エニグマの少年   作:冬木

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戦闘描写って難しいね。


えーぐみ

「テメェが入試トップだってなあぁ!!!クソ銀髪野郎!!」

 

 やあ。さっそく教室に入った途端に絡まられてる宮本輝之輔だ。

 

「それは君が敵を倒すことしか考えてなかったからじゃない?」

「ああん?」

「ちょっとは他の受験生のことも考えてれば、君が入試トップだったかもね。」

 

 自己紹介もしないで、すぐ絡んでくるとか辞めてほしい。

 このモブ野郎も付けとけばよかったかな?

 

「っち!!このクソがぁあああ!?」

 

 あ、席に帰った。割といさぎいい。

 名簿を見る限りだと、俺の代わりに落ちたのはあのへそビームの子か。

 とりあえずあやまっておこう。ごめんよ。南無……

 

「朝からどんでもない奴に絡まれたなあ。あ、俺は上鳴電気。よろしくな。」

「み、宮本輝之輔だ。よろしくな。入試トップってことは忘れてくれ。あれは相性の問題たっだんだ。対人だったら俺はここ落ちてるよ。」

「いやいや、それでもすげーって。」

 

 なんつーコミュ力が高い奴だ。ある意味恐ろしい奴や。自己紹介ように考えていたセリフが簡単に出てきてよかった。

 ここは、必殺『会話遮断技の本を開いて話しかけないでね』を使おう。

 え?担任がきた?

 これ来てグラウンドに行けって。

 あ、個性把握テストか。

 

 ○☆○

 

 クラスメイト全員が集まることを確認すると先生は俺に話しかけてくる。

 

「実技入試の成績トップは宮本だったな。お前個性抜きのソフトボール投げ何メートルだった。」

「25m」

「は?」

「25mです。残念ですが全国平均ですよ。」

「……じゃあ個性を使ってやってみろ。思い切りだ。」

 

 ふっ。いいんですか。見せてやる。俺のエニグマのパワーをそれを見てある意味驚くがいいさ。

 いくぜ!!

 

「エニグマ!!」

「……25m」

 

 見るがいい。このえ?これが入試トップの実力?低くない?的な空気と相澤先生の失敗したなみたいな顔。

 あれ、今度は爆豪がやるの?何このスゲーみたいな空気。すごいどや顔してこっちみてくるんだけど。

 

「……ドンマイ。」

 

 ポンッと方に手を置く上鳴。お前もほぼ大差ないくせに。お前の個性帯電だろ。

 

「面白そう……ねぇ。ヒーローになるための3年間、そんな心積りで過ごすつもりか?よし、トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し除籍処分としよう。」

 

「「「「「「「はぁっ!!?」」」」」」」」

 

 個性把握テスト、はじまります。

 

 50m走

 

「何だあいつ!?紙になりやがった!?」

「しかも、空中を浮いてやがる!?だけど」

 

「「「「「普通だ!!」」」」」

 

 うるせーこの野郎。移動スピードもそうだよ。一般平均値だよ。

 

 結果。

 俺の平均値だった記録はこれだ!!

 

 ソフトボール投げ

 

 50m走

 

 反復横とび

 

 上体起こし

 

 俺は耐えたよ。入試1位とは思えない程の普通の平均記録の数々をたたき出してからのクラスメイトの悲しい視線から。どう見てもしょぼいもんね。

 

 逆に好成績だったのは。

 

 握力計を紙にして握り潰して、ぶっ壊した風に見せた測定不能にした握力。

 

 自身を紙にして測定とは何だったのかと言わせた、長座体前屈と立ち幅跳び。

 

 持久走は、疲れるのが嫌だったの紙になって走った。結果は測定不能。まあ50mで走ったスピードをかなり持続出来るからね。流石、持続力A。

 

 個性把握テストの総合結果は……まあ聞かないでくれ。

 

「因みに除籍は……嘘な。君らの個性を最大限発揮引き出すための合理的虚偽。」

 

 良かった。取りあえず相澤先生のおめがねにはかなったようだ。

 さ、更衣室言って汗をおとそ。

 

「おーい、宮本」

「ん?」

「更衣室行くんだろ?なら一緒にどうだ?まだお前、クラスの連中と全然しゃべってないよな。ついでに自己紹介タイムといこうぜ。」

 

 上鳴ぃぃぃ。上鳴お前ぇぇ。

 

「宮本輝之輔だ。測定でも見てくれた通り個性は万能じゃない。」

「尾白 猿夫。個性は見てわかる通り尻尾です。」

「切島 鋭児郎だ。個性は硬化!!よろしくな!!」

 

 

 その後にも、砂藤力道、障子目蔵、瀬呂範太、峰田実あと口田甲司の紹介を受けた。

 他の男子メンバーはもう他行ってしまって声をかけ損ねたらしい。タイミングが合えば紹介するって上鳴、切島が言ってくれた。

 

 ええ奴や。個性が強いとかうんぬんよりただええ人間や。

 

 ○☆○

 

「わーたーしがー!!普通にドアから来た!!」

 

 雄英高校二日目。メインであるヒーロー基礎学だからなのか、それともオールマイトの登場からなのか。教室が沸き上がっている。

 

「私の担当、ヒーロー基礎学!ヒーローの素地を作るため様々な訓練等を行う科目だ。早速だが今日はこれ戦闘訓練!」

 

「戦闘!!」「訓練!?」

 

 実は、爆豪と緑谷仲いいでしょ。

 

「それに伴い!!入学前に送ってもらった個性届けと要望に沿って誂えてもらったコスチュームがここにある。こちらに着替えてグラウンドβに集合すること!」

 

 入学前俺は考えた。必死になって考えた。

 

 コスチュームって何にすればいいんや。結局、俺のメイン能力は紙にすることだ。

 それを補助する能力とか、どないせーちゅーねん。

 

 かと言って、普通に高校のジャージでいいですってのは勿体ない。せっかく親が残してくれた金でサポート会社に頼むんだ。めっさ無理難題を押し付けたい。

 

 なら俺に必要なのは補助ではなく防御力か?俺自身は個性使っても、防御も回避も無理だし……なんか悲しくなってきたわ。

 対刃、耐熱、対ショック……その他もろもろ。一番の問題はデザインだったけどそれはもう考えてある。

 

 後は……そうだな。念のため。人を封印するために必要な補助するものを作ってもらうか。簡単なサインはすぐわかるが個性によっては個性特有のサインが出来るかもしれない。轟の場合は温度、耳郎さんだど心音など、はた目からじゃ分からないサインがあるかもしれない。それを補助するためのゴーグルだな。あと目の保護になる。

 

「格好から入るってのも大事なことだぜ少年少女!!自覚するんだ、今日から自分はヒーローなんだと!!」

 

「さぁ始めようか有精卵ども!!」 

 

 そして問題のデザインはジョジョ原作の衣装がカッコいいんだなって。ただ腰辺りに巻いている金属チェーンは外したけど。サポート会社の奴が勝手に付けてきたけど、あれは俺の心に来る。常闇が若干残念そうな顔してたけど。

 ただ一点違う部分があるとすれば、スノーボードの様なゴーグルを装備したぜ。

 

「何か、宮本のコスチューム。ヒーローっぽくないな。」

「切島。何故お前は上半身裸なのだ。」

「おう!!漢らしいだろ!!」

 

 漢っていうか、変態じゃない?

 あ、変態と言えば八百万さん。あれは個性の関係で素肌が出てた方がラグが少ないからね。しょうがないね。そうだね。うん。でもエッチだ。他にも体がラインが出てるパツパツスーツとか色々だめじゃね。

 耳郎さんを見習ってほしいです。

 

 「君らにはこれからヴィラン組とヒーローに分かれ2対2の屋内戦を行ってもらう。」

 

 一般的に目立つヴィラン退治は、屋外が目立つが基本的に凶悪なヴィラン程屋内に潜んでいると、オールマイトの説明が入る。

 

 そこから、クラスメイトの怒涛の質問攻めがはじまった。

 基礎を知るための実践。何というスパルタ式なんだ。

 

「状況設定は、ヴィランがアジトのどこかに核兵器を隠していて、ヒーローはそれを処理するために動いている。ヒーロー側が時間内にヴィランを捕まえるか、核兵器を回収すること、ヴィラン側は、時間内までに核兵器を守るか、ヒーローを捕まえる事。」

 

 補足がはいり、制限時間は15分。核を隠すポジションはヴィランチームに一任される。

 チーム分け、対戦相手はくじ引きで決定。

 

 緑谷の話だと、チーム分けのくじ引きに関しては割りと実践的らしい。連携の面を考えるとそこを突かれそうで怖い所はあるな。

 

 くじ引きの結果。チームはこうなりました。

 

 チームA 麗日・緑谷 VS チームD 爆豪・飯田

 

 チームB 障子・轟 VS チームI 尾白・葉隠

 

 チームH 常闇・蛙吹 VS チームC 宮本・八百万

 

 チームF 砂藤・口田 VS チームJ 瀬呂・切島

 

 チームG 上鳴・耳郎 VS チームE 芦戸・峰田

 

 うわ、何か変なことを考えてたら八百万さんと同じチームなってしまった。

 

「宮本さん。よろしくお願いいたしますわ。」

「あ、ああ。よろしく。」

「早速なのですが、最初のチームが準備している間に作戦を一緒に考えませんか?」

「あ、いいですよ。」

 

 視線が!!どこに視線を移しても肌色が。顔だ。顔しかない。顔をしっかりとみて出来るだけ視界を顔に集中させるしかない。

 

 この作戦会議の間、俺はどぎまぎするしかなかった。

 

 ○☆○

 

 1回戦は原作通り、緑谷・麗日として勝ったがボロボロ。内容を軽く知っている限りだけど青春してるな。

 2回戦は轟が氷漬けにして、瞬殺。あれは勝てる気がしねえ。俺は紙になったら簡単に凍傷、そして燃える。

 

 んで3回戦、ヴィランチームの俺らの番。

 

 相手の常闇、蛙吹さんの個性は、ある程度八百万さんと共有済み。

 原作知識で弱点なんかも把握しているが、あまり教えると怪しまれるからな。

 

「宮本さん、こんな感じでよろしいでしょうか?」

「おっけい。これで核を覆えたな。罠は、時間稼ぎメインでよろしく。」

 

 目の前で核を覆っている鉄のバリケードは八百万さんに出してもらったものだ。

 俺ら二人の共通点は、爆豪、轟の様な攻撃力がないことだ。モノしか封印できない俺。モノを作ることが出来る八百万さん。身体能力は普通の人間。

 

 対して相手は純粋にパワーがある常闇、舌を伸ばすことで射程距離もあり相手を拘束することが出来き俊敏な蛙吹さん。もし1v1を強いられた場合絶対に勝ち目がないと考える。八百万さんは色々作ってたり身体から生やしたりとかで攻撃は出来るけど多少時間を稼げる程度だと思う。

 いいなー。技を超えた純粋な強さつまりパワーがある個性は余計な事考えなくてすんで。

 

 以上の理由から、1v1の状況は俺がすぐやられるため却下。

 出来るだけ2v1の状況を作って数的有利を作る。核をフリーにするのはヒーローを核捜索の為に数を割いてもらい数的有利を作りやすくするため。バリケードは核に触れさせない為の時間稼ぎ。

 

「じゃあ勝ちに行きましょうか!!」

「そうですわね。」

 

 数分後、接敵。

 

「こちら、常闇。八百万と接敵した。核を守っているのは宮本だ。蛙吹、よろしく頼む。」

「常闇さん。いざ勝負ですわ!!」

 

 最初は常闇か……いい流れだ。どちらかと言えば最初に当たるのは常闇の方がいい。

 理由は単純。常闇の方が蛙吹さんよりパワーがあるから。これは個性把握テストで確認済み。

 

「くっぅ!!」

「ここで八百万をやれば、確実に勝ちだ!!行けダークシャドウ!!」

 

 八百万さんは、防戦一方。ダークシャドウのラグがない攻撃を、体から生やした盾で受け流している。

 

「まだですわ!!」

 

 ここで、八百万さんがスモークグレネードを使う。フロア一帯に煙が蔓延する。

 

「時間稼ぎか!?させんぞ。ダークシャドウ。煙を払え。」

「ここ!!」

 

 ダークシャドウが右手で煙を払うと同時に八百万さんが個性で生み出した鉄パイプで攻撃を試みる。

 

「甘い!!」

 

 がダークシャドウは左手を伸ばして鉄パイプを弾きそのまま八百万さんを掴み投げる。

 っち!流石に読んでいたか。対応が早い。

 

『常闇ちゃん!!』

「どうした蛙吹!?」

 

 そのまま捕獲かと思ったが常闇の動きが若干にぶり常闇は迎撃をダークシャドウに任せ自身の右手を耳に当てる。

 蛙吹さんからの通信か?

 

『それが宮本ちゃんがいなかったから罠とバリケードを処理して核を確保しようとしたんだけど……その核がないわ!?』

「何!?」

 

 ナイスタイミング。

 紙化解除。

 

「残念。常闇。俺はここだ。」

「しまった!!紙に……」

「遅い!!八百万さん!!」

「はい!!ですわ!!」

 

 八百万は、先程投げたスモークグレネード同じ外見をしたもの生み出し投げる。八百万さんには煙が晴れる前と違ってサングラスのようなものをかけている。

 

「また目くらましか!!」

「お、正解。でも残念。でも種類は違う。」

 

 スタングレネードだ。

 フロア内に一瞬とてつもない轟音と光が巻き起こる。俺はその間に倒れている無防備な常闇、ダークシャドウもスタンの影響でほぼ無効化しているので簡単に捕獲テープで確保。

 

「おーい大丈夫か。常闇」

「あ、ああ。だがよく俺の個性の弱点がわかったな。誰もいっていないのだが。」

「弱点は知らなかったよ。」

 

 それは嘘なんだけど。すまんな。

 

「スタングレードって昔から立てこもり犯とかの制圧に使われているんだぜ。ただそれを使っただけだ。まさか光が弱点だったとはな。ラッキーですまん。」

 

 その後は、数的有利を活かして、蛙吹さんも制圧。一人も欠員を出さずして勝利。

 ごめんね。いやー原作知識って鬼強い。

 

 オール・マイトの総評の結果。MVPは八百万さん。

 当然だな。メインの時間稼ぎは八百万さんがやってたし、俺は紙になって八百万さんに隠れてただけだしな。戦闘、陽動、そして罠。

 俺がやったことと言えば、作戦内容の立案と核を紙に封印して持っていたことぐらいだ。

 

 因みにコスチュームは、対防御用。ゴーグルは、暗視、サーモグラフィ、ズームなど搭載のゴーグルだ。これが複数機能別によってある。

 

 それを紙にして状況によって使い分けるようにしている。外見は全く一緒である。

 

「いやー助かったよ。俺じゃあ防御すらままならなかったから。反省点としては八百万さんに負担をかけすぎたな。」

「いえ、見事な作戦立案でしたわ。あそこまで綺麗に決まってしまうと、自分がまだ未熟と感じてしまいますわ。」

「どんなタイプにも、状況に応じた道具を作り出す。扱う道具も外見を似せて中身を変えることでブラフにも使える。作戦会議でも聞いたけど、すごい個性だ。」

 

 結局この、お互いの褒め合いは次の試合が始まるまで続いた。

 そしてもう一つの絡みが。

 

「宮本ぉぉぉぉぉおおおお!!」

「……どうした。峰田。」

「スモークでよぉぉ。見えなかったがよぉお。おいらには分かる。貴様!!紙になって八百万のど・こ・に隠れたんだぁあああ!!」

「黙秘権を行使する。彼女の名誉の為に。」

 

 絶対に言わんぞ。

 

 ○☆○

 

 教室に戻った後、八百万さんつながりで女子とも自己紹介を交わした。

 話の中で、先の戦闘訓練で怪我をした緑谷を待つことになった。

 

「宮本くん。」

「ん?ああ飯田か。受験の時はどうも。」

「いや、あの時は俺もすこし気が張ってい様だ。陳謝する。すまない。」

 

 緑谷を待っている間、飯田が申し訳なさそうに近寄ってきた。

 気持ちもいいほどのきっちり90度で腰を曲げてやがる。

 

「ああ、気にしないでいいよ。俺も挑発的だった。試験が終わった後、俺なんかプレゼントマイクに怒られたほどだ。」

「感謝する。その時に思ったんだが、あの時君はこういっていた。『身内に【ヒーロー】やってる奴は違うね』と……何故、俺の身内にヒーローがいると知っているのだ?」

「お兄さんに聞いてみるといい。『8年前の群集事故』と俺の名前。」

 

 俺がそう言うと、飯田は少し考え込む。少ししたら急に笑顔になった。

 

「成程!!納得がいった。自宅に帰ったら兄に聞いてみるよ。ではこれで失礼する。そうだ!!緑谷君によろしくと伝えといてくれ。」

 

 そういって足早で教室から出ていく。

 ああ、これは群集事故で助けられた人間の一人だと思っているな。変な形で勘違いされてしまった。

 これは、明日また謝られるな。ま、いいか。

 

「宮本ーー」

 

 今度は切島が呼んでいる。どうやら緑谷が帰ってきたようだ。

 緑谷を紹介してくれるらしい。

 

「み、緑谷出久です。よろしく。」

「み、宮本輝之輔です。よろしく。」

 

 き、気まずい。なんか似たような自己紹介で皆に笑われてる。

 

「あ、そうだ。かっちゃんは?」

「爆豪?さっき出ていったけど。」

「ご、ごめん。僕かっちゃんに用事があるから。」

「あ、飯田が帰る前によろしくってさ。」

 

 うん、ありがとう!といって緑谷は廊下を走っていった。

 

 俺、今日帰ったら、皆の名前覚えなきゃ。人の名前を覚えるの苦手なんだ。

 

 




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