就職することが出来る仕事は提督だけでした。   作:狛犬太郎

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梅雨、長すぎませんかね今年……。

水不足にはならなそうだけど日照不足で野菜が高いこと高いこと。

これから1週間も暑いのに晴れないという1番嫌なパターンですね。

だけどもうすぐ夏だ!休みだ!お出かけだー!!

艦これサーカス、行きたかったなぁ……。

時雨と満潮と山城出演とかめっちゃ見たかったなぁ……。

当たった人、本当におめでとう。

覚悟の準備をしておいて下さい。絶対楽しい。(羨ましい)



就活戦争29日目

時は7月中旬、ジメジメした梅雨が明け、本格的な暑さ。太陽がジリジリと肌を焦がすこの感じ、梅雨は梅雨で嫌だけどこの焼けるような暑さも俺は苦手だ。

 

そしてここからもう一段階暑くなると考えたらしんどくなってくる。

 

更には耳をすまさなくても聞こえてくるミンミンジージーというセミの喧しい鳴き声。

 

暑さのオンパレードとはこの事か。

 

……でも暑い暑い考えてもしょうが無い、日本はそういうところなのだから。

 

まぁ、今日唯一の救いであるのが……

 

「「「川だーーー!!!」」」

 

そう、涼しい涼しい川遊びである。

 

俺達は朝ごはんを食べた後、宿の送迎車を借りて旅館から10分程の川までやって来ていた。

 

……海だーーー!!!なら分かるんだけど川で盛り上がるところが艦娘らしい。

 

一般的には川より海の方がテンション上がるかもしれないけど俺らは毎日腐るほど海見てるから……。

 

川も勿論あるんだけど、こういう感じに泳げるような川ではないからね……。

 

「わーい!夕立が1番乗りっぽい!!風奏ちゃん行くっぽい!!」

 

「…ちょ、夕立ちゃん……!」

 

「こら夕立ぃ〜!まだテントとか準備できてないんだから手伝いなさ〜い!!」

 

「明希、そっちのシート引っ張って。」

 

「はいよ〜、あー淀、引いたらその辺の石を上に置かないと風で飛ばされるわよ。」

 

楽しそうにテントの準備を始める奴ら

 

ただ大変なのは……

 

「はぁ……はぁっ……タンク、重っ……!」

 

荷物を運んでいる奴らだ。20リットルのウォータータンクを2つが中々しんどい……。

 

この川は駐車場からまぁまぁ距離があり、坂になっているのだ。

 

テント建設組と荷物運搬組に分かれて作業しているのだが荷物運搬がやたらと辛い気がする。

 

だがしかし、女子に荷物運ばせて男の俺が楽な事するのも流石に気が引ける……

 

「提督、大丈夫かい?少し持とうか?」

 

後ろから追いついてきた荷物を満載した時雨に声をかけられた。背中に背負ったドラム缶には大量の食材、両手には炭や火鉢を持っている。

 

……そういや、コイツらは艦娘だから艤装使えば超パワフルになるんだったわ。

 

まぁ、今更か。

 

でもそこは男の意地というものがあるので重くても持って行く。

 

「いや時雨、お前もそこそこ持ってるだろ。大丈夫、もうそこだ。」

 

「僕は艤装使ってるし、アクアシューズだから足元も大丈夫だけど……無理しないでよ?提督はビーチサンダルなんだから転ばないようにゆっくりでいいからね?」

 

「あいよ……さて、どっこらしょっ!……っとっと。」

 

確かにビーチサンダルで足元が安定しない。

 

あー、こんな事ならアクアシューズとか買っとけば良かったなぁとも思ったりした。

 

だが無い物ねだりをしても仕方が無い。タンクを両手にゆっくりと坂道を下っていく。

 

「へーい、こうちゃーん、大変そうだねぇ。」

 

「…そう思うなら手伝ってくれよ北上ぃ。」

 

続いてやって来たのは大きなスイカを抱えたハイパー北上様。ほんと重いなこれ、タンクを置いてちょっと休憩。

 

「北上さ〜ん、待ってよぉ〜!」

 

そして大井こと大井っちがやって来た。大井さん走ると自前のスイカ……いや、りんごが揺れ……

 

「……なんか一瞬イラッと来ました。提督、邪な事考えてませんでしたか?」

 

「滅相もこざいません。」

 

なんでこの人達こういう事に鋭いんですかねぇ…。

 

「大井っち大井っち〜。」

 

「なんですか北上さん?」

 

「もう持ってくる荷物無いよね〜?」

 

「……そう、ですね。」

 

「こうちゃんがタンク重いって言うから手伝ってあげてよ〜。あたしはスイカ持ってるからさ。」

 

「え……?」

 

「いや、大丈夫だって。もうそこだぞ?」

 

「まぁまぁ、そう言わずに手伝ってもらいなよ〜。」

 

「そういう事は大井に同意を得てからさ……。」

 

すると横からスッと手が伸びてきて置いておいたタンクを1つひょいと持っていった。

 

「べ、別に手伝わないとは言ってません!もう運ぶ物もありませんし、北上さんからのお願いなら断る訳にも行きませんから!あくまでも北上さんのお願いだからですからね!!……って重いわね、これ。……もうちょっと素直になった方が……」

 

大井は艤装を展開するとゴニョゴニョと言いながらスタスタと行ってしまった。

 

「あ〜勿体無いな〜大井っち〜……。まぁあたしらも行きますか〜。」

 

「一体何だったんだよ……。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そして全ての荷物を川まで運び出した俺達、準備は終わったとなればみんな……

 

「きゃーっ!!やっぱり冷たいっぽい〜!!それっ!!」

 

「冷たっ!?夕立、やったね〜?お返しだよっ!!」

 

「冷たーい!!風奏ちゃんも……それっ!!」

 

「ひゃっ!?…夕立ちゃん、覚悟……。」

 

水遊びのお時間である。白露型である2人は水着も制服カラーのビキニタイプ、風奏ちゃんは白青緑を基調としたホルターネック。よく似合っている……まぁ面と向かっては言えないがな。

 

「全く、水遊びでこんなにはしゃいじゃって……折角の休みなんだからもっと静かに休み「叢雲にも……それっ!!」冷たっ!?」

 

叢雲も白と黒を基調とする水着。銀色の髪がよく映える。

 

「よーし明石さんも交じっちゃうぞ〜?この明石特製水鉄砲で……ちょいちょいちょい!?叢雲ちゃん、それはまだ早いってバズーカ水鉄砲は締めに使おうと………って、冷ったい!?……ちょっと淀!?」

 

「ごめーん明希、手元が狂っちゃった?」

 

「なんでそこで疑問形なのよ!もう許さないわよ〜?」

 

淀姉さんは青と緑のパレオタイプの水着、なんかめっちゃ大人っぽ……いやいやなんでもない。そして明石はライムグリーンの水着の上に何故かエプロンという……後で聞いてみたら仕様との事らしい……?

 

「北上さ〜ん、日焼け止め塗りましょうか〜?」

 

「あー、日焼け止めかぁ……面倒だし大丈夫だよ。普段海の上でも特にしてないしさ。」

 

「北上さん!女の子にとってお肌のケアは大事ですよ!ほら、パーカー脱いでください!」

 

「お、大井っち……顔が怖いよ……?」

 

「うふふ……北上さん、大丈夫ですよ〜。」

 

………あそこはあそこで大変そうだ、主に北上が。

 

格好は二人ともパーカーを羽織っているのだが、恐らく北上は白の水着、大井は黄色の水着……かな?

 

因みに俺は少し離れたところで釣りをしている。いや決してコイツらの水着姿を遠くから眺めようなんて………思っていたりいなかったり。

 

まぁ近くにいればどうなるかなんてご察しの通りだ。

 

まずは夕立、時雨、風奏ちゃんの辺り、まぁ確実にびちょ濡れにされ、その後に遊びに振り回される。

 

続いて叢雲の近く、あのよくわからん特大バズーカ水鉄砲の巻き添えを食らってびちょ濡れになる。

 

明石と淀姉さんの近く、水鉄砲を入手する代わりに背後に立つ淀姉さんから水を食らう。

 

北上と大井近く、一見安地に見えて1番危険な場所だ。恐らく近づいた瞬間、『北上さんの柔肌を覗き見る輩は酸素魚雷を喰らいなさいな!!』ってぶん殴られる未来が見えた。

 

となれば安全地帯は必然的にこの少し離れたところで釣りをする。そして近くによる為には魚を釣り、持ってきた食材と共に調理をする事、流石に飯を作っている所にやって来て暴れる奴は居ないだろ。

 

お、噂をすれば早速1匹目が釣れたぞ!

 

良いニジマスだ。この調子でどんどん……ズルッ

 

あ………。

 

幸せは自分から歩いていかないと得られないものだけど災難というのは向こうから歩いてくるものである。

 

俺の浅はかな考えなど災難の前には無意味なのだろう。

 

だから想像もしてなかった。

 

アイツらの特に関わりない所で俺は普通に滑って川に落ちた。

 

落ちる瞬間、向こうでバズーカ水鉄砲を構えていた叢雲と目が合った。

 

やっぱり『……あ。』って顔してた。

 

そしてドッポーン!と景気の良い音をたてて落ちた為、更にみんなの注目を集める事になったのだった。めちゃくちゃ恥ずかしかった。

 

……川にビーチサンダルは止めようね。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「くっ!……ぷぷ、あははははっ!!アンタ、何にもない所でなんで落ちるのよ……ぷふっ、落ちる瞬間までばっちり見ちゃったし……あーヤバい、思い出し笑いしちゃう……ちょっと川に入って落ち着いてくる……ふふっ!」

 

案の定、バッチリ見てた叢雲や明石は大爆笑、夕立と風奏ちゃんからは無邪気に、北上達からはケラケラ笑われた。

 

そんな中、時雨は心配してくれた。こういう時そういう配慮がありがたい。ほんと優しい子。ちょっとだけ心の痛みが和らいだ。

 

結局、びちょ濡れになった俺は焚き火に当たりながらビールを飲んでいた。

 

あービール美味しい。荒んだ心には酒が効くって隼鷹が言ってた。実際それはやばいけど、今だけは何となくわかる気もしなくもない。

 

「帰りは私の運転でもお酒を飲みすぎないで下さいね?この後はお祭りに行くんですから。」

 

「流石に1杯で済ませるよ淀姉さん……。」

 

振り向こうとしたら頭にタオルが被せられた。

 

「いくら夏で、焚き火に当たっているとはいえ、そんな格好のままでいたら風邪を引きますよ?拭いてあげますからじっとしててくださいね?」

 

「ちょ、それぐらい自分でやるよ!?」

 

「いいですからじっとしててください。それとも……恥ずかしいんですか?」

 

恥ずかしいってのもあるけどちょっと恐怖もある。

 

まぁでも最近、淀姉さんのプロレス技もほぼ無くなった、というか脱走を試みても罰が良い所正座1時間か、執務室に連れてかれて一緒に書類やるぐらいになった。

 

まぁ、ここで俺が変な気を起こさなければ多分大丈夫だと思う。

 

「……なんか今失礼な事を考えましたね?」

 

「い、いや、そんな事は……。」

 

あー淀姉さんからの視線が痛い。

 

「……まぁいいです、ほら、拭くのでじっとしててくださいね。」

 

「……ういっす。」

 

ゆっくりと丁寧に髪の毛や背中をタオルで拭いてもらう。なんか、こういうの懐かしいな……。

 

昔もこんな風に……あの時もこの川だったっけ……?

 

それから……あぁ、川で遊んでじいちゃん家で風呂はいって、えーっと……夏祭りに行って……それから、それから……すごく眠くなってきた……。

 

「こうちゃん。」

 

記憶が混濁する中、頭を拭いてくれている淀姉さんが耳元でこっそりと話しかけてきたのを覚えている。

 

「明日の夏祭り、もし、こうちゃんが覚えているなら『あの場所で』待ってます。」

 

……?あの場所……?……っ!!そうだ公園で!!……誰かと……?あれは誰だったろうか……?

 

ハッと目を覚ますともう後ろには淀姉さんは居なかった。

 

辺りを見渡してみるとバーベキューコンロで肉を焼いてる明石と何か話しながら取り皿の準備をしている。

 

この状況だけ見ると淀姉さんがタオルで拭いてくれたのは夢なのではないかととも思えてくる。

 

夢か現か。真か幻か。ただ、あの時、あの淀姉さんの口振りから考えるならいつかの夢に出てきた女の子は淀姉さんの可能性が高い。

 

……しかし、俺はその女の子の顔が『全く』思い描けない。まるで『何かに記憶を操作されているような』……。

 

なのでその子が淀姉さんだという確証が出せないでいた。

 

不思議な気分だ。狐につままれると言うのはこういう感じなのかも知れない。

 

「ほんと、何なんだろうな……。」

 

ポツリと零れた呟きに答えるものは居ない。

 

もう一度声が聞こえ、答えを教えてくれるかもしれないと耳を澄ましても、聞こえてくるのは彼女達の楽しげな声とセミの喧しい鳴き声だけだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

川で遊んでお昼ご飯も食べた舞鶴第2鎮守府一行は川遊び最後のイベントスイカ割りに突入した!

 

「よーし、皆の者!!スイカを割りたいかーー!?」

 

「「「おーーー!!!」」」

 

「明希、手短にね。時間押し気味だから。」

 

「え〜、しょうが無いなぁ……まぁ、気を取り直してみんな大好きスイカを食べようと思いますが!!ただ切り分けるだけじゃあつまらない!!そしてここは川!!ならやる事は1つ!!スイカを割りましょーーー!!!」

「明希、長い。」

 

「え〜……。」

 

こうして川遊び最後のイベントスイカ割りが始まったのだった。

 

「ほいほい、準備完了〜!じゃあ順番は公平にくじ引きで行こうか。ちょちょっと作ってくるから待ってて〜」

 

ビニールシートの上にスイカを置いた明石はくじを作るためテントに戻って行った

 

「変な細工とかしないだろうな?」

 

「何よ〜こうちゃん私の事を疑ってるの〜?この正直がそのまま生まれてきたような明石さんだよ〜?ないない!!」

 

「胡散臭さで言うならこの中で一番だよお前!よく堂々と言えるな!?」

 

「まぁ、大丈夫でしょう。このスイカ割りのくじに細工して得する人がいるとは思いませんし……。」

 

否、そんな事は無い!!

 

スイカ割り、それは夏の定番イベントとも言えるものだ。

 

親や大人が管理するスイカ割りなら棒を渡す人、目隠しをする人は基本親が行う。

 

しかし!!これは特にそう言った役目を全部担当する人はいない。となれば彼女達が考えるメリット、それは……提督に目隠しをする役目!!

 

目隠し役は基本的にスイカ割りを行う人の次の人。

 

当然、何も考えずにくじ引きに挑む彼女達ではない。

 

『ここだ!』

 

『ここね!』

 

『ここしかない!』

 

「「「「くじなら作ってお(いたよ)(いたわ)(いたっぽい)(きました)(ぉー、大井っちもか〜。)!!!」」」」

 

……だからこそ、手の内が同じという事も有り得る事なのかも知れない。

 

各自、自身で細工済みのくじを作る。

 

くじ引きで出来る細工なんてこんなものなのである。

 

「よーしお前ら、細工済みって事だな。俺が作ってくるからちょっと待ってろ。」

 

「「「…………。」」」

 

「……まぁ、これで公平にはなりましたね。」

 

「「「……はい。」」」

 

「まぁ、そんなもんだよねぇ〜。」

 

因みに順番は提督が1番、2番時雨、以下省略で時雨は非常に喜んだ(影でガッツポーズしてた)が特に鎮守府のいざこざを知らない風奏がトコトコと航希に寄って行き、

 

「…お兄ちゃん、タオル巻いてあげる……。」

 

「お、風奏ちゃん、サンキュー。」

 

となってしまった。

 

艦娘ではないし、会って2日目の風奏に時雨も強く言えず、

 

「そ、そんな事って……。」

 

「分かる、よく分かるわ……。」

 

「時雨、元気出すっぽい……。」

 

「まぁ、お茶でも飲みなよ……。」

 

「こればかりは同情するわ、本当に……。」

 

と共に運を試したライバル達からの慰めを貰い、天国と地獄を味わった時雨であった……。

 

スイカは明石さんが元気よく叩き割ったとさ。

 

「よっしゃーーー!!!みんな〜!!スイカが割れたぞぉーーー!!!………あれ?なんでこんなお通夜みたいな雰囲気になってるの……?」

 

「明希、あなたの知らないところでは戦いが行われていたのよ。私も負けたけど……。」

 

「………はぁ?」

 

こうして川遊びは幕を閉じたのであった。

 




川に向かうの送迎車〜

オンボロ〜に見えるかい?

実際まぁまぁ古いんだよなぁ。しかもこの車マニュアルだし。

ハンドルはあるけれど〜ハンドルめっちゃ重いし、

因みにブレーキの効きも悪いけど、ブレーキが軋んで止まるのを諦めたら谷底まで真っ逆さまなのでNG

跳ね馬のように乱暴だけ〜ど

それでも遠くまで運んでくれ〜る〜

ただ必死に運転してたら〜

君(猿)が目の前に現れ〜た〜

Hey You(猿)〜

「邪魔だどけぇぇぇーーー!!!マジで危ねぇから退いてくれぇぇぇーーー!!!」
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