パヴァリア光明結社の刺客に対抗する為、その日も様々な場所で手掛かりを探していた連達。
その日、連は自然が溢れる世界に来ていた。
「うわぁ、隠れるのにはぴったりな場所だな」
連はそう言いながらも、歩いているが、道中で原住民と会わない事を願いながら進んでいく。
「早い所、スーパー戦隊の力を受け継がないとな。
少しは見えてきたからな」
そう言いながら、連はポケットの中にあるスーパー戦隊のリュウソウルに触れる。
一週間程、マーベラスの修行を行っていく内にこれまで見た事のないスーパー戦隊に認められる事ができた。
未だに正体が分からないガイソーグに対抗する為にも、早く力をつけたいという焦りが連の中にはあった。
そんな中
「また、お前か」
これまでに感じた事のある視線に気づき、振り向く。
連は見つめると、そこにはバンが立っていた。
「雨宮連、お前は、分かっているのか」
「何をだ?」
会って、何を言い出すのか、気になり、見つめていると
「ジンガの危険性をだ!!」
「また、過去の事かよ。
それを言ったら容赦はしないと言ったはずだぞ」
「いいや、分かっていない!!
ジンガは多くの人々を傷つけ、殺してきた。
奴を放っておけば、また被害が出る、それが奴の所業なんだぞ」
「はぁ」
それだけ言ったバンに対して、連はため息を吐きながら
「さっきから被害だとか殺しただとか言っているけどな。
例えそれが、本当だとしても、俺は神牙をお前らに渡すつもりはない」
「いい加減に「いい加減にするのはてめぇだ」っ」
「人の過去をベラベラと喋っているけどな、だったらあいつがどんな思いでそれをやったのか分かって言っているんだろうな」
その言葉と共に連は神牙が語った過去の話の中で、彼の後悔を聞いた。
人々を巻き込み、多くの人々を殺した。それを行った理由はかつて守ろうとした人々によって、自分達の大切な存在を奪われたから。
自分の力を絶対視し、多くの人々を闇へと落とした。その力が人々を救う事ができると信じていたから。
神牙の行ってきた悪行は確かに許されない事ばかりだ。
だが、それは同時に彼自身の優しさが引き金になった悲劇でもあった。
心の怪盗団の始まりであった人助けも、春の父親が犠牲になった事件、それらは連にとっては重なる所もあり、神牙を信用する事ができる。
だからこそ
「お前のようにやった事しか目を通さない奴の話を聞くつもりはない」
「やはり無駄だったか」
その言葉と共にバンはキュータマを取り出す。
同時にソウゴもルパンレンジャーソウルを取り出し、リュウソウチェンジャーにセットする。
「はやてにどう謝ろうかな」
そう、こちらを睨みながら言う。
「怪盗チェンジ」
「警察チェンジ」
【怪盗チェンジ】【警察チェンジ】
その音声と共に連はルパンレッド、バンはパトレン1号へと変身する。
変身を終えると共に、ルパンレッドはリュウソウガンを、パトレン1号はセイザブラスターを構える。
互いに動きを見せず、気味の悪い静けさが支配する中で、近くから物音が一つなる
「「っ!!」」
それを合図に、互いの武器の引き金を引く。
互いの攻撃が激突し、消滅を繰り返しながら、二人は接近する。
「ほわちゃぁ」
「はっ!!」
パトレン1号はルパンレッドへと接近すると同時にその手に持ったヌンチャク、クレシューズを使い、襲い掛かってきた。
「特典か」
「あぁ、俺にはまだ扱いきれなかった分の武器を、今は使えるようになったんだよぉ!!」
その言葉のまま、その手に持ったヌンチャクでパトレン1号は襲い掛かってくるが、ルパンレッドは
「ペルソナ!!」
その言葉と共に、襲い掛かるクレシューズの攻撃を遮るように召喚した紫色の狼がパトレン1号を襲う。
「なっ、なんだ、このペルソナはっ!!」
目の前にこれまで見た事のないペルソナに驚きを隠せないバンだが、なんとかクレシューズの攻撃で現れたペルソナを吹き飛ばす。
「へぇ、なかなかに面白い奴だな。
おい、人間」
「なんだ」
「名前は」
「連だ」
「そうか、だったら、俺の力を使ってみろ!」
その言葉と共にペルソナは紫色の光と共に、ルパンレッドの手には紫色の剣が現れる。
『我は汝、汝は我。
我、欲望を喰らいし者。
汝の欲望が尽きるその日まで、我が牙を使え。
我が名はルシエド、欲望を司るガーディアン』
「今のは、まさかルシエドっ!」
「悪いが、剣の扱いも鳴れているんだよ」
その言葉と共にルパンレッドはその手に持ったルシエドを構え、互いにぶつかる。
「たぁ」
「はぁ!!」
ルシエドから溢れるパワーと共にルパンレッドはパトレン1号に攻撃を仕掛ける。
一撃で地面を抉る程の威力を見て、警戒を高めたパトレン1号もすぐにクレシューズに秘められた力を開放する。
「神器開放!!」
同時にパトレン1号はこれまでにない速さと共にルパンレッドの攻撃を逸らしていく。
ルパンレッドは力を、パトレン1号は速さで。
これまで正反対だった二人の戦いはまるで入れ替わったように戦いは繰り広げられていた。
「まさか、こんな所でな」
「やるぞ!!」
そんな二人の戦いを割り込むように入ってきたのは黄金の鎧と黒い鎧、2体の怪人が襲い掛かる。
彼らはかつてリュウソウジャー以外の恐竜スーパー戦隊が戦った相手であるネオグリフォーザーとネオガイルトンであった。
彼らがここに来たのは偶然であり、ルパンレッドとパトレン1号の戦いを見て、チャンスだと思い、襲い掛かる。
だが
「「邪魔だぁ!!」」
それまで戦っていた二人は襲い掛かってきた2体の怪人を吹き飛ばすと同時に、その手に持っていた武器で怪人を吹き飛ばす。
同時にルパンレッドはリュウソウガンとリュウソウケン。
パトレン1号はセイザブラスターを構えた。
【ギャラクシー!】
【ジュウレンソウル!】【アバレンソウル!】
パトレン1号はセイザブラスターを構える。
ルパンレッドは、それとは別にまるでゴーカイレッドを思わせる動きで銃を構える。
「オールスタークラッシュ!」
「ゴーカイキョウリュウブラスト!」
その言葉と共にパトレン1号から放たれる必殺技は二人の怪人の動きを完全に止め、リュウソウガンから放たれた弾丸はリュウソウケンから出た斬撃を浴び、巨大なティラノザウルスとなり2体の怪人を完全に食らう。
「「がああぁ」」
瞬きにもならない程の一瞬の攻撃により、倒された2体の怪人はそのまま倒れる。
「さて、邪魔な奴はいなくなった」
「続きをするか」
その言葉と共に、二人は再度睨み合い、その手に持った武器を構える。
「「はああぁぁ」」
「辞めんかい!!」
そんな二人の激突を止めたのは、なんとはやてだった。
はやては二人が激突する直前、その手に持った杖で叩く。
「がぁ、なっ何をする!!」
「それはこっちの台詞や。
まったく、バン君はもう少し落ち着き。
それに連君も」
「別に俺は「戦う理由も分かる。けど、周りも観ないとあかん」すまん」
はやての言葉を聞き、少し落ち着きを取り戻した連は周りを見ると、そこには巨大な骸骨の三つ首龍がいた。
その姿は皮肉にも2体の怪人が仕えていたボルドスの姿に似ていた。
「あれは」
「君達が倒した奴らが合体した姿や。
とにかく、バン君も急ぎ」
「あぁ、そうだな」
パトレン1号はそれに頷くと同時に手に持ったセイザブラスターからシシボイジャーを呼び出し、飛び立つ。
「それにしても、ほんとまぁ、色々と無茶をするな」
「そうでもしないと、救えない人がいるからな」
「そうか、ならうちから言う事はない。
だけど、連君、バン君の事を嫌いにならんといてくれないか」
そう言い、シシボイジャーで戦うパトレン1号の姿を見る。
「あの子は色々と真っすぐすぎて、思い込みが激しい所があるんや。
周りもそれに賛同している所が多いからな。
だから、君みたいに、真正面から反対してくれる子が必要なんや」
「真っすぐか」
そう言われて、連は少しばかりため息をつく。
「まぁ俺も思い込んでいる所があるからな。
まぁ、とりあえずは間違えた時は、全力で止める」
「おぉ、期待しとるで」
その言葉を受けると同時に連はその手にあるリュウソウチェンジャーに手を添える。
「ティラミーゴ!!」
その叫び声と共にティラミーゴがこちらに迫ってきた。
「連君」
「んっ」
「私の立場から言うのは変だけど、頑張ってな」
「あぁ」
その言葉を受けると同時に連はティラミーゴに乗り込む。
そんな走り出したティラミーゴに向かって、落ちてきたのはシシボイジャーだった。
「ついでだ、試しにやるか、ティラミーゴ!!」
「分かった!!」
連が何を行おうとしているのか理解したティラミーゴは雄叫びをあげる。
ティラミーゴの体は分裂し、空中で飛んでいたシシボイジャーへと迫る。
そうして分裂したパーツがシシボイジャーに合わさる事で、新たな姿へと進化した。
「完成、キシキュウレンオーなんてな」
「なっ何が起きた!?」
キシキュウレンオーの胴体にあたるキュウタマに入っているバンは何が起きているのか分からず周りを見つめているが、そんなバンの事を無視し、手を前にかざす。
するとシシボイジャーの顔を模した銃と盾が一体化した武器とティラミーゴの顔を模した剣がキシキュウレンオーは手に取った。
「さぁ、俺の騎士道見せてやる」
「なっその声は、雨宮連っ!!」
そのままキシキュウレンオーが走り出すと、迫りくるボルドスはこちらに向かって襲い掛かる。
だが、盾を使い、その攻撃を防ぐと、そのまま剣で切り裂く。
「勝手に動かすな」
その言葉と共に連の操作から離れ、バンの動きによって、背中のバックパックから炎が噴射し、空中に飛び、盾から放たれるレーザーによって、首を撃ち落とす。
「この形態はあんまり長続きそうにないな」
『あぁ、向こうのエネルギーとは上手く合わない。
性能はこれまでで一番だが』
「息の合わない者同士という事か。
だったら、一気に行くぜ!!」
その言葉と共に盾を構える。
すると盾から出てきた巨大な赤いエネルギーの球体がボルドスを閉じ込めると、キシキュウレンオーは構える。
「キシキュウレンオー!ギャラクシー真っ二つ斬り!!」
「なんだ、今のダサい名前は」
「ふっ」
バンの言葉を無視するように、シシボイジャーを吹き飛ばすと、そのまま立ち去った。
『そんな事じゃ、仲良くなれないぞ』
「仲良くするつもりはないからな」
そう言いながら、ティラミーゴと共に世界を渡り歩いていた。
『それは神牙の事で怒る理由も分かるが、奴らからしたら、過去の事しか知らないから仕方ないだろ?
それに今の神牙の事を知らない』
「まぁ神牙の事もあるけど、俺は個人的にあいつを気に入らない」
『えっ、理解できるのにか?』
連の言葉に驚いたように、ティラミーゴは連に聞く。
「当たり前だ。
理解しても、気に入らない奴は気に入らない。
それに、あいつは神牙の事を悪く言えないだろ」
そう言いながら、連は拳を握りしめる。
「人の気持ちを考えないような奴にはな」
カリオストロ戦での連の姿は
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リュウソウジャー
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ルパンレンジャー