就職することが出来る仕事は提督だけでした。   作:狛犬太郎

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そんなコメント頂いたら頑張っちゃうじゃない。

お久しぶりです作者です。

今回は相良君達の出番はほとんどなく、もう1人の提督、神谷君がメインとなってます。

一応、今後の話に繋げるような形ですので。

イベント海域と菱餅集め、捗ってます?

我が鎮守府では資材の底が見えそうです。

イベントやるなら最低でも燃料弾薬は10万ずつ、バケツは300個用意しましょうね。

じゃないとイベント中に遠征回すことになりますよ!

クリアはしたけど掘りのガンビア・ベイとゴトランド沼りそうな予感。




就活戦争33日目

…悲劇は繰り返させない。

 

……同じ過ちを繰り返さない。

 

………あの約束の為、あの笑顔の為。

 

…………あの日、あの場所で誓った想い。

 

 

 

 

そう、私は、彼と交わした『約束』を彼の口から

 

この耳で、頭で、心でその言葉を聞くまでは死なない、死ねるわけが無い。

 

夢にまで見たその言葉をどれだけ待っていたか恋焦がれたか……。

 

 

 

……そんな大事な言葉を奴らは遮った。

 

だからこそ……

 

「今、私は『久しぶりに本気』で怒っているのです。再びこの地に現れ、私の大事な時間を奪った事を、覚悟して下さい……。」

 

私は立ちはだかる異形の群れに言い放つ。

 

さぁ、ダンスを始めましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

襲撃より数刻前……

 

 

 

 

 

 

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「だーーーっ!!何なんだよあの強さ!?アタシらの砲撃をヒョイヒョイ躱すしよぉ〜〜!?」

 

「それが大本営直属の部隊って事だろ。そうムキになるな摩耶。」

 

俺は神谷、佐世保第三鎮守府の提督をやっている。

 

隣のヤツは高雄型重巡洋艦3番艦の摩耶だ。俺の地元の居酒屋『宝船』で働く親方の娘さんでもある。

 

どうも、先程行った大本営艦隊との演習内容がご不満の様だ。

 

…普段はサバサバしてて良い奴なんだけど、ちょっとカッとなりやすいのが難点だが、まぁ、すぐ落ち着いてくれるので問題ないだろう。

 

「うっさい!…いや、わりぃ、これじゃあ八つ当たりだな。はぁ、頭では分かってるんだけどなぁ…。」

 

「また演習する機会はあるさ。そんときまでにもう一度戦況データを確認して対策しよう。」

 

摩耶も練度的にはそこそこ高いはずだが向こうはそれ以上という事だろう。まぁそれぐらい無いと日の本の要は務まらないよな。

 

「そうよ〜摩耶さん、あんまりカッカしないの。可愛い顔にシワができちゃうわよ?」

 

「余計なお世話だっつーの!!第一よ、瑞穂、お前手を抜きすぎなんだよ!!早々に撤退して行きやがって!!」

 

「ですけど〜、提督さんと離れるのが嫌だったので〜。」

 

それでこっちは水上機母艦の瑞穂。コイツの話をすると長くなるから今は大部分は省くが元深海棲艦だ。

 

まぁ紆余曲折を経てウチの鎮守府にやって来た奴だ。

 

明確にアピールしてくるのは嬉しいのだが、押しが強すぎる所があってそこに苦労している。

 

あとこの2人はいつもぶつかってるからその仲裁をするのも一苦労だ。

 

「コイツの前だからって猫被んな気色悪い。」

 

「あら、私は猫ちゃんなど被っていませんよ?トリッターで猫ちゃんを頭に乗せて被ってるみたいなのは見ましたが、摩耶さんも見ました?可愛いかったですよねぇ〜!」

 

「くだらねぇこと言ってじゃねぇっての!人をおちょくるのも大概にしやがれ!」

 

「きゃー!摩耶さんに襲われるー!」

 

「仲がいいのか悪いのかやら…あ、提督、この道右だってさ。」

 

この子は瑞鳳、真面目な子で今日の秘書艦でもある。今現在、演習場から大本営に移動中で、その道案内をしてくれている。

 

お姉ちゃんっ子な所が玉に瑕。

 

「…提督、そろそろ止めた方がよろしいと思いますが…。」

 

ウチの鎮守府のお母さん的ポジション。瑞鳳の姉という事も納得である。

 

「まぁ、喧嘩するほど仲がいいって言うしねぇ。あ、これ美味しー!」

 

「…阿賀野さん、そのお菓子1つ貰ってもいいですか?」

 

「もっちろん!弥生ちゃん、あ〜ん!」

 

…まぁ、お菓子大好きの2人だ。正確には弥生は甘い物好き、阿賀野は全般的。

 

「このやろ……いや、分かった。お前の手の平で踊らされるのもムカついてたんだ。お前がその気なら」

 

「あら、その気なら?」

 

「お前の恥ずかしい話から、お前が悩んでるポイントをコイツに一つ一つ丁寧に説明していく。」

 

「………は?」

 

「まずお前、最近鏡の前やら体重計の前でウロウロ…」ガッシッ

 

がっしりと摩耶の肩を掴む瑞穂からはドス黒いオーラが出ている。

 

「摩耶さぁ〜ん?それは卑怯ではなくて…?」

 

「お前が売ってきた喧嘩だろ?言い値で買ってやっただけだろ?」

 

「やりますか?構いませんよ?」

 

「いい加減頭に来てんだ、いつでも来いよ。」

 

これ以上ヒートアップしても困るな。

 

「お前らもう止めろ、ここで騒ぐなら置いていくぞ。」

 

ピシッと2人にチョップをかます。

 

「いだっ!?」「ひゃん!?」と後頭部をさする2人

 

「お前らなぁ…わかってるとは思うけどこれから元帥に会うんだ。頼むから大人しくしててくれよな。」

 

2人とも「へいへい…」「はぁ〜い」と返事をしてくれたが最近分かった事だがこの2人の返事は割と当てにならないという事だった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

控えめにノック。

 

中から秘書艦らしき、女性の「どうぞ」という声。

 

「淀川元帥、失礼致します!佐世保第三鎮守府、神谷、入ります!」

 

神谷を先頭に祥鳳・瑞鳳、摩耶・瑞穂、阿賀野・弥生の順で部屋に入る。

 

席には淀川元帥、後ろには先程演習で相手をして頂いた艦娘達と秘書艦らしき人が控えていた。

 

「おぉ、待ってたよ。神谷君、さぁ君達もそこにかけてくれ。」

 

淀川元帥に促され、神谷達は席に腰掛ける。

 

「神谷君、神谷君、そうガチガチになるんじゃない。君の部下達を見習って。」

 

祥鳳と瑞鳳は大本営艦娘の空母の装備に目が釘付け。

 

阿賀野と弥生は預かったお菓子に視線が向いてる。

 

摩耶は瑞穂にメンチ切ってる。

 

比較的まともそうに見えるのは摩耶にメンチを切られている瑞穂がしゃなりと俺の隣の席で腰掛けていた。

 

「お、おいみんな、もうちょっとしっかりしてくれれ!元帥の前だぞ!?」

 

「いいんだよ神谷君、私から見れば君の方がガチガチになりすぎてて話しづらい位さ。彼女たちくらい楽にしてくれ。」

 

楽にしてと言われても海軍省トップの人物を前にして緊張しない新人提督はそうはいないだろうと思いながらも神谷は1つ深呼吸して気持ちを落ち着かせた。

 

「本当に硬くなるような内容じゃなくてね、まぁ、演習お疲れだったと言うぐらいなのだよ。……天城君、君から見てこの子達の戦いぶりはどうだったかね?」

 

天城と呼ばれた瑞鳳達が釘付けだった空母がずっと前に出る。

 

「そうですね、個々の強さはそれなりにありますが協調性という観点で見れば、きつい言い方かもしれませんが杜撰の一言でしょうか。」

 

天城はズバッと言い切る。

 

これには佐世保第三鎮守府の艦娘達が瑞穂を除いて悔しそうな顔をしているのを神谷は見ずとも雰囲気で察した。

 

瑞穂も笑顔こそ保っているが、また黒いオーラが出ている。

 

『何ナら今スぐココで沈めテ差し上ゲまシょうカ?』と言わんばかりだ。

 

天城は「ですが…」と付け加える。

 

「佐世保第三鎮守府の提督さん、貴方の指示には驚きましたね。圧倒的不利な状況でも私達が何を考えているのかわかっているかの如く打開策を考え、クセのある艦隊をまとめていた…。」

 

「…お褒めの言葉、ありがとうございます。」

 

「第1部隊の航空隊で陽動、大きく回りませた第2部隊が本隊を狙う。反対側からはしおいさんが魚雷攻撃。」

 

「いや〜驚いたよ、進もうと思った所に爆雷がどんどん落ちてくるんだから〜。」

 

しおいと呼ばれた潜水艦はケラケラと無邪気に笑う。

 

「こちらの防衛には秋月さん、どうでしたか?秋月さんから見て彼女達は」

 

「祥鳳さんと瑞鳳さんの艦載機達も凄かったですね!天城さんの戦闘機を掻い潜って来たのは久しぶりでしたよ。しっかり撃墜させて頂きましたが…。」

 

ちょっと申し訳なさそうに秋月と呼ばれた艦娘ははにかんだ。

 

「その後は、私、由良が先制魚雷攻撃。今は居ませんが高雄さんが観測手を務めてました。」

 

薄いピンク色の髪をした由良と名乗る艦娘が呟いた高雄という言葉に摩耶が小声で「うっ…あの姉さんじゃありませんように…」と呟いたのが聞こえた。

 

そして一際オーラを放つ艦娘が前に出る。

 

「…そして最後は後方に下がるお前たちをこの武蔵が主砲で叩く予定だったのだが…上手いこと躱されてしまったな。」

 

まさかの名前が出てきて佐世保第三鎮守府の面々にざわめきが起きた。

 

『戦艦武蔵が1演習に参加…?』

 

『あの距離から、かつ正確な砲撃が、きたのには驚いたけど、そう言う事…。』

 

阿賀野と弥生の呟きにも納得だ。

 

今回の演出は両方、艦娘同士の試合前の顔合わせなどは行わず、どんな艦種が来るか分からないという実戦を想定して演習が行われた。

 

演習時、通常なら空戦をしている距離だったが、今回はその距離の砲撃で挟差コースの弾が飛んできたのだ。

 

この砲撃で大本営艦隊に戦艦が居るのは間違いないと踏んでいた神谷だが、その艦が武蔵だとは思いもしなかった。

 

そもそもというもの、大和型という艦の適合者はほとんどいない。何故なら、最強と言われた戦艦、その膨大なエネルギーを受け止められる『器』がそうそういる訳では無いからである。

 

収まる器の持ち主が見つかったとて、そのエネルギーが暴走でもしようものなら辺りは火の海、器の持ち主も無事では無いだろう。そういった観点から大和型という艦はその特殊性故、一般国民には存在すら秘匿とされている。

 

大本営には大和型が居るという話は海軍学校時代から聞いていたがそんな武蔵が目の前にいるのだ。

 

神谷も驚きを隠せない様子だった。

 

「にしても早々にやられて撤退して行ったそこの水上機母艦、お前は何者だ?」

そんな武蔵が、瑞穂を呼びつける。

 

「…あら、申し遅れました。水上機母艦、瑞穂です。

どうぞよろしくお願いしますね、武蔵さん。」

 

「とぼけるな、艦娘名なら先程名簿で確認した。私が言ってるのはお前の本性だ。」

 

「武蔵さんも変わった事をおっしゃいますわね。ですから本性も何も、私は水上機母艦瑞穂ですよ。…『今はですけど。』」

 

「ふん、白々しい…いや待て、佐世保第三鎮守府……あぁ、お前があの報告にあった『転化体』か、なるほどな…。」

 

「はて、なんの事でしょうか?」

 

「………まぁいい、次は『手を抜くなよ』?この武蔵を楽しませてくれ。」

 

瑞穂はただ微笑み返す。神谷は一刻も早くこの部屋から出たかった。この2人の間に居たくない、寿命が縮む。

 

「うーん、私は演習相手同士交流を深めて欲しかったからこういった席を用意したんだけどなぁ…すまないな神谷君、うちの艦隊の子、血の気が多くて。」

 

「い、いや大丈夫です…。」

 

「もっと和やかな感じで話しがしたかったんだけどねぇ…さて、本題に入ろうか。一応新人提督にはこうして大本営まで来てもらい大本営艦隊との演習をしてもらってるんだ。近況の報告も兼ねてね。」

 

神谷は内心ホッとしていた。大本営に呼び出されるなど最初何かやらかしたのではないかとビクビクしていたのだ。

 

「どうだい神谷君、提督の仕事は慣れたかね?クセのある子も居るから大変だろう?」

 

「えぇまぁ…でも、そんなクセのある子達に助けられて何とかやって行けてます。」

 

淀川元帥は嬉しそうに笑った。

 

「そうかそうか、実に良い事だ。君達も神谷君とはコミュニケーションは取れているかい?」

淀川元帥は佐世保第三鎮守府の艦娘達に尋ねた。

 

神谷自身も艦娘達とコミュニケーションは取ってきたつもりなので大丈夫だと思いたいが、面と向かってダメ出し等を言われたらと考えると心にくるものがある。

 

「んー、そうだなぁ…。」

 

まずは摩耶か!無難な事言ってくれ!

 

「強いていえば、口煩いというか真面目というか……あ、学校で言う委員長みたいな感じ!」

 

……褒められてんのか貶されてんのかどうなんだそれ。

 

「まぁでも、頑張ってると思うなアタシは……親父からも話は聞いてたし。……あー!なんか本人の前で言うのは背中がむず痒いわ。」

 

「瑞鳳もそう思います。新人提督さんって聞くとちょっと頼りない気がしますけど、神谷提督は細かいところキチンとしてますし、ある程度執務もこなしてましたし。ね、お姉ちゃん。」

 

「そうですね、偶にサボっている姿も見受けられますが……概ね私も瑞鳳と同じ意見です。」

 

「そうだね〜、提督は怒ると怖いけど基本優しいと思います!偶にお菓子もくれるし!」

 

「弥生も、そう思います。睦月型の、他の子達とも、話に来てくれたり、してます、はい。」

「私は勿論、そんな提督が大好きなので問題ありません!」

 

だーーー良かったぁ〜〜〜!!適度にコミュニケーション取るって大事だなぁ〜〜〜!!1人愛の告白して来たヤツいたけど

 

とりあえず内心ウルっと来ていた神谷提督だった。

 

「なるほどなるほど、なら大丈夫そうだな。いや何、今は無いと思いたいが昔はブラック鎮守府なんて言われていた所もあってだな、そういう心配はなさそうだね。」

 

その後も元帥からは海域の状況、施設の環境等様々な確認を行い、シートの項目にチェックを入れて秘書艦である天城に手渡した。

 

「さて、業務的な話はこれで終了だ、お疲れ様。」

 

「いえいえ、お忙しいのにあの大本営艦隊と演習までさせて頂けたんです。光栄極まりないですよ!」

 

「そう言ってくれるとありがたい、せっかく佐世保から大本営まで来てくれたんだ。ささやかだがこの後、食事の席を設けてある。改めて艦娘達の交流を兼ねてどうだい?」

 

「それは勿論、光栄__」

 

そんな会話を遮る様に勢いよく扉が開いた。

 

「お話し中の所失礼しますッ!淀川元帥!」

 

「何事だね高雄君。」

 

息を切らして部屋に飛び込んできた艦娘

 

先程まで優しげだった淀川元帥の顔付きが一変し、鋭い表情となった。

 

一瞬で辺りに戦闘中のような緊迫感が走った。

 

「ほ、報告させて、頂きます!神奈川、静岡県沿岸にて大規模な敵艦隊が確認されました!!付近の町まで20キロもありません!」

 

「なんだと!?沿岸警備隊は何をしていたんだ!!今すぐ各所に連絡を取り、避難警報を出せ!天城君、至急、付近の鎮守府に出撃要請を!!秋月君達は準備が出来次第出撃準備に掛かれ!!武蔵君はここに残れ!!」

 

部屋の中は一気に慌ただしくなる。映像を見せる高雄、無線で連絡を取る天城、出撃準備に向かう秋月、由良。

 

神谷は声を上げた。

 

「淀川元帥!!」

 

すると淀川元帥は少し表情を和らげ笑顔を作る。

 

「すまんな神谷君、食事会はまたの機会になりそうだ。」

 

「その時を楽しみにしております。それよりも私達にも何か手伝わせて下さい。こんな話を聞いて黙ってはいられません!!」

 

「しかしだな……。」

 

すると無線連絡をしていた天城が慌てた様子で元帥を呼んだ。

 

「元帥!!今、町が敵航空隊からの攻撃を受けたとの報告が!!」

 

「クソっ!!被害状況は!?」

 

「現場が混乱しているので詳細は分かりません!しかし、居合わせた艦娘が現在1人で応戦しているとの事です!!」

 

「くっ!!迎撃隊を急がせろ!!」

 

「元帥!!今電話にて連絡が!!舞鶴第二鎮守府の相良提督からで現場に居合わせたと!!それで……現在舞鶴第二鎮守府所属艦の大淀が単艦にて応戦中との報告が……」

 

「……なんて事だ。……恵。」

 

淀川元帥の顔には焦りが見て取れた。相良の所に所属している大淀と言ったら元帥の娘である大淀に間違いない。

 

「……淀川元帥、やはり私も参加させて下さい。私の友人が巻き込まれたと聞いては居ても立ってもいられません。」

 

淀川元帥は少し黙ると、ゆっくりと口を開いた。

 

「……危険な戦いになるがその覚悟はあるか?敵は映像を見る限りでは前回の大規模攻勢と同じぐらいの戦力だ。分かるとは思うが戦場では覚悟なき者からやられる……それでも来るか?」

 

真剣な眼差しで元帥は問う。

 

「私の覚悟は決まっています…皆はどうだ?無理にとは言わない。だが、俺の願いとしては手を貸してもらいたい。俺の友が困っているんだ……。」

 

神谷は振り返り、自分の部下達に頭を下げた。

 

「……そんなに頼まれちゃあやらない訳に行かないよな、アタシは行くぜ!」

 

「提督の頼みとあれば行かないわけ無いですよ!」

 

「そうですね!」

 

「えぇ!」

 

「任せて、下さい。」

 

次々に立ち上がり、賛同してくれる部下達。

 

「どうした瑞穂、お前まさか、怖気付いたのか?」

 

「もう少し面白い冗談を言ってください。他ならぬ提督さんの頼みですよ?行かないわけありません。でも離れるのは嫌ですし、困りましたね……。」

チラチラとこちらを見る瑞穂。最近言いたい事は何となくわかって来た。

 

「瑞穂、頼む、お前の力を貸してくれ。お礼に何か1つ言う事を聞こう 。」

 

「かしこまりました!瑞穂、全力を尽くさせて頂きますね!!」

 

「元帥、という訳です。我々佐世保第三鎮守府の今作戦に参加させて頂きます。……御命令を。」

 

「よろしい、佐世保第三鎮守府、神谷提督、現時刻を以て君の艦隊を大本営艦隊に組み込む。神谷提督に第三艦隊の指揮権を移行。準備が出来次第出撃し、敵を撃退せよ!!」

 

「はっ!!謹んで御命令をお受け致します!!」

 

一同揃って敬礼をし、退出しようとした所を瑞穂に止められる。

 

「……さてと、出撃する前に高雄さん、少しそちらの映像を見せて頂いても?」

「えぇ、どうぞ。」

 

高雄はタブレットを瑞穂に手渡す。

 

「……この艦載機、やっぱり貴女でしたか空母棲姫。」

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

出撃準備の為、佐世保第三鎮守府の面々は退出して行った。

 

残されたのは無線連絡をしている秘書艦の天城と待機命令を出された武蔵のみとなった。

 

忙しなく無線にて連絡を取り合う天城を他所に武蔵は窓際によりかかり、外を眺めていた。

 

「……さて、提督よ、どうする?私は奴を呼んでくれば良いのか?」

 

「あぁそうだ、武蔵君、社にいる大和君を呼んできてくれ。君達、巫女の力が必要だ。」

「……あいわかった。」

 

武蔵も一言述べるとゆっくりと部屋を退出して行った。

 

部屋には符号を打つ音と

 

「……恵、どうか、無事で居てくれ。」

 

淀川元帥がポツリと零した言葉のみが響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

…もう失わない。

 

……もう忘れない。

 

………もう逃げない。

 

…………その約束を伝える為。

 

その為に俺はここに居る。

 

「早く帰ってきてくれないと民間企業に就職しちまうからな……。止めたいなら必ず帰ってきてくれよ、なぁ、淀姉。」

 

さぁ、俺達の戦いを始めよう。

 

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