「ムカデ型メカ『デビル・セヌピード』、その大きさは最低40メートル最大150メートル!?」
「まぁ、虫が苦手な人は自国のようなものですね」
「お化けじゃないのは安心したが、結構大きいな…T-28よりもすごいのか?」
勇樹から渡された使用を見て沙織と華は驚き、麻子は彼に質問すると、本人は『すごいですよ』と答える。
『装甲に使用されている鉄は黒曜石並みに堅く、ダイヤモンドの成分と同じ砲弾でなければ壊れず、口についている砲台は約100㎜でその威力はスカイツリーを簡単に破壊します。2本の履帯が左右についていまして、1本が壊れたら外してもう1本が稼働するようになっているのです」
「戦車には搭載していません…弱点とかは?」
『今のところ、不明ですね…溶岩のように非常に熱い液体をかける以外は』
「ここ北海道だよ火山とかはないし!」
勇樹の言葉に沙織は突っ込むと、みほが「沙織さん、落ち着いてください」となだめる。すると勇樹は『そう言えば』とある事を思い出した。
『あのメカですが、実は砲手と装填手はメカの顔、つまり砲台にいまして胴体のどこかに操縦手と通信手と車長がいます。胴体のどこにいるからは不明ですが、その下にはメインエンジンがたくさんついていまして。そこを壊せば何とか弱まります』
「真下…詳しい所はどこのですか?」
『ごめんなさい、設計図にはそれらしき操縦席は乗っていないのでわかりません。ですが相手の攻撃を防ぐとしたら一番分厚い装甲にいると』
「分厚い所か…砲手が一斉に攻撃すれば何とかわかるな」
勇樹の言葉に麻子は冷静に答えると、みほは「勇樹さん、情報ありがとうございます」と答えると、通信を起動してみんなに伝える。
「皆さん、勇樹さんからの話ですが。相手の弱点は装甲が分厚い所にいると思われます。その真下にはエンジンがありまして、そこを壊せば行動不能になります」
『わかりました!』
「サンダースの皆さんは、急いで向かってください」
『もう向かっているわ』
みほの言葉にケイは答えると、今度は桜が『それとだけど』と答える。
『あのヨウコはどこに行ったの? 見かけないけど』
『私は大丈夫…分厚い所はどこか聞いた。試しに探してみる』
ヨウコの言葉を聞いて華は「一体、どうやって探すのでしょうか?」と頭を傾げるのであった。
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ドガアアアッ、ドガアアアアアッ!!
ダダダダダダダダッ!!
キンッカンカンッ!!
その頃、聖グロと青師団ともワイルドモグリーノとドクター・バッキンバキンは、デビル・セヌピードに向けて攻撃を放っていくが。黒曜石を使用した硬度が高い装甲のため、砲弾は跳ね返ってしまう。
そうしていると、杏たちが応援にやってきた。
「お待たせ―」
「うわデカい!!」
「そして怖い~!!」
「大きいね、どうやって動いているのかな?」
杏の声に典子、優季、ナカジマは驚いていると、メカの目は彼女たちが乗っている戦車をにらみつけると速度を上げていく。
攻撃していくがどんどん進んできたため、ダージリンは『2ブロック後退』と指示を出すとみんなは後に後退していく。
そうしていると、デビル・セヌピードが出てくると同時に、背中から全戦車と黒薔薇のメカであるピラニアと豚型と宝石箱型のメカが出てきた。
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「西隊長! 味方の機器ですよ、直ちに総攻撃に向かうべきでは?」
「そう言うな玉田、これも作戦だ」
玉田は応援に行く事だというが、西は福田の考えた作戦を信じているのか、安心させるように答える。
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そして、南正門にいる黒森峰とプラウダは。黒薔薇が入ってこないように防衛している。
「4両しかいないわね…マホーシャ、私たちをひきつけておくだけみたいだけど。どうする?」
「わかった、行こう。エリカ頼む」
『はい!』
カチューシャの言葉にまほは答えて、彼女はエリカに頼んだところ。彼女は嬉しそうに答える。そして。
ガガガガガアアアアッ!!!
まほが乗っているパンターG型は前に出ていくと、時計型のメカがそれを定めて攻撃する。だが僅かに掠れて攻撃は失敗した。その瞬間。
ドガアアアアアッ!! ガンッ!! シュポッ!
パンターG型から放たれた砲撃は時計メカの胴体に当たるとばねがとびだし、それと同時に白旗が出てきて行動不能となった。
それと同時に隣にいた時計メカに放つと、胴体についていた歯車は壊れて白旗を出した。
そしてそれを楯にするかのように後ろに隠れると、反対側にいたM26に攻撃していき1両は行動不能になる。
それと同時にカチューシャはもう1両のM26に攻撃して行動不能となった。
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その頃…西門では、黒薔薇のメカであるヤドカリ型のメカと轆轤型のメカが入ってきてあたりを見渡す。
「敵影なし…よし、行くか」
操縦手はそれを確認し終えるとメカを動かしていく、対岸側にもいないことを後ろに伝えながら橋の上を進んでいくと、装填手が「あれ?」とある事に気づく。
「どうしたんだ?」
「はい、あの湖に浮かんでいるアヒルなんですが―」
装填手は砲手に何か伝えようとしたその時、轆轤型のメカの胴体に何かが当たったため車長はあたりを見渡すと、空中回路の旧砲塔チハが攻撃をしていた。
「敵発見、攻撃用意」
「はっ! 攻撃用意!」
車長の言葉に砲手はレバーを動かすと砲台は空中回路に向けて動き、装填手が砲弾を入れ放とうとした。その時。
パァァアアアアッ! ドガアアアッ!!!
「な!?」
突然アヒルの頭が割れると同時に砲弾が放たれた音がし、履帯のパーツが壊れて装甲不能になった。
「嘘、あのアヒル偽物?!」
「後退に次ぐ、急いであの戦車に攻撃して!」
通信手は急いで後ろに通信していくが、今度はボートから放たれる音がし最後尾の魔法瓶型のメカに着弾する。
しかし魔法瓶型のメカは、装甲が熱いため簡単に壊れなかった。その時。
「よし、今だ!!」
「うおー!!!」
西の合図に各戦車は陸に上がり、ヤドカリ型のメカに向けて放った。
それと同時に、砲弾を放つとメカに亀裂が広がっていき。頭から煙が出てくると同時に白旗が上がる。
「玉田よくやった!」
「さすが勇樹殿の道具であります!」
福田はそう言って青色の香水を見て喜ぶ。実はこの香水は一見香水に見えるが、正式には香水風のスプレー。
この道具は『バルーン・スプレーの素』と言う変わった道具で、風船に向けて模様をイメージしながら放つと、自動で模様が出来上がる特殊な道具。効果は約30分。
福田は風船を出して膨らませ、それにスプレーでアヒルの頭を作り、かぶらせてやったのであった。
「よし、もういっちょ! おりゃー!!」
「それくらいにしておけ! 戻れ!」
玉田はもう一台攻撃しようとしたが、西がそれをやめるように言うと、魔法瓶型のメカの胴体から砲台が出てきて玉田の戦車に向けていた。
玉田は「って、あれ…?!」と目を丸くしていると、操縦手が急いで後ろに下がるように動かしたその時、砲台から強力な砲弾と爆発がして、玉田の戦車は後ろに急速で下がると同時に水中に入っていく。
西は「後退的前進!」と急いでみんなに指示を出して逃げていると、黄色ボートに砲弾が当たり、ボートはどこかへと飛んでいった。
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「相手の狙いはどうやら火力を利用して拡散していく事だな…」
『はい、各子撃破することですね』
『バラバラに軟化させないわよ』
勇樹は通信機からみほとケイの言葉を聞いて、彼は「それにしても…」とハッチから頭を出してあたりを見渡す。
「この遊園地…どこかで見たことあるような…?」
廃遊園地を見て彼はつぶやいていると、伊江が「報告だ」と言いだした。
「今西たちはサファリパークにいて例の作戦を実行…だが失敗、撃つ前に風船が破れてしまった」
「おいおい、その風船結構高かったんだぞ…しかも費用したゴムを集めるだけでも精いっぱいなのに」
伊江の言葉を聞いて彼目から涙を流していると、百合子が「あと、少しピンチです」と言いだすと彼は「え」と泣くのをやめて百合子の話を聞く。それは。
「ウサギさんとダイスチーム、逃げる方向を間違えてしまい難を逃れましたが…他追われています」
「まじか…じゃなくてそれはピンチじゃないか?! 急いでいくぞ!」
勇樹はそう言うと小森は「エンジン始動」とエンジンを入れると戦車は起動し、ダージリンたちのところへと向かっていく。
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「あわわわっ! は、離れているよ! 急いで修正を!」
「無理無理無理! 虫みたいなのよどうやって倒せばいいの?!」
「六巳ちゃん落ち着いて!?」
一史は急いで戻すように言うが、操縦手の六巳は恐怖とパニックにより混乱してしまい。双葉が落ち着かせるようにしている。
すると三太郎が「ねえ、少しいいかな?」と言うと、一史は「なに」と言うと彼はこう答える。
「黒薔薇なんだけど、ボクたちと梓ちゃんたちを残して何かを一ヵ所に集めるようにしているんだけど…気のせい?」
「一ヵ所…確かにおかしい」
三太郎の言葉に一史は地図を出してみ見てみると…今度は四音に「四音、確かこの先って…」と言うと、彼女も「ああ」と答える。
そう、バラバラのようにしている物でも、ある場所に集まれば危険…ネズミ袋でも水がある場所でもない…その場所は。
「YO地点だ…しかもコンサートがある!」
「上がっても攻撃されて、無理にしようとしたら…あれが」
五郎はそう言いながら外を見ていると、五月女の各戦車と黒薔薇のメカ、そして巨大メカである『デビル・セヌピード』が出ないように固定している。
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囲まれた大洗連合、目と鼻の先に巨大メカと4両のT14、そしてその後ろにはデビル・セヌピードが囲まれていた。
T14の合図に各戦車はゆっくりと進んでいく。痛みをすこしずつ味合わせていくかのように。
「行け! くさびを打ち込め!」
「砲撃開始だ!」
すると、後から西たちと雅緋たちのメカ、ブラック・クローがやってきてメカに向けて突進していくが、デビル・セヌピードが胴体を分離して攻撃をかわし、彼女たちもコンサートの中へと吸い込まれる。
「って、これはアリジゴクなんか?!」
「やられたよー!」
巻き込まれたことを感じた日ノ本焔と楓はそう言うが、後の祭り。デビル・セヌピードは胴体を合体して元に戻る。
まほたちも急いできたが、宝石箱型のメカから放つ砲弾に近づけない状態になっている。
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「残っている道具はこれだけ…どうしよう」
梓たちは丘から大洗のみんながピンチになっている光景に焦っている中、彼女は勇樹からもらった道具を見て確認している。
このピンチを救う方法はないかと。
「ねえ梓、この槍で戦車を持ち上げて言ったらどうかな?」
「それじゃあ無理だよ、持ち上げるのは限度があるって聞いたから」
「じゃあロープでまとめよう! そしたら一本でも行けるし!」
「桂里奈、このロープは10mある、一両だけでも抑えるのが精いっぱいだよ」
「それだったら衛星で…あ、無理か~」
「もう、真剣に考えて!!」
あやたちが真剣に考えたりふざけたりしている中。沙希が梓の肩をたたく、梓は何かと沙希に向くと、彼女はチョウチョに向けて指をさす。
「沙希、チョウチョは後にして! 今試合中だから」
『沙希…あんた天才じゃん』
梓の言葉に続くようにヨウコが突然通信機からしたため、あゆみは「ヨウコさん?」と反応する。そして沙希は青色の香水型のスプレーを手にして、こう言った。
「観覧車」
梓たちは何かと思っていると、梓は「そうか! 観覧車と言えば!」と思いつく、それに続くかのようにあやたちも「そうか!」と続くかのように思いつく。だが。
「あ、でも錆びているのか分からないから、少しは…あ」
梓はあたりを見渡していると、一史たちが乗っている『ブンボーガー』がやってきた。それを見た彼女はあやに「あや、一史たちにも」と言うと彼女は「わかった!」と答える。
一体何を考えているのやら…。