いつもと同じ自分の部屋
いつもと同じ制服
いつもと同じ通学路
いつもと同じ学校
いつもと同じ教室
いつもと同じクラスメイト
どれもこれもいつも通り。何ら代わり映えしない、いつもの日常。そんな日常に俺は途轍もない違和感を感じていた。何故かは自分でもわからない。ある日を境に突然やってきた違和感は日に日に自分の中で大きくなり、最近ではそのことばかり考えている始末。クラスメイトにも相談したが納得のいく答えは得られず、喉に小骨が引っ掛かったような気持ち悪い状態に頭を抱える日々である。
そんなある日、相談したクラスメイト(名前は田中。下の名前は知らん。)からある部活に相談してはと提案された。その部活は世のため人のためになることを率先して行う、言わばボランティア活動を行う部活だ。具体的に何をしているかは知らない(興味ない)俺でも部活の名前くらいは知っている。それくらいに有名な部活である。
その部活の名前は『勇者部』という。
……改めて聞くと変な名前な部活だと思うのは俺だけだろうか。
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「じゃあ今日も張り切っていくわよ!」
『おー!』
ここは讃州中学校の家庭科準備室。だがここは本来の役割果たしておらず、その代わりにある部活の活動拠点となっている。部の名前は『勇者部』という聞いただけでは何をしているか分からない部活。そんな勇者部の部員は本来6人のはずなのだが、とある
−−−−−突如教室に警告音が響き渡る
「全く、空気の読めない奴らだにゃ~。」
「しょうがないわよ。アイツらにそんなこと関係ないもの。」
「それじゃあチャッチャと片付けちゃいましょう!」
「そうだね銀ちゃん!今日も依頼いっぱい来てるからね。頑張らなきゃ!」
「私も、頑張ります!」
「うん、気合い十分」
ここにいる全員がこの状況に対して動じずに各々会話をしている。因みにその手に持っているスマホは鳴り止まっておらず、画面には『樹海化警報』と出ている。少しシュールな光景である。
「皆さん、いつも通り気をつけて頑張ってきてくださいね」
「皆〜いってらっしゃ〜い」
「ああ、行ってくる」
「行ってきます、そのっち」
−−−−−世界は光に包まれる
先程までいた教室は姿を消し、彼女たちの目の前には樹々が生い茂る森が広がっている。そんな非日常を目の当たりにしてなお動揺せず、それどころか此処にいる彼女らはこの状況を受け入れている。それもその筈、彼女達にとってこれは日常の一幕であるのだから。
「さあ、気合い入れていくわよ!」
『おー!』
彼女たちが手に持っているスマホのボタンを押した瞬間光に包まれ洋装が変わる。その姿こそ彼女たちのもう一つの姿。世界を滅亡の危機から救う正しく『勇者』である。そんな彼女たちは今日も日常と非日常を両立している。
---------そして今回も非日常は突然やってくる。
「あれ?」
「どうした杏。忘れ物か?あ!タマ分かったぞ。トイレ行き忘れたんだろ~」
「な、何言ってるのタマっち先輩!そんなわけないでしょ!」
「それじゃあどうしたの?まさか新種のバーテックスが」
「い、いいえ違います。それがですね、端末を見たら小型のバーテックスに近くに人の反応があるんです。」
「え、それって新しい勇者が来たってこと?」
「それじゃあ、また新しい友達が出来るんだね!やったあ!」
「でもひなたさんたちはそんなこと言ってませんでしたよ」
「そうね、ここは慎重に----」
「そうも言ってられないみたいですよ。これを見てください」
そう言ってスマホを全員に向かって見せる数少ない小学生組の一人鷲尾須美。そのスマホの画面には複数の赤く小さい点が一つの黒い点に向かって移動している。それと同時に黒い点はその場から離れていく。
「バーテックスから、逃げている?」
「はい、私もそう思います」
「では急ごう。歌野のように勇者への変身の仕方が分からなくて戦えないのかもしれない。」
「ええッ!大変だ、早くいかないと…」
「そうだな、皆行くぞ!」
『おう!』
------勇者と平凡な少年の会合は近い。