機動戦士ガンダム外伝 アイオライトの宇宙へ... 作:谷中小豆
宇宙世紀0079年1月、地球から遠く離れたサイド3において、ジオン公国は地球連邦政府に対し宣戦布告、ここに後年「一年戦争」と呼ばれる事になる戦いの火蓋が切って落とされた。
ジオン公国軍は新型兵器であるモビルスーツ「ザク」を投入、連邦軍との30分の1とも言われる国力を跳ね返し、この戦いの行く末は決まったものと思われた。
然し、連邦軍特殊部隊によりジオン公国の捕虜となっていたレビル将軍が救出されるに当たり、事態は一変する。
レビル将軍は「ジオンに兵なし」演説を行い、ジオン公国の内情を暴露すると共に徹底抗戦を主張、これにより休戦条約であった南極条約は戦時条約に変更され、戦争の早期決着を望んでいたジオン公国はその方針を変更せざるを得なくなる。
かくして宇宙世紀0079年3月、ジオン公国軍は速やかに地球侵攻作戦を発動、戦いは地上へと移って行った。
それから数ヶ月後、宇宙では...
宇宙世紀0079年6月 月面都市グラナダ
グラナダ・ベイ
三人の男が、グラナダの地に降り立った。
「しっかし、まさかまたここに来る事になるとはねぇ...」
「兄貴、グラナダは初めてじゃないのか?」
「ああ、元は突撃機動軍所属だったもんでな。戻ってくるとは思わなかったけど」
「...やっぱりやらかしたのか」
「へへ、何度か戦闘機壊しちまって」
「そりゃそうだ」
「......ここか」
中央にいた男が呟く。
「......カルエル、カルアル。此処が新しい職場だ。粗相の無いようにな」
「分かってますよ隊長。もう殴り合いは御免ですからね」
「ホントに勘弁してくれよ兄貴...」
彼らはまだ、自らの運命を知らない。
「はえぇ、すっごいですねー」
巨大な艦船を目前にした、カルエルの言葉である。
「巡洋艦ですか、これが巡洋艦ですか!」
大人気なくはしゃいでいる。
「......機動巡洋艦だ」
グラナダ、二番ゲート。彼らはそんな言葉を交わしていた。
「隊長、お乗りになった事が有るので?」
「一度だけな。試作艦だったが、良い艦だった」
「珍しいですね、隊長が気に入るなんて」
「生産型じゃどうか分からんさ。お前はどうなんだ、カルアル」
「艦ですか?ムサイを二隻乗り継ぎましたよ。...どちらも沈みましたがね」
「艦隊戦でか?」
「いえ、機雷でです。デブリに偽装してあった上に、探知機にも引っ掛からなかったもので...たまたま偵察飛行に出ていたので、今ここに居る訳ですが」
「そりゃ不運だ」
「ある意味じゃ幸運ですがね」
「調子はどうかね」
―そんな彼らに、一人の男が近づく。