源氏冒険譚 〜始まりの風〜   作:犬原もとき

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運転中にこんなことされたら縁切るレベル_(:3」∠)_


episodio:XIII ポルポの遺産を奪え!

Lato:Altro

それは、ブチャラティ達が出港する数時間前の事だった。

そいつ等は二人組でローマの道路を、ドライブしている。

運転席の男は、奇妙な髪型をしており、色も相まって、カメレオンの尻尾のような。助手席を若干倒して座っている男は、髪の横側を、鉤爪のように整えており、左右に計6本あるその髪型は、オレンジ色の髪もあり、蟹のような印象を受ける。今は帽子を深く被っており、その表情を伺うことは難しい。

奇抜なファッションセンスを持っている事が、容易に想像できる髪型のこの男達は、ギャングである。

無論パッショーネの一員で、現在は指令も無くフラフラとしていた。

「さっき聞いた情報なんだがよ…幹部連中が騒いでる。ポルポが自殺した。……てな」

カメレオンのような男は、その言葉に反応し、隣の男をじっと見た。

続きを待っているようだが、男は運転中である。

「おい…前見ろって」

「平気だ。それにしても自殺?あのデブが?」

腕に自身があるのか、男は注意されたにも関わらず、前を見ない。

実際、寸での所で避けてはいるが、いつ事故を起こしてもおかしくは無い。

「前見ろったらよぉ〜ッ。で、ポルポの奴、デブを気に病んでか、それとも牢獄でメランコリックな気持ちになったのか、兎に角チョロい神経してたみたいでよぉ〜。自分の拳銃を口にくわえて、ドバッ!とやっちまったんだとよ」

「マジに自殺なのか?バラされたんじゃあなく?」

「マジに自殺だ………検死ってやつか。専門家が見ると、自殺か他殺かはすぐに区別がつくらしい」

カニの男はそこで、一呼吸おいて続ける。

どーしても前を見ない運転手の代わりに、周りに見ているようだ。

或いは、今から話す事を他の誰かに聞かれたくないのかもしれない。

「それよりよ…ポルポの財産の噂。お前知ってるか?」

「噂?宇宙の果てを知らねーように、そんな噂に知らねー」

宇宙の果ては言いすぎだろう。とカニの男は思いながら、口を開く。

「ポルポは牢獄に入る前に、自分の財産を、少しばかり宝石とか金塊に変えて、何処かに隠したって噂だ。そう、隠し財産だ。組織に内緒で銀行に預けられないようなヤバい金さ。ポルポが生きている内は誰も盗もうだとか、探そうだとかいう奴はいなかった」

ポルポは幹部であった。

当然の事ながら、その辺のチンピラが自分の隠し財産を狙っているとなれば、すぐさまソイツを消す事が出来る。

生きていれば。

「だが死んじまった今となっちゃ、その金は誰の物でもない。フリーは金だ!見つけたソイツの物ってわけだ!金額は50億だって話だ」

「50億ゥ?」

余りにも大きな金額に、カメレオンの男の目の色が変わる。

「うへへ…もしそんだけの金があるなら、何が買えるかな?モナコとか日本に女カコってよぉ〜……」

「いや、俺ならのし上がるね。その金を組織に納めりゃあ、ポルポの代わりに幹部になって、もっともっと美味しい汁が啜れるんだ」

幹部の抜けた穴は、組織としても大きい。

そこに、手段はどうであれ、50億の大金を納められる程の手腕を持った人間が現れたのなら、抜けた穴を埋めるには適任と考えるのが、妥当である。

それが分かっているからこそ、カニの男は忌々しげな顔をした。

「ブチャラティが、その隠し財産の居場所を知ってさえいるなら…奴から分捕ってやれるっていうのによぉ〜…」

「ブチャラティ?確かネアポリスのチンピラだな。そいつがどうかしたのか?」

「ああ…こっからは俺だけの考えなんだが…もしポルポがマジにそんだけの財産を、安全に隠そうとしたらどうすると思う?ポルポはあの体だ。自力で動けるかどうか怪しいっつーデブだぜ?誰かにやらせたんだ。口の固い誰かに。本当に口の固い奴なんていないかで知れねぇが…ポルポはブチャラティとエドって奴を気に入っていた。だがエドじゃあねぇ。アイツは今年12になるかならないかだからな…前!信号!」

まるで整理する様に、自分の考えを話すカニの男。

カメレオンの男が相変わらず前を見ないでこちらばかりを見るので、やや苛立ってきている。

「ったく…でよぉ、隠し財産が本当ならよ、俺の考えならブチャラティが動くはずなんだよ。隠した50億を回収しになぁッ!ブチャラティだって金は欲しいはずだからよぉ〜〜〜〜ッ!ハッ!!」

話を聞き終わるが早いか、運転していたカメレオンの男は姿を消していた。

「おい!!ズッケェロ!!」

時速60km以上で走行していた車が、コントロールを失う前に、なんとか片手でハンドルを操り、車がぶつからないように運転するカニの男。

「行っちまったよズッケェロのやつめ・・・マジに信じたのか?だが、ブチャラティたちを尾行するなら気をつけろよ?奴らも全員、スタンド使いらしいぜ?」

今はここにいないであろうズッケェロに警告するように、呟くカニの男は、それはそれとして戻ってきたらぶん殴ろうと考えていた。

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