少女はつまらなかった。
自分は何で小さいんだ、と。
少女は身長は低い方で、来た時にはもう制服が合っておらずしかもここの世界にはオーダーメイドが無いらしい。融通が効かない世界なのだろうか。
そこで、
「かいちょーさん!!私にエンジェルぷれいやーを使わして!!!」
生徒会室に来た。
ガラン! と大きな音を出し、ドアを開ける。勢いを殺せていないドアは端へぶつかり、少し少女の方に戻ってきた。それを律儀に閉め直し何も無かったように、改めて生徒会長の方へ向く。
「急だな。どうした?」
ダイナミックに入ってきたのは少女だけでは無いので、生徒会長は落ち着いて声を掛けた。
以前に話したAngel Playerが気になったのか、と推測した。これだけ派手に入室してきたのだ、それ相応の何かを抱えてやってきたのかもしれない。
「会長さん、私の事どう思う!?」
「え?……いや、普通の女の子だと思うけど………」
「そ・う・じゃ・な・く・て!!全体的に私を見て!」
――どう関係あるんだ…?
接点が見付からない生徒会長は言われた通りに全体的に見る。
この世界に来た時からそうなのだが、少女の制服は何故だか一回りも二周りも大きかった。
新しく肉うどんの食券を買い、食べていたが捲くっている袖が時々汁に付きそうになり大変そうだった。
身体が小さい、そう思ったがそれは大した問題ではなかろう。
「……普通だと思うけどな…」
「もー!解ってない!私の『身長が低い~』とかさ、『ちっちゃい~』とか、『幼児体型』とか、『おっぱい小さい』とか!!なんか言う事あるでしょ!!」
生徒会長の目の前へと走り、机を小さい両手でバンバンと叩き訴える。
やはり自覚していたのか、と引き気味になる。前世でそれに関してのコンプレックス、イジメがあったのだろうか、生徒会長は静かに少女を見た。
ほっぺたを膨らませ、不満そうな顔をしていた。
「いや、人それぞれだし……身体が小さくても、幼児体型でも、胸が小さくても、それでもお前はお前だ。お前以外に何がある?」
「えんじぇるぷれいやーを一回でも良いから使わして!お願い!!」
NPCとの仲で何かあったのかと考えるが、その線は無かった。
遠くで様子を見る限り明らかに普通とは違う避け方をしているからだ。少女はNPCに警戒しているが逆にNPCが少女を避け、警戒していることに気が付いていない。特に何も起こってはいないだろう。
「何があった?」
「うー……男の子には解らない悩みさ!」
「それで『Angel Player』を使いたいと、」
「うん!使わして!それで私はナイスバディになる!!」
――なるほどな。
少女の前では失礼だが、彼女は周りと比べて背が低いし胸もあまり無い。それで使いたかったのか、仕方ない使わせてやろう、と思ったが生徒会長はあることに思い出した。
「悪い、その『Angel Player』は壊した」
「何でよ!!」
生徒会長は既にそれを使用するのを出来なくさせてしまっていた。
「あれはこの世界で起きた戦争の元凶だ。二度と使えないように燃やして、粉々にして、燃やして、燃やして、燃やして、もや」
「何回燃やしたの!?かいちょーさんのバカー!!ひどいよ!私の未練どうしてくれるの!?うぁあああああああああああん!!」
生徒会室のドアを小さい身体なのにも関わらず軽々と蹴破り、涙を流しながら外へ出て行ってしまった。
たった独りになってしまった生徒会室で会長は思った。
「ああいうヤツの為に取っとけば良かったな……」
頭を抱えた。
第二コンピュータ室へと『Angel Player』を探そうと思ったが、あの壊れ様は到底無理だろう。全部壊れていて修復不可能だ。
「はぁ………」
――長く辛い道のりになりそうだな…。
字数が足りていなかったので加筆しました。