電光超人インフィニット・ストラトス   作:京橋

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今回はグリッドマンは空気になってしまったw







第五話 天城家と更識家

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 グリッドマンにこの世界の情勢や技術力などの情報提供を終えた雷士は家に戻ろうとしていた際、謎の黒服の男たちに取り囲まれてしまった。

 

 パソコンからのハッキング染みた行為に対しての政府からの者かと思ったが、男たちの間から現れた【更識 楯無】と名乗る少女は雷士を迎えに来たと伝えてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 日本の古風溢れる畳の部屋。外から聞こえる鹿威しの竹の音がリズムよく聞こえてくる。そんな部屋の中央に雷士は一人、正座で座っていた。もちろんグリッドマンは待機状態のアクセプターモードになって雷士の左腕に装着されている。

 

 そして暫くすると廊下側の襖が静かに開き、着物を着こなし、扇子を手にした更識家の現当主である【更識 楯無】が現れ、雷士の正面に静かに座った。

 

 

「それじゃあ、改めて…私は更識 楯無。この更識家の現当主をしているわ」

 

「あっ、初めまして…天城 雷士です…」

 

 

 ニコリと笑顔で自己紹介する楯無に雷士は緊張しながらも挨拶を交わす。

 

 あれから黒服の男たちと楯無に車に乗せられた後、彼女の家である更識家に連れてこられた雷士は、当主との謁見の間である部屋に案内され、今に至る。

 

 そして彼女の口から更識家が昔から各国の裏工作を仕掛けてくる存在に対抗するために日本を支える影の組織である対暗部用暗部である事を説明された。

 

 しかし見た目は同い年くらいの少女が当主をしているという事には、さすがの雷士も彼の左腕に装着されているアクセプターの中にいるグリッドマンも驚いていた。

 

 

「それで、更識…さん。俺みたいな一般人に一体何の用で?」

 

「その前に謝らせて……君を迎えに行くのが遅れて、ごめんなさい」

 

「えっ?」

 

「本当なら、君のご両親……宗二郎様と飛鳥様がお亡くなりになった時に、すぐにでも私は君を迎えに行こうと思っていたの……」

 

 

 彼女の口から出た名前に雷士は驚きの余り黙ってしまった。迎えに行く?何故?どうして亡くなった両親の事を知っている?……その言葉に雷士の頭は混乱する。

 

 

「その様子だと何も知らないみたいね……いいわ、話してあげる。更識家の当主である私が君の両親の事を知っているのか…そしてその関係も……」

 

 

 雷士が混乱している様子を悟ったのか、楯無は静かに語りだした……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 雷士の父親である【天城 宗二郎】は、更識家傘下の暗部の中の一つ、“天城家”の当主であり、同時に更識家とは遠縁の親戚でもあった。

 

 宗二郎は若き頃から暗部の中でも優秀な方であり、雷士の母親である飛鳥と結婚した後も更識家の若手暗部たちの訓練監督なども請け負っていた。

 

 そんな若手の暗部たちの中に彼女…楯無の姿もあり、彼女自身も宗二郎を慕っており、個人的にも交流を深めたりしていたという。

 

 そして雷士の母親である飛鳥は、一般の家庭の出でありながらも心優しい大和撫子を体現したかのような女性で、幼い頃の楯無や彼女の妹も自分の娘のように可愛がってくれたようで、時々文通などで交流を深めていたという。

 

 

 

 

 

 

「そんな……父さんは普通の会社員だって母さんから聞いていたのに……」

 

「それはたぶん飛鳥様が君には普通の子供として成長してほしかったんだと思って隠していたんだと思う。暗部の仕事は危険と隣り合わせ……その事を君には言えなかったんだと思う。飛鳥様は優しい方だったから」

 

 

 自分の父親である宗二郎が知らないところで暗部の仕事をしていたことに驚く雷士に、楯無は少し申し訳なさそうに説明してくれた。

 

 

「それから数年後………君の左目の傷を作る切掛けになった事件、白騎士事件の起きた後…私は前当主に君の保護を進言したんだけど、当時の私はただの一介の暗部の未熟者…そんな者の物言いを聞き入れてもらえるわけもなくてね……それから私は死に物狂いで実力をつけて当主の座に登りつめた。君を救いたいだけにね」

 

 

 彼女はそう言いながら雷士に近づき、雷士の左頬に手を添えて彼の左目付近の古傷に触れる。その行為に雷士はビクッと顔を真っ赤にして反応するが、何故か振り払えなかった。

 

 

「でっ、でも……何で俺なんかの為に?」

 

「君を救いたかった…というものあるけど、一番の理由は宗二郎様に恩返しをしたかったからかな」

 

「恩返し?」

 

「そう。私にとって宗二郎様は恩師であり、父親のような存在だった。その息子である君を独り身にしておくわけにはいかなかったからよ。でも結局、時間がかかって今更になっちゃったんだけど…」

 

 

 雷士の古傷を優しく触れながら楯無は彼を迎えに来た理由を話す。彼女は添えていた手を離すと、少し後ろに下がって再び雷士を見つめる。

 

 

「それで、雷士君に一つ私から提案があるんだけど、いいかな?」

 

「提案?」

 

「うん。雷士君、私…いえ、更識家は君を養子に迎えようと思っているの。もちろんこれは当主である私が決めたことで周囲の者は既に話は着けてあるわ」

 

 

 雷士に養子の提案する楯無は手にしている扇子を広げると、“了承済み”と描かれていた。まさか日本を影で支える暗部の更識家に養子に来ないかという案には雷士は目を見開いて驚く。

 

たしかに今の雷士は生活面ではギリギリの状態で、もしここで養子案に了承すれば少なくとも生活と住む場所は確保できる。しかし……

 

 

「……更識さん、その提案は嬉しいんですけど……」

 

「……」

 

「俺は更識の名を名乗る気にはなりません。もしここで天城の名を捨てるという事は父さんや母さんの生きていた証が無くなっちゃうんじゃないかと思うんです。だから天城の名前は変える気はありません!」

 

 

 楯無からのせっかくの提案を無にしようとする雷士の言葉に、この場に楯無以外の更識の暗部の者がいたら確実に非難の声が上がっていただろう。だが、そんな雷士の言葉に楯無は笑みを浮かべて笑い出した。

 

 

「ふふふっ、思っていた通り、君は本当に宗二郎様と似ているわ」

 

「えっ?」

 

「君のその何よりも変える気のない強情なところ…宗二郎様でも同じことを言っていたと思う。改めて君が宗二郎様の実子だと再認識できたわ♪」

 

「それじゃあ……」

 

「更識家の現当主、更識 楯無の名において、天城 雷士殿を更識家の養子として認め、天城の名はそのまま雷士殿に継がせることを認めます」

 

 

 楯無は笑いながら雷士が更識家の養子になっても、天城家の名をそのまま継ぐことを認めた。

 

 

 

 こうして雷士は、更識家の養子として迎えられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

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