お弦さんといっしょ   作:とりなんこつ

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エルフナイン「ボクもずっと発令所にいましたからねッ!」


第13話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ま、待ってくれ、クリスくんッ!」

 

追いすがろうとする弦十郎。

振り向かずクリスは背中越しに怒鳴る

 

「あたしは櫻井了子の替わりじゃねえッ!」

 

その一喝が、影縫いのごとく足を縫いとめる。

しかし気合で無理やり足を動かし、一気にクリスとの距離を詰めた。

 

「頼む、聞いてくれ、クリスくん。俺は別におまえを彼女の替わりなどと…!」

 

肩に手をかけた途端、腕ごと弾かれる。

響く聖詠。

イチイバルを纏ったクリスが、凍りついた眼差しと表情を浮かべていた。

 

「しつこいぞ、おっさん。これ以上何かいってきたら容赦しねえ」

 

アームドギアの銃口を弦十郎の顎先に押し付け、言い放つ。

まるで氷壁のように冷たく分厚い拒絶。

あとは振り向かず、クリスは歩き去ってしまう。

さらに無理に追いすがれば、何かが決定的に破断する分水嶺。

弦十郎も本能でそのことを察していた。

結果、悄然とクリスを見送るしかない。

寒々しい廊下に残されたのは、彼女が持っていた書類袋。

拾い上げ、その中身を見て、眩暈にも似た感覚に襲われる。

 

…その後、ふらふらと発令所に戻ったらしいが、正直記憶は曖昧だ。

怪訝そうに駆け寄ってきた部下に、どうしたのか尋ねられたが、なんと答えたのかも良く覚えていない。

ただ、手にもっていた書類は、部下たちの目にも晒されることになった。

 

「これは…!」

 

書類の中身は、十数枚にも及ぶ写真。

弦十郎と櫻井了子のツーショットが大半を占めていた。

かつての本部で撮影されたものから、弦十郎自身、撮られた覚えのないプライベートなものまで。

さらに日付入りで、例の指輪を物色している場面まで添えられていた。

 

「もしかして、これが英国政府の隠し玉…?」

 

青ざめた顔で藤尭が呟く。

部下たち三人は、写真と状況を瞬時に結びつけてくれたらしい。

 

「そんなことより、雪音さんのことですよ!」

 

騒ぐ友里に、弦十郎もどうにか意志を取り戻す。

 

「そうだ、こんな時に離婚だとなってしまえば、英政府の思うツボに…!」

 

途端に左頬を殴られる。

衝撃から目の焦点を合わせると、涙目の友里が傷めた右手首をさすっている。

 

「この期に及んで何バカなことを言っているんですか司令ッ!?」

 

呆気にとられていると、激しい足音が発令所に飛び込んできた。

 

「司令、貴方…ッ!」

 

マリアも言うが早いが、弦十郎の右頬に強烈な平手打ち。

 

「いくら朴念仁だとしても、こんなの害悪よッ!」

 

同じく涙目で左手首をさするマリアに、同意するように頷く友里。

この女性陣の反応に、弦十郎は面食らう。

怒られている意味も分からず、助けを求めるように藤尭の方を見れば、

 

「さすがにオレも弁護しかねますよ」

 

諸手を上げていた。

同じく諸手を上げている緒川が顔をしかめた。

 

「しかし、どうします? 少しばかり洒落にならない事態ですが…」

 

「マジでS.O.N.G.崩壊の危機だろ、これは」

 

組織の崩壊など大袈裟な、と藤尭の発言を笑い飛ばそうとして、弦十郎は出来なかった。

現状は理解している。

これからの問題だって把握できている。

なのに、心のどこかがぽっかりと抜け落ちたようで活力が沸いてこない。

こんな体験は初めてだ。

…いや、過去に覚えがある。ルナアタック事変が終息した直後、こんな気持ちになったことを思い出す。

櫻井了子の死亡が完全に確認されたそのときに。

 

「…これだけ茫然自失となっているのなら、まだ脈ありかしら?」

 

マリアの視線に気づき、ほぼ反射で顔を向ける。我ながら覇気のない瞳をしていたと思う。

 

「そうみたいね。…マリアさん、雪音さんの方は――」

 

「いま、切歌と調が必死で宥めて足止め中よ。おっつけ、剣とあの子たちも来るでしょうし」

 

「助かるわ。私たちも、急いでどうにか収拾できるようにセッティングするから」

 

「OK。連絡は密にしましょう」

 

言い置いて、マリアは発令所を出て行く。

いったい二人とも何を喋っているいるのだ…?

その光景をただぼんやりと眺めていると、友里たちが近づいてきた。

 

「いいですか、司令。これから私たちが動くのは、組織の崩壊を防ぐための職責もありますけれど、もちろんそれだけではありませんからね?」

 

「あ、ああ…」

 

訳も分からず曖昧に頷く弦十郎に、友里は辞表を叩きつけるように宣言する。

 

「これが最後の機会です。これで駄目だったら、私たちは司令の元では働けません」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その結果がこれなのか…?」

 

茫然と弦十郎は呟く。

場所は、S.O.N.G.本部内の多目的戦闘シミュレーションルーム。

結構な広さのその場所で、向かい側にクリスがいる。

だけではない。およそ考えられる限りの職員たちが、部屋の外に鈴なりになって集まっていた。

向こうからマリアが歩いてくる。まるでクリスのセコンドのようだ。

 

「いい、司令? 私たちに出来るお膳立てはここまでよ」

 

友里と同じようなことを言う。

 

「しかし、お膳立てといっても…」

 

正直、何がなんだが理解が追い付いていない。

見るからに、クリスと再び話し合う機会をセッティングしてもらったことは理解できる。

よくあの状況のクリスに同意させることが出来たと感心はしたが、だけにこんな場所で、衆目の視線を浴びながらにはどんな意味があるのか?

更に、どう考えても話し合う雰囲気ではなかった。

 

「貴方は、お互いに全力で殴り合ってそのあとに和解するとかってシチュエーションは好きでしょう?」

 

「う、うむ。確かに嫌いではないが…」

 

「この際だから、色々とお互いに全力でぶつけ合えばいいんじゃない?」

 

「それがこんな場所である理由か?」

 

なんとも乱暴というか、大雑把というか。

 

「もう一つの理由は、肝腎なことを口にしていないあの子にも非があるってことよ。貴方みたいな野暮天の極地が相手じゃ尚更よね」

 

訳の分からぬこと言い残してマリアは部屋の外へ。

室内に残されたのは、腕を組んで仁王立ちするクリスと弦十郎の正真正銘の二人きり。

マリアの背中を恨むように睨んでいたクリスだったが、ようやくこちらに焦点を合わせた。

 

「…おっさん。この期に及んで言い訳なら聞かねえぞ」

 

聖詠が響き、クリスがイチイバルを纏う。

構えた銃口がこちらを捉えている。

本当に殴り合うつもりか?

いつの間にか、周囲の風景もコロッセオのような闘技場へ変化していた。

ゆっくりと弦十郎も拳を構える。

…別に構わないか。それでクリスくんの気が晴れるのならば。

 

「いいだろう。来い、クリスくん。たとえどんなことを言われても、どんな攻撃をされても、俺は一切反撃しないことを約束する」

 

「ッ! そんな風に余裕ぶってるのが腹立たしいんだよッ!」

 

いきなりのガトリングガンの斉射。横っ飛びでかわす弦十郎のあとに土埃が立つ。

 

「大人がそんなに偉いのかッ! 大人だったら、そんなに自儘に振る舞っていいのかよッ!」

 

着地点を狙い澄まし、すかさず幾つもの小型ミサイルが誘導。

弦十郎は、先頭を飛来する一つのミサイルを拳で横に小突く。弾かれたミサイルは、まるでビリヤードのショットのように他のミサイルも次々と弾き飛ばした。

結果、ミサイルの小群は弦十郎の身体を素通りして後方で着弾。爆発。

呆気にとられるクリスに弦十郎は頭を下げる。

 

「俺は大人だからと自儘に振る舞ったつもりはない。だが、おまえが傲慢に思えたのなら、真摯に謝罪しよう」

 

「…いっつもそうだ。そうやって、あたしを子供扱いしているッ」

 

言うが早いが、クリスは間合いを詰めてきた。

銃を使った近接格闘。映画に登場する架空の格闘術を、クリスは完全に自分のものにしている。

振り回される手足に、思いもよらぬ方向から飛んでくる銃弾。

さすがに弦十郎も捌くのに気を取られている間に、クリスの絶叫に似た声は続く。

 

「あたしは子供じゃないッ!」

 

「無論だ、クリスくんはもう立派な」

 

淑女だ、と続けようとした弦十郎を、クリスの叫びが弾丸となり貫いた。

 

()()()()()()()()()()()()()()()!!」

 

その言葉に、頭を思い切り殴られたような衝撃を受けた。

確かに自分は子供がいてもおかしくない歳だ。

ゆえに、無意識で、クリスのことを娘のように思って…?

動揺がそのまま肉体に直結したよう。

クリスの前蹴りをかわしきれず、弦十郎は真正面から受け止めてしまう。

強制的に広がる間合い。

ただし、負ったダメージは、肉体より精神の方がはるかに大きい。

 

「…俺は、そんな、クリスくんを娘扱いなど…」

 

「この期に及んでしらばっくれてんじゃねえッ!」

 

再開されるクリスの攻撃。

 

「違うってんなら、なんでッ! どうして…ッ!」

 

そして、攻撃すると同時に、クリスの目から涙が迸っている。

その痛々しさに気づいたとき、振りかぶられた彼女の拳を弦十郎は受け止めていた。

反撃しないとの禁を破り、クリスのもう片方の腕も握って動きを拘束する。

一瞬暴れるかに思えたクリスは、そのまま項垂れた。そして繰り返す。

 

「…あたしは、櫻井了子の替わりじゃない」

 

「無論だ。クリスくんはクリスくん以外の何者でもない」

 

「じゃあ、なんであの人に贈る指輪をあたしに贈った?」

 

「それは…俺にとって、おまえは彼女と同じくらい大切な存在だという意味だ」

 

顔を伏せたまま、クリスのフッと笑った気配。

 

「…おっさんは嘘が下手だな」

 

嘘じゃないッ!と叫ぼうとする寸前、掴んでいたはずの両腕が振りほどかれた。

シンフォギアは装者の心象によって変化する。

そして今、イチイバルはクリスの心に呼応したのか、勇ましく、それでいてこちらを拒絶するような鋭角な形状へと変化していた。

クリスの両手が合わさり、アームドギアがさらに姿を変えていく。まるでグレネードランチャーのように変化したその筒先に弦十郎を据え、クリスは叫ぶ。

 

「ストレートの髪型が好きだとか! 可愛いとか! 全部、櫻井了子の髪型だったからだろうよッ!」

 

「!!」

 

放たれる擲弾。炸裂する爆炎。

常人なら消し飛ぶであろうその火力の前に、弦十郎はなお健在。

硬気功と発剄の合わせ技である。

 

「…それは否定できないかも知れない」

 

それでいて、今度は弦十郎が項垂れる番だった。

まだ櫻井了子と時間を過ごしていたころ。

彼女とて、いつもあのうず高く巻き上げた突飛な髪型をしているわけではなかった。

特にシャワーを使ったあとは、そのままストレートでいることが多かった。

あの時の櫻井了子は、本当に美しかったと思う。

それは弦十郎の心の中で、幸福な時間の象徴として焼き付いていた。

翻って、そんな鮮烈な過去の幸せを、クリスに重ねてしまっていたことは否定できない。

 

「すまない、クリスくん。俺の中には、まだ彼女がいたようだ…」

 

もう彼女は死んだ。

その肉体すらこの世界に存在しない。

しかし、あの輝かしい記憶までは失われるはずもなかった。

たとえどんな結末に汚されようとも。

 

「…そんなの、知ってたさ。ああ、あたしは知っていたんだッ!」

 

大声を出すクリスに、弦十郎はおそるおそる顔を上げる。

 

「アンタが、誰かを想っていることも! それが櫻井了子だってことも!」

 

ドンと胸元に衝撃。

闇雲に殴りつけてくるクリスの手に、アームドギアは握られていない。

 

「アンタは本当に無茶苦茶でッ、そのくせ大真面目でッ」

 

「野暮天のッ、唐変木でッ」

 

「鈍感なロバみたいなくせにッ」

 

「それでもやっぱり優しくてッ、暖かくてッ」

 

泣きながらクリスは拳を弦十郎の胸元へぶつけ続けた。

まるで駄々っ子のように。

もしくは、見えない何かを壊そうとするかのように。

 

「アンタがあたしを救ってくれたんだッ! こんな大人ならいいって憧れたんだッ!」

 

もはや握られた手は拳の体裁を取っていない。それでもクリスは腕を動かすのを止めない。

 

「…だから、あたしはッ! あたしにとってはッ!」

 

クリスの心が訴える。悲鳴のように訴える。

心の深奥からの叫びは、そして絶唱のように響き渡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あたしは、そんなアンタが好きなんだよッッッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…俺も、クリスくんのことは好きだぞ…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

一転、場に満ちた空気が凍りつく。

 

だが、

 

「はいはいはいッ!」

 

颯爽とマリアが二人の間に降り立った。

 

「いい、司令? この子が言っている好きってのはLIKEじゃなくてLOVEの方なのよ。OK?」

 

「つまり…愛だとッ!?」

 

「なぜそこで愛ッ!? って間違っちゃいないけど…」

 

お約束の突っ込みを披露し、マリアは退場。

 

後に残された二人に、空気が再び熱を取り戻す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…そうだったのか?」

 

恨みがましい上目使いで無言のままコクンと頷いてくるクリスに、弦十郎の精神は後ずさったが、肉体の方は前へと進んでいた。

いつの間にかイチイバルを解除した涙目のクリスを、腕の中に抱きしめている。

その小さな温もりを感じながら、過去の出来事を省みたとき、色々と腑に落ちた。

が、腑に落ちたことと納得できたことは別問題。

内心はまるで嵐の海のように荒れ狂っている。

しかし、その動揺を露わにし狼狽することを、弦十郎が自身に許すこともなく。

 

「…すまなかった」

 

クリスをしばらく抱きとめたまま、ようやく声を絞り出す。

 

「正直、俺も驚いている。それでも改めて言わせてくれ。おまえは俺にとって本当に大切な存在なんだ」

 

自分で言っておいて、突然の沸いて出てきたかのような台詞だった。

しかし、不思議と違和感はない。

この健気な娘を心より大切だと既に公言しているのだから、当然と言えば当然だ。

だが今は、そこに自分で疑問を投げかけている。

彼女と同様に? 彼女以上に?

分からない。自分でも判然としない。

だから、ただ本能のままに言葉を重ねる。

 

「俺も…おまえの気持ちに応えたい。応える努力をしてみたい。そのために、少し時間をくれないか…?」

 

抱きしめていると、コクンと腕の中のクリスが頷いた感触。

それがそのまま自分の胸に温かく染み込んで行く。

 

「今度、新しい指輪を買いに行こう」

 

そう囁くように告げれば、クリスの両腕が腰に回ってくる。

抱き返してきた少女が咽び泣く姿を包んだまま、弦十郎は周囲を見回した。

いつの間にかシミュレーションは解除され、職員たちが安堵の視線を、あるいは生暖かい視線、もしくはやっかみの視線を注いでくる。

 

「…ひょっとして、みんな、クリスくんの気持ちを知っていたのか?」

 

明確な返答こそないが、友里はウンウンとばかりに激しく頷いていた。

エルフナインは顔を真っ赤に染め、その隣の女性職員に加えて装者たちも黄色い歓声を上げている。

なので、おもわず弦十郎は呟いてしまった。

 

「みんなして人が悪いな。そうならそうと教えてくれれば…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぶちんッ! 

 

 

 

 

 

何かが切れる音が、盛大に木霊した。

寸前までの祝福ムードも一転、周囲は怒りにも似た瘴気に満ちていく。

 

「な、なにがどうなって…?」

 

戸惑う弦十郎の耳に、朗々と複数の聖詠が響き渡る。

続いて、幾つもの人影が室内へと飛び込んで来た。

 

「…確か、反撃はしないって言っていたわよね?」

 

マリアを筆頭に臨戦態勢のシンフォギア装者たち。

全員が揃って顔に青筋を立てている。

 

「せいぜいあたしの分も派手にやってくれや…」

 

いつの間にか弦十郎の腕を脱したクリスが、マリアの肩をポンと叩き、疲れたような声を置いて背を向けた。

 

「お、おい、おまえたち、一体これは…」

 

「さすがにあれは酷いですよ、師匠ッ!」

 

「叔父上、問答無用!」

 

「ギルティなの!」

 

「デース!」

 

クリスを除く全てのシンフォギアとその装者が、一斉に弦十郎に襲いかかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…今日はこのへんで勘弁してあげるわ」

 

まるで悪の組織の女幹部のような台詞を言うマリアは肩で息をしている。

他の装者たちも同様に激しく肩を上下させ、疲労困憊の様子。

そんな彼女たちの成果は、足もとに転がっていた。

 

「むう…動けん……」

 

いかに風鳴弦十郎とて、反撃もせず一方的にシンフォギアの波状攻撃に晒されてはたまったものではない。

それでもどうにか凌ぎきった代償に、体力を完全に枯渇させてしまっていた。

結果として、無様にぶっ倒れてしまった次第である。

この場合、弦十郎と装者たちのどちらに軍配を上げればいいのか。

 

「…ったく、本当に空気が読めないよな、アンタは」

 

呆れ顔のクリスが、頭の方に立ってこちらを見下ろしていた。

仰向けのままの身体が動かなかったので、弦十郎は目だけを動かして言う。

 

「…クリスくん、下着が見えているぞ……」

 

「~ッ!!」

 

トドメとばかりに思いきり顔面を踏まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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