「どうだ伊江、相手の動きは?」
勇樹は伊江に向けて言うと、彼女は双眼鏡を使って黒薔薇の動きを見るが。
「だめだ、巨大メカを小さくしたか地面にもぐった可能性がある。それに戦車は元から低いしM3リー道に大きいのはないからな」
「そうか…ごめんな」
勇樹は伊江の謝ると彼女は「いいよ別に」と言いながらT-34/85に乗り込む。
勇樹たちは、アブ引き部専用のメカを使用しない代わりにT-34/85に乗り込んで戦うことになった。
現在勇樹たちは、大洗の戦車であるⅣ号を右から黒森峰、聖グロ、サンダース、アンツィオ、プラウダ、継続、知波単、青師団、BC自由学園、アブ引き部、大学選抜と言う風に並んでいる。
なお、全員で行くと危険が高まるため、各チームの戦車は数台敵の動きを知らせるように別行動をしている。ちなみに勇樹の後ろには、ティーガーとルノーF1、クレセイダーとともにこうどうしている
「さすがみほちゃんこの作戦は思いつきませんね」
「西住はこれを思いつくのが得意からな…にしても大丈夫かな?」
百合子の言葉に小森は答えていると、勇樹は「そうだな」と答える。
「相手は黒薔薇、一応道具は大量に用意したからみんなに渡せることはできたが…何か不穏が…」
真剣な表情に幹子は「そうだね」と同意するように答える。すると百合子が「あ、通信です」と言いながら勇樹に言うと同時に道具に1つである『伝書バト・テレビ』を起動する。
『こちら大隊長車、相手の動きはまだ確認できていません。慎重に行動してください!』
「おー、改造して正解だな」
伊江の言う通り、例の道具には通信機から出も受送信が出来るように改良しており、文字が打てなくてもマイクで使用できるようにしている。
すると今度は『アンチョビ』と名前が浮かび上がる。どうやら報告があるようだ。
『適集団発見! 2列1行型でゆっくり進んできている! メカは後ろに2台いる、姿は…ピラニアだ!』
「なるほど…分けて正解だ」
勇樹はそう言いながら百合子とともにメモをしていく、すると今度は『西住まほ』と名前が表示される。
『了解した。大隊長、ひまわりは高知ふもとに達した。今先遣隊を送っている』
まほの報告に勇樹たちはメモをしていると、伊江が「先遣隊…ってなんだ?」と頭を傾ける。それを聞いていた麻子が『解説する』と言いだした。
『先遣隊とは、その名の通り先に派遣する部隊だ。相手の動きを知るためにワザと用意したと思う』
「なるほど…」
麻子の言葉に伊江は納得すると今度は『角谷杏』と『カチューシャ』が表示されている。
『頂上に敵はいないみたいだよ~』
『だったらすぐに取るべきよ』
『大隊長と勇樹の判断に請う』
まほの言葉に勇樹は「あ、忘れていた」と慌てて咽頭マイクを起動する。それと同時に『西住みほ』と名前が画面に表示する
『罠かもしれませんから、十分に警戒してください。退路を描く飛しつつ、散会しながら前進、敵に遭遇した場合は無理ないようにお願いします』
「そして、各自あらかじめ用意した道具『虫の知らせ』を起動してください。いつどこで何が起きるか分かりません。お願いします」
勇樹とみほがそう言うと、伊江は「これだなっと」と言いながら虫かごにスイッチを入れると中にいる虫が起動し飛び始めた。
「これで準備は完了…それにしても小森操縦うまいな」
「ま、これくらいは余裕だ」
小森はそう言いながら操縦機を動かすと、T-34/85は木をよけてながら進んでいく。すると。
『有利だが、包囲分断される危険性がある。他のチームとの連帯が取れなくなるかもしれない』
『M26なんてノボルの遅いし、ここは行くしかないわよ!』
まほとカチューシャがそう言っていると、今度は『ノンナ』と名前が表示される。
『とれば戦術的に優位に立てますね』
ノンナはカチューシャの作戦に同意するとまほが『確かに優位だが』と言い始める。
『これはわざと山頂を開けているかもしれない』
まほがそう言っているとカチューシャは「大丈夫よ!」と自慢げに言いだす。
『あなた、なんだかんだ言って妹のこと信じてないのね!』
「おいどう意味だこら、当ててやろうか?」
カチューシャの言葉に切れた伊江は、そばにあった砲弾を持っていくのを幹子と百合子は急いで押さえつける。すると、
『ノンナなんて、どれだけ私を信じているのか! 私が雪を黒いと言えば、ノンナも黒いって言うくらいよ!』
『理屈が雑っすよ…』
「あ、霊華ちゃん」
カチューシャの言葉を突っ込むかのように『極道霊華』と名前が表示すると同意にツッコミを入れる。それを見た百合子は反応する。
『信じるのと祟拝するのは違う』
『うっ、うう』
「納得したなっ」
まほの言葉にカチューシャは苦虫をつぶしたかのような声を出すと、伊江は砲弾を置いて椅子に座った。
『確かに、試合が長引くと経験の多い相手が有利だ。序盤で戦果を挙げておきたい…行くか』
「行動開始したな」
小森がそう言うと、幹子が「そのようだね」と立方体型の特殊ケースを開いてそこから移しているパソコンの画面を見ていた。
このケースは、ただのパソコンではなくキーボードの『SPY』を入力するとキーボードから小型の衛星カメラが出てきてスパイ行動として活躍できる一種の探査道具。
「美樹姉、それで変化は?」
「ないね…百合子君は?」
「カチューシャが『さあ行くわよ、203高地よ!』と表示されています。それ以外は問題ありません」
百合子の言葉に伊江は「今のところはないか」と言うと勇樹も「そうだな」と答える。
すると、今度は『西絹代』と『エルヴィン』『カエサル』の名前が表示される。それを見た伊江は「お、あの人か」と反応する。
『おっ203高地ですか!』
『プラウダはどんな戦いか知っているのか!?』
『負ける気か?』
それを見た伊江は「大丈夫か…プラウダ」と逆に心配された。するとどんどん名前が表示されると同時に指示と命令が表示されていく。
『水仙はひまわりの左翼をそのまま進んでください!』
『OK』
『わたしたちは?』
『朝顔チームは、ひまわりの右翼の高知脇を前進、援護をお願いします』
『成功は大胆不敵の子供、最初から勝負に出るのね』
「確かに、そうだな」
勇樹はそれを答えるかのように言った…その時。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『ビーッ! ビーッ!! ビーッ!!!』
「にょわっ!! な、なんだ!?」
突然鳴り響く警報音に伊江は驚いていると、百合子が「虫の知らせが反応しています!!」と言い虫かごを見せると、赤色に変色して騒いでいた。
「これは…ルノー、ティーガー、クレセイダーに乗っている人に連絡、どこかで黒薔薇がいると!」
「は、はい! 通信機で!」
勇樹の指示に百合子は慌てて後ろにいる仲間に通信をしていた…その瞬間。
カタカタカタカタ…
「お、おおお?」
突然、道具のカバンが揺れてきたため幹子は何かを思って外を見ていた…その時。
『左方に地面盛り上がっていますわー!!』
「なにっ!?」
ローズヒップの声に小森は急いで操縦機を動かして急ブレーキを入れる。
ギギギギギギイィィイイイイィィィィィィィッ!!! ガゴガゴガゴゴゴッ!!!
突然のブレーキに、後にいた戦車はぶつかり合い何とか停止した。
小森は「お、教えてくれて。ありがとう」とローズヒップにお礼を言った。その瞬間。
ドドドドドドドドドド……ドガアアアア!!!
「あ、あれは!?」
地面が盛り上がると同時に何かが出てきて砂や土が辺りをりらばっていく。
その姿は巨大なドリルが付いた蒸気機関車型のメカが出てきて、ドリルがしまうと同時に砲台が出てきて砲台を彼らに向ける。
「…っ! 小森、バックを!! 百合子さんは指示を!!」
「わ、わかった!!」
「はいいっ!!」
勇樹は我に返ると2人に向けて指示を出すと、百合子は後方の戦車に通信をし、小森は操縦かんを動かして後退していく。
小森が動かしていると、クレセイダー、ルノー、ティーガーは急いで後ろに逃げる。
「みほ! こちらカンガルーチーム、今黒薔薇だと思われる汽車メカと出会ってしまった! 急いで後退していく!!」
『わかりました! 急いで後退してください!』
みほの言葉に彼は「わかった!」と答えると、今度は伝書バト・テレビから『脱落者』と表示される。
「百合子! 今度は!?」
「だ、脱落者です! どうやら黒薔薇でやられた人が!!」
百合子の言葉を聞いた勇樹は「なんだって?!」と驚くと、『CV33、九七式とパンター。脱落』と表示される。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ほぅ、これはすごいな」
その頃、T-14に乗っている一行は。小春田から渡された『勝敗カウンターモニター』を見ており。そこには先ほどの戦車がやられる映像が映し出されている。
「小春田もなかなかだな、面白い展開だ…井上由美、加速しろ。加藤理恵、装填準備を」
「了解っス!」
「もちろんだ」
小柄で黒色のショートヘアーをした少女『井上由美』は戦車の速度を上げ、右目が赤色で左目が黒色のオッドアイで白色のポニーテールをした女性『加藤理恵』は、砲弾を想定した。
「さて…こいつらはどう行動するのか楽しみだ…」
一行はそう言った途端、天気は晴れなのに闇を現すかのように曇ってきた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「む、曇り…?」
Ⅳ号を操縦していた麻子は、突然の天気に気づき上を向く。まだ晴れていたのになぜだ。
「沙織、確か風吹いていたか?」
「え、確か吹いていたけどそんなに強くは…」
「どうしたんですか麻子さん」
麻子の質問に沙織は答えていると、華は何があったのか言うと彼女は「妙なんだ」と答える。
「妙って…どこが?」
「空が突然曇ったことだ、風はそんなに強くないからおかしいと思った」
「確かに…ですがどうして」
「考えるのは一つ、石川さんが言っていた『黒薔薇』だ」
麻子の言葉に華と沙織は「え?」と疑問を浮かべているが、彼が言った言葉を思い出していくことに…すると。
『あいつらはセコイ事と汚いことをするのが得意だからな…今のところは…』
「……あー!! もしかして!!」
「ああ、もう実行されたようだな」
そう、麻子が言いたかったのは相手の行動。実はもう黒薔薇の作戦は実行していた。
『ピピピピッ!!』
「うわっ、何?!」
すると今度は沙織が持っていた『伝書バト・テレビ』から着信があったため急いでみると、『脱落者』と同時にメカが映し出される。
『タートル・エジソン、車海老メカ。壊れた個所が大量なため行動不能』
「み、みぽりん。これって!」
「黒薔薇が私たちを崩しに来たようですね…っ!!」
沙織の言葉にみほは画面を見ていると。どこから砲台の音がしたため急いで麻子に「停止してください!」と指示を出すと、麻子はレバーを動かして戦車を停止させる。すると。
シュッ!! ドガアアアア!!
左から砲弾が流れて地面に着弾する。Ⅳ号と砲弾の距離はわずか数センチほどずれていたため、当たらずに済んだ。
「危ない! もう少しずれていたら…」
「やられていたな」
麻子はそう言うと、みほは各チームに「右に敵がいます!」と指示を出すと。磯部から通信が入ってきた。
『左から茂木が来ています! カバ型のメカで、口から砲弾を放っています!』
『敵戦力増大中です!』
磯部とカルパッチョの報告を聞いていると、ダージリンが『みほさん、指示を!』と声がした。みほは「大隊長車より」と通信し始める。
「水仙、たんぽぽ各車へ! 前後に移動を行って相手の車線に入らないようにしてください! 高知の上に向日葵が到着するまで耐えましょう! 西さん! 無理な突撃は極力避けるようお願いします!」
『え、あー…かしこまりました』」
みほの言葉に西は戸惑いながらも、了承する彼女であった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そうしている間、まほたちは頂上へと着いた。
「こちらひまわり! 高地頂上に達した!」
『203奪取よ!』
『『ウラァー!!』』
カチューシャとプラウダ一同にまほはあきれるのであった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「放てえええっ!!」
「それっ!」
ドガアアアア!! ゴオオォォンッ!
勇樹の指示に幹子は砲弾を放つが、汽車型のメカに当たるが走行は無傷。クレセイダーやルノーも放つが無傷。
「どんだけ固いんだ!?」
「わからねぇ! だがお金をかけているのは事実だな!!」
勇樹は驚くかのように言い伊江は文句を言いながら砲弾を装填していく。
すると、伝書バト・テレビから『砲弾開始されました』と文字が出てきた。
「勇樹君、攻撃開始したようです!」
「相手もついにやってきたか…こっちはもうやっているけどな!!」
ドガアアアア!! ガアアアンッ!!
勇樹は苛立ちながらも砲弾を放っていくが、汽車型のメカは無傷。すると。
ボガアアアアアアッ!! ドガアアッ!!
汽車型のメカから放たれた砲弾は勇樹たちを避けて近くの大木に当たると大爆発し、砲弾の摩擦により炎が発生した。
「あぶなっ! もう少しずれていたらこっちもやられていた!!」
「そ、そうですね…」
『あぶねーところでしたわ!』
『まぁ、ポッポコーンみたいね』
『いやそこ羽で弱くはないが?!」
勇樹は顔を青ざめていると、通信機からローズヒップとマリー、祝井の声がした。
それを見た百合子は「あれ」とある事に気づく。砲弾を放った砲台の周り。特に装甲が少し赤いことに。
「おかしいですよ勇樹君、あれ汽車ですよね」
「え、まぁそうだけど」
「だったら普通蒸気を作るボイラーや水があるじゃないですか、それなのにそれがなく装甲が赤いって…もしかして」
百合子の言葉を聞いた勇樹は「あれ…もしかして」と考え込んだ時、通信機から丸井の声がしてきた。
『なっとくー、そこに向けて攻撃したらいいのー?』
「丸井さん! そうですよ!!」
『え、どういう意味ですの?』
『細かいことJは後、じゃあ2組左右から攻撃開始ね』
「マリーやるじゃん!」
小森はそう言いながらレバーを動かすと、T-34/85とティーガーは右にルノーとクレセイダーは左に移動し、汽車型のメカへと向かっていく。
そして汽車型のメカは争点が終わると一気に放っていくが。
ドガアアアアッ!! バゴオオオオオッ!!
左右に割れていたため攻撃は当たらずそのまま地面に着弾する。そして。
「目標、汽車型メカ…放てええっ!1」
「そっれぇっ!!
カチッ! ドガアアッ! ドガアアッ! ドガアアッ! ドガアアッ!! バガアアッ!!
勇樹の指示に幹子は引き金を引くと、各戦車は一気に砲弾しメカの装甲を貫いた。そして煙突から黒い煙が出てメカの速度が低下していき、止まった途端煙突から『パフっ!』と音がした。そして。
バシュッ!
「っしゃあああっ! 成功だ!」
『『ヤッター!!』』
無事4組の力で汽車型のメカをやっつけることに成功した。だが。
「ゆ、勇樹君!! カチューシャさんたちに異変が!」
「って、異変!?」
「はい! 今情報を!!」
百合子の言葉に彼は驚き、彼女はパッドを動かして情報を彼に「どうぞ!」と渡す。そこに映し出されたのは。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その頃カチューシャたちは…。
『左翼的集団、朝顔を突破して我々の後方へ進行中』
「朝顔を援護するわよ! 蹴り落としてやるんだからっ、用意はできた?!」
カチューシャは黒森峰の小嶋が乗っている戦車に向けて言うと、彼女は『準備完了です、射点に着きました!』と答える。
「中隊長、良いわね!?」
『攻撃を許可する』
まほの許可を得たカチューシャは「わかったわ」と答える。そして。
「撃てぇっ!!」
各戦車に指示を出した…その時!!
ドガアアアァァァァァァァァァァァァァァ!!!!
「うええええっ!?」
突然大爆発と共に砂煙が発生し、彼女は驚く。
『だんっちゃーく!!』
「何なのよぉー!!」
『どうした?!』
驚くエルヴィンに対して、カチューシャは怒っていると。まほから連絡が出る。そして杏が答える。
『あーこちらひまわり、上から飛んで北っぽいぞぉー。すっごい大きい奴らから小梅ちゃんが勇樹ちゃんの道具で解析している』
『出ました! これです!!』
小梅の声に杏は『どれどれ?』と見た途端、彼女は『あー、これか…』とあぜんするかのように声がすると同時にこう言った。
『巨大な海亀みたいなメカの甲羅に12以上のも砲台が付いている…厄介なことに、ドクロみたいなのが付いているよー。今映像送る』
杏はそう言って、各チームに例の映像をパッドに送ると、衛星から映し出された画像が出てきた。
ここから数キロ先…池はなく渇水となったところに巨大な海亀型のメカがいて、背中にはウェディングケーキのように砲台が4つずつついている。巨大なメカが用意していた。