何させようかしらねぇ……?」

 

「私もやっぱり提督に何かしてもらわないと気が済みませんね、北上さんと買い物行く時に荷物持ちでもしてもらおうかしら?」

 

うぐぅ〜〜〜!!!これだよこれ、コイツらの恐ろしいところ。ただでさえ学生から社会人に片足突っ込んだような状態の俺だぜ?

 

このペースだと暫く休日サービスしなくてはならないかもしれない。

 

「あーー!!大井さんと叢雲だけずるいっぽい!!それなら夕立も時雨とこーちゃんで買い物行くっぽい!!」

 

おい待て!夕立も!?休日3日は消えた……。

 

 

「大丈夫ですよ提督さん。」

 

お前はっ!?5人組妖精さんの2人目の妖精さん!!大丈夫とはどういうことだ!?

 

「安心してください。海軍は福利厚生もしっかりしてますから有給前倒しも出来ますグッ」

 

何が大丈夫だよ!!それ俺の次の有給がどんどん引かれていくシステムだから!!!ドヤ顔でサムズアップしてんじゃねぇ!!名案でもなんでもないから!!

 

「夕立が誘ってくれるなら僕もお言葉に甘えて行こうかな?あ、提督、これは僕の『お願い』じゃなくて夕立のお願いだからさ。」

時雨のやろ〜足元見やがって……。

 

それが歓迎会のお願いで済むなら喜んで連れてってやったのによ……。

 

「あら?でしたら私も提督とお出かけしても問題ありませんよね?」

 

「淀姉さんまで勘弁してくれよ…俺もうクタクタだからさ…………は?」

 

待って、おかしいぞ?居なかったはずの人がここにいる……。俺はまだ寝ぼけていた可能性があるな……。

 

もう一度布団に入っててててて痛痛痛痛痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ーーーーーー!!!!!!!

 

「こうちゃん?勿論こうちゃんも私も寝ぼけていませんよ?こうしてお互い目と目が合ってるじゃないですか……?」

 

あぁ懐かしの淀姉さんお得意のアイアンクロー。そしてお目目がとても笑ってなくて素敵すぎますね。

 

技はいつにも増してキレッキレですね。

 

「さて、事情は大体把握しました。」

いや待ってくれ、俺は把握出来てない。事態が飲み込めない俺を置いていかないでくれ。

 

「とりあえず今朝のこの騒ぎは叢雲さんと大井さんが許したという事で一先ず置いておきます。さてこうちゃん、色々言うことはありますが……昨日脱走しようとしましたね……?」

「知りません。」

 

「嘘はいけませんよ?まずここにいる方々に聞けば脱走しようとしてた事の話は聞けますから。」

 

「分からないでしょ、みんなで口裏合わせてるかもしれないじゃんか。映像でもなければ証拠にならないよ。」

 

「ひどーい」や「やめとけばいいものを…」など反応は様々だ。お前の命は今保証されてるけど俺は保証されてないんだ。お前らもこの立場になればこうしてるさ。

 

「映像があればよろしいのですね?わかりました。では提督、そちらのテレビをご覧下さい。」

は?なんで?映像があるの?

 

あ、俺だわ、ロープが足に絡まって……

 

『おーい、みんな〜かかったよ〜。』

 

 

『全く、アンタってやつは油断も隙も無いわね…。』

 

 

『クッソ!!解けろ!!俺は自由な生活をするんだ!!淀姉さんやお前らに自由を奪われてたまるか!!ヤメローヤメロー!!』

 

そうしてズルズルと部屋に引き戻されていく俺の映像が公開された。

 

『あ、青葉……見ちゃいました!』

 

「という訳で青葉さん衣笠さんからの提供でした。」

 

はい拍手〜!……ってふざっけんなワレアオバ!!!なんで見てたんなら助けてくれねぇんだよ!!というかなんてもん撮影してくれてんだ!!

 

「……これで気は済みましたか提督?言質も証拠もバッチリですよ?」

 

……冷や汗がダラダラと垂れてくる。記憶ないんですが……一体、俺が何をしたって言うんだ……。あぁ、淀姉さんにまた説教される……。

 

「提督さん、私は悲しいです。来て早々脱走だなんて……私は提督がこの鎮守府に来てくれたあまりの嬉しさに提督のお家をリニューアルしましたのに……早速脱走だなんて……」

淀姉さんが悲しそうな顔で俺の横を行ったり来たりする。

 

まるで冬眠出来なかった熊と鉢合わせてしまった気分だ……。

 

「さて、提督さん。脱走未遂について、何か申し開きはございますか…?」

 

淀姉さんからの尋問が幕を開ける事になろうとは…。

 

苦し紛れの言い訳かもしれないが割とそうなんです記憶曖昧なんです。俺もよく分からないんです!

「い、いや、昨日めっちゃ飲まされてて酔っててよく分からないんですが……。」

 

「でも心の中にはそういう気持ちがあるって事ですよね?」

 

着々と追い詰められてる気がする。なんか罰があるよ今回やっぱやべぇ世界だわ海軍。

 

「さて、こうちゃん」

 

「はい。」

 

「とりあえず壁に手をついてください。」

 

その棒は何ですかね?

 

「デデーン」

 

「相良、アウトー」

 

「精神注入ー」

 

やかましいわこのゲス妖精さんがぁぁぁーーー!!!

 

「こうちゃん、早くしてください。」

 

「分かりました受けます、ただ一つだけ聞いてください!」

 

「なんですか?」

 

「あのさっきから囃し立ててる妖精さん達を1発叩いてください!」

 

これには流石の妖精さん達も動揺したのか慌て出す。

 

「なんで我々まで!」

「提督さん潔く気を付けしてください!」

 

「うるせーー!!!お前ら裏でコソコソやってただろうが!!!じゃなかったら海軍精神注入棒の刑なんてならんやろが!!」

 

本気で尻が四つに割れる危機を感じた時、淀姉さんの殺気が消えた。

 

「……はぁ、流石に冗談ですよ。昔の海軍じゃないんですからしませんって。」

 

ほんとに恐ろしい方だわ恵さん。貴女が言うと冗談に聞こえないんですから…。

 

「本気で精神注入されるかと思いましたわ………。」

 

ホッと胸をなで下ろした俺。

 

「だからこうちゃん、私にこんな事させない下さいね?」

 

…………全身からぶわっと嫌な汗が吹き出てきた。

淀姉さん怒らせるべからず……。

 

「では、改めまして……提督、軽巡大淀、戦列に加わりました。艦隊指揮、運営はどうぞお任せください!」

 

………やっぱり早く逃げようこの鎮守府。

 




俺のシャツのボタンの上〜胸ぐら掴みながら〜

淀姉さんが笑っている〜(目は笑ってない。)

自由を守ろうにも俺の体は華奢〜

どうかビンタしないでとひれ伏すだけでもさせて〜

淀姉さんが狙って〜いる〜

緊張で息ひそめ〜

口の中は乾いてる〜

きな臭いにおいがする〜

首を横に振っても無駄〜

ここは〜誰が望んだ世界か〜?

ピースピース!!!

「ではまず反省してください(スッパァァァーーーン!!!)」

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