ソードアート・オンライン ―― 隻眼の喰種――   作:クロノヒメ

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あ、タイトルを分かりやすくしました。

見る前に:トーカちゃんの口調が分からなすぎてこんなに遅くなりました……。
違和感さんがログインしていますので、気をつけて見てください。


ソードアート・オンライン編
第二話


 

「リンク・スタート」

 

昨日の夜から、何度も心の中で言っていた言葉を口から出す。

 

すると体の感覚が無くなり、視界が暗転――

 

ピカッ!

 

――したと思ったら、真っ白になる。

目の前から赤、青、緑、黒などが光り、最後に虹色のリングが迫ってきた。

 

それをくぐった瞬間、体が重くなった…いや、重くなったというより、感じた、というべきか。

 

「うわ!?」

 

そのまま、急にゆっくりと落ちていくような感覚にあう。が、すぐ止まり、空中に文字が浮かぶ。

そして、少し無機質な声があたりに響く。

 

『ようこそ、ソードアート・オンラインの世界へ。この場所ではプレイヤーの詳細情報を決める場所です。それでは、見た目を決めてください』

 

言い終わった瞬間、様々なものが写されたパネルが出てくる。

 

髪、目、鼻などの細かいパーツから、性別や体格などの大きな部分も決めれる。

こんな細かいゲームをやるのが始めてだったため、少し時間がたってしまった。

 

『それでは最後に、プレイヤー名を決めてください』

 

プレイヤー名……

正直、あまりゲームをやったことがないから分からないが、分かりやすいほうがいいのかな……?

空中に浮いてあるキーボードに名前を打ち込む。

 

「えっと……これでオッケーかな?」

 

エンターキーを押すと、また落ちていく感覚になる。

 

……今度は声を出さないぞ。

 

「それではプレイヤー名Kaneki(カネキ)様。ソードアート・オンラインの世界をお楽しみ下さい」

 

そして、落ちて落ちて落ちて――

 

止まった直後、眩しさとうるささに見舞われる。

反射的に目を開けると、そこはもう――

 

 

 

異世界、だった。

 

 

すぐ後ろに噴水広場があり、少し離れた場所に石で出来た家があり、360度囲まれている。

 

まるで、中世のイタリアに来たような気分だ。

いや、実際それを意識して作ったのだろうか?

 

ゴーーン……ゴーーン……

 

ふと上を見ると遥か先に壁があり、その上に釣り鐘があった。

 

そういえば、トーカちゃんとの待ち合わせの時間まで、まだまだ時間があるが何をしようか?

…出来れば、この街をくまなく探索したいところだが、そんな時間があるかな……?

 

…よし、考える先に行動しよう。

それじゃあ、街に「おい、カネキ!」

 

名前を言われ、思わず振り替えるとそこには――

 

「トー…どなたですか?」

 

「は?何言ってんの?私に決まってるでしょ」

 

そこには現実に似せた僕とは違い、ゲームの中に出てくるような美貌を持った美女…いや、トーカちゃんだった。

…いや、ゲームの中だったか。

 

「本当にトーカちゃん……?全然違うね…」

 

「そういうカネキは似すぎでしょ。もう少しファンタジーっぽくできなかったの?」

 

なんだろう、見た目は違うのに喋り方とか仕草が同じだから変、というか違和感を拭いとれないというか…。

 

「というかカネキ。どこかにいくつもりだったの?」

 

「うん。出来ればこの街を細かく見てみたいな、って」

 

「ふーーん……」

 

トーカちゃんが黙って考える。

……様になっている、というべきか。

とても似合っている。

 

「よし決めた。カネキ、アタシも一緒に行く。まぁ、合流したらそうしようと思っていたからな」

 

「そっか、それじゃぁ行こう!……まずはどこから行こうか?」

 

「まず武器屋でしょ。早く行かない?」

 

そういい、トーカちゃんが歩き出す。

 

「ま、待ってよトーカちゃん」

 

「遅いと置いていくからなー、カネキー?」

 

……なんだ、いつものトーカちゃんと違う…。

足取りは軽いし、言葉使いもいつもより汚くない…。

もしかして、心のなかでは相当うれしいのかな?

いや、当たり前か。

 

すれ違う人を見ると、みんな笑ってはしゃいでいる。

このゲーム、本当にすごいな。と、改めて思った瞬間である。

 

「カネキ、なにぼさっとしてんだよ。はやく行くぞ!」ワクワク

 

「ははは、分かったよ」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

まだ驚くことがあった。

武器屋にいったら、そこにいたNPC……ノンプレイキャラクターと言うらしい。いわゆるAIと言うやつだ。

何に驚いたかというと、普通の人のように話しても、普通に返したからだ。

僕が知っているAIというのは話しても感情豊かではなく、あくまでも機械という認識があった。

だが、今目の前にいる人は話しかけると陽気な声で返事をし、どんな武器がいいかを聞くと真剣に考えてくれて、とてもAIとは思えなかった。

 

ちなみに僕は曲刀、トーカちゃんはダガーを買った。

トーカちゃんは「素早くモンスターを仕留めれるから」、僕は「大剣より速く、威力がそこそこあるから」という理由によるものだった。

 

その、トーカちゃんから「その理由なら片手剣の方がいいんじゃないの?」と言われ、確かに……と思った。

だが、後にこれが幸をなすのだが、それはまた別の時に話そう。

 

 

そんなSAOだが、少し遊んだだけでも、ほんとうに楽しかった。

 

 

現実にはなく、自分がやりたいことが出来るこのゲームは、本当に楽しく、また、もっと楽しめそうだと思っていた。

 

()()()()()

 

僕は…いや、この仮想世界にいる全ての人がそう思っていただろう。

 

良いことなだけという訳がない。

いつだって、悪いことが後を追っているから。

僕達は、その事を痛感することになる。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「カネキ、そろそろ戦いにいかない?」

 

武器を買い、街を歩き回り、何をしようかと考えていたときにトーカちゃんがそう提案してきた。

 

「うん、そうしようか…と、言いたいんだけど……」

 

「ん?どうかしたの?」

 

「トーカちゃん、今何時だと思う?」

 

「あぁ?さっき見たときは2時過ぎ……」

 

そういい、トーカちゃんは右手を持ち上げ、人差し指と中指を立て、下に振り下ろす。

そうすると、振り下ろした空中にパネルが出て、これをみんなメニューと呼んでいる。

これにはプレイヤーの様々な情報が出てくる。装備の変更や、スキルと呼ばれるものを操作できる。

当然、そこには時計の機能があって――

 

「えっ…?」

 

トーカちゃんが口に出すほど驚いている。

それもそのはずだ。

僕もメニューを開く。

そこには2時という文字はなく、5時30分の文字があった。

 

「ここも現実と同じ時間を表しているんだね…」

 

そういい、空を見上げる。

さっきまで青だった空は、現実のように綺麗な茜色になっていた。

 

「そろそろ晩御飯の時間だよ。その後に戦いに行かない?」

 

「…」

 

トーカちゃんが唇を噛んで悩んでいる。

だがすぐに目を伏し、ため息をつく。

 

「……ハァ。しょうがないか…カネキ、何時頃から続きをやる?」

 

「うーん……」

 

ログアウトしてからご飯を食べて、お風呂に入ってと、やることが色々ある。

 

「そうだなぁ…7時からでいい?」

 

「分かった。アタシもそれぐらいにログインする」

 

「うん。それじゃあまたね、トーカちゃん」

 

そういいメニューを開き、ログアウトのボタンを――

 

「あれ…?」

 

「?どーした、カネキ?」

 

「…なんか、()()()()()()()()()()()……?」

 

「はぁ?そんなわけ…ホントだ、ログアウトボタンが無い……」

 

そう。

ログアウトボタンが無いのである。

そこで、とても嫌な予感がした。

トーカちゃんも顔をしかめて聞いてくる。

 

「ねぇ、カネキ。ログアウトする方法って他に何か?」

 

「…ないよ。メニューからログアウトボタンを押す以外は確かないはず…」

 

「……どうすんのよ」

 

「……分かんない……」

 

「というか、そもそもこんなことってあっていいの?」

 

「よくないと思うよ。だって、初日にこんなことが起こるなんて混乱を招くに決まっているし、なにより、今後に響き過ぎる……。」

 

運営は今起こっていることを知っているのだろうか……?

 

そう思っていたとき、地面が突然()()()

 

「なっ!?」「えっ!?」

 

トーカちゃんのほうを見ると、トーカちゃんの足元が、いや、()()()()()()()

 

「トーカ――」

 

ちゃん!と叫ぶ前に、視界が文字通り変わった。

 

突然のことに驚きつつも、深呼吸をして周りを確認する。

 

視界が変わった先はどこか見たことがあった。

そこは、さっきまでいたところとは違い、とても広かった。

僕の知る限り、そんな場所は――

 

「噴水広場……!」

 

でも、一体、どうして?

僕に起こった現象を見る限り、起こったことはテレポートのはず。

でも、そんなアイテムは持ってないし、そもそもそんなアイテムがあることを知らない。

一体誰が?運営か?

でも、そんなことは事前に聞かされてないし……。

 

そう一人で悶々としていると、トーカちゃんがドついてきた。

 

「なに、トーカちゃん?今ちょっと考え事を」

 

「カネキ、それより周りを…」

 

トーカちゃんに言われ周りを見てみる。

すると僕達以外にもテレポート?でドンドン人が増えてくる。

ますますわからなくなった。

そして、さらに信じられないことが起こる。

 

さっきまで綺麗な茜色だった空が、血のような赤色に染まっていく…!

 

「おい!なんだよあれ!」

「なに?なんのイベントだよこれ……」

「運営はなにやってんだよ!」

 

周囲の人達も、戸惑いを隠しきれてない。

ただ騒ぐもの、今起こっていることを認めないもの、怒りをぶつけるものなど。

 

「お、おい!あれ見ろよ!」

 

そのうち、一人のプレイヤーが声を出す。

空を見上げると魔法使いが着ているような赤いローブが浮いてあった。

しかし中に顔などなく、あるのはとても黒い虚無だった。

 

焦燥と混濁のなか、空から声が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

『プレイヤーの諸君。ようこそ、私の世界へ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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