ソードアート・オンライン ―― 隻眼の喰種―― 作:クロノヒメ
どう進めるか、とても迷ってしまったのです。
上手く出来てるかわかりませんので、至らないところがあったら感想やアドバイスを下さい。
『プレイヤーの諸君。ようこそ、私の世界へ』
・・・・・・・・・え・・・・・・?
今・・・・・・なんて・・・・・・?
ようこそ、だって?それに、わたしの世界?
何を言っているのか全く分からなかったが、次の一言で少しだけ氷塊した。
『私の名前は茅場 晶彦。今やこの世界をコントロールできる唯一の人間だ』
「
「ねぇカネキ、知ってるの?」
トーカちゃんが驚きの発言をするので、補足する。
「かつて底辺にいたオーガスが、今みたいなトップレベルの会社になれたのは、茅場晶彦が入社してかららしいよ・・・!それに、今回のソードアート・オンラインを作ったのも、茅場晶彦がほぼ一人で作ったらしよ・・・!」
「そんな人が・・・でも、なんでこんなことを・・・・・・?」
「・・・分かんない・・・。それも何か言うのかな・・・・・・?」
だが、次に茅場が放った言葉が、僕達の思考を止めた。
『プレイヤー諸君は、すでにメインメニューからログアウトボタンが消滅していることに気付いていると思う。しかしゲームの不具合ではない。繰り返す、これはゲームの不具合ではなく、ソードアート・オンライン本来の仕様である』
「え・・・・・・?」
不具合じゃ、ない・・・?
そして、すぐに茅場の声が響く。
『諸君は今後、この城の頂きを極めるまでゲームから自発的にログアウトすることは出来ない』
「この城・・・?一体どういうことなんだ・・・?」
『言葉を噛み砕くと、諸君らはログアウトするためにはこのゲームを最後まで攻略するしかないということである』
「な・・・・・・」
そこで、トーカちゃんが口から叫ぶような声を出した。
「ログアウト出来ない状態で呑気にゲームで遊びなさいって、ふざけてるの!?」
「と、トーカちゃん!落ち着いて・・・話はまだ終わってないみたいだし・・・」
トーカちゃんをなだめ、僕はまた赤い空を見上げる。
『もし諸君らかこのゲームを遊びだと考えているのなら、それは大きな間違いである。このゲームは諸君らのもう一つ現実でもあるのだ。具体的に言うのなら――
この世界で死んだら、現実世界の諸君らも死ぬということ、だ』
「は・・・・・・?何を言っているんだ・・・・・?」
僕の口から乾いた声が出る。
死ぬ?ここで死んだら、現実の僕が死ぬのか・・・?
「嘘、でしょ・・・・・・?」
トーカちゃんも乾いた声で言う。
だが、絶望はこれだけでは無かった。
『ゲーム内で諸君らの死亡が確認された瞬間、ナーヴギアが諸君らの脳を焼き、死をもたらせる』
そして少しの間があき、さらに絶望が僕達を襲う。
『諸君がこのゲームから解放される条件は、たった一つ。先に述べた通り、アインクラッド最上部百層まで辿りつき、そこに待つ最終ボスを倒してゲームをクリアすればよい。その瞬間、生き残ったプレイヤー全員が安全にログアウトされることを保証しよう』
僕はその時、茅場が言った「城」の意味を悟った。
多分、百層までの全て・・・このアインクラッド自体のことを指したのだろう。
「・・・馬鹿馬鹿しい・・・」
トーカちゃんがそう零す。
当たり前だ。こんなものは誰だってそう思う。
一度死ねば終わり・・・戦いも何も知らない現代社会の人間が、こんなものを出来るの?、と思う。
『それでは最後に職員にとってこの世界が唯一の現実であるという証拠を見せよう。諸君のアイテムストレージに、私からのプレゼントは用意してある。確認してくれたまえ』
そう言われると、周りのプレイヤーがメニューを開き始める。
僕も開き確認すると、そこには《手鏡》というアイテムがあった。
タップして手鏡をだすと、僕の手に簡素な手鏡が出た。
(これはなんだ・・・・・・・・・!)
疑問に思い手鏡をみると、突如、手に持っていた手鏡が光りだした。
咄嗟のことで、僕には何も出来ず、光に飲まれ――
何も起こらなかった。
体か痛いなどの変化はなく、ただ光っただけだと思っていた。
そして、何気なく手鏡をみると、そこには
優しそうで、個性がなくて、普通な――現実の、僕がいた。
「カネキ、これ・・・・・・」
トーカちゃんの方を振り向くと、そこには綺麗な青い髪で美人な現実のトーカちゃんがいた。
周りを見ると、さっきまでゲームの中にいるキャラクターといった者はなく、いるのは現実世界でありふれた見た目の者だけだった。男女の割合も大きく変化していて、ほとんどが男プレイヤーだった。
そこで、あの冷たい声が流れる。
『・・・・・・以上でソードアートオンライン正式サービスのチュートリアルを終了する。プレイヤーの諸君、健闘を祈る』
赤い空とローブが消え、元の茜指す空に変わり――
広場には、一万人が当然の反応を見せた。
百人中百人、いや、一万人中一万人の反応を。
「嘘だろ・・・・・・なんだよこれ、嘘だろ!」
「ふざけるなよ!出せ!ここから出せよ!」
「こんなの困る!このあと約束があるのよ!」
「嫌ああ!帰して!帰してよぉぉぉ!」
悲鳴、怒号、絶叫、罵声、懇願、そして、咆哮。
その中に僕はいた。
どうすることも出来ないまま、ただ、そこにいた。
ドンッ
「!・・・トーカちゃん・・・?」
振り向くと、どこか覚悟を決めたトーカちゃんの顔がそこにあった。
「カネキ・・・ついて来て」
トーカちゃんが歩きだし、プレイヤーの間を通り暗い路地に向かう。
ある程度進んだところで、トーカちゃんが僕に尋ねる。
「・・・それでさ、カネキ・・・・・・今後、どうする?」
「今後、って・・・?」
「そのまんまだよ。助けを待つか、自分達でどうにかするか」
「トーカちゃんは強いね・・・直ぐにそんなことを考えるなんて」
「別に・・・」
どうする、か。
何が最善か分からないけど――
「一番都合がいいのは外からの助けを待つ、だけど、これは多分無理だと思う」
「なんで?」
「そんな簡単にはいかないと思うからかな。茅場は天才・・・それも、千年に一度と呼ばれるくらいにね・・・そんなことで解決できないと思う・・・」
「そう・・・じゃあ、決まりだな、カネキ」
そんなトーカちゃんを見ると、ふと疑問かわ浮かんだ。
「・・・ねぇ、トーカちゃん。どうしてそんなにクリアしたいと思ってるの?」
言い終わったところで、自分の失言に気づく。
絶望の中、こんな不謹慎な発言はしない。
「ご、ごめん。・・・ただ、どうしてかな、って・・・」
トーカちゃんが目を伏せ、僕に告げる。
「わたしは・・・まだ現実でやり残したことが沢山あるから。それをやり終わるまでは、絶対に死ねない。あんていくのみんなや、クラスのみんなが待ってるはずだから」
「・・・ハハ」
笑ってしまった。
最低だ、最悪だ。
でも――
「なに笑ってんだよカネキ!失礼にもほどがあるだろ!」
「ごめん、トーカちゃん。やっぱり、トーカちゃんは強いんだ、って思っちゃって・・・」
「ふん・・・それじゃ行くぞ、カネキ」
「行くって、どこに?」
「フィールド。戦闘は慣れだけど、早くしなきゃ他の奴らにモンスターを、取られちゃうだろ?」
「そうだね・・・でも、それなら少し進んだ所の方がいいと思う。その方が、可能性は少ないから・・・」
「そうだな・・・よし、早く行くぞ!」
「うん、分かった」
そういい、走り出す。
ここから、僕達のデスゲームが始まった。
最低で、最悪で、狂っている、そんなものが始まってしまった。
でも、僕は決めた。
ゲームをクリアして、あんていくのみんなや、ヒデとまた会いたいから。
僕は、進む。
まっすぐ前に。絶対に振り向かないと決めたんだ。
だから――
「これから頑張ろう、トーカちゃん!」
「当たり前だろ、カネキ!」
次回は階層が一気に進みます。