「ゼアル様!お逃げください!」
「ここはもうダメです!」
配下の者が私にそう言ってくる。
それはわたしにも分かっている。
次期に、この城は落とされる。そして今もなお皆が私の為に戦っている。
「私はお前らを見捨てん!」
「しかし!」
そう言った瞬間、バルコニーに何かが降り立った。
それは闇の如く黒い翼でニヤッと笑っている。
「魔王ピサロ‥」
「これはこれは神王ゼアル。もう俺はこの城にたどり着いたぞ?俺なら今ここからこの国の神界の者だけを狙って雷を落とす事ができるぞ?」
「やめてくれ。頼む。」と懇願する。
「ふふふ‥ハッハッハッハッハ!惨めな者よ!さあ!ゼアル!今ここで敗戦を伝えろ!」
「ふざけるな!魔王め!」と配下の一人が剣を抜く。
「そうか、俺に剣を向けるか。別に構わんぞ?だが‥俺を傷つけた瞬間、100人殺す。お前らが俺を一回斬る毎に100人の命が散る。しかも武器を持たぬ民衆からだ。」
「卑怯な!」
「卑怯?バカバカしい。戦場において卑怯などない。」
「分かった!ここに宣言する。」
「神王!」
「神王がここに宣言する。今ここに魔界との戦争に負けた!神界は負けた!」
そこから神界は魔界に支配された。
神王とその側近達は城に幽閉され、城から一歩も出ることが許されなかった。
それから1ヶ月後の事だった。
「神王!大変です!」
「どうした?」
「魔界は次に人間界を攻め落とすという情報が入りました!」
「なんだと!」
なんて事だ。恐れていた事が!
我々神界は一年もったが、人間界に侵攻されてみろ!
一日もって良い方だ!
「くっ‥そうだ!レイを呼んで参れ!」
それからしばらくしてレイと呼ばれる八咫烏が王の前にひざまづいた。
「お呼びですか。」
「そなたには人間界に行ってもらいたい。そこで救世主を探し、共に魔界からの刺客を追い払うのだ。」
「は!仰せのままに。」
「これを持っていけ。」と配下に指示を出すと、バックルのような物が渡された。
「これは人間が戦う為に使う神器だ。」
「よいな!生きて帰れ。」
「は!」と言うと城の外に出て下界へ降りる。
その間にも悪魔が使役する飛行型の魔物が攻撃を仕掛けてきた。
八咫烏は人間の姿をしている。その為に的が大きく狙われやすいのだ。
間に合え!私は絶対!辿り着かないといけないんだ!
避けながら人間界へ滑空しているうちに人間界の境界に入った。
そのまま誰もいない場所に降り立つ。
「やった‥人間界に辿りつ‥い‥た‥。」パタッ
そのまま気絶してしまった。