適当なもの書けねぇじゃねぇか!!
はい、というわけで花弁です。
流石に震えたよ。
嬉しいんだけどさあ………
ともかく、今回は約5000文字。もう少し書こうとも思ったけど切りが良かったので投稿。
助けなきゃ
妹を救わなきゃ
私のせいで死なせる訳にはいかないんだ
あの子は、幸せな人生を過ごすべきなんだ
その為に、私は死ぬ訳にはいかないんだ
なのに、なぜ私は死にかけている?
ダメだ
ダメだ
ダメだ
まだ死ねない
死んではいけない
どうすればいい?
どうすれば………
あぁ、そうか―――――
―――――
「……………」
おかしい。私はなぜ、グレイル家にある自室のベッドにいるのだろう。
「うぐぅ………目がぁ…目がぁ……!」
身体を少し起こすと、朝日が目に直撃した。ふざけて某大佐の真似をしていると、隣にリーニャが眠っている事に気が付いた。
「あ………」
そこで思い出す。魔狼に追いかけられ、死の間際にリーニャの事を思い出した事を。そして最愛の妹という最強の精神的支柱を得た私は……
………
…………
……………
………………
…………………
あれ?どうしたっけ?
やばいな、全く記憶が無い。ここにいる以上どうにかあの窮地を切り抜けた訳だが、リーニャを思い出してからの記憶が完全に消し飛んでいる。まさかキンクリやら第三の爆弾をくらった訳ではあるまい。
というか今気づいたが、何故私の身体は無傷なのだろう。背中を見てみれば、どういう訳か傷跡すら残っていない。
「何年も眠ってた………は無いよなぁ………?」
身体の感覚に違和感はないし、何年も寝ていたのなら、筋力の低下でまずこうやって起き上がる事も出来ないだろう。
うんうんと悩んでいると、私の呟きのせいかリーニャが目を覚ました。
「ん……ねーね………?」
「んっ!!!!」
危ない、心停止するところだった。
未だ寝ぼけ眼で目を擦るリーニャを抱き締めつつ撫でる。あぁ、もういいやどうでもいい。リーニャがいればどうでもいいや。
「起きたみた……どういう状況かしら………」
あ?誰だテメェ?こちとら良い感じにトリップしてたってのに邪魔しやがって。まずはその面を潰してやr…………………
「ラキュースじゃねぇか!!!!」
「え、えぇ?私の事知ってるのね…………」
何で!?何故この村にいる!?お前の活動地点は王国領だろうがオラァン!?
…………いけない、リーニャ分の過剰摂取でテンションがおかしくなっている。一先ず落ち着こう。
「えと、蒼の薔薇のリーダーさんですよね?何故この村に?王国領で活動していると聞きましたが?」
「情緒不安定なのかしら………」
「聞こえてますよ?」
「へ?あ、ご、ごめんなさい!」
失礼な人だ。リーニャ分を摂取するとテンションが上がってしまうだけで情緒不安定な訳では無い。…………あれ?それはつまり情緒不安定なのでは?
いやいやいやいや!それは仕方ない事なのだ!!リーニャはこの世界で一番可愛くて愛おしくてあざとくて愛らしくて素敵で優しくて思いやりがあって頼もしくて、何よりも可愛くて愛おしくてあざとくて愛らしくて素敵で優しくて思いやりがあって頼もしくて、最高に可愛くて愛おしくてあざとくて愛らしくて素敵で優しくて思いやりがあって頼もしくい私の妹なのだ。この最強無敵にウルトラ可愛いリーニャを言い表せる言葉は私が持ち合わせる限りではないくらいにとにかく可愛いのである。今の私の語彙力でリーニャの愛おしさを言い表そうとするならば小学生の"ぼくのかんがえたらさいきょうのひっさつわざ"の如く無数のウルトラだのスーパーだのハイパーだのの羅列の末に可愛いと付け加える他ない程テラ可愛いのだ。
やはりいけない。リーニャがいると正常な思考が出来なくなってしまう。とりあえず私の超ウルトラスーパーハイパーメガトンルナティック可愛い妹をグレイルの元に行かせるとしよう。
リーニャにグレイルの元へ行くように伝えると、何故かとても嬉しそうに部屋を出ていった。
あの野郎、いつリーニャを誑かしやがった?手を出せないように今のうちに
「よくわからないけど落ち着きなさい…………凄い顔してるわよ…………」
ラキュースにそう言われ、我に返る。いつもはここまで暴走しないはずだが、恐らく死にかけたせいだろう。そして恐らくは、何かしらの依頼で来た彼女、ないし彼女達が私の事を助けてくれたのだろう。
そうとなればもう彼女達は私の中で崇め奉るべき神と同域に達したと言っても過言ではない。何せ妹と離れ離れになるという最悪の事態を防いでくれたも同然なのだから。
しかし、礼を伝えるとラキュースは信じられな事を言い放った。
「魔狼を倒したのはあなたよ?」
「……………………………………は?」
まじで?いやそんな訳が無い。元々魔狼を倒すのはまだ無理な強さだったはずなのだ。だが、ラキュースは確かに魔狼を私が一人で倒すのを見たという。なんなら私の仲間にも聞いてみるといいとまで言った。
思わず頭を抱える。まさか記憶の無い間にそんなことになっていたとは。
この体は、拳を振るうだけで、木を殴るだけで強くなるような代物だ。魔狼の撃退なんて事を行った日にはどうなるかわからない。できるなら今日中に今の私の戦闘能力がどれ程のものなのか確認したいが………
(森に行かせてくれなさそうなんだよなぁ………)
あの魔狼と対峙した時、私は明らかに重傷を負っていた。今では何故か傷跡すらないがそれは恐らく神官騎士であるラキュースが治療してくれたからなのだろう。そして治療してくれたということはここに連れてきたのも彼女達だと予想出来る。それはつまり間違いなく大怪我を負っていたのを伝えられているという事だ。
先程の反応を見る限り、リーニャには伝えられていないようだが、グレイル達に伝わっている時点でもうアウトだ。
「はぁ………」
「落ち込んでいるところ悪いのだけど、少し質問させてもらってもいいかしら?」
「はあ、なんですか?」
「あの武技は何なのかしら?」
「………………………………は?」
武技?は?使えないんですが?
「なるほど、記憶が無くなってるのね………」
聞いたところ、私が咆哮したと共に凄まじい威圧感が放たれたらしい。それで怯んだ魔狼をタコ殴りにして倒したのだという。
意味がわからない。
「正直言って、あの武技は凄まじいものよ。貴女の歳で武技が使える事自体驚きだけど、あの武技は私やガガーランまで一瞬動けなくなった程だから」
こう、何故彼女はこうも頭を抱えさせるような新事実をポンポン飛ばして来るのだろう?木っ端村娘がアダマンタイト級冒険者の、しかも前衛職の人間を怯ませる?出来るわけねぇだろ!
「おかしい………私おかしい…………」
「あはは…………」
まだ人間を止めたつもりは無かったのにいつの間にか人外になっていたとか笑えない。
その後、ラキュースはパニックに陥った私の事を慰めつつ退出していった。調子の悪い所がないかどうかを見に来ていたらしい。本当に良い人だ。感謝してもしきれない。
因みに、ラキュースと入れ替わりで来たラルウォート一家にこっぴどく叱られた。
◇
ツアレとの会話を終えたラキュースは、ガガーラン達が待つ部屋へと向かった。ノックの後扉を開くと、ガガーランは食い気味にツアレについてをラキュースに聞いた。
「なんだって?」
「まず使っていた認識が無かったわ」
今の話題は、もちろん彼女が使用した武技についてだ。ラキュースはツアレから聞いた説明を2人にするが、2人とも納得出来ないといったふうの表情になる。
「なぁラキュース、嘘って可能性は…………」
「ないでしょうね。あの子、本気で困惑してたもの」
3人は思わず黙り込む。彼女達は現在ミスリル級の冒険者だ。そんな自分達が、年端もいかない、平凡な村の平凡な女の子に怯ませられたと言って、一体何人の人間が信じるだろうか。
「火事場の馬鹿力というやつかもしれんな」
「つまり?」
「窮地に置かれ、本来まだ使えないはずの武技を無理矢理発動させた、という事だ。信仰系の
「なるほどな」
3人は一先ずそういう事で納得しておこうとこの話題を区切り、この村に寄った本来の理由である物資の調達について話を始めた。
◇
その夜。
村長からのお礼がしたいと言われ、断るに断りきれなかった蒼の薔薇の面々は結局そこそこ時間を食ってしまい、翌日に出立する事となった。
今は夜も更け、村には明かり一つなく、あるのは満天の星と妖しい月明かりだけだった。
「ん…………?」
そんな中、ガガーランは風切り音のようなものを耳にして目を覚ました。そして目を覚ました事によって、自分達が泊まる村長の家の庭に鋭い闘気がある事に気が付いた。
「行ってみるか………」
何かに害を成すような気配は感じられないが、泊まらせてもらっている村長家族に何かあってはいけないと、ガガーランは
するとそこには、
「ふっ!はっ!」
舞うように滑らかな動きで拳を振るうツアレがいた。拳は5歳の子供が放てるとは思えない程鋭く、体捌きは魔狼を倒した事が納得出来てしまう程だった。彼女の動きは見たことのないものだったが、それが何かしらの体術である事が容易く予想出来る程度に完成されたものだ。
(マジですげぇな………あの嬢ちゃん一体何者なんだよ………)
少なくとも自分があの歳の時にはあんな動きは出来なかっただろうとガガーランは確信する。あれほどの練度の、
「―――人外」
「ふぇ?」
思わず口にした言葉に、ツアレが反応する。目を見開くツアレに、ガガーランはバツが悪そうに話しかけた。
「邪魔しちまって悪ぃな、泊めてもらっている以上無視するわけにもいかなくてよ」
「………ああそういう。こちらこそ起こしてしまってすいません」
気にすんな、とガガーラン。彼女はツアレに気にせず続けろと言うが、ツアレは丁度一区切りつけようと思っていたところだと言って汗を拭う。
「それ、なんて言うんだ?」
「それって?」
「誤魔化しても無駄だぜ?武術だろ、それ?」
「前衛職専門の人には流石にバレますか………」
つくづく子供らしくないな、と苦笑するガガーランに、今度はツアレがバツの悪そうな顔をする。それを誤魔化すようにツアレはそっぽを向いた。
「それ、誰に習ったんだ?すげぇ完成度だが」
「いえ、独学です。一応八極拳と言います」
「は?独学!?」
声が大きいですよ、というツアレの言葉に軽い謝罪を返しながら、ガガーランは目の前の
少女の新たな異常性に瞠目していた。この少女はこの歳で、「ハッキョクケン」なる武術を大成させたというのかと、彼女は少女の凄まじい才能に恐れにも似た感情を抱いていた。
「一体お前さんは何を目指してんだよ………」
「何を目指しているか、ですか………」
少女の雰囲気の変化に、ガガーランは表情を引き締める。
「何かになりたいというのはありません。ただ、目的はあります」
「目的?」
「ええ、妹を守る。それが私の目的です」
イマイチ要領を得ず黙り込むガガーランにツアレは続ける。
「弱肉強食という言葉がありますが、この国はその言葉があまりにも当てはまり過ぎている。弱者は搾取され続け、強者は更に強くなる。権力という力がなければ、満足に生き抜く事も出来ない。でも私では権力は手に入らない。
それなら、手に入れられる力は文字通りの強さ以外にもう残ってなかった。だから私は強さを求めて、生き抜く為の、守る為の力を手に入れようとしてるんです」
ガガーランは言葉が出なかった。この歳の子供が、ここまで深い考えを持てることに、この歳の子供に、ここまでの考えを持たせてしまったこの国に。
「私は弱者を貪る強者が嫌いです。でも、」
そこで初めて、ツアレは俯かせていた顔を持ち上げ、ガガーランの顔を見据えた。その顔を、その表情を、その目を見て、ガガーランは悪寒に襲われる。
何がなんでも目的を達成する。その為なら、何でもするとでも言うような暗い決意が、その目に宿っていた。
そう、名付けるなら―――
「妹を守る為なら、私は強者も弱者も分け隔てなく捩じ伏せる」
―――漆黒の決意が、そこにあった。
このツアレちゃんはリーニャちゃんが絡むと壊れます。
壊れます(重要)
今後もリーニャと絡む時の彼女はこんな感じなので受け付けない人は今のうちにブラウザバックするのをオススメします。
次回「領主死す」デュエルスタンバイ!!