「しかし、ここで問題があるな」
「ああ、そうだな」
みほたちと移動している最中、伊江と小森がつぶやいたことに勇樹は「何がだ?」と言うと、伊江は答える。
「相手はあのサンダースだ、どこから見ているかオレにも分からない」
「振動で相手がいる場所は分かるが、さすがにみんながいると難しい」
伊江と小森の言葉に勇樹は「なるほど」と納得する。
「ま、今は別の相手。つまり子分をやせるとしよう」
勇樹はそう言うと百合子は「了解」と答え、『伝書バト・テレビ』で沙織たちに通信する。
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一方、無線傍受機を使用しているアリサはというと…。
「いい気になるなよ」
彼女はそう言いながらダイヤルを動かして、相手の話を傍受しようとしている。すると。
『全車、128高地に集合してください。ファイアフライがいる限り、こちらに勝ち目はありません。危険ではありますが、128高地に陣となって上からファイアフライを一気に叩きます』
それを聞いたアリサは「ふふふふ……アーッハハハハハ八!!」と高笑いした。突然の事態に、砲手と装填手は驚いてアリサに見る。
「捨て身の作戦に出たわね! でも丘に上がったらいい標的になるだけよ」
その情報を聞いたアリサはにやけながら、通信機でチームの隊長であるケイに知らせる。
それが、2度目の罠だと知らずに。
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『128高地に向かってください』
「どういうこと?」
アリサの知らせを聞いたケイは、どうなっているのか質問すると。
『敵の全車両が集まる模様です』
「アリサ、それ本当? どうしてわかっちゃうわけ?」
ケイはアリサの答えに半分不信、半分面白みで質問してみる、すると。
『私の情報は確実です』
それを聞いた彼女は「オッケーイ、」と通信を切ると、すべての戦車に向けてこう言った。
その言葉に、戦車は速度を上げて進んでいく。
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草木が生えている野原に、八九式とM3リーに38(t)、Ⅲ突とⅣ号とT-34/85とパンターG型が団体で移動している。
「おそらくフラッグ車は、ここかここ。それか、このあたりのはず」
みほはそう言いながら、勇樹から渡された『チーズパッド』で山脈に向けて話している。優花里は現在、双眼鏡であたりを見渡して確認すると中に入り込む。
「まだ目視できません」
「…あと一両あれば、おとりに出せるんだけど」
みほはそう言いながらキューポラの隙間から外を見る。
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一方のケイは、アリサからの情報をもとに128高地に移動し、双眼鏡であたりを見渡しているが……。
「……………」
自分たちの戦車以外何も来ていなかった。そして。
「なにもないよー!!!」
そう叫ぶのであった。
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その情報を聞いたアリサは「そんなはずありません!」と慌てて通信していた。
「っ……まさかはめられた? じゃあ大洗の車両はどこに?」
アリサはそう言いながらあたりを見渡して戦車はどこにいるか探している。すると。
ゴォオオオオオッ
どこからか機械音が響いたため、何かと感じた。その時。
ガギガッ!! シューッ……
ベニヤ板で作った偽物の竹藪を突き破ってきた89式とパンターG型、キューポラから典子と祭里が出てアリサと目が合った。
「「「あ……」」」
3人は息が合うとそのまま立ち尽くしている、まるで。自分たちが木になったかのように。
そして数秒後……。
トントン
先に動いたのは典子で、中にいる人に知らせるように叩いたその時。
「右に転換、急げ―!!!」
それと同時に、戦車は右に転換すると、加速を挙げて逃げ始めた。
祭里もそれに気づいたのか、ハッと我に帰ると「ッ!! おい、こっちも右に方向を変えて逃げろ!!」と急いで知らせると、戦車は移動しながら逃げていく。
「重輪してやりなさい!!」
アリサは急いで言うが、相手の方が速かったのか。そのまま去っていく。
『連絡しますか?』
「するまでもないわ、撃てッ。撃てぇええええっ!!!」
アリサはそう言うと、シャーマンの砲台から砲弾が放たれる。
だが見事に外されて、そのまま逃走していく。
「っ!! 敵フラッグ車。0765地点にて発見しました!! でも、こちらも見つかりました」
「同じくこちらだ! 非常に大変な事態になってきた!!」
典子と祭里は自分たちの仲間に連絡をする。それを聞いたみほは驚きの反応をする。
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2人の連絡を聞いたみほは、『チーズパッド』を使って2人に指示をしていく。
「0765地点ですね。逃げ回って敵を引き付けてください、0615地点へ全車両前進!!」
それを言うと、みほは「武部さん、メールをお願いします!」と指示し、沙織は「わかった」とメールで大洗の戦車全車両に連絡する。
常にメールを使用しているのか、高速で牡丹を打っている。
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「勇樹君、連絡です!!」
百合子からの言葉に勇樹は「わかった! 言ってください!!」と言うと、彼女はメールを読み始めた。
「0615地点へ全車両前進!!」
それを聞いた勇樹は「小森!!」と言うと彼女は「りょーかい」と速度を上げて0615へと前進していく。
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一方、八九式とパンターG型はというと。蛇行をしながらもシャーマンから攻撃を逃しながら逃げている。
「っと」
典子は、発煙筒を出すと。キューポラからから身を乗り出してバレーのアタックを利用して相手に向けて投げる。
すると、その衝撃で発煙筒が起動して、煙が吐き出した。
その影響でなのか、相手の場所と自分たちの位置が見えなくなり、砲弾を放っても見えるのは一瞬だけ相手の戦車の姿が見えるだけ。
「何をやっている、相手は八九式だぞ!!」
「ですが、視界が!」
砲手はそう言うのも当たり前、先ほど典子が投げた発煙筒の中身が出て、その欠片がシャーマンフライの視界を遮るかのように散らばっているからだ。
だが、アリサは「いいから撃て!!」とイラついている。
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ドガアアアッ!!
シャーマンフライは再び砲弾を放つが、八九式とパンターG型から外れているため被害はない。
「キャプテン、激しいスパイクの連続です!」
あけびはそう言いながら発煙筒を典子に渡す、すると彼女は。
「相手のスパイクを絶対受けないで、逆リベロよ!!」
それを聞いた彼女は「はぁ、意味わかりません」と真面目に答える。
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「…早くしなさい」
一方、アリサは。砲弾の争点に時間がかかっているのか、足をトントンとイライラしている。
装填をしている子に向けて言うと、彼女は言い訳をし始める。
「すみません、砲弾が遠くて」
それを聞いたアリサは「機銃で打ちなさい」というと、砲手が「機銃で打つなんてかっこ悪いじゃないですか!」と突っ込む。だがアリサは。
「戦いかっこ良い・悪いあるか!! 手段を選ぶな!!」
自分たちのチームに切れるのであった。
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「確かこのあたりに……」
伊江はそう言いながら、通常の数倍も遠い所を見ることが出来る双眼鏡型の道具『拡大双眼鏡』で敵のフラッグ車を探している。
すると、遠い所から『ダダダダダダダダダダダダッ!』と銃声がしたため、そこに向くと、八九式とパンターG型がシャーマンから逃げているのを見つけた。
「いたぞっ!!」
伊江はそう言いながら戦車に入り込むと、T-34/85は移動し始めた。
『八九式とパンターG型来ました、突撃します! ただし、カメさんはウサギさんとカバさんで守ってください』
「了解だ!! 小森、フラッグ車に!!」
「おう、それぐらいわかってる」
小森はそう言いながらレバーを動かすと、みほたちと一緒にフラッグ車に向けて発信していく。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「車長、煙幕晴れます!」
それを聞いたアリサは、隙間から除くと。どんどん煙幕が晴れていき。最後にはあるものを見た。
それは八九式とパンターG型が逃げているのではなく、38(t)とⅢ突にM3リーが迫ってきている。
「なっ!?」
それを見たアリサは驚いていると、左から音がしたため「まさか!」と思い急いでみると、Ⅳ号とT-34/85は迫ってきている。
「ストップ、ストップ!!」
アリサが慌てて言うと、シャーマンは急停止する。その数秒後、Ⅳ号から放たれた砲弾が目の前を通り過ぎていく。
「後退後退!!」
アリサの指示にシャーマンは後退して逃げていく。
「大洗女子、残り全車両、こちらに向かっています!!」
『ちょっとちょっと、話が違うじゃない。なんで?』
「はい、おそらく。無線傍受を逆手に取られたのかと……」
アリサは、先ほどまでのことを正直に言うと。通信から無音が数秒したのち、ケイから反応がした。
今までのフレンドリーな口調とは違って、彼女はアリサに怒っている。アリサは「申し訳ありません」と謝る。
なぜケイが起こっているのか、その理由は簡単。
『戦いはフェアプレイでいつも言っているでしょ!』
アリサが使った無線傍受のこと、相手がたとえ敵であろうが友であろうが。平等に戦うのが彼女は好き。だが、汚い手や姑息な方法で使用することは彼女は非常に嫌っている。
『いいからとっとと逃げなさい! ハリアップ!?』
「い、イエス・マム!」
ケイの指示にアリサは急いで大洗から逃げていく。
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ケイは通信機から話すと、アリサが使った手段より。大洗の行動を思い出した。
一度は自分たちの汚い手につかまれたが、それをどうやって諸刃の剣のようにしたのか。それを彼女は考えていた。そして。
「うーん、無線傍受しておいて全車両で反撃っていうのはアンフェアね……こっちも同じ数で行こっか」
ケイは相手と同じ車両で行くことを考えると、通信機を使って後ろの車両に伝える。
「敵は7両、5両だけ私についてきて。ナオミ、出番よ!」
ケイはそう言うと、シャーマンフライの中で1番砲台が長い戦車、ファイアフライに向けて言う。この時、シャーマンフライの砲手である灰色のショートヘアーをした少女、ナオミは。サンダースの中で一番の砲手であった。
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「勇樹君、この後は!?」
「相手はどう行動するか分からない、キューポラからでて暴言をする可能性があるから……これを使うか!」
百合子の質問に勇樹はカバンからポラロイド型のカメラを出した。
解説するが、このポラロイド型のカメラは『言葉カメラ』と言う道具で、これを相手が口パク・声が聞きにくい状態で使用するとそれがコンピューターでその口の動きを推測し、それを文字化にしていくのである。
「お、そう言っていると出てきたぞ」
伊江の言葉に勇樹は「では早速」とカメラをアリサに標準して撮影し始める。すると。
『ビイイイイイッ!! ビイイイイイッ!! ビイイイイイッ!!』
「おわっ!! な、なんだ!?」
突然のアラーム音に、伊江は驚くと。勇樹は「もしかして」と急いでカバンから虫かごを出した。
「ゆ、勇樹君。その虫かごってまさか」
「はい、どうやら『虫の知らせ』ですね」
美樹の言葉に勇樹は答える。その虫かごを見てみると、虫の体が赤く変色していた。
「赤ってことは、確か『危険、攻撃、緊急』などあらわしていますね」
「ああ、おそらく。そしてこの状況で表しているのは……!!」
百合子と小森がそう言った瞬間。
ドガアアアアアアアアアッ!!!
突然、何かが放たれる音がし。伊江は「まさかあれか?!」と急いでキューポラから出て拡大双眼鏡を使って後ろを見る。そこで目にしたのは、シャーマンフライとファイアフライがこちらに迫ってきていた。
「大変だ! 勇樹、敵がこっちに向かっている!!」
「な、なんだと!?」
伊江の言葉に勇樹は驚くと、小森は「それは厄介だなっ!」と言いながらレバーを動かして加速する。すると。
「あれ、でも2両少ないですよ」
百合子の言葉を聞いた美樹は「それはおかしいね」と答える。だが。
「今はそれどころじゃない!! そうしていると、相手にどんどん攻撃を食らうことになるぞ!」
伊江は慌てて言うと2人は「そ、そうでした」と慌てて答える。だが、勇樹は冷静になっている。
「大丈夫だ、ファイアフライは攻撃範囲は広いが、範囲は最低でも3000m、ここからファイアフライまでの距離は約5000mだ。それまで何か方法を」
勇樹はそう言うと、小森は「そうだな」と答える。すると。
「勇樹君、イネムリンはどうですか? それでしたら」
百合子はそう言うが、勇樹は「それは難しいです」と答える。その理由は。
「これは予知夢が出来る道具と同時に精神安定機能が投与されているから、今から飲んでもそんなにすぐには効果が発揮しないんだ」
「そ、そんなのあり!?」
勇樹の言葉に百合子は驚くかのように反応する。すると伊江は「それじゃあ」とある事を言い出す。
「推測とは言えないが、何か物を使って相手の動きを予測することはできないか? 道具でもいいが」
それを聞いた勇樹は「そうだな、確かどこかに」とカバンから道具を出すが、「どこにしまったっけ?」とどんどん道具を出していく。
「あれでもないこれでもない、でもこれかな。あ、これじゃないこれもじゃないな」
どんどん道具を出していくと、戦車の中がきつくなってきたため。美樹が「ちょっと、多くない!?」と言うが勇樹は「どこかにしまったんだけど」と言いながら出していく。すると。
何かが爆発すると同時にぶつかる音がしたため、勇樹は「この音は!」と動きを止め、キューポラからでて周りを見ると、八九式がファイアフライの攻撃にあたり、その衝撃で岩に向かって移動し、ぶつかって停止している。そして戦車から白旗がキュポッと出る。
「百合子さん、通信を!!」
「は、はい!」
勇樹は百合子に指示を出すと、彼女は急いで通信機を起動する。
『アヒルチーム、けが人は!?』
『大丈夫です!』
『すみません、戦闘不能です!』
「よかった」
それを聞いた百合子、いや百合子たちは安心する。だが。
「あの砲手をしているやつ、厄介な奴かもしれないな」
伊江はそう言うと、美樹は「そうだな」と標準をファイアフライに向けて放ちながら答える。だが、相手は砲弾をよける。
「こいつよけることしかできないのか?」
伊江はそう言うと小森は「いや、時間稼ぎだ」と答える。
「こいつはどうやら、ボクたちがフラッグ車に攻撃している間に相手は僕たちのフラッグ車に攻撃することだな」
「確かに、一理ありますね」
小森の言葉に百合子は答えている。すると、再び。
何かが爆発すると同時に落ちる音がしたため、勇樹は再び、キューポラから出て後ろを見ると、M3リーがファイアフライの攻撃にあたり、穴に落ちている。そして戦車から白旗がキュポッと出る。
「百合子さん、再度!!」
「は、はい!」
勇樹は百合子に指示を出すと、彼女は急いで通信機を起動する。
『すみません、やられました!』
「こ、これは大変です……」
百合子は青ざめながら勇樹に言うと、彼は「何かないか」と頭を抱えている。その証拠に、頭のアホ毛が渦巻いている。すると。
「あれ? これは」
美樹が何か矢印が付いたメーターを出したため、彼は「あ、これは」と道具の説明をする。
「それは『確立機』と言う道具で、わずかだが成功する確率・失敗する確率などと言った情報を知ることが出来る古い道具だ。まあり使用したことはないけど」
勇樹はそう言うと、美樹は「確率ね……」と確立機を見て数秒、何か思いついたのか「そうだ」と確立機の矢印をある方向に向けて、ボソボソと機械に言う。すると。
カチカチカチチチッ……ピピッ!!
確立機の矢印が動き初め、最後は90%に止まった。
それを見た美樹は「よし」と何かを確認すると、道具を勇樹に返す。
「勇樹君、サンキュ」
「え、うん?」
突然のことに勇樹は戸惑いながら道具をしまうと、彼女は「ちょっと失礼」と彼の所に行く。
「勇樹君、森の中へと行ってくれないかい?」
「え、なんで?」
「ふふ、実は」
美樹の話を勇樹は聞くと、彼は「なるほど」と納得する。そして。
「小森、T-34/85の行動道筋を右によって。伊江、装填用意!」
「ん、わかった」
「はぁ? まあ装填はするが、なんで道筋変更なんだ?」
勇樹の指示に小森は道筋を変更し、伊江は装填するが。伊江は勇樹の言葉に疑問を持っている。
そしてT-34/85は右へ曲がりながらそのまま走行すると、Ⅳ号も一緒に丘に向かって移動している。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「これでよい」
美樹はそう言っているが、砲台はなぜか180度反対方向、つまり操縦席側ではなくサンダースの戦車がいるところへと向いていた。
「美樹、どうするんだ!?」
「まあ見といて勇樹君……絶対ミスは許されないから」
美樹の真剣な言葉に、勇樹は「え、ええ?」と戸惑っている。もちろん、彼は美樹から「方向転換して相手にフラッグ車に向けて放つ」だけしか聞いていない。
そして伊江は「装填、どれくらいだ?」と言うと彼女は「そのまま」と答える。勇樹は「どういう意味だ?」とキューポラから出て確認すると。
ファイアフライがⅣ号に向けて放つが、Ⅳ号はそれに感知したのか急停止し攻撃をよける。そしてそのまま移動していく。
「ん、待てよ」
すると勇樹は美樹の言葉に何か理解してきたのか、砲台の先を見ると、ファイアフライに向けている。
そう、美樹ははじめっからなのか道具で何かやったのか。目的があった。その目的は……。
「まさか、あいつ。シャーマンフライを倒すのか!?」
彼がそう言ったその時。
「………発射!!」
カチッ…… ボガアアアッ!!!!
T-34/85の砲台から砲弾が放たれると、そのままファイアフライのエンジン部、つまり心臓部に向けて放った。
そして砲弾がそこに当たると、エンジンは爆発して白旗が上がる。
だが、その数秒前にはⅣ号に向けて放ったため遅かった。誰もが終わりかと思った……しかし。
ギイインッ!! ドガアアアアアッ!!!
シャーマンフライ、敵フラッグのエンジンにⅣ号が放った砲弾があたり戦車は行動不能と同時に白旗が上がった。その光景に、みんなは唖然としていた。そして…。
『大洗女子学園の勝利!!』
「よっしゃー!!!」
「勝てましたー^!!」
「うっしっ!」
「ふう」
勝てたことに勇樹たちは喜んでいると、美樹は「少しずるしたかな?」とにやけるのであった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「一同、礼!!」
蝶野教官からそう言うと大洗とサンダースは『ありがとうございました!』と礼をする。すると観客からは歓声が響いた。
「うおっ! これぐらいすごい事なんだ!」
「ファイアフライを倒したことですからね」
伊江は驚くが百合子は冷静に答えると、優花里が「シャーマン相手に勝てるなんて」と感動した。すると。
「あなたキャプテン?」
ケイが突然、みほに向けて言ったため彼女は「あ、はい」と答えて数秒後、突然。
「エキサイティング!」
突然みほを抱き着いた! それにみほは「うわっ!」と驚く。
「こんな試合が出来るとは思わなかったわ!」
ケイはそう言うが、みほはケイの行動に固まっている。
すると美樹が「そろそろやめてくれないか。星空景子さん」と言うと、彼女は「ワッツ!?」と驚く。
「どうして私の名前を、まだ言っていないのに」
「実はちょっとそちらに侵入したときに名前を憶えてね。それであのショートヘアーが日野ナオミでツインテールが月村アリサだね」
美樹の言葉に彼女は「オゥ―! さすがね、大当たりよ!」と答える。
「あの、少しいいでしょうか?」
みほはケイに質問すると彼女は「なに?」と反応する、みほが質問する内容は簡単、なぜなら。
「6両しか来なかったのは?」
みほの質問にケイは「そうね」と答える。
「あなたたちと同じ車両数だけ使ったの」
「どうして?」
みほはケイの言葉に呆然としていると彼女はこう答えた。
「ザッツ戦車道! これは戦争じゃない、道を外れたら戦車が泣くでしょ?」
「あ、そう言えばそうですね」
ケイが言った言葉に、華は納得した。
「盗み聞きなんて詰まんないことして悪かったね」
「いえ、全車両来られてたら負けてました」
みほはそう言うと、華と麻子、沙織と優花里は頭をコクリとうなずいた。
そしてケイは「でも勝ったのはあなたたち」と手を差し出した。それを見たみほは「あ、ありがとうございます!」と握手する。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「君が、私の戦車を当てた者か?」
「ん?」
美樹に声をかけたことに彼女は気づき、振り向くとショートヘアーの少女。ナオミがいた。
「そうだけど、どうしたんだい?」
「ふ、いや。大洗の華と言う奴と同じものがいるのは初めてでな」
ナオミはそう言うと、ポケットからガムを出してきた。
「ライバルの証として、これをあげるよ」
「お……それはありがたいね」
美樹は「受け取るよ」とガム受け取ると、彼女は「今度は必ず充てる」と言いながら去っていく。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「さて、この後いろいろと調べないと」
勇樹はそう言いながらカバンから道具を出そうとしたその時、突然電話が鳴り始めた。
「なんだ、こんなときに電話をしてくるのは……ん、逸見エリカ?」
それを見た彼は「なんだろう?」と不信に思いながら、電話に出る。
「はい、石川です……え、どうした……ええっ!? 大丈夫か!?」
突然勇樹が声を出したため、百合子たちは何かと驚く。
「わ、わかった。今からそっちに行く。それじゃあ」
勇樹はそう言いながら電話を切ると、太田に「ちょっと熊本に行ってくる」と言った。
当然彼は「え、ええっ!?」と戸惑っている。
「どうしたんだ勇樹、いったい慌てて!!」
「緊急だ、しほが何者かに襲われたんだ」
伊江の質問に勇樹は答えると、百合子が「それ本当ですか!?」と驚くと彼は「本当だ」と答える。
「だったら大変だ。今使えるのはあるか?」
「えっと、確か飛行機だったら」
伊江は太田に言うが、彼は何かないかと急いで探している。すると。
「これで行こう!」
勇樹はカバンから大型のヘリコプターを出すと、そのまま地面に置く。
「ゆ、勇樹君。それって!?」
「『人力飛行機・ヘリコプターバージョン』だ、時間はないから急いで乗っていこう!」
勇樹はそう言いながらヘリに乗り込むと、伊江・小森・百合子・美樹・京子も急いで乗り込んだ。
すると、ヘリのプロペラが突然回り始めるとそのまま熊本へと移動していく。
「一体しほさんに何が……」
太田はそう言いながら、熊本へと発進していくヘリを見送ることしかできない。
道具解説↓
『チーズパッド』
四角い形をした画面型の道具で、地図のように使える。
2D型以外に3D型と言った立体モードになれる。
『虫の知らせ』
虫かごにいる昆虫型のロボットが知らせてくれる道具で、一種の警報器。
色によって知らせる内容がわかる。
『確立機』
わずかだが成功する確率・失敗する確率などと言った情報を知ることが出来る。
ただし古い道具なので、まあり使用してない。
『人力飛行機・ヘリコプターバージョン』
人力を利用して作ったエコロジー型の道具で、漕げばこぐほど速度は上がるようになる。定員10名まで。
キャラクター説明↓
星野景子…ケイの本名、本名を考えていたらアメリカの国旗が星条旗を思い出したため、星を名字にしようかと思い書きました。
月村アリサ…アリサの本名、こちらも上記と同じ。星といったら月ですから。
日野ナオミ…ナオミの本名、クールだが星のように輝いておらず、冷静なことをイメージしていたら太陽が浮かんできましたので。