就職することが出来る仕事は提督だけでした。   作:狛犬太郎

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遂にやって来ましたGW。

皆さんどこか行かれるご予定はありますか?

ちなみに私はまだざっくりとしか決めてない。

とりあえずGW中に八景島シーパラダイスで瑞パラして東方Projectの同人イベントに行ってこようかなと思ってます。

艦これ同人イベントは私の近くであんまりやってないイメージ。佐世保や、舞鶴、呉、横須賀なんかでやってるというか西日本の方がバンバンやってるから砲雷撃戦とか行きたかったなぁぁぁーーー!!!ってなってる私です。

メロブやとらのあなで委託して頂けるの本当にありがたいですね少し高くなりますが(遠い目)

では本編続きをどうぞ。


就活戦争19日目

前回のあらすじ、紆余曲折を経て球磨型がパーティーに加わった。

 

 

「すんごいざっくりだにゃー。」

 

 

「まぁいいクマ、逆に1から10まで説明されてもどんな嫌がらせだってなるクマ。」

 

 

だろ?こういうのはなんとなーくまとめた方が思い出しやすいんだよ多分。

 

「いや、紆余曲折じゃあまとまってないぜ提督。つーかそのまま話すなよ。」

 

「おぉ、すまんすまん。」

 

 

「ところでこうちゃん、叢雲〜、次はどこに行くのよ?」

 

現在はおもかる石の場所から引き返して駅の方まで戻ってきているところだった。

 

 

「あー、どうすんの叢雲?」

 

正直、俺はスイーツ食いに行くって事だけは知ってるけどどこの店に行くかは聞いてないからそこん所は叢雲に丸投げだ。

 

「そろそろいい時間だし、目的のスイーツ店に行きましょうか。」

 

 

「スイーツ店行くんですか!?ち、因みに何処の……?」

 

 

大井の食いつきっぷりが凄い。怖いところがあってもやっぱり甘いものが好きな女の子なんですね。

 

 

アイスクリームとかならちょいちょい食べてたけどパフェだのクレープなんてもん海軍学校の時は食べられなかったからなぁ……。

 

俺もスイーツ楽しみなんだ!今流行りのスイーツ男子って奴だよ!……すいません調子乗りました。甘いもの食べるのひさしぶりです。

 

「祇園にあるスイーツ店よ。味は毎日行列が出来るぐらいだからきっと美味しいはず!ほら、この店よ。」

 

「あぁー!!ここ前から行きたかった所なんですよ〜!!楽しみ〜!!ね?北上さん!」

 

 

「そうだね〜。大井っちここ最近スイーツ店スマホで調べまくってたもんね〜。」

 

「い、いいじゃないですかぁ〜!!」

 

「確かに最近の大井はスマホでケーキやらパフェやらの写真ばっかり見てたにゃー。あ、でもその中何枚かに提督の写真ムグッ!?」

 

「多摩姉さん……?」

 

「い、いやー見間違いだったにゃー!そもそも最近の大井は出撃や遠征で忙しかったもんにゃー!!」

 

「ん?お前、俺の写真でも持ってんの?」

 

「ばっ!?ばばば馬鹿なこと言わないでくださいよ!?そんなのももも持ってるわけないじゃないですか!!」

 

 

「えぇ……写真って言ってもあれだろ?海軍高等学校の卒業式で撮った卒業写真だろ?あれなら俺も今フォルダーの中にあるぜ。俺も懐かしくなって偶に見返すんだよ。アイツらどーしてるかなー?」

 

 

「こうちゃん、君には失望したよ。」

 

 

「なんでだよ!?」

 

しかもそれ時雨のセリフ!!ちゃんと使用許可取ってます?

 

 

「とりあえずもう電車来るから京都駅まで戻るクマ。でも提督、妹達を泣かせたら球磨が許さないクマね…。」

「え?あ、はい。」

 

 

いや、お宅の妹さんもそうだけど俺も泣かされたこと結構ありまして…主に大井さんから……。

 

 

男は強く生きるもんだクマ。うじうじしないでビシッとするクマ〜。

 

 

コイツ!?直接脳内に……っ!?

 

 

まぁ結構当たり前の事になってきてるので驚きもせずネタで返す辺り、俺もここに慣れ始めてるということを理解して少し萎えた。脱出への道のりがどんどん遠くなっていく……。

伏見稲荷大社から電車で京都駅まで戻り、そこからバスに乗り換えて祇園まで向かう。

 

移動中のバスの中でてんやわんや……とはいかないのであまり大きな声にならないよう、周りに配慮しつつの会話。

 

叢雲達はネットで可愛い服を見つけたからデパートにあったら欲しいやら間宮券が全然足りないやら結構会話が盛り上がっていた。

 

「実際、デザートは食べ物だし時が経てば駄目になってしまうって考えればもっと間宮券を配って消費した方がいいと思いません?」

 

「大井はわかってないクマねー。間宮券ってのは焼肉と同じだクマ。毎日食べられたら間宮券のありがたみがどんどん薄れていくクマ。やっぱりあれは偶に食べるのがいいんだクマ。」

 

「おいおい、そう言う割には球磨姉さん昨日一昨日と連日貯めてた間宮券使ってアイス食べてじゃねーか。」

 

「そ、そりゃ球磨だって2日連続でアイスが食べたくなる時だってあるクマ!!」

 

 

「ほぉ〜、偶に、ねぇ……。」

 

「……木曾、帰ったら覚えておくクマ。」

 

「いやいやいや!!!姉さんそれは無しだろ!!」

 

「まぁ結局の所、美味いもんは毎日食えた方が幸せだと多摩は思うにゃ〜。」

 

「アタシもそう思うな〜。美味しいものは食べれる時に食べとく主義。」

 

「私は北上さんがいればいつもご飯が美味しいです〜。」

 

「アンタ達は本当にブレないわねぇ……。まぁでも頑張って勝ち得た間宮券で食べるアイスが1番美味しいと私は思ってるわ。」

 

 

あーでも俺も美味しいものは食べれる時に食べておきたいかな〜。そう考えると入りたくない海軍だけどやっぱり間宮がいる鎮守府は大きいな〜。……まぁ、ちょっと対価が大きすぎるというかなんというか……。

 

「叢雲は仕事終わりにビール飲んだらプハーッ!!って言うタイプだしな。」

 

「あれ疲れた日にビール飲んだら大体の人が声出ると思うわ。てか馬鹿にしてんの?」

 

 

「いやしてない。むしろ出ない筈がないとすら思ってる。仕事終わりに温泉とか入ったらあぁ〜〜……って声が出るぐらいの俺だし。」

 

「あーアタシもそれ分かるわー。」

 

 

「なんだか40〜50代みたいな会話してるにゃ〜。」

 

「北上さんは美少女です!!」

 

「うら若き乙女達が揃いも揃っておっさんじみてどうするクマ!もっとピシッとするクマ!」

 

「そう言う球磨姉さんだって今の内容全部当てはまってるけどな。」

 

 

「……木曾、明日も覚悟しとくクマ。」

 

「いやだって事実じゃん!!」

 

木曾も大分俺に近いところあるよな。ポロッと言っちゃう所とか。

 

「ほらアンタ達、おしゃべりもその辺にしなさい。もうすぐ祇園に着くわ。本日のメイン、デザートの時間よーー!!」

 

活き活きとしてますね叢雲さん。もしなんか俺がやらかしてもその時はデザートの事考えて頂けます?その間になんとか誤魔化しておきますんで。

 

問題は叢雲をやり過ごすことが出来たとして第2、第3の奴、そしてラスボスの淀姉さんが控えているので恐らくそれまでには俺のライフポイントはゼロだろう。

 

誰が可能性永遠の0だ、可能性ゼロじゃないわ!0.01%ぐらいはあると信じてる!……多分あるよね。

 

永遠の0はいいぞ、涙無しには見られないけどな。

 

ともかく、永遠の0オススメですよ。本当に。映画版もドラマ版も漫画もあるからちゃんと見て。

宮部さん、許してください……。

 

俺もこの鎮守府から生きて帰る努力をしよう……。

 

そんなこんなもあって京都駅からバスで20分ほどの祇園四条までやってきた。

 

「ここの通りが四条通りね。ほら、向こう見てみなさい。あれが有名な八坂神社。」

 

「ほーあれがねぇ。」

 

各々、反応は様々だ。「あーそう言えばテレビで見たことある風景だね〜。」「あ、北上さん北上さん!舞妓さんですよ!!」「大井姉さん、あれは観光客で本物の舞妓さんじゃなムグッ!?」「木曾、また面倒な事になるから放っておくにゃ〜。」「にしてもまぁ、相変わらず人が多いクマねー。」

 

まぁ皆さんなんだかんだ楽しんでらっしゃるみたいで……。

 

「とりあえずお店の方に行くわよ。道路の向こう側だから信号渡りましょう。」

 

「「「はーい。」」」

 

いや、小学校の遠足か。間延びした声で返事するな。

 

ぞろぞろと移動する俺ら。道の幅と通行人の都合上、二列縦隊で移動してる、やっぱり遠足感ある。

 

そして店の前まで到着した俺らが見たものとはっ!?

 

「あー……、並んでるねー。」

 

「毎日行列って言ってましたもんね。」

 

「まぁ想像通りと言えば想像通りよね。」

 

勿論、多くの方々か並んでおられましたとさ。

 

「まぁでも並ばないとスイーツは食べられないクマ。」

 

「そうにゃ〜、他の人が並ぶ前にさっさと列に並ぶにゃ〜。」

 

おっしゃる通りで。宝くじだって買わなきゃ当たらない。脱走だってしてみなきゃ脱走出来ないからな。

 

あ?確率?知らん。難易度VERY HARDって事だけは知ってる。

 

コイツらを掻い潜るのも大変だけどやっぱり淀姉さんが難関だな。

 

まぁ今は仕事の事を少しでも忘れよう。今考えるべきは久方ぶりのスイーツで何を頼むかという事だ。

 

列に並ぶと店員さんからメニューを手渡された。待ってる間に何を頼むか決められるし、店側も効率を上げられるし、人気店だからこそのシステムだ。

 

「何にしようかしらねぇ……あ、これ美味しいそう。私白玉パフェ!」

 

「北上さんは何にします?」

 

「あー……、アタシこれいいなーおいもさんパフェ。……でもほうじ茶カステラパフェも捨て難い。」

 

「なら私が北上さんと違う方頼んで半分ずつ食べましょうよ!」

 

「おぉ〜、良いねぇ〜。」

 

「球磨は桜あんみつにするクマ。やっぱり期間限定と書かれてると頼んじゃうクマ〜。」

 

「にゃー!!それ多摩も狙ってたやつにゃ!!」

 

「なら俺は白玉ぜんざいとやらにするかな。」

 

スイーツを頼むだけでも大盛り上がりの我々ですわ。

あ、でも球磨の期間限定って書かれてると頼みたくなっちゃう気持ちめっちゃ分かる。

 

俺もどーすっかなぁ、限定ねぇ……あー、この桜パフェっての美味そうだな。やっぱり人間、期間限定って言葉に弱いな。よしこれに決めた!

 

「んじゃ俺はこの桜パフェにするかな。」

 

「へぇー、アンタのも美味しそうね。」

 

「だろ?やっぱり期間限定はなんかそういう効果があんだよ。」

 

「超適当なまとめ方だったけど分からなくもないあたりが不思議よね。」

 

期間限定には不思議な力があんだよな。

まぁそこからなんだかんだ待つこと10分ぐらい……。

 

「7名でお待ちお客様大変お待たせ致しました!4人がけの席に3名と4名様でお座り下さい!……ご注文はお決まりでしょうか?」

 

席の配置は3名側に球磨・多摩・木曾

 

4名側に俺・叢雲・北上・大井だ。

 

「私は桜あんみつクマ!」

 

「多摩もそれをお願いするにゃー!」

 

「俺は白玉ぜんざいを。」

 

「私はほうじ茶カステラパフェを!」

 

「アタシはおいもさんパフェ〜。」

 

「私は白玉パフェをお願い!」

 

「そんじゃこの期間限定の桜パフェをお願いしま〜す。」

各々自分の好きな物を頼んでホクホク顔だ。

 

こんぐらい笑顔の絶えない職場ならまだ良かったんだけどねぇ……どうしてこんなに凶暴化したのかやら。

 

「はい!桜あんみつがお2つ、白玉ぜんざい、ほうじ茶カステラパフェ、おいもさんパフェ、白玉パフェ、桜パフェがお1つずつでですね?かしこまりました、少々お待ちくださいませ!」

 

お店の人に注文して後はスイーツが出てくるのを待つばかり。

 

にしても……

 

「次から次へと客が並んでいくなぁ。そんなに有名な店だったのか。」

 

 

「私達今回運良いわよ、普通30分以上並ぶ事もあるって言ってたし、そう考えたら10分ぐらいで席に着けたなら早いもんだわ。」

 

「まぁ有名も有名なお店ですからね〜。『京都 スイーツ』で検索すれば大体引っかかる人気TOP3ぐらいのお店ですし、本当に運が良かったですね!」

 

ほぉー、そういうの聞いたらテンション上がっちゃうじゃない?提督、テンションアゲアゲです!!

 

暫くすると注文したデザートが運ばれてきた。

「お待たせ致しました〜!桜あんみつ2つ、白玉ぜんざい、ほうじ茶カステラパフェ、おいもさんパフェ、白玉パフェ、桜パフェになります!」

 

 

「待ってましたクマ!」

 

「良いねぇ〜!痺れるねぇ〜!」

 

「きゃ〜!美味しそう〜!」

 

皆さんテンション上がりまくりですわ。

 

お隣の叢雲さんも「この日をどれだけ待ち望んだ事かしら!やっぱりスイーツは人を幸せにするわね!!」とテンション上がりまくりです。むふーっ!と鼻の穴広げちゃってまぁ。

 

そして俺の目の前にも念願の期間限定桜パフェが置かれた。

 

「お、おぉ……。これが桜パフェ……。」

 

う、美味そう……やっぱりこれ選んで正解だったわ。

 

「……それじゃあ、全員スイーツは行き届いたわね?

やっぱり食べ物は出来たて、作りたてが1番美味しいわ。では、満を持して……頂きます!」

 

「「「頂きま〜す!!!」」」

 

 

早速パフェをスプーンでひとすくい……んんーーーっ!!!うめーーー!!!

 

口の中に広がる冷たい桜の風味、いちごの甘酸っぱさ、フレークのカリッとした感じ……いや、フレークは普通だわ流石に。

 

にしても「美味いっ!!」

 

「でしょう!ここを探しておいた私に感謝なさい!んふーー!!美味しい〜!!」

 

 

みんな頬が緩んでますよ?なんというかみんな顔がモニュモニュした感じになってるし……。まぁ俺も人の事言えてないと思うけど。

 

どんどん食べたいけどもっと味わって食べよう。そもそもそう簡単に来れる場所じゃないしな。

 

「提督さん、提督さん。」

 

ん?この声は……

 

「私達の分のパフェは無いのですか?」

 

「あんなに影ながらサポートしてきたのに……。」

 

「甘味……甘味……。」

 

「あー私達も甘いもの欲しいなーチラッチラ。」

 

「今なら提督さんのパフェひと口ずつ頂ければいいんだけどな〜チラッチラ」

 

「頂ければ朝起こしに行く時も探照灯からラッパ目覚ましになるんだけどな〜チラッチラ。」

 

お前達は!?いつもの5人組妖精さん+探照灯妖精さん!?

 

どっかにいるとはおもってたけど、ほんとにどっから湧いて来るのかね君達は?

 

「私達はバッグの中。」

 

「私は上着の裏。」

 

「私達は両ポケットの中。」

 

あなた〜のパフェに狙いを決〜めて〜……いや風邪薬のCMじゃねーんだよ。

 

「ちなみに私は提督さんが歓迎会の時に日向さんから頂いた瑞雲で追いかけてました。」

 

本当に神出鬼没な方達ですねぇ!!なんか驚かなくなったよもう。

 

「それで……パフェは頂けますでしょうか?チラッチラ。」

 

 

「わざわざ新しいのを注文しなくても提督さんのを少し頂ければいいですよチラッチラ。」

 

 

「頂けなければ後で何かが起こるかもチラッチラ。」

 

チラッチラチラッチラうるさいなお前ら!!

 

てか最後!さり気なく怖いこと言ってんじゃねーよ!!

何する気だ!?

 

 

「ではパフェを頂けますか?」

 

はー、分かった分かった。はい、やるから欲しいやつはせいれ〜つ。

 

「「「はーい!!!ササッ!!」」」

 

こういう時は本当に素早いのよね君達……ほれ、あーん。

 

「あーん……は〜癒されます〜、感謝ですね〜。」

 

「流石に気分が高揚します。」

 

「なんか、もう……いっぱいですわ……。」

 

「はい!力が湧いてくるようです!」

 

「充分かと。」

 

「ありがたくいただきます。」

 

なんか補給ボイスって感じしましたね。まぁなんでもいいか。とりあえず6口分で満足してくれるなら良い方か。妖精さんがそんなに大きくなくて良かったぜ。大きな妖精さんってなんすかねぇ……。

 

 

まぁそれでも俺の期間限定桜パフェは減っちまったがな。とほほ……。

 

ガックシと肩を落としていると横からアイスの乗ったスプーンが現れた。

 

「そんなにガッカリしないの。ほ、ほら、私の少し上げるから……。」

 

「え?いいのか?」

 

「は、早くしなさいよ!今も溶けてるんだから!」

 

「い、いやそうじゃなくて…これお前のス「だぁぁぁーーー!!!さっさと食べなさい!!!」ムグゥッ!?」

 

スプーンを口にねじ込まれるって経験懐かしいよね。

小三の頃、苦手だったプチトマトを淀姉さんからスプーンで口にねじ込まれた記憶が……。あ、でもこのアイスめっちゃうめぇ……。

 

「美味しいなこれ……サンキュー叢雲。」

 

「ふ、ふんっ!まぁそれぐらい良いわよ!」

 

多分叢雲はそういうのを気にしないタイプなんだそういうことにしておこう。意識?してないっス全然そんなことないっス。

 

「(お、隣の席が何やら甘ったるい空気になってきたクマ!)」

 

「(甘ったるいけど案外悪くない感じにゃ!あ、木曾、野暮ったい事は今言わない方がいいにゃ。今何か言ったら多摩達まで巻き添え食らうにゃ。それだけは勘弁願いたいにゃ。)」

 

「(さ、流石に出来ねーよ!)」

 

「ほうほう、そういう事なら北上さんもこうちゃんにひと口あげよーじゃないか〜。あぁ大丈夫、アタシは気にしないタイプだからさ。ほら、おいもさんパフェ。」

 

「ふ、不本意ですけど、私からもちょっとぐらい分けてあげますっ!!私も気にしないタイプなので!!」

 

正面に座る2人からもスプーンが伸びてきた。

 

え?いいの?君達本当に気にしないタイプ?あーでもそっか、軍隊学校いると回し飲みとか普通にあったしその影響もあって気にしないんだろうな。うん。

 

「じゃ、じゃあまず北上のから貰おうかな。」

 

「ほいほいどーぞ。あーん……。」

 

さつまいもとバニラアイスの甘さが見事にマッチして非常に美味しい。おいもさんパフェって言うからちょっと警戒してたんだよね。しばふ村で取れたおいもだとみんな似たような顔になるって伝説があるから……。

 

「うん、これも美味しいな。さつまいもとバニラアイスの甘さが丁度いい。」

 

「でしょ〜?」

 

「じゃ、じゃあ次は私のを……。」

 

ぱくりと大井のほうじ茶カステラパフェを頂く。

 

こちらも非常に美味しい。 ほうじ茶のカステラと抹茶アイスがこれまた美味しい。

 

「あー、これも美味いな、しかもカステラとアイスで新食感って感じがする。」

 

「で、ですよね!!私もそう思いました!!」

 

三者三様のパフェを食べさせてもらった訳だし俺のパフェも少しあげるか。

 

「ほれ、お返しだ。俺のパフェも少し食っていいぞ。」

 

スッと中央に俺の期間限定桜パフェを送り出す。

 

「みんなで適当に食べてくれ。あ、ちょっとは残しといてくれよ?」

 

しかし、3人ともこちらを見てパフェには手を付けない。

 

「ん?どうした?要らないのか?」

 

すると北上がケラケラと笑い出す。

 

「いやいやこうちゃん、私達もこうちゃんに食べさせてあげたし、こうちゃんに食べさせて貰いたいなーってね。」

 

「ま、まぁ妥当よね!」

 

「そ、そうですね!北上さんが言うなら仕方ないですね!」

 

「え、えぇ〜?」

 

 

「妖精さん達、これを狙ってたクマか?」

 

「ふふふ、球磨さんもこの席配置、狙ったとしか思えませんが?」

 

「「計画通り(です)(クマ)……。」」

 

 




カクテルに浮かぶ冴えない顔は誰〜?

明日へと立ち上がるが足取り重い〜

交差点に群れる新社会人のエネルギーを〜

羨んだ俺は何処へ往くのだろう〜?

迸るほどの青春と再就職先を探せど〜

……いや、そう言えば軍隊学校に青春もクソも無かったわ。再就職先探そうとハロー〇ーク行こうとしても淀姉さんに捕まるしなぁ。

見つけられない〜俺だけど〜脱出の機会を伺い生きてる〜

相良って愚かにも〜ちっぽけな脱走の機会を〜

捨てられず(縄で)雁字搦め〜

そんな〜俺を〜見つめるあなた〜

哀れみはいらないよ〜

や〜るせのない風が吹く〜

「……もう諦めたらどうです?どうせすぐ捕まるんですから。」

「大井、ならこの縄を解いてくれ!俺は諦めないぞ!」

「それは出来ません。」

這ってでも〜転んでも〜出口を見つけよ〜う!

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