女性指揮官と戦術人形達のかしましおぺれーしょん【完結】   作:笹の船

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UMP45と女性指揮官の甘ったるい朝のひと時です。

R17.5に片足突っ込んでいるかもしれない


アナタといたくてサボタージュ

 メインシステムがスリープモードから、通常稼働モードへと移行する。

 それに伴って目を開くと、目の前には愛しい人の寝顔があった。

 黒い髪が、不健康だと思わせない程度に白い肌の上を流れている。

 穏やかな寝息を立て眠る彼女こそ、戦術人形UMP45である私の今の雇い主であり、そして何よりも大切なパートナーでもある、シーラ=コリンズだ。

 愛おしいその寝顔を見るのはとても幸せなことではあるけれど、どうしてこんな状況になっているんだっけ。

 

「ええと……」

 

 目を閉じて、昨晩一体どういう状況だったのか記憶領域を探ってみる。

 普段ならシーラは自室で、私は404小隊に割り当てられた宿舎で休息をとっている。

 しかし、今私はシーラの自室で、それも彼女と同じベッドの上にいる。

 

「ッ……あぁ……」

 

 記憶領域の検索が終わるよりも先に、目の前で眠るシーラの姿が裸であることに気づいた。

 はっとして自分の姿を確認してみる。裸だ。

 ついでに言えば、ベッドシーツは腰のあたりがほんのりと湿っている。これだけの情報がそろったのなら、結論を導くのは容易だった。

 どうやら、昨晩はお互いに乱れていたらしい。このところご無沙汰だったし、シーラも私も大分飲んでいたみたいだから、羽目を外していたみたいだ。

 

「んぅ……よんごぉ? おはよ……」

 

 私が動いたことに気づいて目が覚めたのか、シーラが私を見て微笑んでいた。

 

「ん、おはよう。シーラ」

 

 シーラがもぞもぞと動く。起きるのか、と思いきや唐突に私の腰に手が回された。

 

「シーラ?」

「んへへ……よんごぉ、温かいなぁ」

 

 そう言ってにへらと笑いながら、彼女は私に抱き着いてきた。

 私を温かいというけれど、シーラだって十分に温かい。

 加えて言うなら、程よく引き締まった体に、女性らしい柔らかさを兼ね備えた彼女の体の感触は、抱き着かれる私にも一種の安心感を抱かせてくれた。

 私と比べて明らかに大きく、柔らかい一部分が押し付けられることには、ほんのちょっぴりだけ羨ましく思った。どことは言わないけれど。

 

「んふふ……よんごぉ……」

「なぁに?」

 

 私に抱き着いて幸せそうに笑うシーラを抱きしめ返して、彼女の頭をそっと撫でる。私の胸元に顔をうずめた彼女の吐息が、ほんの少しだけくすぐったい。

 普段のシーラはどちらかといえばしっかり者枠で、指揮官らしく曲者ぞろいの戦術人形をまとめている。たまに悪ふざけが過ぎるときもあるけれど、それはまあ、ご愛嬌だろう。

 けれど、私とこうして二人きりになった時、時折こうして甘えん坊になる。

 いつもの明るい、それでいて凛々しさがどこか感じられるような笑顔ではなく、安心しきった子供のような笑顔を浮かべて甘えてくるのだ。

 誰も知らない、私だけが知っているシーラの顔。私だけが知っている、という事実がどうしようもなく、私の感情を揺さぶる。

 誰にも知られたくない。こんなシーラは私だけが知っていればいい。

 そんな独占欲が、私の中に湧き上がってくる。

 

「ねえ、よんごぉ」

 

 腕の中のシーラが私を見上げていた。……なんか、悪い顔してる。

 

「今何を考えていたか、当ててあげようか?」

 

 意地悪でもしてやろうか、と言わんばかりのニヤニヤした笑みを浮かべたシーラから、すっと視線を逸らす。

 こういうシーラをまともに相手取って、勝てたためしがないもの。

 

「シーラ、人の心を読むのはプライバシーの侵害だと思うの」

 

 あえて唇を尖らせながらそう言うけれど、シーラはニヤニヤした笑みを崩さない。

 

「んふふ……私のこと独り占めしたいって思ってたでしょ」

 

 図星だ。何故分かるのだろう。

 けれどそれを認めるのは癪だから、逆に挑発するように唇の端を吊り上げる。

 

「さぁ? どうかしら」

 

 そう言って、シーラの額にキスをする。そろそろ仕事の準備をしよう。あんまりのんびりしていると遅刻してしまいそうだし。

 そう思って体を起こそうとして、できなかった。

 

「……シーラ、離してくれる?」

 

 私の腕にシーラが抱き着いていた。彼女の顔を見れば、不満そうに唇を尖らせている。

 

「ねえ、よんごぉ。今日はお休みよ」

 

 甘えるようなシーラの声とその表情に、ベッドから降りようという意思がどんどん萎えていくのが分かった。というか、今日は非番だったっけ。シーラはともかく、私は非番じゃなかった気がするけれど。

 まあ、いいか。こんなシーラを見られるのは私だけだし、こういうときだけだ。

 それに私はこのところ頑張っていた。今日くらいサボタージュしたっていいはず。

 416あたりにはあとで小言をもらうかもだけど、シーラと一緒にいられるんだったらそのくらい全然安い。

 

「じゃあ、もうちょっと一緒に寝よっか」

 

 そう微笑んで、私は再び掛布団にもぐりこんだ。

 ああ、温かい。ずうっと、この温もりの中でゆったり出来たらいいのにな。

 そんなことを思いながら、私はシーラに抱き着いた。




45姉は惚れた人には絶対甘いし依存するタイプだと思う(異論は認める)

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