源氏冒険譚 〜始まりの風〜   作:犬原もとき

11 / 15
前話で書き溜めておいた分が無くなったので、更新速度が落ちるます_(:3」∠)_


episodio:Ⅺ 出港

Lato:Altro

ジョルノが新人イビリを何とか切り抜けて間もなく、ブチャラティはリストランテのウェイターに呼ばれ、電話に出ていた。

そして、戻るなり直ぐに出かけると言いチームの面々を引き連れ、ヨットを借りに港へと訪れた。

「ヨットクルージングで喜んだのにレンタルか…」

「不満なのか?えぇ?ナランチャ。だったら金貯めて自分で買うこったな」

「べ、別にそんなこと言ってないだろ!?ただ、たまにはあんなのに乗りたいなぁって…」

ナランチャは一つの、クルーザーを指差した。

レンタルのヨットクルーザーと違い、これぞクルーザーだ!と言わんばかりのそれは、ナランチャでなくとも心が惹かれる。

それを見て各々の反応は

「確かになぁ…羨ましいぜ!くそぅ!」

純粋に同調するミスタ。

「まぁ、自分のが欲しいと思わないこともないけど…」

本当は欲しい。というナランチャの気持ちに同意しつつも、ナランチャの収入の使い方を考え、ため息が出るフーゴ。

「そうですね。ああ言うのって買って終わりじゃないですからね。維持費とか燃料費とか…買ってからも、お金は掛かるらしいですし」

フーゴのため息に、なんとなく察しがついたが、それをそのまま言うのはどうかと思い、少し遠回しにナランチャに警告を出すジョルノ。

「ほぉ〜…ナランチャ。お前中々お目が高いじゃねぇか」

何かに気づき、ニヤニヤと口の端を上げるアバッキオ。

「はっ?何が?」

「ありゃあフェレッティのクルージングボートだ。言ってみりゃ高級クルーザーだな。フェレッティ社の販売体系上、価格は公になってねぇが、3000万リラはくだらねえだろうよ」

「い゛い゛ッ!?」

アバッキオから知らされたまさかの価格に、ナランチャはもちろんの事、他の面々も驚いた。

だが一番驚いたのはブチャラティだ。

「お、おい!今の話は本当か!?エド!?」

「そんなバカな!私が聞いたのは1万5千ですよ?!」

「えっ!?」

そのやり取りを聞いたメンバーの驚きは、更にそれを超えた。

因みにイウスは嘘は言っていない。

イウスが払ったのは間違いなく1万5千だが、それはユーロである。

当時のレートは、1ユーロが2000イタリアリラだったのだ。

あまり高額な数字を言うと、王として育てようとしている千歳はともかく、ブチャラティを始めとしたメンバーが、尻込みして使わないだろうと考え、耳馴染みの浅いユーロで金額を伝えた。と言うのが真相だった。

誤算だったのは、ブチャラティがイウスの行動を深読みし、将来的にエドに返そうと、一度も使わなかった事だろう。

 

その後、折角だからクルージングボートで行こうと言う話になったが、ブチャラティが、使うつもりがなかったので、鍵を持ってきていないことが分かり、結局レンタルする事になった。

そして現在、一行はナポリ湾を航行している。

「しっかしすげーな!イウスってさぁ、頭は良いしあんな高級品ポンッ!とブチャラティにあげちゃうし。なんかブチャラティに恩でもあんのかな?」

「そりゃああるだろうさ。あるだろうけどよぉ…」

「どうしたんですか?ミスタ」

興奮するナランチャとは対象的に、何処か納得いかない顔をしているミスタに、ジョルノは興味本位で尋ねてみた。

「ん?あぁ、実を言うとな、エドとの付き合いはブチャラティより俺の方が長いんだよ。エドはチームの中じゃフーゴと並んで最古参だ」

チームにとっては当たり前の事でも、新入りであるジョルノが知らないのは、当然だと思い、ミスタはエトがチーム最古参である事を明かす。

ジョルノは当然少し驚いたが、薄々そうではないか?と思っていたので、そこまで動揺はなかった。

「逆に俺はお前より一年早い。つまりチームの中じゃ、ルーキーも良いところって訳なんだが、まぁそんな事はいい。俺はあいつがあの年になるまで、表で世話してやってた。色々あったが、あぁしていると感慨深いぜ…」

遠い目をしているミスタの視線の先には、ブチャラティと何かしらの話をしているエドの姿があった。

ジョルノが、ほんの少しその姿を見たあと、ミスタに目を向ける。

その顔は、まるで子を見守る父親か、兄の様であり、ミスタにとってエドは、もはや家族といっても差し支えない程の、掛替えのない存在なのだ。とジョルノは感じた。

(やはり…このチームは良い人の集まりだ。本当に悪い連中なら、こんな表情を引き出せない)

「つまりよぉ、あいつの事を支えてきたのは、ブチャラティだけじゃあないんだよ。俺だって手探りで、色々頑張って来たわけだよ。なのによぉ!あの胡散臭いイソギンチャクやろー!ブチャラティにはあんな立派なクルージングボートを、プレゼントしてるっつーのに俺にはなんにも無しってか!?」

正確には、クルージングボートはチームに贈られたものではあるが、使う為にはブチャラティから鍵を預からなければいけないので、実質的にはブチャラティの物だと、ミスタは考えていた。

「ちっくしょー…あのヤローの事だ。ブチャラティは善意だが君は義務だろう?とか思ってんじゃあねーだろうな?いや!寧ろそう思ってるに違いない。なにせあいつは出会った時からそうだったしな!今度あったら俺にもクルージングボート寄越せって言ってみるか!」

そんな事を言っているミスタを見て、ジョルノはこう言うふうに言いたい事をハッキリというから、向こうは黙って待っているんじゃないのか?と思ったのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。