報告書 3-1 精霊
蒼兎はオーロラカーテンを移動している途中、ふとSCP財団に勤務していた頃を思い出す。天界がSCIPという異常存在、そしてその能力について知るために財団内で最高の権限を持つ『O5評議会』と接触し、協力と信頼の証として二年契約で財団に務めていたことを。
表向きは新しく雇われた研究員兼戦闘員として、裏向きではO5評議会と同じ、つまり最高の権限を持ち、SCIPについての情報を知り、その知識を蓄えていった。
もちろん知識を得させてもらった財団にも貢献した。特にSCP-076とSCP-682の再収容にはかなり貢献した。
そんな記憶を思い出しつつまた勤務する羽目になったらもっと楽な役職につきたいと考えながら、新たなる世界へ向かっていった。
オーロラカーテンを抜けて見えた景色はいきなり街が破壊されたあとのようなものだった。自分を中心にブラックホールが現れたように破壊の痕跡があった。
しかし見たところ妙だった。まるで二度ほぼ同じ場所を破壊したような違和感が感じられた。そして飛行する何かが近づいてくる音が聞こえてきた。
「……?あれは……」
パワードスーツのようなものを来た女性が数人。全員なになら険しい表情で蒼兎を見ている。なにやら話しているようで会話の内容が少し聞こえた。
「全く同じところに『空間震』……それも今日で二人目の『精霊』なんて………!」
「(今なんて言ったの……?)」
『精霊』と、確かに彼女らはそう言っていた。蒼兎がこの状況で、更に『精霊』という言葉を聞いて思い至る作品は一つしかない。そして蒼兎はこの世界にとって最悪な認識のされ方をしたらしい。
「(ここは『デート・ア・ライブ』の世界で……よりにもよって精霊扱いですか……。)」
デート・ア・ライブという世界において、精霊という存在は秘匿されている。一般の人にとっては地震と同じようなものと認知されている空間震と呼ばれる災害、その原因は精霊であるとされている。その精霊の対処法、その一つは武力を以ってこれを殲滅する、そしてもう一つはデートしてデレさせる。
そして精霊と認識された蒼兎は今、正に武力を以って殲滅されそうになっていた。
なんとか蒼兎は精霊を殲滅するために結成された『AST (Anti Spirit Team)』からの追跡を逃れて元はファミレスと思われる店の残骸に隠れてやり過ごしていた。
「(まさかこんな羽目になるとは………いや確かに精霊は女の子だけれども……性別が変わったことがこんな裏目にでるとは……。)」
あまりいい事ばかりではないと思わされつつ、この世界に存在しているであろう転生者を探すことにした蒼兎。
「(服装は……まぁあまり普通ではないな……。)」
オラリオで適当に調達した今の服装は現代と近い文明のデート・ア・ライブの世界には向いていない。なんとか変えたいものだが近くに服が揃えられる場所もなさそうである。
「(精霊と認識されても精霊ではないからなぁ……服とか自由には変えられないんだよなぁ……はぁ……。)」
追跡を逃れることに集中して警戒する必要がなくなったせいか、仮面ライダーSCIP使用の反動が思いの外響いた。SCIPマグナムを取り出して「500」の能力を使って反動を帳消しにする。
「(あまり多用したくはないが……それにこの状況……仕方ない。)」
その場で留まっても仕方ないと立ち上がり、服やその他諸々を揃えられることができそうな場所を探してみることにした蒼兎。幸いなのか空間震によって付近の人々は全員避難しているようである。
「(この服装が見られるとかいう面倒は起きないように……。)」
なんとか無事に服装や食料を調達できた蒼兎は転生者を探し始める。少し前は上司からのバックアップによって転生者がすぐに見つかったものだが普段はないことがほとんどなので支障はない。
人目につかない場所やデート・ア・ライブの主要人物がいる高校付近を見たが転生者らしいものを発見することはできなかった。
「(おかしい……この世界に送られたってことは転生者がいるはず……)」
人数が少ないのか動きが消極的なのか全く情報もなにもない蒼兎は途方に暮れた。
「(どうしようか……)」
なんの戦闘の音もなにもない静かな夜。蒼兎は一人、月を見ながら缶コーヒーを飲む。今は4月のようで夜はまだ寒さがある季節、缶コーヒーの温かさは身に染みた。
「(まさかとは思うけど……自分と同じ登場の仕方っていうのはない……かな?)」
そんな予感をしつつ当たって欲しくはないと思いながら、蒼兎は缶コーヒーを飲み切った。
次の次にクロスする作品、何がいいですか?(やるのはアニメ一期まで)
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デート・ア・ライブ
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この素晴らしい世界に祝福を!
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異世界はスマートフォンとともに
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ソードアート・オンライン
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東方Project(アニメでは無いですが一応。)