今回の文章、割と勢いで書いたところがあるので勢いで読んでくださいお願いします。
雨の日に研修、説明会とか勘弁して欲しかった思い出。
ハンカチは持ったか!?書類は!?折り畳み傘も忘れるなよ!!行くぞォォォーーー!!!(説明会)
……悲しいなぁ。
何をそこまで悲しんでるかって?
淀姉さん契約書ハイジャック事件が起きたあと俺は持ち前のなにくそ根性で最後まで足掻いてやるって心に決めてたのよ。
10月以降からでも採用してる企業探して色々転々としてみたんだよ。
そしたらどうなってんだよ、行った企業の先々で淀姉さんがいるんですわこれまた驚き。
挙句の果てには最終手段としてハローワークにまで行ったんですよ。
そしたら何が起きたと思う?
ハローワークの案内員として淀姉さんが出てくる始末、
そして紹介されるのは海軍 提督職のみ……。
俺には思想の自由と労働の自由は認められていなかったのかと改めて思ったね。
ワンチャン淀姉さんの前では人権すら危い。
権利侵害も程々にしろ!!ふざけるな!!
裁判だ!!
……まぁ裁判に持っていっても、なんか色々理由付けて
「異議ありッ!!」って言われてGAME OVERすんでしょ?知ってる知ってる。
時は3月中頃……
そんでね、今どこにいるかって言うとね、
なんと……実家に帰って来ていまぁぁぁす!!!いぇーい〜はぁ〜しんど……。
今回帰ってきた目的としては淀姉さんから両親に顔ぐらい見せに帰れって言うのと、こっちが本当の目的で淀姉さんから海軍就職について話されてないか確認するために来た。問題はこの両親という事だ。
まぁうん、俺の両親悪い人達じゃないんだよ。
というか身内に悪い人いたらちょっとどうしよう。
いやまぁ、いい人達なんだよ、いい人達なんだけど…
癖がありすぎて笑う。
笑うを通り越して笑えない。
話になるかどうか…。
まぁそこは一応両親を信じてしかないか…。
めっさ帰りたくないけどしょうがないから入るかぁと思った矢先、
「こうちゃん帰ってきてたなら早くお家入りなさいよ〜!びっくりしたじゃな〜い!ん?何よそんな顔して?」
勢いよく開いた扉が俺の顔面に打ち付けてきたらキレたくもなるし、そんな顔にもなるわ。
何を言ってもこの親には通用しないがな。
とりあえず家に入ると親父も居た。
ここで俺のクレイジーな家族を紹介するぜ!!
まずはマイペースで人を振り回す事に定評のある俺の母親!!相良茜ーーー!!!
まぁあれよ、玄関での下りを見れば何となくわかるよね?
歳の割には活発で明るい雰囲気の母親でその辺は元気そうでありがたい。もう少し大人しくなってくれてもいいんですよ?
そして次の家族!!めっちゃ渋いまるで某スニーキングゲーの色んなもの食べては『美味すぎるッ!!』って言う方に似ている我が家の大黒柱、相良藤太郎ーーー!!!
体も鍛えられてるし声の方もなんか大塚〇夫さんに似てると来た。まぁ基本無口な方です。
最近はゆ〇キャン△を見たらしくキャンプにハマっているという。
松ぼっくりは優秀な着火剤です。
ゆ〇キャン△はいいぞ。
あと何人か家族いるんだけど今はいないからまた今度な。
「こうちゃんたまには家に顔見せなさいって言ってるのなかなか帰ってこないから心配してたのよ〜?少し痩せたんじゃない?電話しても空返事ばっかりだから〜、ちゃんとご飯食べてる〜?」
「あーもーベタベタと顔を触るなっての…。俺もガキじゃないんだから飯も食ってるし大丈夫だよ。」
そして妖精さん達は俺の横腹を摘むな!!こそばゆいわ!!
妖精さん達は俺が出かけようとするといつの間にかバッグの中やポッケ、服の中に忍び込んでいる。置いてきても置いてきてもいつの間にかいるから諦めた。まぁ基本大人しいし、たまに手助けしてくれるからいいけどこうしてイタズラを働くこともある。
まぁ可愛いイタズラだと思うしかない。
服を少し持ち上げ軽く払うと隙間からポロポロと妖精さんが…ポロポロ…いや、多い!!多いんだよ君たち!!一体何人いるんだよ!!
いつも5人ぐらいだったのが3倍ぐらいいるじゃねぇか!!どうしたのこの子達!?
「道中で出会って、もうじき提督になると説明したらついてきてくれました。」
「よろしくお願いします。」
「お給料はお菓子類で。」
「なんなら前金も受け付けてますよ。」
「金平糖で手を打ちましょう。」
あーもーうるさいよ!!ハイハイ!!分かった分かった!!飴ちゃんあげるからはい、整列ーーー!!!
一瞬で辺りを飛び回っていた一気に机の上に整列した。
全く、現金な奴等め……。
元からいた妖精さん達用に持っている飴玉イチゴ味を取り出し手のひらに乗せるとワーッと群がってきた。
「こうちゃん、今そこに妖精さんがいるの!?」
「あぁ、なんか数が増えたけどいるよ。」
両親は俺が妖精さんが見える事は知っている。
しかし、二人とも妖精さんを見ることは出来ないので俺の行動を見て妖精さんの存在を認知している。
そして始まるのが……
「妖精さ〜んお母さん特性パンケーキですよ〜!!」
「……肉、食うかい?」
そう、餌付け祭りである。
妖精さん達は飴玉を放り捨て、パンケーキと肉に猫まっしぐらならぬ妖精まっしぐら。
散らかすならたかるんじゃないよもう……。
飴玉を拾い集め袋に戻す。
……改めて考えると不思議な光景だ。俺には妖精さんがパンケーキと肉を貪り食う姿が見えるが両親にはこの姿が見えない。となるとどういうことかと言うとパンケーキや肉がだんだんと無くなり、空いた皿やフォークなどがフワフワと浮き、 丁寧に洗われていく。
この両親も最初はこの光景に驚きこそしたが直ぐにいつもの調子でお菓子を振舞ったり、ミニカー等で遊び始めた。
今考えるとこの人達が俺の両親で良かったなと思った瞬間だった。
世の中にはこの不思議な光景で周りの関係がギスギスすることもあるから……。
妖精さん達は皿を洗い終えると「一宿一飯のお返しはせねば」とあちこちに飛び回り、電化製品を整備し始めた。
前にも家に帰ってきた時に似たような事があり、調子が悪いテレビや寿命が近かったエアコンがまた元気よく動き出す等、見事に整備されていた。
俺の寮の部屋の電化製品も整備してくんねぇかな。エアコン変な音してるし……。スーパーの安売り3連プリンとかで交渉してみるか……。まぁ妖精さん達ならこれぐらいで等価交換成立するよな?
「やっぱり良い子達だね〜!お皿も洗ってくれちゃったし。また家の物直してくれてたりするのかな?」
「らしいね。まぁ妖精さん達の特技のひとつだし、一宿一飯のお礼だとさ。」
「あらあら、いつもこうちゃんの面倒見てもらってるのに……ほんとに良い子達ねぇ〜!」
いや、面倒見てるの俺の方。そこんとこ忘れないで?
俺は忘れない。
「みんなありがとうね!これからもこうちゃんの事、見守ってあげてね!」
「勿論です。」
「おっちょこちょいだし私達が見てないとまだまだ危なっかしいです。」
「お守りのお礼にお菓子のグレードアップも受け付けてますよチラチラ。」
「駅前の限定ケーキセットでもいいんですよチラチラ。」
ちくしょーーー!!!散々いいやがってぇぇぇーーー!!!
俺も見てたけど学生身分にはなかなか手が出しづらい額じゃねーか!!
なら俺が食べたいわ!!
「そうそう、こうちゃん就職はどうしたの?妖精さん見えるし、やっぱり提督さん?」
おぉそうだ、本題を忘れるとこだった。
「いや、海軍には行かないよ。実は、本当に悪いと思ってるけど今年の就活には失敗したんだ…。連絡をなかなかしなかったのもこの話を切り出せなくて……。」
母さんが少し心配そうな顔をし、親父もこちらを見つめている。そりゃそうだよね、息子の就職失敗聞いて不安にならない親はそうそう居ないだろう。
「…海軍に行くのは駄目なのか?」
親父が少し寂しそうな顔をしているのも分からなくもない。今年定年で一線を退いた身だが元々海軍で働いていた人間だった。やっぱり自分の歩んできた道を息子にも進ませたかったって言うのはあったんだろうな……。
だがしかし、海軍に行く気は無い。
「…やっぱり、軍隊生活は俺には合わなかったみたいだ。それなら一般企業の営業で汗水垂らしたり、ホテルマンとか接客なんかのサービス業とかもやってみたいんだ。とりあえずここ1年間はどこかに家借りてアルバイトしながらまた就活して行こうと思うんだ。」
我ながらいい感じに本心を言えたな。流石丸1年就活続けてきただけあってスラスラ言葉が出てくる。進研ゼミで学んだ事はここに出てこないからな!経験あるのみよ。
しばらく無言の時間が続いたがその静寂を破ったのは、やはり母さんだった。
「まぁ、いいんじゃないの?こうちゃんも大人になったからね。やりたい事が無くてこうしてる訳じゃないし、やりたい事が決まってるならそれを目指す事はいい事だと思うわよ私は。…海軍、私はこうちゃんに向いてると思うけどね〜。まぁもう1年頑張ってみなさいな!」
「…お前の人生だ。やりたい事をやるといい。」
母さん……親父……。
「とりあえず、お風呂沸いたから入りなさいよ。色々あって疲れてるでしょう?」
気を使ってくれたのか一番風呂を勧めてくれた。念の為親父の方を見ると無言で頷いてくれた。
「なら、お言葉に甘えて…。あ、そうだ。淀姉さんから俺の就職の事でなんか言われたりした?」
「恵ちゃん?いや、特に?何かあったの?」
「いや、無かったら別に良いんだ。就活の事で結構心配掛けちゃったからもしかしたら母さんに連絡してたりして…って思っただけ。」
母さん、不思議そうな顔してたけど特に気にしてないみたいだ。
あぁ、恵ちゃんって言うのは淀姉さんの本名で淀川恵という。
実は淀姉さんの親父さんは海軍のトップ元帥であり、淀姉さんはその元帥の一人娘だ。
「淀川さんの旦那さんにはたまに会うけど、恵ちゃんが艦娘になってからはなかなか家に帰って来れないみたいだからねぇ〜。たまに連絡は来るけど、また会ってみたいわ〜!」
はははつい先日にも会いましたよ。十字固めされたり、コブラツイストされたり、しまいにはキン肉バスター御見舞されましたわ……。
海軍学校と寮、大本営はほぼ隣にあるので淀姉さんが割と突撃してくることはある。
割とマジ怖い。
とりあえずこの反応から察するに淀姉さんの手はまだ母さん達には延びていなかったようだし、一安心だ。大本営が隣にない一人暮らしが始まれば淀姉さんが突撃してくることも無いだろう。
「元気そうだったよあの人も。まぁ、艦娘になったら緊急出動とかあるしなかなか帰って来れないんだろうよ。…とりあえず風呂入ってくるわ。」
「はいはい、ゆっくり入ってていいからね〜。」
「…………って言ってるわよ?恵ちゃん?」
「ギルティーですね。」
航希は気づかなかったが隣の部屋には…修羅と化した大淀がいた。
「まぁ私もこうちゃんにはあぁ言ったけど本音言うと海軍にいけるなら行って欲しかったからね〜。藤太郎さんも海軍出身だし、恵ちゃんや元帥さん、あの娘達もいるから親としては知り合いもいる職場の方が安心するわ〜。」
「任せてください茜さん。私もこうちゃんのサポートに付きますので。こうちゃんには立派な提督さんになって貰えるよう尽力します。」
私もこうちゃんの自由を減らす事はあまりしたくない。
しかしながら、現実はそう上手くは行ってくれないのだ。
提督候補はなかなか見つからない。
去年は1人、一昨年は0人。
今も現職の提督や艦娘が頑張っているがその数はまだまだ足りていない。
対して、敵の戦力は未だに計り知れない…。
人類の敵、深海棲艦。
約30年前、世界中でその姿を現し、人間を襲う海の魔物。
日本では当時、自衛隊が防衛に当たったが、砲撃、ミサイル、機銃もあまり効果的では無かったのだ。
イージス艦による砲撃を人間ほどの大きさで海上を高速移動する深海棲艦に砲弾を当てるのは困難を極めた。
人類は深海棲艦にどうすれば有効打を与えられるかと様々な作戦を実行してきた。機銃攻撃や戦闘機による爆撃など作戦を変更したが深海棲艦に通常の武器では決定的なダメージを与えることは出来なかった。
そんな時、現れたのが妖精であった。
妖精は次々と武器を作り、妖精達が作る武器は既存兵器とは違い、深海棲艦にダメージを与える事が出来た。
妖精さんは武器を作るだけでなく、その武器を使う事が出来る者達を生み出した。
過去に沈んだ軍艦の気と人間を合成することで武器が使用出来るようになった。
しかし合成することが出来るのは女性のみであり、それが艦娘の始まりであった。
艦娘の出現により戦局を押し戻す事ができ、今に至るというのが歴史だ。
私自身も艦娘の適性が見つかり艦娘となったが、艦娘になる決心が付いたのもあの出来事から…彼の、こうちゃんのお蔭であった。
私の心はまだまだ弱い。それを支えているのは…。
とりあえず、4月から舞鶴鎮守府で働けるように手配は進めたからこうちゃんを説得しないと…。
やる事は多いけどこうちゃんには提督になってもらわないと。
「約束、忘れないでねこうちゃん。私は忘れてないから…。」
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「ふっ……ぶあっくしょい!!!」
んー?何やら寒気が……。
風呂に入ってるのに寒気とはこれ如何に……。
最近説明会ハシゴしたり、淀姉さんから逃げ回ってたし、色々あったから疲れてるのかもしれないな。
葛根湯飲んで寝ればこの程度の風邪、一発よ!
……とりあえず、お湯温め直すか!
こんな時期に風邪なんて引いてられないからな。
風邪は待ってくれても淀姉さんは待ってくれない。
流石に手荒な事はしてこないと思うけど。
……しないよね?
「幸せについて本気出して考えてみたら〜
いつでも同じ所に行き着くのさ〜!」
「そうですね!海軍提督(あぁー!!聞こえない聞こえない!!)ですね!」
あ、お気に入りや評価つけて頂きありがとうございます。非常に創作の励みになります。
頑張って続き書いていきます。