『第74回 戦車道全国高校生大会 『第1回戦』』
当日、大洗の生徒らは戦車に異常がないか点検をしている。だが。
「圧倒的な差だな」
勇樹がそう言うのも当たり前、サンダース付属校の観客席はチアリーダを含む多くの生徒らがいるが。大洗の観客席を見てみると秋山夫妻とアブ引き部のメンバーを含む生徒らが少ししかいなかった。
正直、彼は勝てるか心配だ。
「整備終わったか―?」
河島が突然みんなに向けて言ったため、みんなは「はーい」「準備完了だ」「私たちもです」と答える。
「さて、時間は……まだあるな」
「じゃあ、試合開始まで待機」
河島がそう言った瞬間、優季が「あ」と何か思い出した。
「砲弾忘れてた」
彼女の言葉にあやは「それ一番大切じゃん」と突っ込む。
「ごめーん」
「はははっ」
梓たち基、ウサギさんチームがそうしていると、「のんきな者ね」と声がしたため彼女たちは声がしたほうに向く。
すると、そこにいたのは。
「あ、この真の情報に乗っていた人たちだ」
百合子の言う通り、ツインテールとショートヘアーの少女がやってきていた。
「それでよくのこのこと全国大会に出てこれたわね」
すると秋山は「ハッ!」とばれるのではないかと思い、麻子の後ろに隠れる。美樹もばれるのではと思い、急いで木の上に隠れる。
それを見た勇樹は「サルか」とツッコミのであった。
「貴様ら、何しに来た!」
桃は2人に向けてにらみつけると、ショートヘアーの少女が「試合前の交流を兼ねて、食事でもどうかと思いまして」と答える。
百合子は「これも、サンダースの特徴ですか?」と伊江に向けて言うと、彼女は「たぶん、そうだな」と答える。
「おお、いいねぇ」
角谷会長は何かあるのかとにやけながら答えるのであった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「わぁっ! すごい量!」
「キッチンカーだらけだな」
「キッチンカーだけでじゃないな」
「救護車にシャワー車、ヘアサロン者まで」
優花里の言葉にみんなは茫然としていると、百合子が「勇樹君の方がすごそうな気が」と言うと勇樹は「もちろんだ!」とショルダーバックから何か出そうとするが、伊江が「今からやめい」と頭をたたくのであった。
「ヘイ、アンジー」
すると、金髪の女性が杏に向けて言ってきた。
それを聞いた柚子は「角谷杏だからアンジー?」と推測するが、桃は「馴れ馴れしい」とジト目で彼女を見る。
「やぁやぁケイ、お招きどうも」
杏はケイと言うサンダースの隊長に言うと、彼女は「何でも好きなモノ食べてって、OK?」と言ってくる。
「OKOK、オーケイだけに」
「あっはっはっ!! ナイスジョーク!!」
杏のどこが面白いのか、みんなは分からないが。百合子は「わかるような気がする」とつぶやくのであった。
するとケイは、ある人物を見つけたのか「ヘーイ」と駆け寄っていく。その人物とは。
「オッドボール3等軍曹、モリアーティ一等兵!」
どこか聞いたことがあるかのように、2人は何かとあたりを見渡すと。ケイがいたため2人は「ゲッ」と反応する。
「しまった、見つかっちゃった!」
「これはやばいね」
それを見ていたアンコウチームとカンガルーチーム(基スターチーム)は冷や汗をかきながらも心配そうに見ている。
「この間、大丈夫だった?」
「え、はい」
「僕もですけど……?」
「またいつでも遊びに来てね、うちはいつだってオープンだからね。じゃっ!」
それを見た華は「よかった」と安心する。
「隊長はどうやらいい人だな沙織」
「え、うん。そうだね伊江さん」
「フレンドリーだな」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そして、戦車道開始時刻。
勇樹たちは戦車に乗って操縦&いつでも攻撃できるように体制にしている。
「さて、相手はアメリカの戦車が多くあるから、気を付けるか」
「はい」
勇樹の言葉に百合子は答えると、通信機から声する。
「隊長車は生徒会と小梅を含むカメさんチーム、彼女たちを守るように移動しながら相手チームに攻撃しよう」
『はい、説明した通り。相手のフラッグ車を先頭にしたほうが勝ちです』
「サンダースはオレたちよりも結構すごい数だが、そこを突けば勝てるんだな」
『はい、落ち着いて戦いましょう』
「相手を分散させながらも、敵を少しづつ戦うか」
伊江がそう言うとみほが「はい、そうです」と答える、その瞬間。
上空からポンッと空砲がしたのを聞いたみんな。
「パンツァーフォー!」
みほの言葉にみんなは戦車を前進させる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「さて、今回の道具……『イネムリン』を使ってみるか」
勇樹はそう言いながら出したのは、紫の錠剤が入った瓶で。それを伊江は「そんじゃあ」と1錠出して飲み込む。
「この道具は数分後の先しか見えないが、一種の未来予知で。それに近い何かのより近い夢を見るようになっているんだ」
「ご解説ありがと」
伊江はそう言った瞬間、ぐっすりと寝始めた。
「相変わらず早いな」
「ですがこれが伊江ちゃんの特技かもしれませんね」
小森はあきれて言うが、百合子は意外な一面を見てほめるのであった。
数分後、伊江は「うおっ!」と突然起き上がったのに、美樹は「うわっ!」と驚く。聞こえにくいが耳を傾けると、伊江は「いや、それはないだろ」と言っている。
「伊江、どんな夢を見たんだ?」
「夢、そうだな」
勇樹の質問に伊江は悩むかの様に考え込むと、彼女は「確か」と言い始める。
「空中のクジラがオレらを見張っていたんだ」
それを聞いた勇樹は「どういう意味だ?」と言った瞬間、百合子が「勇樹君、ウサギさんチームから連絡が」と言ったため、勇樹は「ほいほい」と通信する。
「こちらカンガルーチーム、ウサギさんチームどうぞ」
『はいこちらウサギさんチーム、西住隊長の指示でサンダースが来ると思われる場所へ来ましたですが…」
「ですが?」
ぎこちない言葉に勇樹は「どうしたんだ?」と言うと、澤は『実は』と言い始める。
『おかしなことに、私たちの行動を読んでいるのか分かりませんが。戦車があまり来ないのです』
「どういうことだ?」
それを聞いた勇樹はどういう意味か分からず、考え始めた。
「どういう意味だ勇樹」
「読んでいるってことはまさか……」
「百合子さん、試しにですが金魚さんチームに」
勇樹はそう言うと百合子は「わかりました」と通信機を起動する。
「こちらカンガルーチームの百合子、金魚さんチーム。大丈夫ですか?」
『っと、ごめんごめん。こちら金魚チームの丸井夜空。今カバさんチームと一緒に移動しているが。今のところ変化ないよ』
それを聞いた百合子は「よかった」と安心する。すると。
『ドガアッ!!』
「「「「「っ!!」」」」」
突然、何かが爆発する音がしたため。みんなは何とあたりを見渡していると、森の奥から『全然当たらないよー!』と声がした。この声は。
「ケイだ!」
「もしかして、これもケイさんの?」
「いや、いくら隊長とはいえそこまでは計算できないな」
伊江、百合子、小森はそう言っていると。勇樹は「とにかく今は西住さんたちの所に行こう。小森!!」と小森に向けて言うと彼女は「了解」とレバーを動かしてみほたちの処へと進んでいく。
「(待てよ、そう言えば小森が言っていた空中のクジラ、もしかしてこの戦車道大会に何か関係しているんじゃ?)」
勇樹はそう思って移動していると、アンコウチームとアヒルさんチームと合流する。
「みほ!! 今はウサギさんチームを!!」
「分かりました!」
「伊江、砲弾を用意しろ。美樹はいつでも放つんだ」
勇樹の指示に、2人は「了解!」と伊江が砲弾をセットすると、美樹がサンダースに戦車に向けて放つ。
だが、サンダースはそれをよけると同時に再び砲弾を放つ。
「だめだ! 相手がプロ並み!!」
「ったく、これは難しそうだ!」
「勇樹君、道具を!!」
百合子の言葉に勇樹は「何かないか何かないか」と急いで道具を探していると、彼は「あった!!」と白色のボールを出した。
「みほ! あんこう、ウサギ、アヒルを集めたら急いでこっちに来てくれ!!」
「わかりました! アヒルさんチーム、ウサギさんチーム。お願いします!」
みほはそう言うと戦車に入ってハッチを閉める。
「伊江、砲弾を装填すると同時にこれを」
「おっし、わかった!」
勇樹はボールを彼女に渡すと、勇樹は「今度はこれだ!」と看板を出した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ハッチを開けて外に出ると、その看板を「そらっ!!」と後ろに投げる。すると看板はバラバラに投げたのにすべて同じ向きに直すと同時に地面に着陸すると突然大きく伸びていく。
「さて、あの『身代わり看板・森林タイプ』。役立ってくれるかな?」
勇樹はそう言いながら入ると、百合子が「勇樹君!」と声を出したため彼は「な、なんですか?!」と言うと彼女は「大変です!」と言い始める。
「サンダースの皆さん、こっちに向かってきてますよ!!」
それを聞いた勇樹は「なんだって!?」と驚く。
「どうしますか!?」
百合子はそう言うと、勇樹は「そうだ、小森」と言い始めた。
「もう少し言ったらみほさんたちと合流する。そしたらいったん別の林に」
「了解!」
小森は勇樹が言おうとした言葉がわかったのか、レバーを動かすと。T-34/85はアンコウチームと合流し急いで通信機で話して別の林へと避難する。だが。
「っ!! 勇樹、前を!!」
「え、前?」
伊江の言葉に勇樹は何かと思い見てみると、林の出口にシャーマンフライが2両先回りしていた!!
「伊江、後ろにあの球を!!」
「おっし、装填開始だ!」
伊江はそう言いながら装填すると同時に球を後ろに投げた、すると球から白い煙が出てくると、あたり一面を霧に変化した。
「おっし、このまま全力で行くか」
「大胆だな小森…まあ、今はそれが安全だな!」
勇樹はそう言った瞬間、T-34/85は急加速で発進すると。勇樹は「再びだ」とカバンから例の球を出すと、それを伊江に渡す。
そしてシャーマンフライとT-34/85にM3リー、八九式にⅣ号型戦車はそれらの間を縫うかのようによけていく。そして伊江が再び球を投げると霧が発生する。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ふぅ、にげききれたぁ」
逃げ切れたことに安心したのか、みんなは安心する。
「しかし、なんでサンダースがここまで知っているんだ?」
「そう言えばそうですね」
伊江と百合子の言葉にみんなは考えていると、勇樹が「もしかして」とハッチを開いて上を向いた。
すると、そこにはある物が浮かんでいた。それは……。
道具解説↓
イネムリン
一種の未来予知型の道具で、飲んでから眠ると夢で見たものが現実になる。
ただし、数分後の先しか見ることしかできないと同時に、それに近い何かのより近い夢を見る。
身代わり看板看板・森林タイプ
身代わりになれる看板型で、それを見た人は本物と勘違いする。これは森林タイプなので動かない。