白鷺千聖が苦手です。 作:闇喰らいの蝙蝠
俺、春風冬夜は平凡な男子高校生である。
毎朝大体同じ時間に起きてのんびり朝のニュースを見ながら朝食を食べて、同じ時間に家を出る。
そんな平凡な生活を送っている。
少し周りと違うところがあるとすれば、登校する時に従妹を迎えにいくこと位だろう。
そしてその従妹がアイドルだということだ。
こうしていつものように隣の家のインターホンを押す。
「冬夜君おはよう!今日から私達も二年生だね!」
「彩、朝から元気だな……」
朝から元気に家を出てきたのは従妹の彩だ。
彩の元気な笑顔で俺の心も少しは元気が出てきたような気がする。
俺達は同じ高校に通っているため、そのまま一緒に登校する。
今日から二年生、といってもあまり実感がわかない。
というかどうでもいい。
クラス替えなどを楽しみにしている生徒をよく見かけるが、俺は正直どうでもいい。
何故って?
友達が居ないからだ。
俺はあまり人とコミュニケーションをとる方ではなく、友達は居ない。
そして作ろうとも思わない。
なのでクラス替えも周りの風景が少し変わるだけであって風景に風情を感じるようなタイプではない俺にとってはどうでもいい。
学校が近づいてくる。
「冬夜君、今年も同じクラスになれるといいね」
「おう、そうだな」
「どうでもいいって顔したでしょ~!」
「どうでもいいからな」
「冬夜君!」
彩の表情が笑ったり怒ったりコロコロと変わるのがなんかかわいい。
俺達はクラス分けを確認した。
「冬夜君、同じクラス、なれなかったね……」
「そうだな」
「冬夜君、一人で寂しくない?教室行かなくて大丈夫?」
「心配し過ぎだ。俺を誰だと思ってる……」
「冬夜君!」
ドヤ顔でいい放つ彩に軽くチョップを放つ。
「冬夜君、女の子に暴力振るっちゃダメって習わなかった?」
「知らねぇよ、俺は男女平等主義なんだよ」
「冬夜君の冬夜君!」
「どういうことだよ……」
「そういうことだよ!」
どういうことだよ……
彩のいってる意味がわからない。
俺は彩と別れて教室に向かった。
教室にはもうほとんど揃っていて、俺の席の周りでは新しいクラスメイトが会話に花を咲かせている。
そんなことは気にせず、俺は自分の席に着く。
「俺は四条辰巳、よろしくな!」
「春風冬夜、よろしく」
最低限の返事だけして読書を始める。
「なあ冬夜、その本面白いのか?」
いきなり名前呼びをしてくるクラスメイトに少し驚きながらも顔をあげる。
「ああ、面白い」
そして読書を再開する。
面白いとは言ったが内容がベタな恋愛小説だ。
正直つまらない。
でも彩から感想を求められたので読んでいる。
一区切り付いたのでトイレにでも行こうと思い席を立つ。
そして教室を出て廊下を歩く。
突然、なにかが俺の鳩尾に直撃した。
だいぶ痛いが気にせずにトイレに向かおうと歩き始めるが呼び止められる。
「待ちなさい!」
まあ俺の自意識過剰だろう、そう思って歩き始めるが今度は腕を掴まれる。
「なんだよ」
「貴方ぶつかったのに謝罪の一言も無いわけ?」
「急いでるんだ。当たり屋は結構」
「謝ればそれで済むのに何なのその言い草は?」
「じゃあアンタが謝ればいいだろ、そっちからぶつかってきたんだし」
変な女にいちゃもんをつけられた。
朝っぱらから最悪だ。
「貴方ねぇ!」
「なんだ?被害でいえば鳩尾に頭突きされた俺の方が大きいのだが?」
「それなら謝るわ。ごめんなさい」
「おう。じゃあな」
とっとと離れよう、そう思って俺はトイレに向かう。
なんだったんだろう、あの女。
まあ今後関わることは無いのでこれ以上考えないようにする。
俺はトイレを済ませた後、自販機で緑茶を買って教室に戻る。
そこにはさっきの変な女がいた。
同じクラスだったのか……
めんどくさ。
無視して読書でもしようと思い自分の席に向かう。
するとまた鳩尾になにかがぶつかった。
「またお前か……人の鳩尾に頭突きばっかりしやがって」
「今のは貴方が悪いでしょう!」
「いーや、悪くないね!」
「貴方が悪い!」
こうして変な女とにらみ会うこと数分。
「「ふん!」」
お互いにそっぽを向いて席に戻った。
気分が悪い。
よりによって二度も変な女に鳩尾に頭突きをされるとは。
意外と痛いってわからないかなぁ?
さてさてさーて、読書でもしますか。
この小説、最初はつまらない、そうおもったが中盤からおもしろくなってきた。
最初はケンカばかりしていた男女がいつしか互いを想い合うようになるカタルシスがしっかりしていて面白い。
それから少し時間が経って始業のチャイムがなる。
そしてすぐに始業式。
校長のありがたい言葉、という拷問に耐えきり教室に戻る。
そしてすぐに自己紹介。
とりあえず簡単に最低限のことだけ言っておいてすぐに座った。
変な女のことが少し耳に入ったので情報を整理しておこう。
といっても名前しか聞いてなかったが。
名前は白鷺千聖というらしい。
どこかで聞いた名前だが思い出せない。
さて、今日は午前中で終わるのですぐに帰ろう。
そう思って教室を出る。
俺が教室を出てきた時にちょうど彩が教室から出てきた。
「冬夜君!一緒に帰ろ!」
「そうするか」
「そうそう、冬夜君着替えたら家に来て。叔母さん今日出掛けてるみたいだから冬夜君今日お昼家になるみたい」
「わかった。着替えたらすぐ行くよ」
母さん出掛けるなんて言ってなかったよなぁ。
どうせ叔母さんに言ったんだろう。
まあ叔母さんの作るハンバーグは絶品なのでよしとしよう。
「あと今日のお昼ハンバーグだって!」
「そうなのか」
「冬夜君ちょっと嬉しそうだね?」
「わかったか?」
「うん。そりゃあ長い間一緒にいたらわかるよ。だって冬夜君って嬉しい時目逸らすもん」
そういえば生まれた頃から彩と一緒にいるなぁ。
確かに互いの小さな癖には気づくかもしれない。
こうして俺達は家に到着した。
俺はすぐに着替えて彩の家に向かう。
鍵は開けてくれていたらしいので俺は家に入った。
家に入るとキッチンからいい匂いが漂ってきた。
テーブルにはすでに彩が座っていた。
俺は彩の隣に座ってハンバーグを待つ。
すると叔母さんがハンバーグの入った皿を持ってやって来た。
「冬夜君、彩ちゃん、お待たせ~!」
「「いただきます!」」
叔母さんのハンバーグは超絶旨かった。
主人公のプロフィール
名前 春風冬夜 (はるかぜとうや)
身長 182cm
体重 64kg
趣味、特技 読書、歌うこと
好きなもの ハンバーグ、緑茶