ガールズ&パンツァー 時空を超えた機械と協力者   作:水岸薫

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第22話『最終試合開始・混乱と絆と逆襲』

「あ、アリクイさんチームがやられた?!」

 

 アリクイさんチームがやられたことを聞いた百合子が驚くと、伊江たちは「え?!」と驚く。

 

「ま、まさかだと思うが…初心者だからレバーの操縦に慣れておらず、相手にすぐにやられたのか?」

「いえ、そうですが当てられた理由は違いますよ?」

 

 苦い表情をしていった伊江に百合子は一部訂正していく、それを聞いた幹子は「どういう意味だい?」と言うと、彼女はこう答える。

 

「操縦に慣れていないのは事実でしたが、当てられた理由はフラッグ車を狙っていた相手に当てられたようです」

「なるほど、相手が当てようとしたが突然で守られたってことか…やるじゃん」

 

 彼女の言葉に小森は褒めるように言うと、勇樹は「そうだな」と答える。だが。

 

「いったい誰がフラッグ車…西住に当てようとしていたんだ…?」

 

 フラッグ車を当てようとしていたのは一体誰か、それがわかれば妨害がまいの行動をして出来る限り対決をしながら遠ざけることが出来る。

 情報が少ないため今は無理だが、出来るだけ早く相手を確認しなければ…。と彼がそう思っていた、その時。

 

 

 ドガアアアアアアアッ!!

 

「またか!」

 

 再び音がしたため振り向くと、複数の戦車がフラッグ車に向けて放ちながら進んできていた。

 

「百合子さん」

「わかりました!」

 

 勇樹の指示に百合子は答えると、通信機を起動して誰かの話を聞き始める。その人物とは。

 

『全車両、もくもく作戦です!』

『もくもく用意!』

 

 あんこうチームの武部沙織、彼女からの指示を聞いた百合子は「えっと、確か」と資料を見て数秒後、通信機を手にして各戦車に伝える。

 

「了解! もくもく用意!!」

 

『もくもく用意!』

『もくもく用意』

『もくもく用意!』

『もくもく準備完了!』

『レオポンチームも完了しました!』

『私たちも、もくもくの用意できたよ!』

『こちらもでーす』

 

 各チーム、もくもくの準備が終わると伊江は「それにしても、もくもくってなんだ?」と疑問を浮かび上がらせた。その瞬間。

 

 

 

 バシュッ!!

 

 

 

 突然あんこうチームから白い煙が出てきて後ろの方に放っていった。それを見た百合子は。

 

 

「もくもくはじめ!!」

 

 スイッチを出して一気に押すと、エンジンから白い煙が放って後ろに向けて流れていく。

 勇樹たちだけではない、各戦車から煙を放って相手の妨害をし始めた。無論、これは違反ではなく戦車道に許可されている範囲内での手段。

 

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「煙幕!? 悪あがきにもほどがありますわ! 全車両、打ち方用意!」

 

 小春田が放つ準備を言おうとしたその時。

 

『待て、打ち方をやめろ』

「って、怜雄様?! なぜやめるんですの?!」

 

 怜雄の言葉に小春田は言うと、彼女は『考えろ』と答える。

 

『もしこれが相手の作戦だとしたら、私たちの行動は終わってしまう。無駄球を打たせてる可能性がある』

「あ」

 

 そう、怜雄の作戦が正しければ。敵を惑わすかのように煙や水の中に隠れて。武器となる砲弾を放っていき空になる1、2発前に攻撃をしていく。

 そうすれば強敵でも砲弾の数に限りがあれば勝てる…そう推測している。

 

「くっそ…逃がしませんわ!」

 

 小春田はそう言いながら、戦車に装備している銃で煙に向けて放っていく。銃であれば威力は低い代わりに砲弾の使用回数を抑えることが出来る。すると

 

『敵、11時方向に確認!』

「11時方向? 向きが違いますわね、怜雄様」

 

 他の生徒が、大洗がいる方向を見つけ通信で伝えると。小春田は怜雄に通信する。

 なぜ向きを変えて逃げていくのか。それでこそ不思議であった。だが。

 

「あそこは坂道がある。無論、戦車の中で小回りが利かないポルシェティーガーがある。煙が晴れ次第攻撃をする」

 

 彼女の言う通り、ポルシェティーガーは戦車の中で砲弾の威力と防御力は高いが、逆に言えばスピードはあまり出ずエンジンがオーバーヒートしやすいという弱点がある。

 

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「煙幕を張るなんて…何か作戦があるのでしょうか?」

 

 その頃、専用の席で大洗との戦いを見ていた聖グロのダージリンとペコは、煙幕の映像を見てペコがなぜそれをするか疑問に思っていた。

 すると、ダージリンが英語で「ALL is fair in love and war」と答える。

 

「恋と戦いはあらゆることが正当化されるのよ」

 

 諺を言うと同時にダージリンは紅茶を飲もうとした、その時。ペコが「あ、煙幕晴れてきました!」と言うと、彼女はそれに反応して紅茶を置いて画面を見つめる。

 

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 小春田は「まだ1合目あたりだから、打てますわよね」と思いながら外を見ていると、煙幕が晴れてその先の光景が見えてきた。その先にあったのは。

 

「っ! もうあんな所に…どうして?!」

 

 驚くことに 1合目ではなく6合目あたりまで移動していた。

 どうして重いポルシェティーガーを移動することが出来たのか…それよりも、どうやって坂道を上っているのかよく見ていると…。

 

「あれは…ワイヤー?!」

 

 マークⅣ戦車とM3中戦車『リー』、3号突撃砲F型がワイヤーを使ってポルシェティーガーを支えながら前に進んでいた。

 これを使用していたおかげで坂道を上り出来る限り素早く移動することが出来た…が。

 

「さすがに重いぜよ」

「レオポン、少しはダイエットを!」

 

 おりょうとフリントはレオポン号にツッコミを入れていると、カトラスが「重いことは装備品が多い、準備が良すぎる証拠」と冷静に答える。

 

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「そっか、みんなで引っ張っていたのね。ポルシェティーガーを!」

 

 その様子を見ていたカチューシャは、感心するかのように言っていた。

 肩車をしていることに気づいた彼女は、「う、うん」と席をしながら大人しくする。

 

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『パラリラ作戦です!』

『『『パラリラ作戦、了解!!』』』 

 

 その頃、百合子の通信機からみほの作戦と同時に、アヒルさんチームの妙子とカモさんチームのそど子、モモンガチームの葵が答えた途端、戦車は左右に動きながら煙を放っていく。

 

「なるほど、暴走族のようにパラリラと移動しながら煙幕を巻いて、視界を出来る限り塞ぐか…みほ君らしい作戦だね」

 

 それを見た幹子は理解したかのように言うと、伊江が「風紀委員のそど子たちが困るだろうな」と苦笑いする。

 それを聞いたみんなは頭の中で装填・通信・リーダーであるそど子と、操縦手であるゴモ代が『何よその作戦! 私たち、不良になったじゃない!!』『終わったら手がはれてそう』と困ったイメージをして、勇樹たちは「確かに」と苦笑いする。

 

「逆にアヒルさんチームは、訓練されているから。きっと行けそうですね」

 

 百合子はアヒルさんチームは(今は廃部となった)バレー部の訓練をしているため基礎体力は大丈夫だと想像している。

 それを聞いたみんなは頭の中で操縦手の忍、通信手の妙子が『お尻が痛い、手がつるっ!』『頑張って、ワンハンドレシーブの練習だと思って!』と言いながら操縦しているのを見て、伊江は「確かに」と言って納得するが。勇樹と小森だけは「ありえる」とジト目で答える。

 

「だが、逆にあの2人組はけっこすげーぞ。双子とはいえいいチームワークだしな」

「そうだな、霊華と連華を見ると同じ気持ちだ」

 

 小森と勇樹の言葉に、みんなは「確かに」と一斉に同意する。

 

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「全く、こんなに煙を作り出すのって…何か作戦があるんですの?!」

 

 その光景を見た小春田は、双眼鏡でけむりをみながらイラついている。

 

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 その頃、あんこうチームの戦車内では、みほが例の地図を出して何かを見つめている。

 そして時折「あと少し」とつぶやくように言っている。

 戦車から放つ煙幕は徐々に広がっていき、ついには覆いかぶさるようにしていった…その時!

 

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『撃て!!』

 

 ドガアアッ!! ドガアアアッ!! ドガアアアアッ!

 

 我狼院の指示に各戦車から砲台が放たれて山に向かっていった。が、煙幕の手前で着弾して戦車に当たることはできなかった。

 すると、彼女は上る前にある違和感を気づく。その違和感とは。

 

 

 

「戦車が1台少ない…どこに?」

 

 

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「やられる前に有利な場所に逃げ込まないと…」

 

 その光景を見ていたペコは、真剣に大洗の行動を見ている。それを見ていたダージリンは紅茶を飲むと同時にこう答える。

 

「あなたもいつの間にか、彼女たちの味方ね」

「は?!」

 

 ダージリンの言葉にペコは驚いていると、彼女は微笑むのであった。

 

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 その頃、ヘッツァー基カメさんチームは。煙幕を利用して彼女たちから離れて、小梅の指示により木々の中に隠れていた。

 

「にしし」

 

 会長は相変わらず変わった表情で標準スコープを除いている、その先にあったのは移動している黒百合であった。

 

「先ほどの仕返しです! 会長さん!!」

「あいよー小梅ちゃん、おりゃっ!!」

 

 小梅の言葉に会長は引き金を引くと、砲弾が放たれてオチキスH35に当たる。ただし、戦車本体ではなくキャタピラーのベルトに当たり壊れた。

 それを見た河島は砲弾を装填すると、今度はFCM36に向けて放った。

 オチキス同様、キャタピラにあったって走行不能となった。

 

「会長、2両走行不能になりました!」

「すごいです会長!!」

「河嶋当たったぞー!!」

 

 柚子と小梅が褒めていると、会長はあまりの嬉しさに河嶋にピースをしながら言うと、彼女は「わかっています!」と言いながら砲弾を用意する。

 装填し終えて放とうと会長は標準を除くと、異変に気付いたのか、森に向けて戦車が移動していく。それを見た彼女は。

 

「2両が限界かぁ…撃破したいなぁ」

 

 会長はそう言いながらヘッツァーは森の中へと逃走していった。

 その光景を見た我狼院は「深追いはするな、油断の可能性がある」と指示をしてヘッツァーを追うのをやめる。

 

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 大洗は現在、山の頂上へと移動して戦車が隠れるところへと移動していた。

 その光景を見ていた太田たちは、緊張が入っていた。一体、西住は何を考えているのだろうか。

 

「西住のお姉ちゃん…どうしてここに移動したのかな?」

「それがわかればいいけど…だよね、太田君」

 

 福音が心配そうに見ていたのを穂多留は同意し、それを太田に向けると彼も「ボクもだよ…」と冷静に答える。すると。

 

 

 ブーッ、ブーッ、ブーッ

 

「ん、メール?」

 

 突然彼の携帯からメールが来たため開いてみると、そこに表示されていたのは。

 

「まほさんからだ…これは?」

 

 まほからのメールに彼は開いてみたが、文字は書いていなかった。

 

「あれ、文字が書いていない?」

「ご送信っすか?」

 

 太田の言葉に霊華が言うと、彼は「ううん、文字じゃないけど写真が」と無数のアドレスの中から1つ選んで、中身を見ることに。そこに乗っていたのは。

 

 

 

「えっと…生徒?」

 

 

 黒森峰の生徒一覧の一部であった。

 

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 山の頂上にいる大洗に対して、黒百合は山のふもとにたたずんでいる。

 両者、一度でも動くことが出来ない状況になっており。いつ発射してもおかしくはない。

 誰もがそう思った…その時。

 

「ふむ、山に逃げ込むとは珍しいな…勝つかどうかは不明だ。各社、大洗を囲め」

 

 我狼院は感心するかのように言いながら仲間に指示を出すと、AMX-13とFCM36、オチキスH35は前に進み始める。

 それを見たみほは、双眼鏡を外して通信機を起動し、各チームに向けて指示を出す。

 

「砲撃始め!」

 

『砲撃始め!』

『砲撃始め!』

 

 各チームがそう言うと、彼女は戦車の中に入った。その時。

 

 

 ドガアアアアアアアッ! ドガアアアアアアアッ!! ドガアアアアアアアッ!!!

 

 

 M3リー、Ⅲ突、マークⅣから砲弾が放つと、他の戦車から砲弾を放ち始めた。

 砲弾は見事地面に当たるが、戦車に当たらず。それどころが我狼院が乗っている戦車『AMX-30』は前に進み始める。

 

 ドガドガッ!! ドガアアッ!!

 

 おかしなことに、中腹付近にある地面にも砲弾は当たり。土煙を増していってる。

 なぜそれをしているのか、それを見ている観客らは頭を傾けていた。すると。

 

 ドガアアアアアアアッ!!

 

 どの戦車から駆らないが、砲弾がFCM36にあたり起動不可能となった。

 

「やった!!」

「この調子で行くぞ!」

 

 FCM36に当てたのは、サメさんチームのムラカミ。彼女は頭はあれだが力だけは彼女だけ一番、砲弾を軽々と持ち上げて装填しすぐに発射することが出来る。

 そうしている間に、通信機から『次、放つわよ!』とそど子の声がすると同時に砲撃が始まる。

 

「1時のエースだ!」

「わかった…エースってどれだ!?」

 

 歴女の方から声がすると同時に、Ⅲ突は方向が変わると。カエサルが「砲台に支えがある戦車だ!」と言うとⅢ突は砲弾を放つ。

 他の戦車も砲弾を放っていき、戦車に威嚇攻撃している。

 あんこうチームも、敵戦車に砲台を変えていき。攻撃しようとしている。

 

「フラッグ車、こちらに向いています! 方向転換してください!!」

 

 自分たちに攻撃してきていることに気づいた黒百合は急いで指示を出すが、Ⅳ号H型から砲弾が放たれて。FCM36は戦闘不能になった。

 

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「やるじゃん西住!!」

「さすが師範の次女さんです!」

 

 その光景を見ていた伊江と百合子は感心していると、小森が「装填しろ、伊江」と言われて彼女は「おっと」と急いで装填する。

 勇樹たちも彼女たちに負けず、砲弾をさらに発射し、敵の動きを少しずつ鈍くしている。

 

「それにしても、西住の奴。前より結構変わっていってるな」

「ああ、みほくんだけではなく。学園艦を守ろうとしている生徒のみんなも、絆が出てきたと思うよ」

 

 装填している伊江に幹子は答えていると、勇樹は「確かに」と言いながらメモしている。

 

「だが、相手はあの我狼院…次は何をするんだ」

 

 勇樹はそう答えながらメモをしていると、何かを感じたのか隙間から外を除いた。そこで見た光景は。

 

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「作戦実行…守りの楯、前に行け!」

 

 我狼院は目つきを鋭くして通信機でそう言うと、AMX-30の後ろから戦車が出てきたが。その戦車は30と違って砲台が長くAMX-13と違って支えがない。

 これを見た沙織は「あれって!」と急いで戦車ノートを開いて調べた。その戦車は。

 

「『ARL-44』! 黒百合はこの戦車も持っていたの?!」

 

 ARL-44という言葉にみんなは「なんだって?!」と驚いていると、ARL-44はAMX-30を守りながら前に移動し始める。

 

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 その光景を見たダージリンとペコは、画面を見て困ったかのような表情をする。

 

「重戦車を楯にして、攻撃を塞いでいくのね…」

 

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 ARL-44はそのまま前に進んでいき、大洗の戦車は攻撃していくが。重戦車がそれを跳ね返していき歯が立たない状況になっている。

 

「固い…」

 

 砲手の華も、重戦車がやってくることは想定していなかったのだろうか。砲弾を放っても跳ね返してしまうため無効となっている。

 そうしている間に、他の戦車は後を続いていくかのように山を登っていき、砲弾を一気に放っていく。

 

 ドドドドオオオォォォォォォォッ!!

 

 放たれた砲弾は山の頂上に当たり、火山が発生したかのように煙が待っていく。

 

「ふふふ、どうよ。これがあたくしたちの力、ですわ!」

 

 小春田は、自慢するかのように言いながら操縦手に向けて「速度を」と言うと、操縦手は「うっす」と言いながら速度を増す。

 だが、彼女たちはあきらめていなかった。向かい来る黒百合に向けて砲弾を放っていくが、再び黒百合の砲弾に戦車は大きく揺れる。

 

「っ!! せっかくここまで来たのに!」

「このままだと、撃ち負けます!」

「さすが黒百合…」

 

 アヒルさんチームの典子、あけびは、相手が強いことをあらためて思いながら攻撃していき。妙子は『けが人、こちらはいません!』とあんこうチームに知らせる。

 

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 ドガアアアアアアアッ! ドガアアアアアアアッ!!

 

 黒百合の攻撃により地面は跳ねていき、Ⅲ突はその土にかぶって塗装仕掛け途中の戦車となり果てている。

 

「マルタの大包囲戦のようだな」

「あれは囲まれたマルタ騎士団が、オスマン帝国を撃退したぞ!」

「だが、我々にそれは出来るか…」

 

 エルヴィンもさすがにピンチと思ったのか、顔を青ざめており。

 カエサルはエルヴィンの言葉に答えながら砲弾を用意する。

 

 

 それを見ていたヘッツァーとどこかに隠れていたティーガーG型がやってきた。

 

「すげえ砲撃戦だな…」

「真綿でじわじわ首を締めているようだな…」

 

 それを見た日向と河嶋は冷静に言うと、会長は「こっちも要塞にすると見越していたかもねぇ…ま、当然か」とのんきに答える。

 

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「18対11、これだけ潰せれば…ここから撤退します」

 

 西住は優花里たちに向けて言うと、彼女は「でも、退路は塞がれちゃってます」と答えた。すると。

 

 

 

『西住さん! 例えのあれやりますか?』

 

 

 

 通信機から小梅の声がしたため西住は「はい、オチョクリ作戦、始めてください!」と答えた。

 西住からの通信を受けた小梅は、会長に「だそうです」と言うと、彼女は「準備良い?」と言うと、小山と河嶋は「はい!」と答えると同時に、「オチョクリ開始!」と戦車を移動していく。

 同じく祝井も「こっちも行くぞ!」と言うと、日向たちは「おう!」と答え、ヘッツァーの後を追う。

 

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 黒百合の戦車である『AMX-30』に乗っている赤紙のツインテールの少女『岐路稲(きろいな)津摩代(つまよ)』は、キュポラ―から出て目的地がずれていないか指示を出している。

 

「やっと間に合った…方向音痴にも少しは慣れないと」

 

 彼女は方向音痴なのか手には方位磁石と地図を手にしている、出会えたことに安心した…が。

 

 

 

ガラガラガラガラッ…

 

 

「ん、この音は…」

 

 後ろから音がしたため何かと振り向くと、ヘッツァーとティーガーG型が後ろから現れた!

 

「あああっ! あの戦車、さっきの!」

 

 岐路稲はそれに気づくと「7時の方向に敵発見、ヘッツァーとティーガーG型ですよ!」と通信機を使用する…が。

 

 

 ドガアアアアアアアッ!! バギィンッ!!

 

 

 ティーガーG型から放たれた砲弾は、戦車本体ではなくキャタピラーの帯に当てて分解させた。修理して時間をかけるかのように細かいことを考えてだ。

 

「ぎゃあああっ!! これ、直したばかりなのに。修理時間かかるのよおおおおっ!!!」

 

 青ざめてキャタピラーを見て叫ぶ岐路稲を見てヘッツァーとティーガーG型はその場から去って山へと移動していく。

 それを見た岐路稲は「こんおおおおお!! 戦車1台の修理費用は、あんたらに買ってから数百倍で送ってやるうううううっ!!」と叫ぶが、すぐに去っていくため空しい状態になった。

 

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「突撃ぃいいいっ!!」

「祭のように叫べ、暴れろ!!」

 

 会長と祝井は、他の戦車をおちょくるように指示すると、ヘッツァーとティーガーG型は徐々に加速して黒百合に向かっている。

 

「こんな強敵の戦車に突撃するのは…少し無理があるよう」

「しょ、正直。私も生きた心地がしない…」

 

 弱音を吐くかのように、柚子と奈羅江は怯えて言うと河嶋と七日は「相変わらず無謀な作戦だな」と冷静に答える。

 会長は「あえて突っ込んだ方が安全だってよー」とのんきに言うと、祝井も「そうだなぁ」と同意するかのように答える。

 

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 AMX-13に乗っていた生徒は、横から音がしたため「なんだ?」と向くと、ヘッツァーが間を割り込むかのように移動していた!

 

「何!? 11号車、15車!! 脇にヘッツァーがいるぞ!!」

 

 生徒の指示に11号車と15号車は動くが、ヘッツァーはすぐに動き始める。

 

「このっ!! このままだと味方に当たってしまうから打てない…!!」

 

 砲撃で敵を当てる手段もあるが、このままだと砲弾によけられて味方に当たる可能性が発生する。

 

「こちら17号車、こちらから放つ!!」

 

 17号車基FCM36は手法で相手を怯ませようと動くが、ティーガーG型がそのすきを狙って攻撃を受けてしまい戦闘不能となった。

 

「申し訳ありませええん!」

「こうなったらこっちが!」

「おい待て! 今Ⅲ突がこっちに来ている!!」

 

 混乱した今、Ⅲ突が黒百合に向けて移動してきている。Ⅲ突だけではない、Ⅳ号H型やM3リーに九四式系装甲車TKなども動き始め、ある場所に止まると砲弾を放った!

 

「あわわわわ!!」

「な、なにしているんだ?!」

「こっちに来ないでえええっ!!」

「ぶつかるぶつかる!!」

 

 砲弾に戦車、味方との攻撃により黒百合は混乱し、彼女たちはその場から逃げるかのように戦車は移動していく。

 

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「面白ーい!! 次から次へとよくこんな作戦考えるわね!!」

 

 それを見たカチューシャは、感動するかのように喜びはしゃいでいるとバランスを崩して落ちそうになるが、すぐにノンナの頭につかまって体制を整える。

 ノンナは「これで17対11ですね」と冷静に答える。

 

 サンダースのアリサは「あんなに混乱した黒百合を見たのは初めてです」と、データー専門の彼女は驚く。

 それを見たケイは「黒百合は隊列を組んで正確に攻撃する訓練は積んでいると聞いたけど。あのような突発的な行動には対処できない!」と答える。

 

「マニュアルが崩れて、パニックになっているってことですね」

「そう」

 

 アリサの言葉にケイは「わかりやすい例え」と答えるのであった。

 

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 その光景を見た勇樹は「束のようになっていた黒百合が、一瞬で崩れた」と驚いていた。すると。

 

『右方向に突っ込みます!!』

 

「勇樹君、西住さんから!」

「わかった! 小森、右に突だ!!」

 

 百合子の言葉に勇樹は小森に指示すると、彼女は「わかった」とレバーを動かしてあんこうチームの後を追い始める。

 他の戦車も、あんこうチームと同じ方向に向いて移動していく。

 

 すると、AMX-13とオチキスH35は方向を変えて山の頂上に向けると、戦車が一気に来たため砲弾を放つが。

 

 ガンッ!! ギィンッ!!

 

 レオポンチームのポルシェティーガーがそれを跳ね返したためフラッグ車は守られて、そのまま黒百合の間を通るかのように進んでいった。

 最後にカモさんチームが煙幕を出して混乱させるかのようにその場から逃げていった。

 

「イヤッホーイ!!」

「やりました!!」

「やれやれぜよ」

 

 その行動にツチャ、優花里は喜び。おりょうは緊張がほどけたのかため息をしながら答える。

 

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『逃げられましたぁ!!』

 

「なんですって!? このポン倉野郎が!! ですわ!!!」

 

 生徒の報告に頭が切れたのか、小春田はそう言いながら通信機に向けて「一体何していましたの?!」と叫ぶ。

 彼女たちの行動を見ていた我狼院は「体勢を立て直したらすぐに行け、今度は冷静を保たせろ。こちらもすぐに向かう」と冷静に伝える。

 

「それと、小春田は後を追ってくれ。私は少し」

「わかりましたわ。行動開始!!」

 

 我狼院の指示に小春田はすぐに行動に移し、オチキスH35はすぐに大洗の後を追い始める。

 

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 解錠の画面には、咲くほどのやり取りと同時に大洗がどこかへと向かっていった。それを見ていたサンダースは

 

「どこへ向かう気なの? 逃げるとは思えないわ」

「面白くなってきたわねぇー」

 

 真剣に見ているアリサとは裏腹に、慶はポップコーンを食べていた。

 

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 大洗が逃走している間、ポルシェティーガーは砲台を後ろに向けて他のチームが先に行っている間攻撃をしてこないか確認していた…その時。

 

 ジジジッ…ジジジジジッ ボンッ!!

 

 突然エンジンから煙が出てくると速度が低下してきている、これはポルシェティーガーの弱点に一種。

 重戦車に対して速度は遅くオーバーヒートしやすい。それを見た自動車部は。

 

「レオポンがぐずりだしたぞ!」

「ちょっとなだめてくる」

 

 ホシノの言葉にナカジマは外に出ていく。

 

 西住はたちはレオポンの後ろにいるが、中島の行動にみんなは「え?!」「ふえ?!」と驚く。その光景とは。

 

 

 

「はいはい、大丈夫でちゅよー」

 

 

 戦車が走行しながら工具箱からスパナなどを出して、壊れているエンジンを修理していくナワジマ。

 それを見た西住は「壊れたところを走りながら直している」と目を丸くしている。

 通信機からは『驚いた…これが自動車部か』と勇樹が驚いている。

 

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 無事、ポルシェティーガーの修理を終えてナカジマは再び戦車に入りそうこうしていると、ストーカーのようにホチキスH35が追いかけてきている。

 

「逃がしませんわ…目標、1時フラッグ車!!」

 

 小春田は通信機に向けて言うと、砲手がフラッグ車に向けて行くが。フラッグ車や他の戦車が左右に揺れているためすぐには定められない。

 それと同時に突然右から衝突されて砲台の向きが変わりそのまま走行している。

 

「ちょっと、なんで向きが…どうしてですの!?」

 

 小春田は驚いているとホチキスH35はそのまま段差にぶつかり走行不能状態になった。

 

「何があったんですの!?」

「左競輪の一部が外れて走行不能でずよー!!」

 

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「さすが大洗の皆さん」

 

 それを見ていた太田は感動するかのように言うと、霊華も「そうっすね」と目を光らせて答える。

 

「和すかな隙を作り、その間を通るのは。すごいっす!」

「ああ、私も驚いた」

 

 霊華に動揺するかのように蓮華は答えると、福音も「うんうん!」と首を上下に動かす。

 

「じゅーせんしゃって、重くて強い代わりに。確かあのようにミスが起きるんだね!」

「起きるって、いつもじゃないけどあのようになるのはまれにあるよ」

 

 福音の言葉に太田は頭をなでると、桜が「それよりも」と彼に向けて言いだす。

 

「例の情報、どう意味だったの?」

「それなんだけど、後からまほさんからメールが来まして…あ、今度は文字でしたよ」

 

 太田はそう言いながらメールを開くと、今度は文字が浮かんでいた…が、その文字はこう書かれていた。

 

『すはやがよだこぱのひでのた、りいがしせあきいているうか

 ↑ホールの重さ』

 

「…暗号?」

 

 謎の文章に彼女の眼は点になって驚くのであった。

 

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 黒百合に巻くことが出来た西住達は、華からの報告によりみんなは一安心する。

 

「よかったぁ、これで一安心です」 

「ああ、そうだな」

 

 百合子と伊江は安心しているが、小森が「お、おい…」と顔を青ざめている。

 

「どうした小森、少し酔ったのか?」

「いや、酔いはすぐに治るが…問題が発生した」

「問題? それはなんだい?」

 

 勇樹は心配して言うが、彼女は別のことを言ったため幹子が答えると。小森は「あれだ」とある方向に指を指した。その先にあったのは。

 

 

「この川、戦車通れるか?」

 

 

 それを聞いたみんなは「あ、確かに」と青ざめるが、勇樹は「それは大丈夫だ」と答える。

 

「西住から聞いたんだが、上流にはレオポン、下流にはモモンガで移動するって」

「あ、なるほど。軽い戦車を流さないようにか」

 

 勇樹の言葉に伊江は納得すると小森は「それはいい案だ」と安心する。

 

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「それじゃあ行くか」

 

 勇樹の言葉に小森は「わかった」と反応すると、各戦車はエンジンを入れて川を渡り始めた。

 革にわたっている間、黒百合はまだ追ってきておらず、何事も問題はなかった…と思っていたが。

 

 バシュッ!

 

「あれ?」

 

 突然ウサギさんチームのM3リーが川の間で停止した。原因は不明だが、この様子だとエンジンに異常が出ているようだ。

 

「勇樹君、ウサギさんチームが」

「なに?!」

 

 百合子の言葉に勇樹はキュポラ―から出ると、ウサギさんチームがその場で停止していた。

 

「エンストか、だったらロープが必要だがどうやって……」

 

 勇樹はどうやってロープをあんこうに渡して、それをどの方法でモモンガのところまで行くか考えていた。

 仲間を見捨てることは彼にとって絶対に許されないこと、ウサギさんチームは全員が1年生なので、川に流されたことを考えると、溺れてしまう可能性が高い。仮に戦車道連盟が助けに来たとしても、川が流されての救出は困難の可能性が高い。

 百合子からの通信によると「梓ちゃんが『私たちは大丈夫です、隊長たちは早く言ってください』と通信が」と教えてくれた。梓のことは信じないというわけではない。彼女はまともであるが1年生、まだ未熟の一面がある。

 それに、この状況で西住が行動するのは危険。なぜなら。

 

「この状況は…昨年と同じじゃないか…!!」

 

 昨年、黒森峰が敗退した状況に酷使しているからだ。もし西住が何らかの状況でミスをしでかして負けたら、大洗の学園艦は廃艦決定となる。

 何か、彼女たちを救う方法はないか。彼は頭をフル回転して考えた…その時。

 

「待てよ、この状況が似ているってことは…」

 

 勇樹は何かに気づいたのか、戦車の中に入ってカバンから資料を出して読み始めた。

 それを見た幹子は「ど、どうしたんだい?」と彼に言うと、勇樹は「確かここに」と資料を見ているのに夢中。そして。

 

 

「あった…これだ!」

 

 

 勇樹は何か見つけたのか、メモに何か書くと。そのまま伊江に「発煙筒をM3リーの前に向けて投げれるか?」と言うと、彼女は。

 

「な、投げれるが…どうしてだ?」

「いいから、早く投げて」

 

 勇樹の指示に彼女は「わ、わかった」と戦車から出て発煙筒だし、火をつける。すると白い煙が出てきて彼女の手が見えなくなる。

 その瞬間、発煙筒を一気に投げて、M3リーの前に落ちた…その時。

 

 

 

 ボワッ!!

 

 

 

「なんだ!? 一瞬だが、光った…?!」

 

 わずかだが白い光が発生し、途中炭酸のように無数の泡が出てきた。

 

「勇樹あれは一体?」

「あれは、オレの予想が正しければだが…『テツトカシ』と言う一種の塩化水素が含まれた爆弾だ」

 

 勇樹の言葉に、みんなは「ば、爆弾っ!?」と後ろに引くほど驚く。

 

「あ、爆弾と言ってもあの量だと少量で。かんしゃくのように爆発するレベルなんだ」

「な、なんだ…安心した」

「でもどうして? 塩化水素は爆発しないのに?」

 

 小森が安心するが、百合子はどうして爆発するか分からなかった。それを聞いた勇樹は「それはだね」と解説する。

 

「塩化水素は確かに爆発はしないが、金属に浸すと水瀬が発生するんだ。そこに空気と号すると」

「あ、わずかな火で爆発…そうかあの中に金属を入れて火を付ければ」

 

 伊江はその原理に気づき納得すると勇樹は「そうだ」と答える。

 

「おそらく、何日か前にここで決勝することを何かで知って。仕掛けたんだろう…」

「姑息な相手だな」

 

 勇樹の推理に伊江が憤っていると、百合子が「勇樹君! 西住さんが救出作戦を指導しています。指示を!」と通信機からの応答に答えながら言うと、勇樹は「おいおい、指示薬かよ」と苦笑いする。そして。

 

「小森、エンジン始動! その間に美樹姉と伊江は西住を守れ! ウサギさんを助けたらすぐに!」

「おう!」

「「了解!!」」

 

 小森はエンジンを入れてすぐに行動が出来るようにし、幹子は砲台を反対方向に向けて、伊江は黒百合がすぐ来る前にすぐに放てるように砲弾を詰め込む。そして。

 

 

 

「隊長を守れ!」

 

 

 

 ドガアアアアアアアッ!!

 

 幹子はそう言いながら引き金を引くと、砲弾は放たれて黒百合に向けて行った。そして。

 

「準備が出来た。小森!」

「わかった!」

 

 西住が準備できたことを通信機から伝わり、小森に指示すると彼女はアクセルを踏んで前に進んでいく。

 あんこうチームと同じ速度で、ウサギを助けていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ふん、あんなことして、何がいいんですのよ」

 

 その光景を見た小春田は、頬を膨らませながら不満げな顔で言っていると。我狼院は「まあいいじゃないか」と答える。

 

「私たちは今それを狙っている場合じゃない…後ろを見ろ」

「え、後?」

 

 我狼院の言葉に小春田は振り向くと、ヘッツァーとティーガーG型が姿を現した。

 

 

「よーし…」

 

 会長は再び相手に攻撃しようとして砲台を合わせたが…今度はオチキスH35がこちらに向けて砲弾を放った。

 それを見た彼女は「ありゃ」と声をしたその時、目の前で砲弾が着弾し大きな土煙と共に石などが空を舞った。

 

「こりゃ3度目は無理かー!!」

「た、退避だー!」

 

 2台の戦車はそのまま逃げていくと、オチキスH35はそのまま黒百合の軍の中に入っていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 無事川を渡り切ったあんこうチームたちは、そのまま奥の方へと移動していき、黒百合からの攻撃をかわした。

 

「ふぅ、危機一髪だな」

「そうですね…ふぅ」

 

 勇樹と百合子はそう言ってあんしんすると、小森が「問題発生。これは状況によってどうか不明だ」と小森の言葉に勇樹は「ん、どういう意味だ」と反応する。

 

「小森、その言葉の意味って」

「橋だ、岩でできた橋があったが戦車が通れるか不明だ」

 

 小森の言葉に勇樹は「あ、なるほど」と理解する。

 橋でも渡れる戦車であっても、重さに制限があり。なによりも石でできた橋はわたることが出来るか心配だ。

 

『お待たせ―』

『ちょっとミスしたが、大丈夫だぞ』

 

 通信機からカメさんチームの会長と金魚さんチームの祝井が聞こえると、西住が「それじゃあ行きましょう」と言ったため、みんなは慎重に橋を渡し始めた。

 それを見た黒百合の生徒は、小春田に連絡するが。

 

「はぁ、橋ですの? そんなもん知らせる必要はありませんわ」

 

 このようにあきれる彼女であった…が。

 ポルシェティーガーに乗っているレオポンチームが橋を渡っていた、その時。

 

「ここが腕の見せ所、自動車部の力だ!」

 

 ツチヤが両レバーを一気に前に動かすとエンジンから大量の熱が出て聞いてキャタピラーはスピードを増し、一気に前に進んでいく!

 その衝撃で、橋は壊れて渡れない状況が出来た。それを見た西住は目を丸くして無言で見ていた。一方、小春田が。

 

 

「橋が壊れましたの?! くっ、それで石橋を…」

 

 小春田は彼女たちが考えていることがわかったのか納得すると、生徒に『わかりましたわ、こちらは迂回しますから先に行ってください!』と指示を出す。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 大洗のみんなはそのまま前に進んでいき、森の中から市街地へと移動していった。

 廃都市となった場所に西住は「何とか持ちこたえた」と安心する。

 

「これで市街地で戦える…あ」

 

 そう言っていると黒百合の戦車であるFCM36が現れて、彼女たちに見つかると建物の中に逃げていく。

 

「あれはFCM36! 建物の中に隠れていく!」

「軽戦車なら突破できます、追いかけましょう!」

 

 西住の指示にみんなは急いでいくが、勇樹は「おかしい」と考え込む。

 

「え、何が出すか勇樹君? あの戦車はアンツィオのように偽物ではなく本物ですよ」

「逆だ、あの戦車はなぜ逃げるんだ? 普通にげるなら外に出てどこかへと隠れるのに…」

「あー、確かに」

 

 勇樹の言葉に彼女は納得する。彼の言う通り、逃げるなら外に出て何かしらの方法でどこかへと隠れるのが普通、だが今の戦車は建物の中に入っていった。

 まるで「私はここにいるから、捕まえてみて」と鬼ごっこをしているかのように…いや、何か手段があるかのように行動をしている。

 そうこうしていると幹子が「放て!」と引き金を引いて砲弾を放った、その音に彼は「っ!」と目を覚ましたかのように反応する。そしてあたりを見渡す。

 

「伊江、ここは一体」

「マンション街だ、それがどうしたんだ?」

 

 伊江の言葉に彼は「幅がいくら何でも広い」と感じた。重戦車にしては広すぎる。横になって移動したら5台は十分。なのにどうしてFCM36はここに…。

 

 

「逃げる、追う、そして…まさか!!」

 

 勇樹は何かに気づいたのか百合子に「百合子さん、みなさんに逃げるように!」と言うと彼女は「え、ははい!」と通信機を起動する…が。

 

 

 ガガッ!!

 

 

「うわっ!!」

「きゃっ!」

 

 突然戦車が停止したためみんなは驚き、勇樹は「いてて」頭を抑える。停止した拍子で、頭に何かぶつかったようだ。

 

「小森、どうしたんだ?! いきなり停止はするな! 急いで通信を―」

 

 勇樹は小森に叱ろうとするが、彼女は「いや、通信は不要だ」と簡潔に答える。

 その言葉に彼は「なんでだ?」と言うと、彼女は手を震わせながら外に指をさして、こういった。

 

 

「そ、そそそ、外に。でででで、でっかい戦車が…現れたんだ!!」

 

 

 彼女の言葉にみんなは外を見てみると、大きな戦車がいた。その戦車は。

 

「ちょ、超重戦車…シャールC2?!」

 

 多砲塔戦車でもあり超重戦車でもあるフランスの特大戦車、別名『FCM2C』と言われている重戦車が現れた!!!

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