ソードアート・オンライン ―― 隻眼の喰種――   作:クロノヒメ

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構想が!いい感じに!ハマんない!
3ヶ月ぶりェ・・・。


第八話

 

 

 

 

 

最前線の者ですら一撃で屠る威力を持つ、目の前の異形のような姿をしたボスの攻撃力。

その威力は、ひと噛みで半分以上を削り取る。

確かに恐るべき威力だが、先の動きを見てカネキは判断する。

 

掴んでから直ぐに噛み付くのでは無く、数秒だが、ほんの少しだけ間があるのだ。

恐らく、その間に高威力の攻撃を当てて拘束を解除するか・・・と言っても、手を掴まれた状態だとろくに反撃もできないのだが。

 

 

分かってはいる。そもそも捕まらないようにすればいい。

 

そう、分かってはいるが――

 

 

(これは・・・思ってる以上にキツい!)

 

 

カネキは脳内で叫ぶ。

思うとやるとではやはり大違いである。

先程の破壊力、当然の如く顎だけに限った話ではない。

腕力のみが異様に発達し、その他の部位が発達していない。

 

そんな都合のいい話なんて

 

 

ガシッッ!

 

 

「チッ!」

 

 

ある訳がない。

 

 

カネキ、では無くその目の前にいた別のアタッカーの人が掴まれる。

 

「くそ、離しやがれこの野郎!」

 

だが、ガッチリ手が拘束されており、手に持っている片手剣を振り回すことが出来ていない。

 

カネキも手に力をいれ斬り掛かろうとするも、お互い暴れており上手く標準を合わせられない。

 

(不味い!はやく、はやく・・・!)

 

 

焦る心と身体。

 

今まさに、その凶悪な口を大きく開け噛みちぎる・・・刹那の瞬間、閃光が爆ぜる。

 

喰種の頭がノックバックし、天を仰ぐ。

 

視線をずらすとそこには、紅白色の服を身にまとい、星屑のような煌めきを放つ細剣(レイピア)を高速で振り抜いた、否、貫いてみせたアスナが鋭い目で注意を促す。

 

「カネキくん!次来るよ!切り替え早く!」

 

「っ、はいっ!」

 

言われて、力強く握りしめた手を更に強くする。

 

そうだ、やるしかないんだ。

 

躊躇うな。

 

「・・・シッ!」

 

一呼吸置いて刀で横薙ぎに追い討ちをかける。

だが、そう簡単には当たらない。

上体を逸らしたまま、更に後方へと体重を乗せて地面に両手をつき、その場から飛び退く。

 

空中で体制を整え、着地した瞬間の隙を潰すように攻略部隊の長物使い達が攻撃を仕掛ける。

 

 

「ガァァァ!」

 

 

少しだが、確実にダメージを与えている。

行ける、とカネキは浅はかにも、またしても余裕を生んでしまった。

 

突如、動きを止め何かを待つように静まるボス。

驚くのも束の間、先程カネキを襲った赤き槍とも言えるような、鋭く、そして躍動感に満ちているものが不意をつき迫ってくる。

 

だがしかし――

 

「俺達を忘れんなよ!」

 

直後、硬いものを硬いものをぶつけた時にでる、重々しい音が響く。

 

ボスとカネキの間にみずらの体よりも大きな盾を持った筋肉骨なプレイヤーが、笑いながら攻撃を的確に弾き、時に防ぎ通す。

 

ボスが顔を歪ませ、他の者を狙うも、次はまた別のタンク役が完璧に仕事をこなす。

 

ここに来てようやくスムーズに連携がいくようになった。

 

しかしボスは、ここでまた異様とも言える行動をおこす。

 

先程のように、突如動きを止めたのだ。

 

瞬間、辺りに流れ、更に引き締められるその場全員の緊張という名の戦意。

 

カネキ自身また同じ過ちを繰り返す気は無い。

 

緊迫した状況で、およそだが体感で30秒程たったときであろうか。

 

その場にいた全員が、一斉にブチッ、グシュッ、という肉が圧縮され、無理やりひとつのものに変えているような音を聞いた。

 

ほとんどの者は何が起きているか分からなかった。

 

だが、ボスの近くにいた者、またこの場でも相当な実力を持っているプレイヤーは今まで起きた事象から何が起こるかの予想を脳を高速回転させ、それに、その答えに戦慄する。

 

もちろん、カネキは後者である。

 

脅威的な噛みつきと恐ろしく速いうねる赤いなにか。

赤くうねる触手のような・・・。

 

何がだ?

 

一体なにが()()()()()()

 

今も尚動きを止めているボスの腰に注目する。

 

腰には亀裂が走っており、中から血を更に濃くした生々しい色が煌めいている。

 

そして、そこから生えていて、まるで血や筋繊維、そして強靭な筋肉で出来ている鋭い触手・・・

 

その触手を視界に入れた時、カネキは目を大きく開く。

 

「おい、みろ!あれ・・・!」

 

それを見た時、見たも者全員が先程の音の正体に気づいただろう。

 

カネキは赤い触手の攻撃を1番最初に食らい、その時の事はまだ覚えている。

 

亀裂からでた凶器。

 

それが、触手が、2本に増えている。

 

そう、増えたのだ。

 

恐らく、自分の体を無理やり圧縮し、作り出したであろうそれは、もうひとつの触手と同じように暗く煌めいている。

 

「グァァァ!」

 

叫びながら攻略部隊に全速力で突っ込んで来るボス。

すかさずタンクが割り込み、拳をガードする。

 

瞬間、ボスの拳が止まる――

 

グサッ!

 

――否、拳だけが止まる。

 

上体を仰け反らせ、そのまま下から触手が肉迫し盾を上に弾かせ、もう1本の触手で脇腹を貫通させている。

 

少し触手がしなり、タンクのプレイヤーが吹き飛ばされる。

 

「ちぃ!こいつは厄介だな!クソ!」

 

ぶっ飛ばされたが受け身をとり素早く次の行動に移る。

幸いにも傷は浅かったようだ。

毒づきながらも素早くポーションを口に含めている。

 

残りのHPバーは1本。

 

( ( ( ( どう乗り切る!? ) ) ) )

 

この時点で、およそ1時間はたっていた。

だが、諦める者はいない。

 

(まだ、やれるんだ・・・)

 

終わりが近い事を悟りながら、カネキは以前集中を絶やさずにボスを見据えていた。

 

 

 

 




短いェ・・・。
メタいけど次話から・・・本番?なんていうんだろ、うん。

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