就職することが出来る仕事は提督だけでした。   作:狛犬太郎

6 / 35
鎮守府生活書こうとしたらなかなか長くなる事が判明したので分割することにしました。

今回では入渠施設、食堂

次回は工廠、艦娘寮、執務室なんかの話をして行こうと思います。

お気に入り登録が100を超えました!読者皆様、ありがとうございます!これからも本作をどうぞよろしくお願いします。

面接の時は公共交通機関が遅れたりすることも考えて
約束の時間より早く着くことをオススメするぜ!10分前行動大事!!


就活戦争5日目

………ハッ!!!

 

なんか変な夢を見ていたような気がする……?

 

鎮守府に来た時の俺を未来の俺が解説している夢……?

 

ちょっとよくわからないですね……。

 

そしてここは、医務室か?

 

あぁ、そうか。叢雲に模擬弾で吹っ飛ばされたんだっけか……痛てーなーもう。コイツらと関わってくんだったら命がいくつあっても足りないわ。1UPキノコとかその辺に生えてないかな?

 

「あ、そうだ。このまま名誉の負傷ということで退役するか!よっしゃぁぁ!!!」

 

ありがとう叢雲、お前の事は一般企業に務めるまでは忘れない!!

 

「何言ってんだかアンタは……。馬鹿な事言ってる元気があるならさっさと起きる!!」

 

スパーンッ!!あぁ〜〜〜!!ハリセンの音ぉぉぉ〜〜〜!!!

 

「……叢雲さん、いらしてたんですね。」

 

「私だってこんなセクハラ野郎のとこなんか行きたくなかったわよ。でも私が初期艦だし今日の秘書艦らしいから仕方なくね。」

 

ははっ、仕方なくだってよ奥さん。し・か・た・な・く

 

「へいへい、こんな私めの初期艦様になって頂きありがとうございます。」

 

「それにしても、あ〜あ、どこかの誰かさんは人にいやらしい目を向けておいて謝罪のひとつもないのかしらねえ。本当に傷ついたわぁ。」

 

お前をいやらしい目で見るわけ無いだろ。まだまだガキンチョの癖して、ませた奴だぜ。お前を見るならもっとナイスバディな…わかったわかった、まぁ待て話し合おうじゃないか。とりあえずその槍をおけって……。

 

なんだってコイツらは人の心が読めるかの如く反応すんだよ。艦娘ってこういうもんなのか?それじゃあおちおちエ〇い事を考える事も出来ないぜ。

 

「……はぁ〜、叢雲様大変申し訳ありませんでした!!……これでいいか?」

 

「貸し1ね。ふふん、そうねぇ…?今度の休み、外出したらパフェでも奢ってもらおうかしら?買い物してアンタに荷物持ちさせるのも良いわねぇ……。」

 

こんにゃろぉぉぉ〜〜〜!!!人が下手に出てれば調子に乗りやがってぇぇぇ〜〜〜!!!

 

「あら?反抗的な目ね?大淀さんに医務室でもセクハラされましたって伝えとこうかしら?」

 

「おい待て!!それは完全なる冤罪じゃねーか!!あぁもう、わかったわかった!!降参だ降参!!パフェだろうが荷物持ちだろうが好きにしろ!!」

 

淀姉さんはシャレにならん。最近新技とか覚え始めてるからやられたら体がいくつあっても足りないわ。背に腹はかえられない。

 

「ふふん!言質取ったからね!忘れたとは言わせないわよ?……危なかったけど何とか話をこぎつけれたわ…。」

 

わぉ勘弁してくれよ…早速休日返上だぞ。…ん?最後何か言ってた?

 

「まぁ、それは今度の楽しみに取っておくとしてそろそろ行くわよ。」

 

「行くったって何処に?」

 

「アンタはこれからここで提督をやるんだから施設の事を知っておかないといけないでしょうが。私は先月からここにいたからアンタに色々教えてあげようって訳。感謝しなさいよね?」

なるほど、施設案内って事ね。まぁ確かにここの鎮守府の事を知っておかないと逃走ルートの確保も脱出も出来ないしな。重要な事ではあるな。

 

「あ、そう言えば淀姉さんはどうしたよ?こういう事なら淀姉さんがやるとばっかり思ってたわ。」

 

「大淀さん?あぁ、大本営に戻ったわよ。そりゃ大本営所属の艦娘がいつまでもアンタを見てられるわけないわよ。」

 

……え?マジ?本当の本当でマジ?

 

淀姉さんいない?

 

はぁぁぁ〜〜〜!!!最高〜〜〜!!!

 

ようやく淀姉さんのプレッシャーから解放される。

 

「まぁ代わりに何かやらかしたら私がアンタを確保するから変な気は起こさない方が身のためよ。」

 

………代理執行人叢雲。まぁ、淀姉さんよりはマシか。

 

「それじゃ、行くわよ。ついてらっしゃい。」

 

 

ーーーーーーーーー

 

「ここが入渠施設ね。知ってるとは思うけど、ここでは負傷した艦娘を治療する事が出来るの。入渠槽は4つあって同時に4人まで修復できるわ。」

 

ほー、これが入渠施設か。結構デカい所だな。講義で聞いてたけど、艦娘を入れて置くだけで傷が治っていくってすげーよな流石妖精さんの謎技術、凄すぎる。

 

「そしてこれが入渠で大事なアイテム、高速修復材よ。数に限りがあるから大事に使いなさいよ。」

 

「ゲームでよくあるよな。蘇生アイテムとか味方全員のライフを全回復するアイテムとか使おうとしても勿体なくてなかなか使えないってやつ。」

 

「必要な時は使いなさいよ!だからアンタド〇クエとかで回復タイミング逃してパーティー全滅すんのよ。今やってるのはゲームじゃないんだからちゃんとしてよね!」

 

うぐぅ〜〜〜!!!何も言えねぇ!!!

 

「因みにIII、IV、Vなら?」

 

「…選ぶのに困るけどやっぱりV。でも最後に全員集合のIVも良かったわね。」

 

ほうほう、やはりVか。しかしIIIも名作中の名作…言い出した俺も割と困る。まぁ他にも名作あるからなんにしても困るんだけど。

 

俺はとりあえずストーリーをダーっとやって行くってスタイルに対し、叢雲はトコトン突き詰めて完璧を目指すスタイルで隠しボスやら宝箱やら全部制覇しててコイツのデータ見た時ほんとにビビった。

 

あの時叢雲のデータ消したらどうなってただろう?面白い展開……にはなってただろうけど俺の命も面白い展開になってたな。データ消すのは大罪。俺もやられたらどうなるか分からない。

 

「ってそんな事はいいのよ。ちょうど今、入渠中の艦娘が居るからお試しで使ってみなさいな。」

 

「大事に使えって言ってたのにいいのか?」

 

「じゃないといざって時に分からないでしょうが…と言っても大したこと無くて高速修復材をこの機械の中にバケツごとセットしてボタンを押すだけなんだけどね。2人だからバケツは2つ、ほらやってみなさい。」

 

言われた通りバケツをセットしボタンを押す。

 

すると機械が作動しバケツが入渠施設に運び込まれて行った。

 

「これで修復材が浴槽に注がれて修復完了。ここのメーターを見てなさい。」

 

壁のモニターには艦娘の修復予定時間が書かれており、4時間の艦娘と1時間の艦娘がいたようだ。

 

するとそのメーターがみるみる減っていき、チーン!という電子レンジのような音で完了。

 

「これで修復完了になったわけか。」

 

「そういう事。入渠してた連中が出てくるから顔合わせも兼ねてもう少し待ってなさい。」

 

ここに来て初めてのコイツら以外の艦娘か…なんか緊張するな…。

あ、そう言えば…

 

「てかさ、俺ここにいていいの?」

 

「は?当たり前じゃない。じゃないと顔合わせ出来ないでしょ?」

 

 

「いや、そうじゃなくて入渠って風呂みたいなもんだろ?そしたら出てくる時さ…。」

 

「……あー、確かにそう思うわね。入渠槽は確かにお風呂みたいなものだけどちょっと違うのよ。」

 

「どういうことだってばよ?早くしないと出てきちまうぞ。」

 

「最後まで話は聞きなさい。入渠は損傷した艦娘を修復するってのは分かるわよね?それはね、艦娘自身の怪我だけでなく、着ている服も修復されるの。だから入渠する時はそのまま入るのよ。」

 

「そうすると傷も破けた服も元通りになって出てくるってことか。」

 

「そういう事。お風呂はこの施設内のもう少し奥にあるの。お風呂は24時間いつでも使えるわ。提督用っていうのもあるけど混んでたりすると私たちも使う事があるからもし、アンタが使う時は『提督使用中』って看板を扉のところに掛けておきなさいよ。」

するとガラガラと音を立てて入渠室の扉が開き中から艦娘達が出てきた。

 

「この高速修復材はどなたが……」

 

「もっとお姉様と二人きりの時間を楽しもうと思ってたのに、とんだ邪魔を…不幸だわ……。」

 

黒髪で巫女服を改造したのような服装の艦娘達。よく似てるし姉妹かな?

 

「扶桑、山城、コイツが今日着任してきて早々セクハラしてきた変態司令官よ。ほら、アンタも自己紹介しなさい。」

 

「誰が変態司令官だこら。余計なものが入ってるだろ「じゃ変態ね。」うがーー!!って違うそこじゃない!!」

 

はぁ〜コイツは……。ほら、二人とも困惑してるじゃんか。

 

「あー、一応ここで提督やる事になった相良航希だ。よろしくな。」

 

「あら、提督さんでしたか。初めまして、戦艦扶桑と申します。こちらは妹の…」

 

「戦艦山城です、よろしくお願いします。もし、お姉様に手を出そうものなら撃ちますので。」

 

おおう、妹の方怖いな。大井と同じ香りがプンプンするぜ。君子危うきに近寄らず。

 

「で、今日はどんな理由で入渠?出撃はしてないでしょ?」

 

「実は、歩いていたら飛んできたカラスに突つかれ、私を助けようとした山城が石ころにつまづき、工廠脇に積んであったドラム缶の山に衝突、山城はそこで大破、私は降ってきたドラム缶にぶつかり小破しました…。」

 

なんという不幸体質姉妹。普通に生きててそこまでの不幸に……あ、俺会社100社も落ちてたわ……不幸だわ。

 

「気をつけなさいよね…って言いたいところだけど気をつけてどうにかなってるならあんた達もそんな事にはならないわね……もうお祓いにでも行ってきたらどう……?」

 

格好だけならお祓いする側にしか見えない2人という。

 

俺もお祓いしてもらおうかな〜なんかやばいものがついてる気がするし…リアルな方で。

 

「とりあえずそろそろ行くわ。まだ案内してない所がかなりあるし、夕方から歓迎会やるからそれまで損傷しないでよ?」

 

「努力はします。」

 

「では提督さん、叢雲さん、後ほどお会いしましょう。」

 

こうして、扶桑、山城との初顔合わせは終わった。

 

「なんつーか不思議な連中だったな…?」

 

「不幸に愛されし姉妹なのよ。それでも実力者達だから上手く使えるようになりなさいよ?」

 

さぁどうなるか……その前に俺がこの鎮守府を去ってるかもしれんしな。

 

ーーーーーーーーー

 

「そしてここが食堂よ。大体100席ぐらいあって座れないって事は今はないと思う。」

 

「確かに結構広いな。」

 

お昼時ともあってか多くの艦娘達が食事をしていた……え?なにあの人、カレーの量やばくね……?てかちらほら量がおかしな奴らがいる。戦艦・空母は結構食べると聞いていたが予想以上だったわ。

 

街で大食い選手権とか出たら優勝間違いねぇな。

 

「それでここの食堂を切り盛りしてるのが給糧艦の間宮さんと伊良湖さんよ。」

 

「へぇ、驚いた。ここは間宮と伊良湖がいるのか。」

 

給糧艦間宮と伊良湖は艦娘の中でも適合する者が少なく希少な人材となっている。

 

希少な彼女達の作る料理はとても美味しいと有名で海軍学校の時にどんなものかと神谷や大迫と話し合ったなぁ。

 

「ヒトフタマルマル…ちょうどいい時間ね。休憩がてらお昼を食べてこの次は工廠に行くわよ。」

 

「あいよ。それにしても、噂に聞く間宮・伊良湖の料理かぁ…。食べる機会はないと思っていたが…。」

 

「あら、良かったじゃない。間宮さん達の料理は絶品よ。極めつけはアイスと最中……。くぅぅぅ!!間宮券があれば……!!」

 

そんなに美味いと聞けば楽しみが増えるな。ん?間宮券?

「てかその間宮券ってのは何よ?」

 

「間宮さんや伊良湖さんのデザートはいつでも頼める物じゃなくて、頼むには間宮券・伊良湖券ってのがいるのよ。大本営から各鎮守府に毎月1枚ずつ配布されるんだけどほんと、1枚じゃ足りないわ…。」

 

やべぇな間宮券、いつか間宮券求めて争いが起こるんじゃね?

 

「その間宮券、俺にも配布されんの?」

 

「されるわよ。同じように1枚ずつ」

 

流石に配布されるか。これで艦娘限定ですって言われたら甘党の提督、生殺しだろうな。

 

「そうそう、司令官には司令官が使える券とはまた別に間宮券が配布されるのよ。」

へぇ〜、提督豪華じゃん間宮券多めに貰えるなんて。

 

「多めに貰えてラッキーみたいな顔してるけどこっちはアンタには使えないわよ。」

 

「なんだよ使えないのか。」

 

まぁそりゃそうだよな、不公平だわ。

 

「それはMVP間宮券と言って、作戦で優秀な働きをした艦娘に司令官からご褒美として渡される間宮券ね。

これは1枚でアイスと最中が貰えるすんごい券よ!

MVPって言ってるけど実際は司令官が頑張ったと思う艦娘に渡す、実質司令官の裁量で渡せるわ。」

 

……ほう、いい事聞いたわ。みんな大好き間宮券を持っていれば、ヤベー奴らから絡まれても助かるかもしれない。最初から持ってる交渉カードみたいな物だな。

 

 

「間宮券についてはこんな感じね…懇切丁寧に説明して案内してる秘書艦様に間宮券くれてもいいのよ?」

 

「この感覚で投げ銭してたら間宮券が速攻で無くなるわ。こういうのは焼肉と同じで、偶に食べられるからより美味しく感じられるんだよ。」

 

そんなこと言ってたら焼肉食いたくなってきたわ。タン塩食いてぇ……。

 

「…なんか上手いこと言いくるめられた気がするけどまぁ確かにそうね、勝利の味はなんとやらって言うし。その代わり、私が活躍したらMVP間宮券、私に寄越しなさいよ?」

 

「ほいほい、考えとくわ。とりあえず飯食べようぜ。さっき焼肉の話したら一気に腹減ったわ。」

 

「それもそうね。あ、でも夕方から歓迎会やるから軽くにしといてよ。……間宮さ〜ん!」

 

厨房の奥から「はーい!」という声と共に1人の艦娘が現れた。

 

割烹着姿で柔らかい雰囲気、一瞬で癒し枠だと分かる艦娘、間宮さんだ。

 

「あら、叢雲さんいらっしゃい。今日のお昼はカレーライスですよ。……そちらの方はもしかして」

 

「そ。今日からここに着任した変態司令官よ。ほら、間宮さんに挨拶なさいな。」

 

まだそのネタ引っ張ってんのかよ…。このまま誰かに紹介される度にこれで説明されるのは面倒だわ。

 

「お前なぁ…一応これからお前の上司になるんだぜ?……初めまして間宮さん、一応ここで提督をやる事になった相良航希です。海軍学校の時から間宮さんの作るものは美味しいって有名だったから食べるのが楽しみですわ。」

 

「あらあら、それなら提督さんの期待に応えられるよう腕によりをかけてお料理しますね!あ、伊良湖ちゃ〜ん!ちょっと来てもらってもいいかしら〜?」

 

はぁ〜間宮さんいいわぁ〜。艦娘と言ったら一癖も二癖もあるような連中だけど柔らかな雰囲気、素敵な笑顔、女神か。

 

「どうしました間宮さん?あら、見慣れない方…あ、もしかして」

 

「そう、こちら今日着任した相良提督よ。伊良湖ちゃんも挨拶して。」

 

「初めまして伊良湖です!ご飯の事で何かありましたら間宮さんと私、伊良湖にお任せ下さい!」

 

かぁ〜この娘もいい子だわぁ〜!やっぱり給糧科出身は海軍で唯一まともな人材を輩出するってのは間違いないわ。

 

「ちょっとアンタ、私達の時と態度の差ありすぎでしょ!!間宮さん、伊良湖、騙されちゃダメよ!コイツ普段はもっとガサツな感じだから!」

 

うるせーー!!余計なこと言うな!!ちょっと黙ってろ!!ボロが出ちまうだろうが!!!

 

「あら、そうなんですか?相良提督、お気を遣わずどうぞ普段通りに話してくださいな。私も堅苦しいのは苦手でして…よろしければ私の事もさん付けせず間宮とお呼びください。」

 

「伊良湖も間宮さんと同じくです!」

 

はぁ〜〜〜なんなんこの人達?女神の生まれ変わりかよ……。尊いわぁ〜〜〜!!!尊過ぎて辛い。

 

「…分かった。それじゃよろしくな間宮、伊良湖。」

 

俺、ここに間宮さん達がいる限り、頑張れそうな気がする……。

 

 

 

 

 




東の海に船を浮かべて

誰より早く朝を迎えに

脱出の機会が今だと言うなら

僕は今ここを去るしかない

「逃げたら私がアンタをシバくって、言ったわよね?」
ニコッ

叢雲が死神の様に語りか〜け〜てくる〜

お縄〜に縛ら〜れて僕らは生きていく〜

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。