仮面ライダーSCIP   作:蒼かえる

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報告書3-5 不明

士道と十香のデートから数日。しばらく雨が降る日々が続いていた。蒼兎は士道達のデートの日に現れた数多の作品の登場人物を出現させる転生者について考察、捜索をしていた。

 

「(どういう特典なんだ?バグヴァイザーを持っていたから幻夢か?それならデータをバクスターウィルスで収集、解析、再現って形で呼び出すこともできそうだが…。)」

 

「(しかも既にいくつかの世界を滅ぼしてるとも言っていたな…。)」

 

雨にうたれながら思考に耽っていると神社で緑色のフードを被った少女を見つける。

 

「(こんな雨の日に遊んでるのか…?)」

 

「(いや、そういえばここの主人公が次に封印する精霊って確か…。)」

 

しばらくその少女を眺めていると声をかけられた。

 

「あの……?」

 

「(ヤバ、不審者だと思われたか?)」

 

声をかけられた方を向くとそこにいたのは五河士道だった。

 

 

 

 

 

「じゃああの子は知り合いじゃないんですか?」

 

「ええ、勘違いさせてしまいましたね、すみません。」

 

少女の方を見ているのが不審だったようで声をかけてきた士道に対し蒼兎は知り合いに似ていたと嘘をついて誤魔化す。

 

「じゃああの子はこんな雨の中一体何を?」

 

「さぁ?」

 

「……あの」

 

「はい?」

 

「あの時……公園にいた人ですよね?」

 

「なんの事ですか?」

 

「あ、いえ……人違いみたいです……。」

 

「(絶対確信してるだろう……あの夕陽の中じゃ姿を隠すこともできなかったしな……。)」

 

士道と蒼兎が会話をしている間に、いつの間にか少女はどこかへ行ってしまっていた。

 

「あれ?あの娘は……?」

 

「いなくなってしまったようですね、それでは私もこれで……。」

 

会釈してその場から離れる蒼兎、士道は引き留めようとするも理由がないため蒼兎をこの場から離してしまった。

 

 

 

 

 

しばらく降っていた雨も止み、引き続き転生者の捜索と考察に耽っていた蒼兎。しかしあれほど派手に動いていたのにも関わらず転生者に関する情報も手がかりも全くなかった。

 

出現した公園に設置されていた監視カメラの、改変前の映像を見ても突然消えるようにいなくなっていた。余談だがその映像は転生省の天使達が改変し、さらに士道をサポートするための組織『ラタトスク』によって精霊に関するものも改変された。

 

そんな改変前の映像を何度も確認してみるも全くと言っていいほど手がかりはない。

 

「消え方がバグスターに似てるといえば似てるんだよな。」

 

『バグスター』インフィニット・ストラトスの世界に居た転生者が持っていた『仮面ライダーエグゼイド』の本来の世界に存在する人に感染するように進化したコンピューターウィルス。

 

バグスターは人に感染し、感染者から分離するとゲームを模した怪人になる。感染者を消滅させれば完全体となる。

 

そしてあの公園に居た転生者が持っていたゲームパッド ガシャコンバグヴァイザーも仮面ライダーエグゼイドの世界に存在するデバイス兼武器である。

 

「(もしかして……アイツは俺がいたISの世界から来たのか?)」

 

突然、空間震警報が鳴り響く。街の人々は慌ただしくシェルターに避難していく。蒼兎は転生者が精霊の元にいる可能性を考え、空間震の発生源へ向かった。

 

向かう中で路地を通っていると先には空間震警報が鳴っているにも関わらずシェルターに避難せず、蒼兎を通らせないように立ち塞がっている3人の男がいた。

 

「早く避難した方がいいですよ。」

 

そう言って通ろうとするも男達は蒼兎が通ろうとした道を塞ぐ。後ろに回り、横に立ち、蒼兎を囲む男たち。不意に後ろの男が手のひらを鋼のように硬化させて蒼兎に突き出す。

 

蒼兎はしゃがんで回避と同時に足払いを掛ける。それを皮切りに前の男が靴に仕込んでいたナイフで蹴りあげるように足を振り上げる。

 

しゃがんでいた蒼兎はバク転のように後ろに下がって回避する。足払いを掛けた男を踏んづけながら向かってくる男2人を見る。仕込み靴で再度蒼兎を切りつけようとしてくる者と拳に黄色いガントレットを装着した男が足を突き出し、拳を構える。

 

「(あの転生者の手先か?)」

 

拳を突き出した男の腕を掴んで後ろに引っ張る。足を突き出してきた男は足先のナイフが届く前に脛を蹴って防ぐ。3人を無視して精霊の元へ向かうが男達は追いかけてくる。

 

「本当に厄介な……!」

 

全速力で走って振り払い、目的地である精霊の出現場所に着いた蒼兎。そこには能力を封印されたはずだが、大剣を持った制服姿の十香が士道を守るように剣を構えていた。

 

十香の後ろには士道と雨の日の神社にいた少女が士道の上着を1枚着ている状態で座り込んでいた。

 

剣を向けられているのは目的の転生者だった。

 

「ありゃりゃ、随分と嫌われちゃったかなボク?」

 

「それに、面倒な人も来ちゃったし。」

 

蒼兎に目を向けながら呟く転生者。十香から視線を外し、蒼兎に声を掛ける。

 

「もう振り払っちゃったの?手持ちの転生者あれだけだったんだけど。」

 

「面倒な者を寄越してくれましたね、足止めのつもりなら英霊の方がまだやりやすかったのに。」

 

「そうなの?じゃあ次からそうするね。」

 

「いえ、次はありません、ここで貴方を消すので。」

 

「おお怖いなぁ、でもまだ彼から精霊のデータを貰ってないし死ぬつもりもないから」

 

十香は士道と少女を抱えてこの場から離れていく。転生者はバグヴァイザーをチェーンソーにして構え、蒼兎もドライバーを腰に装着し、SCIPウォッチを起動する。

 

転生者が駆け出し蒼兎に向かってくる。先程振りほどいた筈の転生者達も後ろから迫ってくる。蒼兎は冷静にドライバーにウォッチをセットし変身シークエンスを終わらせる。

 

『フューチャータイム!』

『仮面ライダーSCIP!SCIP!』

 

手元に現れたシンボルブレードでバグヴァイザーを受け止める。チェンソーで刀身からガリガリと火花が散らされているが削られてはいなかった。

 

シンボルブレードを振り上げてバグヴァイザーを引き離し距離を開ける。しかし転生者のほうからすぐに詰め寄りバグヴァイザーを振るう。

 

「なぜ精霊のデータを欲しがるのですか?」

 

「え?だってこの世界を象徴する力なんだよ、欲しがるに決まってるじゃないか!」

 

「ではなぜ力を欲するのですか?」

 

蒼兎の質問に答えながらも攻撃の手を緩めない転生者。バグヴァイザーをグリップから外し銃口がついた方を蒼兎に向けて装着する。

 

『チュ・ドーン!』

 

「僕はそういうゲームのバグスターだからさ!」

 

バグヴァイザーの銃口からエネルギー弾が吐き出される。

 

「貴方が……バグスター?」

 

「そう、僕はとある学生が作った侵略ゲームのバグスターに転生したと言うわけさ。侵略ゲームだからね、当然自分が生まれ変わった世界はもちろん、女尊男卑が蔓延る世界、願いを叶えるために魔術師同士が殺し合う世界、その他にも世界を巡って破壊してきた訳さ。」

 

「その世界にいた転生者もみんな利用して破壊してね。」

 

「今まで自由にやってきたのに今更君みたいな邪魔者が来られてもねぇ……」

 

「(一昔前の悪役のような自己紹介しやがって…!)」

 

「(でもバグスターってところは予想通りだったな…。)」

 

「なるほど、ならばここがあなたの終着点です。潔く散りなさい!」

 

「いやだね!まだ暴れ足りないよ!」

 

バグスターの転生者が上げた腕を振り下ろし後ろから迫ってきた転生者達三人が蒼兎に飛びかかる。二人に蹴りを入れて一人をシンボルブレードで両断する。

 

両断された転生者はオレンジの粒子となって消えて行き、バグスターの転生者のバグヴァイザーに吸収されていった。残り二人も起き上がり再度蒼兎を襲おうと飛びかかる。

 

知性はあまりないNPCのような動きで蒼兎へ真っ直ぐ突っ込んでくる。蒼兎はドライバーのレバーを開閉させ、解放したウォッチのエネルギーをブレードと足に込める。

 

不用意に突っ込んできた転生者を回し蹴りで爆散させ、続いてやってきた転生者を上下に両断する。倒した転生者はバグスターとして回収されていった。

 

「ふーん、やっぱり転生者狩りを生業にしてるだけあってやっぱり強いね。」

 

「この力は割と最近に手にした物ですがね。」

 

「そっかぁ、じゃあその便利そうな力も根こそぎ貰おうかな!」




失踪から帰ってきました。
失踪している間にゼロワンとセイバー、キャメロットの映画を見てきました。あと『岸辺露伴は動かない』も今見終わったところです。脚本が小林靖子さんなので安心していましたが予想以上に面白かったです。露伴先生役の高橋一生さんの演技には『凄み』がありましたね……。
つまりなにが言いたいかと言うと最近面白い作品多すぎますね。

次に行く世界がラストです。

  • この素晴らしい世界に祝福を!
  • 異世界はスマートフォンとともに
  • ソードアート・オンライン
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