卯月は寂しいと死ぬ   作:Higashi-text

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06話

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めると長門さんの腕の中だった。どうやら私は長門さんに曳航されているらしい。

非常に疲労感があり、体が怠くて動くことがままならない。

それでもどこからか体に力が入ってしまう。緊張しつつも私は口を開いた。

 

「……長門さん……弥生は?」

 

「起きたか。弥生は無事だ。金剛が曳航したから今頃は鎮守府のドックで修復中さ」

 

それを聞いて一気に安堵の気持ちが押し寄せ、力が抜けて行く。

 

「…………」

 

「……まあ、なんだ。卯月、無理かもしれないが気にするな。あれは事故だ。それに旗艦を務めた私の責任でもある」

 

「……………………」

 

「卯月?」

 

「長門さん。降ろして欲しいぴょん」

 

「それは構わないが、お前一人じゃ航行できないだろう」

 

「もういいよ。うーちゃん鎮守府には帰らない」

 

弥生の無事を知った途端に安堵が広がるが、同時に激しい後悔と罪悪感、それに消えたいという気持ちや色々な感情も広がってくる。

 

 

端的に言えば死にたかった。

 

 

「帰りたくないって、どうするんだ? 帰らないと補給もできないぞ」

 

「ここに置いていって。自沈する」

 

「は、はぁ!? 自沈だと!? おい、冗談だよな?」

 

「……もういやだよ。……耐えられないよ」

 

「…………」

 

「……………お願いだから、……ここに……置いていってください……」

 

「……なぁ、卯月。なんでそんな悲しいことを言うんだ」

 

「……悲しいことなんて言ってないです」

 

「私は悲しいぞ」

 

「……それは勘違いです」

 

「いいや、悲しい。勘違いなんかじゃない。それに私だけではなくみんな悲しいはずだ」

 

「……ごめんなさい。じゃあ何も言いません。……だから置いて行ってください」

 

「いいやダメだ。私は置いていかないぞ。そもそも降ろさないからな。お前がなんと言おうが降ろさないし離さない」

 

「……どうすれば自沈させてくれますか? うーちゃんに出来る事ならなんでもします」

 

「……………………よし、決めたぞ。卯月が沈んだら私も沈む。卯月が自沈したらすぐに私も後を追うことにした。だから、お前が自沈する時は私を沈めると思え。一蓮托生というやつだ」

 

「……そんな、ずるいです」

 

「ああ、今まで隠していたが、実は私はずるい性格でな。幻滅しただろう」

 

「そんなことない!……です」

 

「まあ、いずれ分かるさ。それよりいつも通りに話してくれ。お前にかしこまった言葉を使われたくはない」

 

「……ぴょん」

 

「ではまずは鎮守府に帰って、補給して、風呂に入って、弥生の見舞いに行って、たっぷり寝るんだ」

 

「……弥生に、謝らないと……」

 

「まだ少し掛かる。今日はいつもよりだいぶ疲れているだろう。私に任せてまだ寝ていなさい」

 

長門さんは私の疲労もお見通しらしい。やっぱりすごいなぁ。私も長門さんみたいな人になりたかったなぁ。

頭を撫でられる内にいつのまにかまぶたが重くなり、私はそのまま眠気に負けてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

抱きかかえている卯月が寝たのを確認しながら、長門は先程の光景を思い出す。

 

卯月がパニックになった時、足元から水が大量に噴き上がり広範囲に広がった。おそらく卯月の力が暴走したのだろう。

そのせいで卯月は体力を限界まで削り動けない状態だ。今は大人しく腕の中で寝ている。もしまだ力を行使出来る余裕があれば、自身の腕などすぐに振り払われてしまう。

 

だがこうして卯月が何も出来ない間に話す事ができて良かったと思っている。自沈するなどと言い出したのだ。もしかしたら弥生が無事なことすら言えないまま自沈されていたかもしれない。

 

先程はなんとか出来たが、鎮守府に帰ってからどうするか。卯月の言い出した言葉がショックで中々頭が回らない。

 

「……これは思っていたより深刻だな…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……弥生、……ごめんなさい……」

 

「…大丈夫」

 

「私もすまなかった。旗艦として責任は私にある」

 

「…長門さんも、弥生は大したことない、です」

 

「……弥生は大破したんだぴょん。……大したことあるよ……」

 

「…大丈夫。もうすぐ治る」

 

「……それでも攻撃したのはうーちゃんだから。……弥生は怒って良いんだよ」

 

「………卯月、ごめん」

 

「……何で弥生が謝るの?」

 

「…弥生のせいで、卯月はまた苦しんでる。弥生がもっと強ければよかった」

 

「……違う……違うぴょん! どう考えてもうーちゃんが悪い! 弥生は悪くない!」

 

「卯月、落ち着け」

 

「…弥生は、まだ努力が足りなかった。弥生のせいで、ごめん」

 

「弥生は十分努力してる!! なんで自分を責めるの!? うーちゃんが悪いのになんで弥生が謝るの!?」

 

「おい、弥生は怪我人だぞ」

 

「だって!!」

 

「卯月!」

 

「……ごめんなさい」

 

「……………ごめん」

 

「っ……謝らないでよぉ……。もう、やめてよぉ……」

 

「…………」

 

「……これ以上、うーちゃんに優しくしないで……」

 

 

卯月は気づかないうちに流れていた涙を袖で拭い、ドックを後にした。

残された長門は何も言わない弥生の頭を撫でる。そうすると弥生の目からも涙が溢れ出した。

 

「……弥生、お前は強いぞ。私はお前の努力も知っている。だからという訳ではないが、あまり無理はするなよ」

 

「………は、い」

 

「見ての通り、卯月は今不安定だ。心にもない事を言ってしまう時もあるだろう。あまり気にしない事だ」

 

「…………」

 

「……私は卯月の様子を見てくるから、まずは傷を癒しなさい」

 

 

そう言うと長門は撫でている手を戻そうとしたが、弥生が手首を掴んで引き止めてきた。どうしたのかと目を向けると、小さい声で囁いてくる。

 

「………もう少しだけ、このままがいい、です」

 

「……ああ、いいぞ」

 

「………弥生は、悔しい、です」

 

「……」

 

「…また、卯月を泣かせてしまいました」

 

「……ああ」

 

 

 

 

 

 

「…………………最後にギュッてして、ほしい、です」

 

「……こうか?」

 

長門が両腕で包み込んでハグをすると、弥生の細い腕が背中に回された。

 

「…弥生は、もっと強くなります」

 

「そうか。でも無理はするなよ」

 

「…はい。…そして卯月と一緒に戦える様になって、そばに居たい、です」

 

「そうだな。私も出来る事は協力しよう」

 

「…もう大丈夫、です。…卯月のところに行ってあげて、ください」

 

「ああ、まかせろ」

 

 

 

 

 

長門は最後にまた弥生の頭を撫でてからドックを出た。すぐ近くには金剛が立っており、腕を組んで壁に寄りかかっていた。

 

「弥生はワタシにまかせるネ。まずは練度をカンストさせマス」

 

「……分かっていると思うが、無理はさせるなよ」

 

「大丈夫デス。でも多少無理した感覚がないと、納得しないと思うネ。そこら辺はうまくやるヨ」

 

「頼んだ。お前がいるなら弥生は取り敢えず大丈夫だな。問題は卯月か……」

 

「……無線で言っていたのは本当なのデスカ?」

 

「……ああ、精神的に追い詰められている。自沈したいと言われた時、私はかなりショックだったよ」

 

「それはワタシもデス。せっかく三日月が来てからは笑う様になっていたのニ……」

 

「今まで問題を根本的に解決出来ていなかったツケが回ってきた。秘書艦として不甲斐ない限りだ」

 

「それを言うなら補佐としてワタシも同じネ。……何か策はあるのデスカ?」

 

「そんなものはない。まずは少し話をしてみる」

 

「頼みマスヨ。……それにしても、どうやって卯月を止めたのデス?」

 

「なに、卯月が沈んだら私も沈んで後を追うと言ったんだ」

 

「Oh……事情を知らなければ、まるでBurning loveネ」

 

「本当にそれならどんなにいい事か」

 

「手を出したら憲兵に突き出しマス」

 

「前から言っているが、お前達は私を誤解している」

 

「でも駆逐艦を見て抱きしめたくなりますよネ?」

 

「……だ、誰だって可愛いものは抱きしめたくなるだろう」

 

「そのままTake outしたくなりますよネ?」

 

「…………」

 

「ドキドキしますよネ?」

 

「…………」

 

「駆逐艦loveですよネ? ロリコンですネ?」

 

「い、いやそんなことは」

 

「さっき弥生を抱きしめてほんの少し興奮しましたネ?」

 

「………わ、私は卯月の様子を見てこよう」

 

「質問に答えるデス」

 

 

 

 

 

 

 

 

私は自分の部屋に帰らないまま外のベンチに座って海を眺めていた。真っ暗な空には月すら出ておらず、海は全てを吸い込みそうな程暗くて深い闇に染まっている。近くにある鎮守府の設備灯のみがこの周辺を照らしていた。

 

頭を埋めるのは後悔と自分に対する怒りだ。

さっきは弥生に謝るはずが、怒鳴った上に酷いことを言ってしまった。今まで私は弥生の優しさに散々甘えてきたのに、“優しくしないで”なんてどの口が言えるのだ。

 

そもそも原因は私が暴走してしまう事にある。私は人に何かを言える立場ではないのだ。みんなに迷惑をかけているのは私なのだから。

 

 

ーーああ、本当に、海の底へ消えてしまいたい。

 

 

長門さんがあんな事言わなければ直ぐにでも沈んでいたのに。

でも、あんなことがすぐに言える長門さんはやはりカッコ良い。それに比べて私はなんてカッコ悪いのだろうか。

 

いや、もしかしたら普通の卯月なら意外とあんな風なことが言えるのかもしれない。やはり私は卯月ではないから言えないのだろうか。

 

そんなことを思っていたら、後ろから話しかけられた。

 

「卯月、寝ないのか?」

 

「……長門さん」

 

「寝ないなら少し話に付き合ってくれ」

 

「……いつから居たの?」

 

「今来たところだ。私も寝られなくてな」

 

「……」

 

「なあ、卯月。卯月は何か好きなものはあるか?」

 

「……いきなりどうしたぴょん?」

 

「何、特に意味はないさ。ちなみに私は可愛いものが好きだ」

 

「……可愛いもの? 意外ぴょん」

 

「そうだろう? この事は秘密にしてるんだ。卯月も誰かに言ったらダメだぞ」

 

「……なんでうーちゃんに教えてくれたの?」

 

「卯月に私の事をもっと知ってほしいと思ったからだ」

 

「……うーちゃん、本当に自分が好きなものは分からない。……嫌いなものはいっぱいあるけど」

 

「ほう。例えば?」

 

「うーちゃん」

 

「……他には?」

 

「戦うこと」

 

「なるほど。確かに戦う事は私もあまり好きじゃない。なら好きな人はいるか?」

 

「……みんな好きぴょん」

 

「ふふ、私もだよ。じゃあ誰が1番だ?」

 

「……そんなの決められないよ」

 

「……そうだな。私も決められないよ…」

 

「……でも、」

 

「?」

 

「1番好きな人が居たら結婚するんでしょ?」

 

「あ、ああ。お互いに好きなら結婚も良いんじゃないか。やはり卯月も女の子だな。結婚に憧れているのか」

 

「……結婚すると幸せになれるって聞いたぴょん」

 

「らしいな」

 

「なら、うーちゃんも辛く無くなって、変われるかもって思った事はあるよ」

 

「……そうか」

 

「でも、うーちゃんは結婚できない。うーちゃんを1番にしてくれる人はいないから」

 

「そんな事ないぞ。三日月なんて真っ先に卯月の名前を挙げるんじゃないか?」

 

「三日月はまだ着任したばかりだから、偶々近くにいるうーちゃんが大きく見えてるだけ。きっとすぐに離れて行くよ」

 

「お、おう。……駆逐艦はたまに子供か大人か分からなくなるな」

 

「何か言ったぴょん?」

 

「いいや、なんでもない。でも、そんなに卑屈になる事はないぞ。私が卯月を1番好きになる事もあり得るのだから」

 

「……嘘ぴょん」

 

「嘘じゃないさ。まだ1番は決められないが、私は卯月がかなり好きだ。このままだと直ぐに1番になるかもしれないな」

 

「……うーちゃんも長門さんは好き。でも1番かどうかは分からないよ」

 

「なら1番になれるよう努力するまでだ」

 

「……努力」

 

「ああ、努力だ」

 

「…………うぅ」

 

「う、卯月?」

 

「……うーちゃん、弥生の努力を無駄にしちゃった」

 

「な、何を言ってるんだ?」

 

「弥生はうーちゃんと戦うために強くなったって言ってた」

 

「……そうだな」

 

「でも、うーちゃんが、その努力を無駄にしちゃった」

 

「そんな事はないさ」

 

「……弥生は、うーちゃんのために努力したのに、……うーちゃんが無駄にしちゃったよぉ」

 

「……卯月、弥生の努力は無駄になっていない。弥生は強くなった」

 

「それでも! 弥生は優しいから、自分を責めてる! うーちゃんが悪いのに、自分を責めて傷ついてる! うーちゃんはそれが嫌なのにぃ!」

 

「…………卯月」

 

「それに弥生だけじゃない! もう、みんなに嫌な思いはして欲しくない! でもうーちゃんがいるとみんな辛い思いをする! こんなの、いつかみんな遠くに行っちゃうよぉ!」

 

「……」

 

「1人は、寂しいのは、……嫌だよぉ……」

 

 

 

 

 

 

 

泣き続ける卯月を、長門は優しく抱き寄せた。卯月の腕が私に縋り付くのを感じて、さらにギュッと力を込める。

 

 

結局、卯月は優しくて寂しがりなのだ。

 

だから、仲間に辛い思いをさせたくないがどうにも出来ず、いつか距離を置かれてしまうことに怯えている。

 

卯月と距離を置く人など少なくともこの鎮守府にはいないが、本人は不安なのだろう。

 

泣きじゃくる卯月を抱きしめて頭を撫でながら、長門は暗い空を見上げた。

卯月の不安を取り除く方法を考えるが、いい案は思い浮かばない。そもそもすぐに思いつくのならば既に実行している。

 

卯月が泣き疲れて寝てしまった後も、戻るのが遅いと不審に思った金剛が来るまで、長門はその場から動かずに考え続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……お姉ちゃん達、帰って来ませんでした」

 

「もう、心配なのは分かるけどちゃんと寝ないとダメにゃしぃ」

 

「うぅ、ごめんなさい……」

 

「今日の訓練で寝ちゃダメだよ? でも本当に辛かったら言うんだよ?」

 

「うん、睦月お姉ちゃん。私、がんばる」

 

「……み、三日月、あなた寝てたわよね?」

 

「いえ、静かにしてましたが………ちゃんと寝てましたよ」

 

「……起きてたの?」

 

「叢雲ちゃん、私は寝ていました」

 

「本当に寝てたのね?」

 

「は、はい。それはもう熟睡してました」

 

「……私は夜に卯月が来て少し話しをしたんだけど」

 

「えっ、そんなはずないです! 私ずっと起きてましたし、叢雲ちゃんも睦月お姉ちゃんと一緒に…………いえ、そうなんですね。私も起こしてくれれば良かったのに」

 

「誤魔化せてないのよ! 起きてたのね!? 見たのね!?」

 

「み、見てないです! コソコソ睦月お姉ちゃんの布団に入っていく叢雲ちゃんなんて見てないです!」

 

「あああー! なんで言うのよ!! しっかり見てんじゃない!!」

 

「まあまあ、今睦月は叢雲ちゃんのお姉さんだからね。一緒に寝てもおかしくないにゃ。それに明け方に出て行っちゃったから少し寒かったにゃしぃ」

 

「む、睦月も起きてたの!? 起床時間まで起きないって言ってたじゃない!」

 

「今日はたまたま起きたのです」

 

「もう! 嘘つき! 私だけコソコソしてバカみたいじゃない!」

 

「今日からは最初から堂々と来て良いからね」

 

「そ、そうですよ。良かったですね!」

 

「……三日月、あんた今日の訓練覚えてなさいよ」

 

「お、お姉ちゃん!」

 

「ちゃんと寝なかった罰にゃしぃ。自分でなんとかするのです」

 

「叢雲ちゃん、ごめんなさい!」

 

「…………はぁ、もういいわよ。それより2人とも戻ってないのは何かあったんじゃないの?」

 

「えっ! そうなんですか!?」

 

「うーん。どこまで行ったのか分からないから何とも言えにゃしぃ。加賀さん達なら知ってるはずだから聞きに行くにゃ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……弥生が大破、ですか」

 

「加賀さん、弥生お姉ちゃんは大丈夫なんですか!?」

 

「ええ、無事よ。ちょうど知らせに行こうとしてたから来てくれて助かったわ」

 

「私はただの付き添いよ。それで、弥生はまだドックなの?」

 

「ええ。意識はありますし、修復もすぐに終わります。ずっと金剛が付いているから大丈夫よ」

 

「はぁぁぁ。良かったにゃ……」

 

「三日月、ドックへ行くわよ。ちゃんと自分の目で確認したいでしょ?」

 

「はい。……叢雲ちゃん、ありがとう……」

 

「しっかりしなさい。貴方の姉のことでしょう」

 

「今は叢雲ちゃんも私達の姉妹にゃ」

 

「………………そ、そうね。……それで、卯月は無事なんでしょ? どこで何してるの?」

 

「貴方いつから睦月型に…………彼女は長門の部屋にいるわ」

 

「長門さん? なんで?」

 

「……その、言いづらいのだけれど……、弥生を大破させたのは卯月なのよ……」

 

「えっ!? 卯月が大破させたの!?」

 

「卯月お姉ちゃんが!?」

 

「……それで、かなり不安定な状態になってしまって……。今は長門が付きっ切りで様子を見てるわ」

 

「……その、卯月はどんな感じでしたか?」

 

「私も話したわけじゃないのよ。でも少し見た限りだと…………なんだか昔に戻ったみたいな印象だったわ」

 

「昔って……」

 

「卯月お姉ちゃん……」

 

「……そう、ですか。……加賀さん、ありがとうにゃしぃ。まずは弥生の様子を見てくるにゃ」

 

「ええ、行ってあげなさい」

 

「2人とも、行くにゃしぃ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、加賀さん居た。もうあの子達見つけた?こっちには居なかったんだけど」

 

「ええ、瑞鶴。ちょうど今見つけて話したわ」

 

「そっか。……何というかさ、昨日私達も出撃すれば良かったのかな」

 

「そうしたら、私達の護衛もしないといけないから更に被害は大きくなったでしょうね」

 

「……そう、だよね……」

 

「瑞鶴、気持ちは分かります。でも私達は最善の選択をしました。だからこれ以上貴方が気に病む必要はありません」

 

「……うん」

 

「もう、しっかりなさい。いつもの元気はどうしたの?」

 

「……そうよね。私らしくなかったわ。加賀さん、もう大丈夫よ」

 

「そう。……それと相談があるのだけれど」

 

「なに?」

 

「私も翔鶴型になろうと思うの」

 

「加賀さん!! しっかりして!!」

 

 

 

 

 

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