官公庁、『文部科学省学園艦教育係』内。そこには角谷杏、辻簾太、石川勇樹が何かを確認しあうように電話やメモを使って調べていた。
中にいた職員らも、彼らの行動に呆然と立っている刹那、辻が「少しは手伝え!」と指示を出して職員らも手伝うことになった。そして数十分後…。
「そうですか、ありがとうございました」
辻が電話で何かを確認し、受話器を置くと勇樹は「やはり騙されていたな」と確認するかのように言いだす。
「大洗の学園艦を廃墟させるには許可証が必要、本来なら廃校になる予定だが辻が廃校取り消しとなったため」
「計画変更か…それで旅行に行く前にサインで文章の癖をコピーして」
「私の代わりに…廃校にしたわけか」
3人はそう言っていると、職員の1人が「もしかして…偽造ですか?!」と言うと勇樹は「はい、可能性は高いです」と答える。
「だけど、どうして大洗を狙ったんだ? そこがわからないが」
「私もだ、学園艦なら他があるのにそこを狙うのが…」
勇樹と辻がそう言っていると、杏が「それよりも」と真剣に言いだした。
「小春田は大洗の学園艦を狙っているのは事実だね…」
彼女の言う通り、小春田は大洗の学園艦を狙っている。しかしなぜ大洗の学園艦を狙っているのかは不明。
彼らはそれを考えていると、辻が「とにかく」と言いだした。
「この件は流石に見逃すことはできない、いや大変な事件になりかけている。事情は私が」
「そうだね、こっちは西住のお母さんに話してみる。ね、勇樹ちゃん」
杏の言葉に勇樹は「は、はい」と答える。西住との唯一の通信者でもあり経過報告者でもあるからだ。
「そうですね、 今から行くと…本日は難しそうですね。明日から『何言ってんだい』…え」
「あたしを含んでじゃなくて、勇樹ちゃんだけ言って来ればいいよ」
杏の言葉に勇樹は「そうですね…」と冷静に答える。そして。
「先に行っています。会長は皆さんに、役人さんはこの事件を出来る限り外に漏らさないように」
「りょうかーい」
「あ、ああ」
勇樹の言葉に2人は答え、急いで部屋から出る。そして数秒後、役員は「あれ」とある事に気づく。
「なんで私は彼の指示を聞かないと…?」
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熊本県熊本市、みほは転校手続きのため熊本に帰宅している。茨城から熊本までフェリー船『さんふらわあ』に乗り、港から西住流前までバスと徒歩で移動して扉の前まで来ていた。
黒森峰の優勝を逃す行為、いくら母や姉が許されたとしても、先代には裏切り行為だと思われる。それは自分にとって本当によかったのか…そう考えていた、その時。
パラパラパラパラパラパラ…
「え…?」
プロペラの音が突然したため、何かと見上げると。ヘリコプターが西住家に向けてやってきていた。
ヘリはそのまま敷地内に入ると降下する音と同時に停止する音がし、そのまま動く音はしない。
みほは急いで門から中に入り、庭まで行くと『島田流』と書かれたヘリが近くに停止していた。
「島田流…どうして?!」
みほはそう言いながら慌てて室内を見ると、勇樹としほ、まほ率いる黒森峰の生徒が資料を見ていた。
「お母さん! お姉ちゃんに勇樹さん!」
「みほ…これには事情が」
勇樹はみほに話をしようとするとまほが「私が話す」と言いだす。
「みほ、お前たちの学園艦を廃校にした人がわかった…だが」
「相手は元黒百合の生徒…小春田日和なのよ」
まほとエリカの言葉にみほは「え、日和さんってあの…!!」と驚く。驚くのも仕方がない、何故なら彼女は昨年の決勝を妨害し、西住流と黒森峰を襲った犯人だからだ。
「でも、どうして私の学園艦を…同機はこの前話ていたんじゃ」
みほの言う通り、日和がこの事件を起こした動機は『戦車道が嫌い』『みほがいなければ自分は副隊長に慣れていた』。
誰もがその言葉に頭の中に刻み、嫌でも覚えている…だが勇樹が「それなんだが」と言いだした。
「実は怜雄からの話によると、『汽車と船の設計図が部屋にあった』と『防水性に優れた特殊カプセルと防水性が高いテープがあった』と言っていました」
「カプセルとテープ…船なら大洗だというのはこの資料に乗っているけど、どうして…」
勇樹の言葉に生徒の一人が「それなんだけど」と言いだした。その生徒は、ヤークトパンター車長でありあだ名が「直下」の『小島エミ』であった。
「もしかして、その少年…じゃなくて、勇樹が乗っていたあの汽車では? 水中に優れたということは非常に丈夫だと」
「それなんだが…爆発で壊れてしまった」
勇樹の暗い言葉にエミは「あ」と冷や汗をかく。すると三号戦車車長である『根倉望音』が「それだったら」と言い出した。
「先ほどのカプセルでスクリューを付けて遠くに行くとしたら…どこかの地方へと」
「それだったら輸送車の中に入れることが多いよ、回線物に巻き込ませることでばれ難くすることが出来るしな」
勇樹がそう言うと、望音は「あ、そうか」と反省する。そしてしほが「とにかく」と言いだす。
「今は学園艦をどうやって取り戻すかです、犯人は分かりました。ですが本当の動機が」
「これにあるってことですね…それが厄介なんだ」
勇樹がそう言うと、しほは「そうですね」と答える。そして勇樹は「ところで」と言いだす。
「私の隣にいるこの女性は誰ですか」
勇樹の言葉にみんなは一斉に向くと、クリーム色のロングヘアをした女性が正座していた。
「島田千代…あなたも来ていたとは」
「あら、それは少しひどいじゃない? しほさん」
「いいえ、別そこまで行っていませんよ」
西住流の師範である西住しほと、島田流の師範である島田千代の間に火花が散るのをみんなは漢字、後に引き下がる。
するとみほが「あの」と言いだす。それを聞いたみんなは一斉にみほを見ると、彼女は紙を出してしほに渡す。それもそのはず、何故なら。
「転校の…手続きをお願いします」
それを見たみんなは「あ」と気付き、しほはそれを受け取るとサインと印鑑を押して彼女に渡す。
「はい…それとみほ」
「え、お母さん?」
しほの言葉にみほは反応すると、彼女はみほに抱き着いた。そして。
「無理なことはしないで…心が折れそうになったら、私に相談して」
「お母さん…」
しほはそう言うと、みほから離れて勇樹に「勇樹さん」と言いただした。
「彼女の護衛、小梅さんとお願いします」
「わかりました、小梅さんに伝えときます」
勇樹はそう言うとみほを連れてヘリに行き、千代が「では、ごきげんよう」と言いながらヘリに乗って去っていく。
「正直には言えない人ですね…」
しほはそう言いながらヘリを見ると、ヘリはそのまま北東北方面にに向けて発進していった。
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そして夕方、勇樹とみほは急いで廃校に入っていくと、百合子が「あ、勇樹君。みほさん! こっち」と彼女が手を招いたため急いでいくと。会長が何か重要なことを言っていた。それは。
「みんな、小春田から挑戦状が届いた。ご丁寧に手紙でだ」
会長はそう言うとみんなはざわつき始める。そしてポケットから1通の手紙を出す。
手紙には『挑戦状』と書かれていた。
「内容はこう書いている。『3日後、北海道の廃墟で使用されていない遊園地を含む敷地内で対戦を行う。のちの情報は後から送る』と」
「北海道って…確か黒百合の?!」
沙織の言葉に華は「そう言えばそうでしたね」と答える。
「でもどうして対戦場所を黒百合に…それ以外に情報は?」
「残念だけど手紙には『のちの情報は後から送る』と書いているだけだよ。詳しくは分からない」
小梅の言葉に会長は答えると、伊江は「そう言えば」と思い出したことを言いだす。
「小春田以外に、仲間はいるんじゃないか。いくら小春田がやったとはいえ一人だと限度がある…」
伊江の言葉を聞いたみんなは「確かに」と同時に答える。すると勇樹は「それもそうだな」と思うと同時に、話を遮るかのようにこう言った。
「怜雄から情報が手に入った、しかも今回は大きいぞ。黒百合から消えた生徒の情報」
「それってまさか!!」
「ああ…小春田と共に行動をしているメンバーがわかるはずだ」
勇樹の言葉に秋山は「それは大きい手掛かりです!」と答える。